ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界(完) 作:EKAWARI
昨日は更新出来なくてサーセン。
今回はなんか元スレ版より文量3倍増しに大幅増量しました。
次回はイタチ視点の書き下ろし番外編予定です
結論を言えば、イタチの指名手配取り下げ及び木ノ葉隠れの里への復帰は、思った以上にトントン拍子に進んだ。
そもそもいつか里にイタチが帰ってくる時の事を、はじめから織り込み済みで四代目は計画して指令を下していたのだろう、イタチが殺害し指名手配される切っ掛けとなったうちはのタカ派達についてだが、イタチの帰国後彼らによる里転覆計画の証拠書類などが白日に晒され、犯罪者から一転しイタチは里の英雄たる功労者となった。
……事実そんな書類が残されていたのかは怪しいが、奴等がその地位に不満を抱き、過激な手段を検討していた事自体は本当の事だ。フガクからの証言もある。
元々戦国の両雄で名が知られたうちはと千手が手を結んで生まれたのがこの里だ。
その後千手からは柱間が里長たる初代火影に就任し、マダラの記憶によって知った真実はともかく、歴史で習う正史的には火影争奪戦で敗れた当時のうちは族長マダラは里を抜け、逆恨みによって木ノ葉を襲撃し、終末の谷の戦いで柱間に敗れ死んだ、となっている。
世紀の大犯罪者を出した事で肩身の狭い立場に立たされたうちはだったが、その後二代目火影千手扉間の時代に警務部隊が設立され、うちはの多くが警務部隊所属として犯罪者を取り仕切る立場に立つことになった。
強い忍びを捕縛できるのはそれよりも更に強い忍びだ……うちはは真面目なものが多く、職務には忠実でもある。与えられた役目をうちははしっかり熟していった。そのうち、一般層からエリートとして尊敬と畏怖の賞賛を受ける機会が次第に増えていく。
元々うちはは自尊心が高く誇り高い者が多いのも特徴だ、エリートとして頼られることに悪い気がする奴はそういない。そのあたりを考えれば扉間の奴は上手くやったと言える。
……まァオレの中のマダラの感情はあんな奴を賞賛するなど正気か? って訴えかけてくるわけだが、ゴガクとしてのオレにとっちゃ恨みなんて別にねェ相手だしな……。別段好きでもねェが、それでも柱間よりは理解しやすい相手だ。
兎も角そうしてうちはは見事エリート一族、という立場を確立したわけだが……それが余計な欲を生んだとも言える。
こんなに里の為に働いているのに、何故我らは政治の中枢に立てないのだ、上層部はいつまで我らを警戒する気だとそう思う同族の誕生に繋がった。
……いやそりゃ治安維持してる奴らが政治に口出しするのは問題しかねェし、後者は
上層部にとっては九尾を引き連れて里を襲ったうちはマダラは恐怖の象徴で、その記憶が色濃く残っている以上警戒して当然と言えば当然と言える。
とはいえ、上層部連中も揃っていい年だ。
奴等が引退すれば、その記憶もそのうち風化していく筈だった。
一族内に里に対する不満も多少はあれど、そこまで問題になるほどでもねェし、歩み寄りの表れか、フガクは自身の次男には三代目の父親の名前をつけたし、その嫁のミコトも四代目の嫁とは友人だという。
だからその不満は未来を悲観するほどのものでもなかった。
が、そんな中、問題は起きた。
サスケが産まれた年の秋、九尾が里を襲った事だ。
その事件は四代目が自分の息子である、生まれたばかりの赤子に九尾を封じることによって解決したが、それまでに幾人もの死傷者が出た。そしてこの事件は上層部にうちはマダラの恐怖を思い出させるには十分な事件だったというのが、なによりの問題だった。
上層部はうちは一族の隔離と監視を叫んだのだ。
それに否を唱えたのが四代目だ。
四代目火影波風ミナトは、うちはではないと、里を二つに割るつもりかと上層部を逆に非難し、うちはへの隔離政策を断固拒否する姿勢を見せ、上層部は自分の子供と親子として暮らさぬ事親を名乗らぬ事を条件に、うちはを今まで通り扱うことを認め……四代目はその要求を飲んだ。
これは上忍以上の地位にいる里の忍びには、周知された事実だ。
これを知ったうちはの反応も二つに分かれた。
自分の家庭を犠牲にしてでもうちはを庇った四代目に心動かされ、ミナトを信じよう。四代目ならうちはを悪く扱う事はあるまい、と考えた一族と、たとえ四代目に庇われたとしてもそもそも上層部がうちはを九尾事件の犯人……若しくはその片棒を担いだと決めつけ、まるで犯罪者のようにうちはを監視隔離政策をしようとしたこと自体に憤慨し、例え四代目の顔に泥を塗る行為だとしても奴等を許すものか! うちはこそが上に立つべき選ばれた存在だ! と考えた者達だ。
因みにフガクを筆頭に穏健派ともいえる前者が8割で、イナビやヤシロ達を中心にした過激派とも呼ぶべきタカ派連中が2割だ。
そういう意味では奴等はうちはでもマイナーだったと言えるが……うちは一族だけで一体何人いたのかって話だ。マダラの時代に比べると数は少ないが、それでも10人や20人ではないのだ。そのうちの2割が過激思想の持ち主……となると馬鹿に出来ない程度には数も戦力もいる。
そして厄介な話だが、そういう奴等に限って空気は読まねェし声がでかいんだ。
重ねて言うが奴等はうちはの主流派ではない。
