ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界(完)   作:EKAWARI

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ばんははろEKAWARIです。
今回の話から再び本編です。というわけで元スレ版から1.8倍増量でお送りします。
あとゴガクの強さについてですが、原作の穢土転マダラがLV.100で終末の谷戦マダラがLV.80くらいだとしたらゴガク君はLV.65マダラくらいの強さのつもりでお送りします。
柱間ァ?LV.120~150マダラくらいなんじゃないっスか?


13.暁

 

 

 イタチは自分が知りうる暁の情報について、全てを五代目に託したようだ。

 元よりそれが任務であったわけだから、当然とも言える。

 オレはイタチとは親族で、里の上忍じゃああるが、暗部でもなんでもねェからな。イタチの任務に関する全ての情報を開示されたわけじゃねェ。

 そんな中知れた事といえば……とりあえず暁の目的は尾獣の収集であったこと、九尾は最後に回収すると話していたこと、暁はツーマンセルでの行動が基本で互いが互いの監視役でもあったこと、それと暁構成員の戦い方や経歴などについて、イタチが知っている情報は纏めて里の上忍以上に周知されたから、オレが知りうるのもそこまでの情報だ。

 そして暁の情報をイタチが里に知らせた、指名手配が取り消されたということは暁にとってイタチは裏切り者であると知られたも同然でもある。

 暁は裏切り者を許さないという。組織を抜けるという意味は死だ。

 スパイとわかった相手に容赦する理由はない。

 組織としちゃ当然の行いではあるが、故にイタチには刺客を送られる可能性が高い。

 寧ろそれが自然だ。

 それでも本来イタチの実力であれば、返り討ちにすることも難しいことではないのだろうが……今のアイツは病身で、万華鏡写輪眼行使による視力の低下というリスクも抱えている。

 万が一を考えれば里の功労者をそのまま放置するというのは無い選択だ。

 故に自宅療養を五代目に言い渡されたイタチだったが、そのままただ家に放置でもなく、木ノ葉警務部隊からスリーマンセル3交代で精鋭がイタチの警護につくことになった。

 それを知ったサスケは自分もイタチの警護につく! 兄さんはオレが守る!! と警務部隊にまだ所属もしてねェのに我が儘を言い出したわけだが、「お前の父親を信じてやれ」と諭すと、不満そうにしながらも渋々了承した。

 そんな風にむくれる姿が前世の弟を彷彿させて、オレはおかしくてつい笑った。

 

 そして暁の目的や戦い方がある程度判明した中、オレの率いる第八班と、それからガイの第三班に五代目火影からの任を言い渡される。

「ゴガク班には暁の追跡調査を、ガイ班にゴガク班の追跡任務の補助と護衛を命ずる」

「ハッ、ゴガク班はこれより暁の追跡任務につきます」

 四代目の砂利が自来也と共に木の葉に帰還し、五代目風影が浚われた情報が入るなりカカシ班総出で奪還任務についたのは、つい一週間ほど前の話だ。

 犯人はあの赤砂のサソリとデイダラとかいう砂利のツーマンセルだったそうで、既に一尾は奪われていたという。

 尾獣を抜かれた人柱力は死ぬのが定石だ。

 だが、風影は砂のチヨばあの己生転生とかいう忍術で、彼女の命と引き換えに生き返ったのだという。

 そしてカカシの部下である春野サクラと、赤砂のサソリの実祖母チヨによって彼のサソリも仕留められたのだそうだ。

 それらの報告を聞きながら、思わず眉間の皺を深める。

(……暁の目的は尾獣、な)

 脳裏をよぎったのは前世のオレ……うちはマダラの計画だ。

 あんなことを考えるのは前世のオレぐらいだと思ってたんだが……まさか十尾の人柱力になるのが目的じゃねェだろうな……?

