最近は主に2名の心が壊れてるせいで文章が読みにくい回もありますが、今年も本作をよろしくお願いします。
どこなんだろ、ここ。なんだかさむくて、いたくて、とってもくるしいきがする。
「ひぃぃ、ばっ、化け物ぉ!?」
うるさい、うるさいうるさい。あ、ここどこなんだっけ。ていうか、わたしたちはだれだっけ。
「クソッ、女子供は逃げろ!」
にげろ? なにからだろ、わたしたちもそっちにいけばいいの? そうだね、あぶないもんね。
「チッ、お前はこっちだ化け物......喰らえやッ!」
いたい、いたいよ。わたしはこっち? あ、わかったぁ。これはあそびなんだぁ、どっじぼーるとかひさびさだなぁ。
「カハッ......は、魔法少女が来るまでッ......」
ぼーる、あたっちゃったね。おなかいたそうだけどだいじょうぶ? いまらくにしてあげるねぇ。
「嘘、だろ......光ッ! 空ちゃんッ! その姿は.......」
「馬鹿野郎、怪物の前で立ち止まるな!」
あれ、おじさんたちもいっしょにあそんでくれるの? あはは、たのしいなぁ!
ぼーるをなげて、それがおじさんのむねにあたる。なにかをいいながら、おじさんはたおれる。
あれれ、きゃっちへただなぁ。おとうさんならとれるのに......おとうさん? おとう、おとうさん?
まぁいいや、おにごっこのつづきだよね。みんなはどこにいるのかなぁ?
「あっぁ......嘘、でしょ......!?」
あは、みぃつけた。み〜んなここにいるけど、かたまってたらいっせいにつかまえちゃうよ。
「お願い、待っ......ぁ」
はい、つ〜かまえたぁ。だめだよぉ、つぎやるときはちゃんとかくれんぼしようねぇ?
「ひか......り......」
かくれんぼ、むかしにお母さんとやったなぁ......おかあさん? おかあ、おかあ......さん?
「ぁ、ぁあぁ、ぁ?」
お父さんも、お母さんも、近所に住んでいたみんなも。まとめて私の前で倒れている。大小問わずその身体を細切れにされて、ダラダラと赫に埋もれている。
辺りの騒音はいつの間にか消えていて、この場にいるのは私と物言わぬ死体の山。不気味なまでの静かさだけが、此処にあった。
「ぉ゛、ぁ......ぉぼっ゛......!?」
そうだ、思い出した。私と空ちゃんはあの後、眼鏡をかけた怪人に改造されて......じゃあ、まさか。
ロボットみたいに首を下に向ければ見えるのは、不恰好に縫い付けられた私と空ちゃんの体。不可思議なのに、その歪みが世界の正常になっている感覚。
そして意識のない間に私が
「ぉ゛.....ぁ──ッ!?」
抑えられていた感情が、戻って来る。中身など入っていない胃が反射的に収縮し、嘔吐を引き起こした。
僅かな吐瀉物、胃液が口から溢れ出す。胃液が喉を焼くような不快感......それが何よりも現実を突き付けてきていて、鮮烈な光景が目に焼き付いていく。
私が殺した、私が壊した、私が殺した、私が──ふざけるなフザケルナ巫山戯るなふざけるなフザケルナ巫山戯るな。それじゃあまるで、まるで私が。
「ぉ゛ぇ゛っ......なん、で」
私が、殺したのか。少しウザいけれど、誰よりも家族のことを考えているお父さん。時々怖いこともあるけれど、とっても優しいお母さん......大好きだった二人を私が、この手で殺した?
「ぁ......あっ......あ、ぁ」
魔法少女としての始まりは、みんなを守りたかったからだ。私の周りの日常を、自分に力があったから守る──でもその想いが......この結果を招いた。他ならぬ私が、壊した。
私が思うよりも、世界は悪意に満ちていて。誰かの気紛れが、蝶の羽ばたきのように悪意を動かした。
「なにが、魔法少女、だ......ごんなの、ぉ゛ぇっ......」
人を助ける魔法少女? とんでもない。人に過ぎた力を使う獣など......『怪物』と呼ばずしてなんと呼ぶ?
「ごんなの゛ッ......な゛んっ......ぁ゛ぇっ......」
嗚咽混じりの声が、虚空へ響き渡る。ただの少女だった彼女には過ぎた感情の渦が、精神を蝕む。
魔法少女スターライト/星空光
・親殺しのトロフィーを獲得
・泣きっ面にガトリング砲くらいの虐め
・幸か不幸か、魂に多大な衝撃を受けたために自我を取り戻した