大抵のうちはの人間は上層部を不愉快に思うことまでは同じでも、子供との生活を犠牲にしてまでもうちはを庇ったミナトに対して好意的で、恩の方を強く感じている。
元々うちはは家族愛が強いものが多いのだ。我が身に置き換えてミナトが上層部に受けた仕打ちに対する同情と、そこまでしてうちはの事を……という感謝を向けている奴のほうが多数派だ。上層部は気に食わんがミナト個人には好意的という一族のものは珍しくねェ。
だからうちは一族が定期的に開いている会合でも、タカ派を名乗る奴等が過激で現実味のない策を言い出しても、四代目への恩を仇で返すつもりなのか? とあまりよく思わない奴の方が多かったし、オレも下らねェと呆れて見てたもんだ。
ま、族長であるフガクの顔を立てる為にもあんまり口出しはしなかったがな。
だが、イタチに命じてわざわざ殺させたってことは、四代目としては奴等の動きは看過出来ないところまで進んでいた、ということなのだろう。
それもただの暗殺ではなく、わざわざイタチが犯人と分かるようにした上で里抜けさせたのは、暁にその後潜入させるにあたり、指名手配犯にしておかないとスパイとして潜り込ませるのは難しいからという判断だったのだろう。なにせ、暁の構成員は全てS級犯罪者だって話だからな。
だからうちは一族のタカ派の抹殺から、その足で暁にスパイとして潜り込むところまでで一つの任務だったのだろうし、いずれ四代目は時期を見てイタチを手元に戻すつもりだった。故にイタチが殺した奴等の里を裏切った証拠書類なども用意し、同族の不穏分子を火影の命で誅した忠義者としていずれは名誉挽回。イタチが堂々と里に戻れるように計らっていた。
そしてその事に対する引き継ぎも五代目に行われていたからこそ、こうもスムーズに戻ってくる事が出来たって事だろう。
十中八九任務だったにしても、流石に表向きS級犯罪者の抜け忍をすぐに里にいれるわけにもいかねェ。
故に口寄せの鷹を使って里に入る前に五代目に連絡をいれ、彼女の指示に従ってイタチを連れて裏ルートで里に入った。
そうして五代目はイタチを一目見るなりその病状を看破し、即座に入院を言い渡した。
その時はまだ指名手配を取り下げられておらず犯罪者扱いだった為、一端匿名で変化で別人を装ってから特別治療室にイタチの身柄を移し、主治医として五代目はイタチの治療に携わった。
そうして一通りイタチの体を検査した五代目は言う。
「危ないところだったな。あと少しでも症状が進んでいたら治療は間に合わないところだった。命令外の勝手な行動は褒められたものじゃないが、御陰で木ノ葉は有望な人材を一人失わずにすんだわけだ。だから敢えて言おう、でかしたゴガク!!」
そんな風に機嫌良くニィと五代目は笑いながらオレの背を叩いた。
……それにしても馴れ馴れしいなこの女。お前は柱間か。……柱間の孫だったな。
そうしてイタチの指名手配取り消しと前後して、イタチは木ノ葉病院を退院することとなり、週に1度の検診を義務づけられると共に自宅療養に切り替えられることとなった。
「兄さん!」
「イタチ……」
「イタチ」
サスケにフガク、ミコトの親子3人が退院したイタチと対面する。
この3人が揃ってイタチと会うのはこれが8年ぶりだ。
フガクはぐっと唇を噛みしめ、それから万感の思いを込めて言った。
「よく、帰ってきた」
「……父さん」
イタチはいつも厳格な族長としての態度を保っていた父の、感情の籠もった一言に、思わずと言った調子で言葉を零す。
ミコトは最後に見た時に比べ背こそ伸びたものの、病のせいで不健康に痩せた息子に一瞬痛ましそうに眼を細めたものの、それでも精一杯の笑顔を浮かべて「お帰りなさい、イタチ」と息子の帰還を言祝いだ。
サスケは最初は複雑そうな顔をしていた。
帰ってきてくれたのは嬉しいが、その原因が病であったことはサスケにとっても苦い事実だったのだろう。
それでもサスケは幼い頃のように兄の服を掴み、「おかえり、兄さん」と精一杯の笑顔を乗せてイタチに言った。
それにイタチは仕方なさそうな笑みを浮かべて、弟の後頭部を引き寄せ、コツン。額と額を重ねて「ああ……ただいま、サスケ」とそう告げて、感極まったサスケはそのままイタチに抱きつき、それまでの想いを吐き出すように、声も出さず静かに泣いた。
イタチは弟にそんな風に泣かれると思っていなかったのか、最初の1~2秒はオロオロと狼狽えるような反応だったが、やがて優しく微笑み、小さな弟をかつてあやしていた時のようにポンポンと背中をリズムよく叩いて、もう一度「ただいま」と言った。
(良かったな、サスケ)
オレはそんな一家再会の様子を病院の上から見下ろしながら、笑った。
続く
今回の話の元スレの流れ↓(コピペ)
二次元好きの匿名さん
里抜けどころか、下手したらイタチもサスケと和解したり綱手にスパイだと判明したら、戻ってこれるんじゃないか??
二次元好きの匿名さん
綱手様なら「任務だった」と普通に連れ戻してくれそうだなあ…実際任務だったわけだし族滅までやったわけじゃないならイタチがそこまで気に病む理由もないだろうから戻ってきて綱手様の診察受けて自宅で療養コースで親との溝を埋めるイベントがきたりするのかも
二次元好きの匿名さん
このイタチは病が発覚したらゴガクとサスケに木の葉隠れに強制帰還させられそうだな。そして、やっぱりサスケが里抜けしそうな気がまるでないどころか、兄への想いで原作より大分強そうなサスケになっとる