ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界(完) 作:EKAWARI
あらすじにも載せている通りこの作品は「ここだけマダラが、柱間との戦いの際にイザナギ失敗して、そのまま死亡して、未来の木の葉隠れの里に転生し>>5(※アスマ)と大親友になった世界。前世の記憶が戻るのは、>>10(※お色気の術で鼻血を出した)がきっかけで戻った。尚、年齢は>>5(※アスマ)と同年齢とする」スレに投下したSSの加筆修正版となっております。
故にこの小説の設定の大半は自分が考えたわけではない事をご了承の上お楽しみ下さい。(スレ主公認)
とりあえず元版より1,5倍くらいに文量は増えてます。
オレの名はうちはゴガク、木ノ葉隠れの里の忍びだ。
幼い頃から天才忍者の呼び声高く、あのうちはマダラの再来じゃないかと言われながら育ったオレは、13歳の時に第三次忍界大戦で敵の罠にかかり、兄達と父を目の前で一斉に亡くした。
……守れると驕っていたのだろう、その結果がこの様だ。
そんな自分への失意と絶望、敵への怒りから万華鏡写輪眼に目覚めたオレは、そのまま敵を皆殺しにして一人だけ生き延びた。
万華鏡写輪眼の開眼者など、うちはの長い歴史でもそう多くいるものではない。それを思えば、オレは確かに才能がある方だったのだろう。だが、この力に目覚めたのは父や兄達を失ってからだ。
だから開眼して尚憎しみは薄れず、何故あの時この力がなかったのかと自分を呪ったものだ。
あの時の憎しみと悲しみ、強い怒りと絶望感はよく覚えている。
どうしてオレだけが生き延びたのか、と虚しささえ感じたものだ。
だが里に辿り着いたオレを出迎えてくれた従兄のフガクの「よく帰ってきてくれた」という声や、その嫁であるミコトの「ゴガクくんだけでも無事で良かった」と涙ぐむ姿、それに
「ゴガク!」
オレがいた部隊が一体どうなったのか、話を聞いてたのだろう、三代目火影の息子たる男がオレを抱きしめながら放った「お前が無事で本当に良かった」との言葉と体温に、つい涙腺が緩む。
猿飛アスマ……アカデミー時代からのオレの親友だ。
……そうだオレには彼らがいる。
家族も友もまだオレには残されているじゃないか。
そう思うと父や兄達を一斉に失ったときに覚えた絶望感など、どこかに飛んでいってしまった。
「嗚呼、ただいま」
優しかった二人の兄と父の死に顔は今でもオレの眼には鮮明に浮かぶ。
それでも残された彼らを……オレの親友と新たな家族を、死んだ家族と同じ眼にあわせるものかと。それこそがオレの生き甲斐となった。
そうして第三次忍界大戦は終結した。
第三忍界大戦が終結してから約15年、とうに大人となったオレは今年から下忍達を受け持つ上忍師に二度目の就任をする予定だ。なんとアスマやカカシも受け持つ学年は一緒らしい。
アスマは次代の猪鹿蝶トリオを担当し、カカシの奴はフガクのとこの末の息子であるサスケや、あのいたずら者で有名な四代目の砂利が担当に含まれているらしい。全く、災難な奴だ。
おいおい、顔岩に落書きしてるぞあの砂利。
オレはなんとなく楽しい気分となり、ニヤニヤと見物していた。特に初代や二代目の顔岩がアホづらにされているのを見ると、なんでか心がスカッとするのはどうしてだろうな?
