TS魔法少女イッチと掲示板と人外系美少女   作:餅持

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Q.何故こんなに投稿が空いたんですか?
A.炎炎を履修していたからです、申し訳ない()

次こそはもっと早く投稿したいなぁ(白目)


回想と扇動と蹂躙と異物

 

『わ、ぁ〜!』

 

『おっ、◾️は魔法少女に興味があるのか!』

 

『んっ!』

 

 

 夢は夢のままでいいと、私がそう思ったのは何歳の頃だっただろうか。物心つかぬ頃にテレビで見た魔法少女、その煌めきが始まりだったのは覚えている。

 

 魔法少女になる為の適正検査を受けて、晴れて変身を遂げたのが小学生の終わり頃だった。その頃の私にはまだ両親がいて、笑顔が絶えることは無かった。

 

 

『パパとママが、亡くなった......?』

 

『嘘だ、だってさっきまで、さ......?』

 

『は......はは、は』

 

 

 転機となったのはそれから少し経ったある頃、両親が亡くなった。原因は通り魔による無差別殺人、他にも数人が犠牲になったらしい。その日の私は一緒でなかった為に難を逃れたが、残された心には穴が空く。

 

 かつて家族で過ごした家を引き払い、協会の寮生活が始まってもその実感は沸かなかった。ただひたすらに、割り振られる協会の仕事をこなしていく日々。

 

 身体は動いても、徐々に心は錆びついていく。大きくなる民衆の心配の声(表面上の心配)に応えて活動をするが、同時に膨れ上がる虚無感が頭を蝕んでいく。

 

 疲れて怠惰に身を投げようとしても、私を取り囲む環境が許さない。頑張ることに疲れた人に対して頑張れと言うのは、果たして優しさなのか悪意なのか。

 

 

『私は星◾️光! これからよろしくね、◾️ちゃん!』

 

 

 うるさい、うるさい、黙れ、私の前で喋るな、笑顔を向けるな、やめろ、私の頭の中で声を響かせるな。私の前で、バカな希望を持たせるな。

 

 ああ……何がこれからだ、何がよろしくだ? お前も破滅を許さないのが優しさだと言うなら、纏めて全部壊れてしまえば良かったんだ。

 

 

 ▼

 

 

 降り止む気配のない大雨が、青い筈の空を灰色へと染め上げている。外を見渡すだけでも憂鬱な空模様が目に入るが、目の前の動画はそれ以上に……キツい。

 

 

『そもそも自己意識が未発達な少女達に、簡単に街を壊せるような異能が宿るなんて……異常な話だ!』

 

『我々はもう傍観者ではない!』『今こそ立ち上がる時だ!』『平然と人を殺すような怪物達に裁きを!』『これ以上悪を蔓延らせるな!』

 

『我々が何もしないで悪事に加担する政府に代わり、この秩序なき怪物達の支配を終わらせる!』

 

 

 約三分の動画を片手間に見終わったボクは、片手間に出来上がったカップ麺のお湯を捨てる為に調理場へ向かう。いや本当に……何なのさこれ????

 

 悪戯にしては時期が悪く、本気にしては出鱈目にしか聞こえない。これを見た多くの者は半目で嘲笑うだけだろう……それが、平時であればの話だが。

 

 

「所詮民衆なんぞ、声の大きさに流されやすいってところかな……ははっ、素人にしてはやるじゃん」

 

「ふーん、ナナシが気にするほどなの?」

 

 

 水切りの後ろでイナが疑問を発するのも、無理はない。何せこれは既に政府の介入で削除された動画の一つであって、その内容もシンプルな演説に過ぎない。

 

 異能を悪と断じた上で、排斥する。普段ならそんな暴論はネットの海に消えていくだけだが……今の民衆が求めている物は、まさにそれだ。

 

 

「好き勝手に暴れる魔法少女を憎む、そんな土壌は私達の手で出来上がってたってワケだから──この状況に、上手くタダ乗りした命知らずがいるってこと」

 

 

 つまり私達が燃やした火種に、大袈裟に燃料をぶち撒けて煽っているのが『魔法少女狩り』だ。その勢いは次第に過熱し、数日おきにネットに上がる動画は投稿と削除のデットヒートが繰り広げられている。

 

 何が目的かは知らないが……この状況を上手く買い叩かれたな。火事場泥棒とまでは言わないが、勝手に盤上の駒が動き出すのは困る。

 