 ……流石に考えすぎか。だが、疑って掛かって損も無い。

 うちはマダラはかつて石碑を元に救世主を目指していた。

 マダラにとって此の世は地獄だった。守りたいもの全てを無くしたマダラにとって、弟の瞳力を通して見る世界は憎しみなど昏いものしか見えなかった。闇ばかりがよく見えた。仕方ない話だ。

 何故なら、いくら子供の頃柱間と話しあったように共に里を作ろうとも、肝心の見守りたかった弟は一人とて残っていなかったのだから。しかも、柱間と手を取り合ったのは弟の遺言に反する事でもあった。

 それに確かに柱間と手を取り合ったとき、戦乱の世は終わりを告げたが、だからといって世の中はどうだ? 平和になったか?

 いや……争いは益々大きく規模を変えただけだ。

 それはオレ……ゴガク自身でも思い知っていることでもある。

 忘れる事は出来ない第三次忍界大戦……あれでオレはゴガクとしての一度目の家族を全て目の前で亡くしたのだから。そういう意味ではマダラの危惧は間違ってはいなかった。

 今の五代目とてそうだ。忍界大戦で弟と恋人を彼女は失ったという話だ。

 あんな大戦を三度もこの世界は繰り返している。四度目がないと一体誰が言える?

 だから絶望しか残されていなかったマダラが、全ての人間が幸福になれる夢の世界に救いを求めたのは、理解は出来る話なのだ。

 そしてその為にマダラは柱間の細胞を求め、九尾を伴って里を襲った。

 実際そこの目的は果たした。

 誤算だったのはイザナギを使って死から逃れる筈だったのに、本当に死んだ挙げ句こうしてオレに……未来の木ノ葉で暮らすうちはゴガクという別の人間に生まれ変わった事だ。

 元々の計画では、死を偽装して地下に潜伏し、柱間の細胞を埋め込んで二つの力を一つにすることにより、輪廻眼を開眼、尾獣を集めて外道魔像に入れ、十尾を復活、その人柱力になることにより六道の力を手に入れ、無限月読を達成する、それがマダラの計画だった。

 ……最も、今のオレにそれを達成する気はサラサラないわけだが。

 だってそうだろう?

 マダラには何もなかった。だからこそ、夢の世界にしか救いを求めることが出来なかったし、自分の力以外を信じることが出来なかったから、自分の代でなんとしても全てのものに救いを与えるのだと驕り、暴走した。未来のために、今を踏みつけにしてもよかった。

 此の世は所詮余興だ。無限月読さえ達成したら全て救われるのだから、その途中でどれほど犠牲が出ようと最早気にする理由自体がなかったのだ。何故なかったのか? 今その時に守りたいものがマダラにはなかったからだ。

 マダラは孤独だった。

 それでも柱間は友と呼んだけれど、昔は同じだった二人は同じではなくなっていた。

 孤独はマダラの精神も肉体も蝕んでいく。こんな世界間違っていると、否定した、その理由は……マダラには既に何もその手で守りたいものが残っていなかったからだ。

 オレは、ゴガクは違う。

 まだ守りたいものがこの手には残っている。

 うちはマダラにとって木ノ葉隠れの里は柱間の夢であって己の夢ではなかった。見守りたかった弟を亡くした時点で、そうなっていたのだ。だがうちはゴガクにとって木ノ葉隠れの里は故郷なのだ。

 ここで育ち、いくつもの出会いと別れを繰り返した。

 守りたいものは全てこの里にある。

 マダラは今を見ず未来ばかりを見ていた。

 オレは守りたい今を見ている。

 だからオレはマダラの悲願を達成することは無い。

 けれど、奇妙な感覚だ。

 まるで誰かがマダラに成り代わり、マダラがやろうとしていることをしようとしているような……。

 (まさか……な)

 杞憂であればいいと、願いながらオレはただ日々を送った。

 