別に恨みも何もない筈なんだが。
「こらナルト!!」
「へへっーん」
ベェと舌を出しながら問題の砂利とアカデミー教師が里の中を駆ける。
そして金髪の砂利はオレの前をよぎった時に印を組み、その術を発動した。
「お色気の術!!」
ボン。
次の瞬間、目の前で砂利が金髪をツインテールにした全裸の美女に変わる。それを見た瞬間オレはブーと鼻血を吹き出し、それと同時にオレの脳内には突然、知らない奴の記憶が怒濤のように流れ込んできた。
戦で次々に死んでいく弟達と、願掛けで行っていた水切り。川辺で出会った同い年くらいの似たような望みを抱いていた子供。互いに切磋琢磨した短くも楽しかった日々。そして互いの事が家にバレ、決別して写輪眼を開眼した日。やがて互いに族長となり争い続けた日々になんとしても守ると誓った最後の弟が死んだ日。柱間と里を興し、オレが木ノ葉隠れと名付け二人で穏やかに語ったあの日に、石碑に救いを見出し……九尾を連れて里を襲撃した事。かつての友であり、怨敵でもある男に殺された記憶。
まるで嵐の中に放り込まれたようだ。
ぐわんぐわんと頭が揺れる。
「おい、ゴガク? しっかりしろ!」
「……あ? 何がだ?」
人一人分の記憶が一気に押し入った事により、酔いそうになりながらもそれでもオレはなんとか、何もないフリをし自宅に向けて足を進める。アスマは酷く心配そうな顔をしているが、今何かを聞かれてもオレは何も答えれねェんだから、それ以外にすることもない。
オレは出来るだけいつも通りの笑みをニィと浮かべ、オレの身を案じている友に言葉をかける。
「なんでもねェよ。ちょっとフラついただけだ。そんな心配すんなって。オレは一人でも帰れる」
「いやなんでもねェってツラじゃねェぞ!? 何か悪いものでも食ったんじゃねェのか!?」
……心配されるのは悪い気分でもねェが、今は正直放っておいて欲しいんだがなァ。
それでも家に送ると主張するアスマをなんでもないと振り払い、オレは自宅に辿り着き、ふらりと自室の布団に倒れ込んでから、先ほど流れ込んできた記憶を思い起こして結論する。
あれは……あの時流れ込んできた記憶はどれもうちはゴガクの人生では知らないものだ。
だが、あれは確実に『オレ』の記憶だという確信がある。
矛盾しているようだがつまり……。
(マダラの再来…? 再来どころかオレがマダラじゃねえか)
おいおい、勘弁してくれ。
結論を言えばオレがうちはマダラだった。正確にはその生まれ変わりだが。
それがある男の一生の記憶を受け止めたオレの結論だった。
―――うちはマダラ。
その名を知らない木ノ葉隠れの忍びは、モグリと言える。
その男は今から約七十年前の戦国乱世において、かつてうちは最強を誇った族長であり、この木の葉隠れの里を、初代火影・千手柱間と共に創設した片割れであり……そして木の葉を裏切り、九尾を引き連れて里を襲撃した最悪の犯罪者とされる人物の名前である。
未だにマダラの名前は恐怖の代名詞だ。
うちはの歴史では万華鏡写輪眼を開眼し、永遠の万華鏡写輪眼を得るために実の弟の目を奪った冷酷な人物であると伝えられていた。
……どうもオレの中に蘇った記憶によると違うようだが。
マダラはかつて戦国乱世において、唯一忍びの神と謳われた千手柱間と並び立てた男だ。
とはいえそれは柱間と戦いになったというだけで実力差があったのも事実で、それ故かつて同格と見なされた千手とうちはの拮抗は崩れ、うちはからは離反者が続出した。
誰の目から見ても……勿論マダラ自身から見ても柱間の方が格上であったのだから、ある意味当然だったと思う。弱いトップに一体誰がついていくというのか。
……言い訳にはなるが別にマダラが弱かったわけではない。ただ千手柱間が桁違いに強かっただけだ。
だがそんなことは下のものにとっては関係がない。マダラは彼らにとっては頼りになる族長ではなかった、それだけの話だ。
そうしてマダラは徐々に信望も一族に対する影響力も失っていった。