 

「それで、そんな奴らをどうするのさ?」

 

「決まってんじゃん、出る杭はボク達が叩くんだよ」

 

 

 協会が奇妙なくらい静かなのが懸念点だが……今は静観していてもつまらない。実際暇だというのもあるし、無為に時間を溶かすよりは良いだろう。

 

 

 ▼

 

 

 その怪物は、自分の目前で起きた惨劇を静かに眺めていた。雨に濡れる街が、更なる破壊の爪痕を刻まれていく中で、ただ静観を続けるそれは、不気味としか言いようがない。

 

 惨劇を起こした怪物達は互いを見つめ、激突の度に夥しい量の魔力を散らす。積み重なるのが瓦礫の山だけなのは、不幸中の幸いか……焼け石に水か。

 

 

「息が上がってるね? その程度で倒せると思われてたなら心外だなぁ、私はまだ遊んでいるだけだよ?」

 

「まだまだ……ッ!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 状況は、拮抗した勝負には程遠い。魔力で生成した刃を振るうスターライトは消耗が激しいが、添元は涼しい顔で攻撃を防ぐ。両者の間には、覆せない力量差があるのは、誰が見ても明らかだ。

 

 スターライトの放つ水の斬撃が、1秒前まで添元が存在した空間を撫で斬りにする。どれだけ頑丈な魔法少女と言えども、魔力の込められた攻撃は命中すれば必ずダメージは受ける……命中すれば、の話だが。

 

 

「消え──うッ、ぐ……!?」

 

「魔力の使い方が下手すぎ。それがブルースカイちゃんの魔法ってのは分かるけどさぁ……正義のヒーローさんはそうやって、お友達の遺志でも継いだつもりかよォ!?」

 

「あ、がッ──!」

 

 

 刹那の間にスターライトの背後を取った添元の魔の手が、敵の喉元を捉える。魔力で強化した腕で喉を締められるそれは、瞬く間に形勢を決定付けた。

 

 スターライトは、自分の目の前で起きた現象を脳内で処理していた。刃を振るった先にいたはずの添元が視界から消え、背後から攻撃されている……

 

 その事実は、戦いで沸騰しそうなスターライトの頭を冷静にさせる。あの回避──瞬間移動のようなそれは、身体能力の範疇ではない。ネタは何か、答えは単純なもので。

 

 

「まほ、う──ッ」

 

「今までの攻撃よりはマシかな? 私に魔法を使わせたのは褒めてあげるけど……ネタの大半が割れたお前と、未だ無傷の私。ああ本当……殺すと息巻いてた割に弱いんだよお前はァ!」

 

 

 しかし敵のネタを察するには、あまりに時間を使いすぎた。魔力を纏った腕に締め上げられた首が、鈍い音を発して、スターライトの意識が闇に呑まれる。

 

 絶対的なまでの、力の差。終わってみれば呆気ないもので、添元からすれば作業でしかない。

 

 

「あーやべ、力入れすぎた……まぁ死にはしないだろうし良いか。計画の為にもまだ殺すワケにはいかないし──お前程度の雑魚、今は泳がせてやるよ」

 

 

 意識を手放したスターライトにそう言い放った添元は、次の瞬間には夢か幻のように姿を消した。そうしてこの場に残ったのは瓦礫に溢れた街と、ボロ雑巾のように転がる少女……そして、第三の異物。

 

 添元はスターライトが自分を誘い出した理由を、己の手で吐かせるべきだった。それが無理ならば、確実にその息の根を止めるべきだった。しかし現実にそれは起きず……細い動線に、何かが繋がった。

 

 

「縺ゅ≠繧。縺∽コ應コ槫服縺ゅぃ繧「縺……」

 

 

 身体が雨に濡れながらも、戦いを俯瞰していた怪物の手がスターライトに這い寄る。その手が掴むのは果たして、少女か、怪物か。

 





ナナシ&イナ
・魔法少女狩りの襲撃を計画
・2人して動画にはドン引き
・次回、襲撃開始

スターライト
・実は理性を取り戻したせいで弱体化している
・被弾も気にせず攻撃すれば良いのに……
・それでも力量差は埋められない模様

添元
・蓋を開ければ圧勝ではある
・今回は割とゴリラ戦法
・詰めが甘い(n敗)

???
・2人の戦いを眺めていた異物
・魔力を遮断するくらいの知性はある
・一体誰なんだ……()
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