 そんな中届いた訃報。

 元守護忍十二士の地陸が暁に殺害されたという情報だった。

 守護忍十二士とは、元は大名を守護するために集められた実力派の忍びで構成された組織だ。アスマも一時は入らないかと勧誘され、迷ったこともある由緒正しい組織だった。

 とはいえこの組織は当時のリーダーが画策したクーデターにより、メンバー同士の殺し合いに発展して取り潰しとなり、生き残った地陸も高額賞金首にされたという顛末なんだが。

 イタチ曰く、角都は守銭奴とのことから、賞金目当ての犯行だろうとの事だ。

 一時はアスマも守護忍十二士の誘いにかけられたこともある縁からか、亡くなった件の忍僧とはそれなりに親しくしていたらしい。

 その縁から角都・飛段戦に小隊長として乗り込もうとしたが、オレはそれに待ったをかけた。

「駄目だ、オレが行く」

 オレのその発言にアスマは当然抗議の声を上げるが、オレはジトリと半目で睨みながら「お前あんな状態の紅を置いていくつもりか?」と指摘すれば、苦虫を噛みしめたような表情を浮かべ沈黙する。

 そう、紅は今子供を身籠もっていた。アスマの子供をだ。

 紅は今大事な時期だ、父親になるお前に万が一があればどうするって話だ。

 暁の構成員の実力はそんじょそこらの上忍よりも上だ。それは二人がかりとはいえ、風影をあっさり仕留めた事や、イタチからの情報からも疑いない事実だ。加えてマダラの記憶で角都とやらの顔にオレは覚えがあった。

 確か柱間を暗殺するために派遣された忍びがこんな顔だったか……前世のオレと同年代だったと思うがまだ現役だとは驚きだ。

 この年で未だ現役な事を考えても、そんじょそこらの忍びじゃ返り討ちがオチだろう。

 オレとて別段アスマの実力を信頼してないわけじゃねェんだが、それでもアスマに万が一があれば赤子は父無し子として育つことになる、それは嫌だ。

 オレはアスマに幸せになって欲しいのだ。

 アスマが妻子と幸せに暮らす未来はオレの望みでもある。

 だからオレは殊更余裕そうに不適に笑みを浮かべて、安心させるように言ってやった。

「シカマルは俺に任せて、お前は紅についててやれよ。暁なんて雑魚どもは俺が倒してきてやるさ」

 そんなオレにアスマは何度か葛藤するが、それでも紅のことが心配なのも本当だったのだろう、「ったく、お前には敵わねえな」そう吐き出して頭をガリガリかき、それから俺の肩に手を置き真剣な眼で見て言った。

「お前なら何の心配もいらねえだろうが、ゴガク、やるからには徹底的に勝てよ」

「たりめェだ」

 そう拳を交わし、五代目に小隊長変更の許可を取り、オレはオレの班員やアスマのとこの砂利共を引き連れて暁討伐に向かった。

 尚、余裕で討伐した事をここに追記する。

 

 続く




今回の元スレでの流れ↓(以下コピペ)

二次元好きの匿名さん
待って、今気づいたんだけどアスマ先生死亡キャラじゃないですか??
転生マダラ大丈夫?闇堕ちしない???

二次元好きの匿名さん
アスマの死の原因って暁の不死コンビとの戦いだがこの世界だとマダラが転生してるのでオビトをマダラに仕立てるイベントはないしそのへんどうなってんだろ?
オビトはそのまま死ぬのかマダラに成り代わった黒ゼツが原作と同じように誘導した結果この世界の暁も同じ感じになるのかでも生死変わりそうな気がするがマダラの記憶知識有りのうちはゴガクくんがいるんならなんとかなりそうな気もするし

二次元好きの匿名さん
カクズ·ヒダン戦の時は、むしろアスマの代わりに小隊の隊長になってるかもな。紅が妊娠してるなら、親友として、危険な任務にはつかせたくないだろうしな。

二次元好きの匿名さん
シカマルは俺に任せて、お前は紅についててやれよ。暁なんて雑魚どもは俺が倒してきてやるさ。
とか超強気で言ってそう。

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