とどめを刺した事件がマダラの弟たるうちはイズナの死だ。
彼は後に二代目火影となる千手扉間に斬られ死の淵を彷徨い、兄たるマダラに自ら眼を差しだしたのだ。どうか一族を守って欲しいとそう願いを託して。
マダラは一騎打ちを挑み、柱間と一昼夜戦い、敗れ、かつての友に討たれる事を望んだ。
だが柱間はマダラの予想よりずっと大馬鹿者で、弟を殺すか自害しろとの言葉に迷うことなく自分の命を捧げることを選んだのだ。
子供の頃共に夢見た絵空事のような夢を、ずっと大事に抱え込んでいたのだ。本当に馬鹿だった。
だから止めた。
けれどマダラに残された現実は厳しかった。柱間は夢が叶ったと浮かれているが……そもそもマダラが里を欲したのは自身に唯一残された弟を守ってやりたかったからだ。
その弟はもういない。
そして誰も一族のものはマダラを信用していない。
弟の遺言を守ることすら出来ない。
マダラは孤独だった。
だから石碑を解読し自分の使命を得て嬉しかったのだ。
これで世界を救える、真の平和を与えることが出来ると。
此の世が余興と思えば、苦しみからも解放された。
例え敵わなかったとしても、それでも柱間と殺し合う事は、奴との戦いはマダラにとっても楽しい事だった。
平和をずっと求めていたけれど、悲しいかなマダラはそういう忍びだった。
強者との衝突こそが最も心躍る、そういう人間だった。戦いを愛していた。
マダラの手元には何も残っていなかった。
マダラにとって此の世は地獄だった。
だから無限月読で世界を救済する事を望んだのだ。
皆幸せな夢を見る平和をこの手で作り上げようとした。
まさか誰も思うまい、マダラが里を襲った理由が世界を救う為など。皆、火影に選ばれなかった事を逆恨みしてマダラは里を襲ったのだと、思ったはずだ。
そしてマダラのそういう人物像は、オレうちはゴガクの知る歴史とも一致していた。
(だがそれは失敗した)
とんだ笑いぐさだ。
イザナギを使い死を逃れる筈だったのに、そのまま亡くなり別の人間に転生するなんて。
マダラはオレだ。
だがオレはマダラじゃない。
マダラには何も残っていなかった。
だがオレはオレとしてこの28年を生きてきたのだ。
オレはまだこの掌から、親友も愛すべき家族もこぼしていない。
無限月読などいらない。うちはゴガクにとって、此の世は地獄ではない。
オレは木の葉のうちはゴガクだ。
……だがしかし、記憶が蘇ったのがもしあの頃だったなら……父や兄達を失い、万華鏡写輪眼に開眼したばかりのあの頃であれば、オレはきっとうちはマダラという男の膨大な記憶と自我に塗りつぶされ、マダラと己の境もわからず、呑まれて無限月読を望んでいたのかもしれない。
それを己の望みだと履き違えて。
それほどにうちはマダラという男の生涯における苦悩と絶望、目的意識の高さは強かった。
だが今更な話じゃねェか。
確かに親兄弟が死んだことは悲しいし悔しい。あの日の事を思えば憎悪がこの身を焦がす。
だが、それだけでないことをオレは知っている。
従兄のフガクにその嫁のミコトは家族としてオレの帰りを喜んでくれた、オレを案じてくれた。共に暮らそうと、言ってくれたんだ。
その息子のイタチも……敏感にオレの痛みを感じ取ったかのように、まるで自分こそが怪我をしたかのような痛そうな顔をして、そっと側にいてくれた。亡くなった妹が元気だった頃を思い出す、温かい子供の体温。あの頃のオレがそれにどれだけ救われた事か。
そしてアスマ。今世におけるオレの親友。
三代目火影の息子として父に反発心と鬱屈とした感情を抱き、それでも尚自分の守るべき答えを探し続けた男。損得なくオレの痛みをまるで自分の痛みのように感じ、ただ無事で良かったとてらいもなく告げてきたその顔。思えば出会ったあの頃から、いつだってオレはお前の存在に救われっぱなしだ。
オレはお前が友であることを誰より誇らしく思う。
(もう誰も死なせねェ)
兄妹や父母の死に顔は今でも鮮明に思い出せる。だがもうオレは誰もそんな風に死なせやしねェ。
無限月読?
