リナの星間貿易異聞録 第二期   作:ayasaki

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キングダムラッシュも6が出るそうな。


ロシア出発前

「さて行先はロシアのモスクワに設定したぞ。

 ……リナ、準備は出来ているか?」

 今、私とガレナさんはいつものワープ部屋にいる。

「はいガレナさん。

 輸出品も私自身も問題ありません」

 この会話もいつもの通りだ。だけど、

「その顔で準備は出来ているとは言えんぞ」

 私の気持ちはフェルとのことで切り替え切れていなかった。

「まあ、私としても予想できていたことではあったんだが、ある意味安心したよ」

「安心……ですか?」

 フェルの事はガレナさんにも伝えているから、問題ないはずなんだけど。

「ああ、何だかんだでお前もまだまだ子供の面がいっぱいなんだということにな」

「どういう意味ですか?」

「心の切り替え方が未熟なところだな。

 対人関係・社会経験等で失敗を重ねていって、それに慣れていくと気持ちの切替が時間をおかずに出来るようになってくるんだよ」

 そう言われると私としては確かに経験が薄い自覚はある。

「だがそれが悪いわけじゃない。

 切り替えれるというだけで、こっちにはずっと残り続けるんだからな」

 その言葉を紡ぎながらガレナさんは自分の胸に手のひらを当てる。

「こればっかりはどんなに文明が進もうと、人間である以上あり続けるものだ。

 感情。

 振り回され、抑えつけようとしたり、忘れようとしても、結局は自分が自分である以上、付き合い続ける自己でもある。

 だが、だからこそ成長していく切っ掛けともなる。

 素直に言わせてもらうと、私としては少し羨ましいのさ」

 そう言うガレナさんの顔は少しもどかしさがあるようにも見える。

「羨ましいというのはよく分からないんですけど」

 私からすればガレナさんは凄く頼れる人で、何でも解決できるようなスーパーマンみたいなのだが。

「まあ贅沢な悩みということさ。

 リナ、私とお前の初めての出会いを覚えているか?」

「あ、はい」

「ある意味、私もサニアと似たような境遇でもあったのさ。

 自分の興味あるものを研究したいという気持ちはあった。

 しかし、そこまで惹かれるものが無かった。

 お前のことも最初は変なやつという認識だったよ」

「……あ~最初はそうでしたね」

 地球人の晩餐にでもならないようになという事も言ってたし。

「あの時はあくまでも仕事として頼まれたのと、半分は気まぐれでもあった。

 送った後もリナの事をあまり気に留めていなかったが、帰還が遅れれば確認するか程度だったよ」

 まあ、私としても地球ばかり気になっててガレナさんの事を考えたりしてなかったなあ。

「ところが帰ってきたお前は行く前と比べるべくもないほど、活力に満ち溢れていた。

 この時点で私の予想と外れていたことで興味を抱いたのさ。

 正直なところ、地球人の野蛮さや文明の低さで負の感情を持って帰ってくるか?

 はたまた行く前の興味はあっさり失せて、すぐに上層部に謝罪しに行くとかな」

 うーん、マルデアからの感覚からすれば否定できない。

「そして二回目の訪問も楽しそうに出発するだけでなく、帰ってきたらスウィッツを持ち帰ってきたことで、本当の意味で興味が湧いてきた」

「あの時にガレナさんが興味が湧いてくれたからこそ、今があります。

 でもゲームで失敗した時の表情は面白かったですけど」

 思い出してみると、普段は冷静なガレナさんが分かりやすい感情を出してくれていたなあ。

「そういう事さ。

 ゲームをすることで思いもよらない気持ちが突然飛び出してきたような感覚だったんだ。

 そこからお前の手伝いをしていけばいくほど、考えもしなかった経験が出来るようになり、同時に様々な対人関係もついて回ることとなった」

「私はあの時にガレナさんがいなかったら、会社どころか販売自体どうすればいいかでした」

「ははは、お前の積極性と行動力なら、私がいなかったとしても何とかなっていたさ。

 ただ、それが早いか遅いか程度のものだろう。

 実際、飛び込み営業を何百件もこなすなんて、普通に凄いことをしてるんだが自覚していないだろうなあお前は」

「え、え~と」

 いやスウィッツを広めるためだし、実際そうするしか道はなかったと思うんですが。

「だからこそな」

 そこでガレナさんが一呼吸を置く。

「身内として考えれるものからの言葉にはまだ慣れていないんだろう」

 そしてガレナさんの表情を見れば、少し言いずらそうにも、そして困ったように顔をしかめている。

「日常の中で何気なく当たり前のように過ごしていくからこそ、遠慮なく言い合えると思っているからこそ、お互いがお互いの為にと思うからこその言葉は深く心に刻まれる。

 リナ。

 何だかんだでお前はフェルを大事にしようとしているよ。

 だが同時にあのフェルもフェルなりにお前を想っていることは間違いないさ。

 実際、私から見れば最初のフェルと今のフェルじゃ全然違うぞ。

 だからこそ、どこかでお前は子供の喧嘩みたいになってると思ってるかもしれないが、私から見れば大事な過程に差し掛かっていると思えるからこそ、こうやって伝えている」

 そう語りかけるガレナさん。

 先ほどと比べれば優しい目に変わっている感じがする。

「リナ。

 安心しろ、これでお前とフェルの仲が悪くなるなんて私は思っちゃいないさ。

 そういう風に喧嘩みたいになるのも、若い時の大事な経験なんだ。

 大人になればなるほど本当の意味での喧嘩は一生涯尾を引く可能性があるんだからな」

 そう言いながらガレナさんは私の頭をポンポンと撫でるように触ってくれる。

 そんなに大きくない手だけど、とても暖かくて柔らかい。

「だからな。

 帰ってきたら改めてフェルと話してみたらいい。

 それが繋がりってやつなんだから」

 あ~、もうガレナさんには敵わないなあ。

「分かりました。

 帰ったらもう一度フェルと話してみます」

「うん、それなら私も安心したよ。

 ただ一個だけ言わせてくれ」

「何でしょうか?」

「それでもフェルがついていくと言った時は……連れて行ってやれ」

「迷惑になるのにですか?」

「ああ、フェルにとってもお前にとっても大事になるよ」

「……分かりました」

 少し戸惑ったけど私はガレナさんの言葉を信じることにした。

「よし、ならこれで話は終わりだ。

 さあロシアへ行ってこい」

「はい!」

 先ほど前の話は終わって、ロシア訪問に切り替わる。

 だけど、話す前と比べれば私の気持ちは軽くなったことを実感する。

「それじゃあ行ってきます!」

 こうして、私はワープして地球へ向かうのであった。




ファイアーエムブレム新作もそろそろ新情報や発売日知りたいですね。
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