ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界(完)   作:EKAWARI

3 / 21
ばんははろEKAWARIです。
今回は里の状態について説明回みたいなものですが、元スレ版より1000文字ぐらい地味に増量でお送りします。


3.家族

 

 

 オレが上忍師として本格的に動く日まであと三日を切った。

 受け取ったオレが受け持つ予定の砂利共の写真を眺めながらふと思う。

(そういやァ四代目は今頃あの砂利に、自分が父親である事を明かしているんだろうか)

 九尾の人柱力であるうずまきナルトが四代目火影である波風ミナトの一人息子であることは、木の葉隠れの里に住む上忍には周知された事実だ。

 にも関わらず四代目はうずまきナルトを息子と呼ぶことはこの12年間許されなかった。

 それは何故か……遡れば12年前の九尾襲撃事件に端を発する。

 あの日はオレはたまたま遠方に任務に出ていた為、実際に見たわけじゃない。故に全てアスマを含め同期達や族長である従兄のフガクなどに聞いた話だ。

 その日突然木の葉隠れの里に九尾が現われたのだという。

 そして里は恐怖に包まれた。

 当然のことだろう。九尾の狐……それは御伽噺で謳われる化け物で有り、年長者にとってはうちはマダラと共に混乱と恐怖の代名詞だ。そして実際に九尾は他の尾獣と頭一つ抜けた強さをもっている。その破壊の規模も殺傷力もチャクラ量も破格と言える。

 若い忍びを犠牲にするものかと、年配の忍びを中心に死傷者も多く出た。そういう意味では柱間の理想も一部は叶っていたらしい。子供を死なせない里、それが奴の夢だったのだから。

 ……あの時代は子供から率先して死んでいったものだ。子供など大人の弾除けでしかなく、大人が子供を守ろうなんて考えは前世のオレや柱間の代では非常識な世迷い言でしかなかった。

 だが、今の時代というべきか、この里は違うらしい。子供に犠牲を許す場面も多々あるがそれでも出来る限り年配者は若手を守ろうとする、そういう気質に育っている。

 だからこそアスマ達も結界に守られ、九尾との矢面に立たされる事はなかったそうだ。

 そうして犠牲になった忍びの中には、三代目の嫁や四代目の嫁もいたのだという。

 多くの犠牲を払い、そうやって最後に四代目火影である波風ミナトは、自分の生まれたばかりの息子の腹に九尾を封印して、里を壊滅から守ったというそういう話だ。

 九尾襲来は多くの傷跡を残しながらも事件は幕を閉じた。

 しかし、そうやって生き残ったあと、残された者達が抱える疑問は、一体どうしてこんなことが起きたのか、という事だ。

 誰が人柱力なのかはこの里では公開されていないが、それでも尾獣は通常人柱力によって押さえられている。それが今まで暴れ回ることなどなかったのに、急に何故暴れ出したのか?

 ここで思い出して欲しいのは、前世のオレであるうちはマダラの逸話だ。

 マダラはその瞳力で九尾を操り里を襲撃したのだ。

 これは上層部である年寄り連中がその逸話を思い出すには十分な事件だったといえる。

 故に上層部はうちは一族に疑いの目を向けた。

 写輪眼で九尾を操る事が出来るマダラという先例がいたのだから、その疑いはある意味当然だったと言える。その為上層部からはうちは一族を一纏めにして監視をつけろという声が上がったのだ。

 マダラという男に対する恐怖は、彼の出身だった一族と結びつけて年寄り連中の中に深く深く刻まれていたと言える。

「うちはではありません」

 その上層部の要求に真っ向から否を唱えたのが、九尾襲撃の真犯人らしき男と交戦した当事者、四代目火影である波風ミナトだった。

「少なくとも里のうちはの者ではありません」

 

 確信を持って四代目はそう断言したという。里の上忍の中では有名な話だ。

 そうして、うちはではないと前置きしてからミナトは、あなたたち上層部がやろうとしている事がいかに理不尽なことか、ただでさえ九尾襲撃で人手が減った今、他里に弱みを見せるわけにはいかないのに里を二分するつもりか、うちはは里が興った時からずっと木の葉を支えてきた仲間ではないか、偏見の眼鏡を通さず何故彼らを真っ向から見ない等など上層部に真っ向から反論してのけたのだという。

 彼がうちはに対する隔離監視政策を、受け入れるつもりがない事は明白だった。

 そんな里長……それも真犯人と実際に交戦済みである事から情報の信憑性も高い、の主張に上層部も折れたのだろう。彼らはこんな事を言い出した。

「わかった、うちはを隔離しない。これまで通りにうちはを扱おう。その代わりに……」

 そうして交換条件として出されたのが、新たに九尾の人柱力になったナルトが忍びとして立つ日まで父と名乗らないこと、対外的にナルトは木の葉隠れの里の孤児の一人として扱うこと、という条件だった。

 お前の要求は聞いてやる、その代わりに生まれたばかりの我が子と家族として暮らす事を諦めろと上層部は条件づけたのだ。

 もしかしたら上層部はそのことから、ミナトが我が子可愛さにうちはへの隔離政策を受け入れることを狙っていたのかもしれない。それほどに上層部にとってうちはマダラの記憶は、彼を排出した一族へのイメージはとんでもなく悪かったのだろう。怖れていたとも言える。