幸福な夢の世界?
そんなのまっぴらだ、何故ならオレが……ゴガクが守りたい存在は木ノ葉にいる。
この里で生きて、過ごしている。木ノ葉隠れの里を愛している。
オレはうちはマダラの悲願を達成しない。
マダラだった過去も隠し通してみせる。最初っから言わなきゃ無かったも同然だ。実際つい数刻前までオレにはそんな記憶はなかった。オレはただのうちはゴガクだ。
何、そもそもオレがマダラの生まれ変わりだなんて実際眉唾話だ、言ったところで誰も信じねェ事だろう。
寧ろアスマあたりは真剣に「お前、変なもんでも食ったのか?」と聞いてくるだろう、違ェし、食ってねェっての。
そんな親友の姿を想像してクツクツと笑う。
オレはマダラの望みを捨てる。
……がマダラの記憶は有用だ。あの男の御陰で今は失われた術も今のオレには分かる。つまりそれはもっとオレは強くなれるという事だ。
そういう意味ではうちはマダラ、前世のオレよ、お前に感謝しよう。
オレは強くなりたい、今よりもっと強く、この掌から何も零さないように。
三代目に渡された名簿の名を思い浮かべる。今年オレが受け持つ予定の下忍候補の卵達の名前だ。
犬塚キバ、日向ヒナタ、油女シノ。
喜べ。お前達はこのオレが鍛えてやる。
誰よりも強くなるが良い、守れるべきものを守れるようにな。
そう思い、オレはニヤリと笑った。
続く
プロフィール。
【挿絵表示】
うちはゴガク。この物語の主人公、28歳。アスマとは大親友(安価)。
第八班(※原作でいう紅班)担当の上忍師。(スレの流れで決まった)
主人公、ゴガクの名前の由来は北信五岳の「ゴガク」。
原作のうちはマダライズナ兄弟の名前の由来が北信五岳の名前らしいのでそこから自分が候補に提案したらスレ主(※EKAさんとは別人)によるダイス神の結果ゴガクという名前に決定した。
その結果スレの流れでフガクさんと名前が似ている所からフガクさんとの従兄弟設定が湧いて出た為、恐らく他の人が候補に挙げていた「うちはナギ」や「うちはシマシマ」などの名前に決まっていた場合多分バックストーリーはゴガクの時と変わってたと思われる。
万華鏡写輪眼開眼者であり永万ではない(※スレ主が1.写輪眼 2.万華鏡写輪眼 3.永遠万華鏡写輪眼 4.輪廻眼の四択でダイス振った結果万華鏡持ちになった)
5人兄妹の真ん中であり、二人の兄と二人の妹がいた。(※兄妹構成もダイス神の導きの結果です)
妹は二人いるが次女は死産であり、長女は肺病で亡くなった。(スレの流れで決まった)
肺病で亡くなった妹の名前はうちはクロキ(名前の由来『北信五岳』の黒姫山でダイス神の導きの元これまた自分が提案した名前になった)享年4歳。(※ダイス神の結果)
第三次忍界大戦の時に父と兄二人を一斉に失ったのが万華鏡写輪眼開眼の切っ掛けである。(スレの流れ)
基本的に性格は少年期マダラの延長線上のイメージで書いてる。
親しい相手には結構よく笑いかけるしノリもそれなりに良い。任務中ならどんな相手だろうがコミュニケーションをとれるけど、プライベートになったら一気にコミュ力が低下するタイプ。親しくない相手には無表情がデフォルト。