 だが……波風ミナトは火影だった。

「分かりました」

 里を治める火影として、家族の幸せよりも里の仲間を排斥しない事を選んだ。

 九尾の人柱力は表向きは孤児だ、四代目の子供ではない。

 故に、その赤子の名は波風ナルトではなく、亡くなった四代目の妻の旧姓がうずまきだったことから、うずまきナルトと呼ばれることになった。

 おそらく細やかながらも抱いていたのだろう四代目の私人としての、息子と親子として暮らす夢は奪われた。

 うずまきナルトは表向きは孤児だ、父と名乗ることは許されていない。

 だが、それでも我が子が愛しいのだろう。仮面をして父と名乗らず、ちょくちょくナルトに会いに行ってるようだと、そうカカシが言っていた。

 だがそれももう終わる。

 口外は許されない。

 家族として暮らすことは許されていない。

 それでも父と息子に明かす事が出来るのはきっと嬉しい事だろう。

 

(家族……か)

 ……5年前の事を思い出す。

 あれは初夏の事だった。瞬身のシスイと謳われた、うちはシスイが身投げして亡くなったのは。

 そしてシスイの死の3週間後に、オレは弟分にして従甥であるうちはイタチに呼び出されていた。

「オレを呼び出すとは珍しいな、イタチ」

 口調だけはからかうように、声音は気遣うように出来るだけトゲのないようにかける。

 亡くなったシスイとイタチは親友だった。

 ちょっと年は離れていたがとても仲が良く、一緒に修行したり甘味処に行ってるのを見かけたものだ。

 さぞ気落ちしていることだろうと思ったが案の定、無表情じみた顔の中に僅かに沈痛さを交えながらイタチは静かな声で言う。

「四代目の許可は取っています」

 それからゆっくり黒目を閉じ開いたイタチは写輪眼となっていた。

 その闇の中でもよく光る赤い目が徐々に模様を変える。

 それが何かオレはよく知っている……万華鏡写輪眼だ。

 イタチの眼には万華鏡が宿っていた。

「……イタチ、お前」

 それからすっとイタチは眼を元の黒目に戻して、綺麗に礼をした。

「……ゴガクさん、サスケを頼みます」

 オレはうちはイタチがどんな奴なのかはよく知っているつもりだ。

 酷く聡明で繊細で、弟想いで争いごとを忌み、平和を芯から願っている優しい奴だ。

 そして誰より耐え忍ぶ事を知っている優秀な忍びでもある。

 そのイタチが眼に入れても痛くないほど可愛がっている弟を託すということは……そういうことなのだろう。

「ああ、任せろ」

 ニッと笑ってオレは答えた。

 それに吊られたように、悲しげな目元はそのままにイタチはふっと優しく微笑った。

 ……イタチが里を抜けたのはこの次の日の事だ。

 

 うちは一族内でタカ派と目されていた、木の葉に不満を抱いていた奴等は全てイタチに始末されていた。

 抜け忍は重罪だ。

 それも何の罪も犯していない同族を何人も殺した等とんでもない事だと、イタチには懸賞金がかけられた。だが確信がある。きっと任務だったのだろう、と。

 そう思ったのはオレだけではなかったのだろう。

 その日からサスケががむしゃらに修行している姿をよく見かけるようになった。

 きっと兄には理由があるのだと、兄さんに会いたい、兄の口から真実を聞きたいとそう望んでいることは言われなくてもわかった。

 だからオレは見守った。

 イタチに言われたからじゃない、オレがそうしたいと思ったから。

 そのサスケも今年アカデミーを卒業する。

(サスケにも修行つけてやるか)

 強くなれ、サスケ。

 弱い奴が吠えても何も変わらねェし何も守れねェ。

 結局柱間が里を興した後、マダラと違って何もこぼさなかったのも奴が桁違いに強かったからだ。

 弱い者は醜い。何も守れないからだ。

 だから、オレは……マダラは誰よりも自分が嫌いだった。

 何も守れなかったから。

 ……イズナも。

 サスケは前世のオレの弟に……イズナによく似ている。

 だが、サスケはサスケで、イズナはイズナだ。

 誰もイズナの代わりになることは出来ん。

 分かっている、オレはうちはゴガクだ。

 マダラはオレの過去であってここにいるオレではない。

 そして今のオレは、前世のオレであるマダラの強さにも到底届いてはいない。

 だからオレは強くなる、今度こそ守りたいものを守るために。

「愉しみだな」

 砂利共の写真を眺めながらオレはそう呟いた。

 

 続く




今回判明した世界設定のあれこれは大体ダイス神のお導きの結果です。
とりあえず元スレのスレ主(※EKAさんとは別人)が振ったダイスコピペ↓

dice1d2=2 (2)
1.三代目政権 2.四代目政権

dice1d2=2 (2)
1.波風ナルト 2.うずまきナルト

後、後々出てきそうなシスイの生死もふります
dice1d2=2 (2)
1.生存 2.死亡

ミナトはうちはの真実を
dice1d2=1 (1)
1.知ってる 2.知らない

あとゴガクの恋人関係
恋人が dice1d2=2 (2)
1.いる 2.いない

恋人がいた場合 dice1d2=1 (1)
1.うちは一族 2.他の一族

生死 dice1d2=2 (2)
1.生きている  2.死別した

この小説はあくまでも元スレで出た設定を元に適当に辻褄合わせて深堀りしてわいが勝手に書いた小説なので(スレ主に許可は取ったが)設定の大半はダイス神の導きなのだ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。