ここだけマダラがイザナギに失敗死亡して未来転生、アスマと大親友になった世界(完)   作:EKAWARI

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ばんははろEKAWARIです。
今回は日向家問題の回です。地味にスレに投下版より文量2倍に倍増してます。
あとお気づきかも知れませんがゴガクは別に認めていない相手→○○の砂利、○○の小娘呼び。
認めた相手→名前呼びみたいなルールで書いてます。


5.ヒナタとネジ

 

 

 オレが第八班の担当上忍になってから早くも一月(ひとつき)が経った。

「赤丸!」

「ワン!」

「シノ、ヒナタ! いた、こっちだ!!」

 きっちり声掛けをしながら、与えられたペット捜索任務を前に、自分たちなりに考えながらこなす教え子達を、オレは木の上から見下ろし観察を続ける。

 監督責任から一応はこうして、忍具の手入れの傍ら見てはいるが、危険性など欠片もないDランク任務だ。

 今日もまた特に何事もなく終わることだろう。

 基本的に下忍の任務内容や仕事ぶりについて、オレが口出しすることはない。

 当然だ、何もかも上げ膳据え膳で自分の頭で考えられない奴に将来性などあるものか。

 たとえ子供の手伝いのような下らん任務だろうが、任務は任務だ。

 報酬を貰っている以上は真剣に臨むべきだし、与えられた任務をどれだけ効率良く行うのか、連携の強化など学ぶ気があるのならば、たとえどんな任務だろうがそこから学べるものはある。やる気があるのなら、どんなものでも教材だ。やる気があるのならな。そもそもそれすら欠ける奴は、これまでアカデミーに送り返してきたわけだが。

 奴等の為の任務を受理した際にオレが決めるのはただ一つ、その日のリーダーは誰にするかの指名だけだ。

「シノくん九時の方向に蟲を放って。キバ君反対側からまわりこんで」

 そして今日の隊のリーダーはヒナタだ。

 初めて八班のリーダーに指名した時は、おどおどとして碌に声も出せない困った小娘だったが、こうして任務を繰り返す内にヒナタも随分も指示することにも慣れてきた。良い傾向だ。

 そうして今日もオレはただそれを見守る。

 新人(ルーキー)の下忍に割り振られる任務は、大抵が一日で済むDランク任務ばかりだ。朝から掛かれば午後になる前に終わる場合も多い。

「ゴガクセンセー!」

「お願いします」

「ああ」

 故に、早々に任務が終わった日は、二回に一度はオレ自身が修行をつけるのもルーティンとなっていた。

 修行の内容はオレを相手に三人がかりの連携で攻め込ませる日もあれば、多重影分身で出した3人のオレを、砂利共に変化させて一対一でそれぞれと個別に対戦する日もある。

 また基礎知識を高めるために、オレ自らが講義する場合もあるが……座学だと知った途端逃げ出そうとするキバを、ヒナタとシノの二人が引き戻すまでもお約束となっていた。

 連携強化の為の修行の時にオレが使うのは片腕だけだ。

 下忍合格テストの時同様演習場を借り、オレ自身は一歩も動かずに三人を同時に相手する。ハンデこそくれてやっているが、それぞれが実力的にギリギリ死ぬ気で努力すれば解ける程度の幻術やギリギリ対処出来る程度に抑えた遁術、体術全て織り交ぜて使っているから、まあ砂利共からすれば一番キツい修行は実はこいつだろう。

 そして一体一で見てやる時は、弱点克服をメインにした修行だ。

 それぞれ影分身のオレをシノ、キバ、ヒナタに化けさせ、手本となる動きを組み込ませて一体一の忍び組み手を行う。自分……正確にはオレの影分身が化けたものではあるが、と戦う事によって直すべきところを洗い出すのがメインだ。

 多重影分身の術はあの千手扉間が開発した術という点では気に食わんが、術に罪は無いし、実際のところそれなりに有用な術だ。実態のある分身体という意味では柱間の木分身にこそ敵わんが、それでも十分に及第点を与えれる程度には有用だろう。

 とはいえ、チャクラ量に不安がある者が使えば、チャクラ枯渇を招きかねない術故に、多重影分身の術は禁術に指定されているわけだが、オレの基礎体力量やチャクラ量はうちは一族内でも随一のものだ。

 流石にうずまきや千手、前世のオレに比べれば劣るが、影分身を三体出して変化の術を維持させる程度、大した労力でもない。

「どうした、もう仕舞いか」

「はぁ……はぁ……ゴガク先生、まだ、です」

「お願いします!」

 砂利共はほどよい緊張感を保ちながら、姿勢を正して修行の続きをオレに頼み込む。舐めた口や態度を取る者はいない。

 そのあたりは、初日に格の違いを見せつけた事が効いているのだろう。

 

 ……あの日、オレは砂利共に「合格」を言い渡した後に、こう続けた。

『お前達に火遁の極致を見せてやろう』

 そうして訓練場を万が一にも更地にしないよう、空に向かってオレは寅の印を組む。

『火遁、業火滅却!!』

 直後、ゴウッとまるで地獄の業火を思わせる炎が青空を一面の赤に染め上げる。

 火遁、業火滅却。

 これは数々の術の中でも火遁・業火滅失共々、オレの十八番とも言える術だ。

 うちはは火を扱う一族だ。幼き頃より火に親しみ、基本となる火遁豪火球の術を使えるようになって一人前と見られる。故にうちはが火を得意とするのは当然の事であり、うちは一族と組んだことがあるものなら一度は豪火球の術の術を目にする機会があることだろう。

 だが、火の扱いに長けるうちは一族の中でも抜けて、オレは火遁の扱いに長けていた。

 故に二つ名を『獄炎のゴガク』。

 それは地獄の炎を思わせる大規模火遁の数々を、強度も大きさも自由自在にまるで息をするように扱っていたことに由来する。

 それでもオレがうちはマダラであった時よりも威力は弱いのだが、下忍になりたての砂利共にとっては衝撃そのものだったのだろう。

 間抜けにも三人揃ってあんぐりと口を開いたツラは今思い出しても笑えるが、実際にはその時は笑うことはなく淡々とした口調でオレは言葉を続けた。

『忍びとして生きていくのなら、いつかお前達もどうしようもない理不尽と直面する日が来るだろう。たとえどんなに大量の毒虫を駆使しようとも、焼き尽くされれば終わりだ。犬塚の技も柔拳も届かねば意味がない。この炎はその一例に過ぎん。勝てぬほどの大敵を前にした時、お前達はどうすれば生き残れるのかを考え続けろ。思考を止めるな、甘さは捨てろ、出来ねば死ぬぞ』

 その言葉に砂利共は真剣な顔をして肯いた。

 

 * * *

 

 シノ、キバ、ヒナタの三人にいつも通り修行をつけたその夜、オレは居酒屋にガイを呼び出していた。

「すまん、待たせたか!」

「いや、オレも今来たところだ」

 ガイはいつも通りの緑の全身タイツに身を包み、明るい大きな声を出しながら時間ぴったりに現われた。

「アスマではなく、オレを呼び出すなど珍しいではないか、ゴガクよ」

 ガイの悪気も何もない言葉に思わず苦笑する。

 確かに、同期に誘われれば酒に付き合うこと自体は別に珍しくもないが、アスマ以外の人間をオレが自ら積極的に飲みに誘うってのは、珍しい事かもしれない。

「何、ちょっと相談があってな、まあ飲め。オレの奢りだ」

「おおすまんな、いただこう」

 そう言って適当につまみと酒を追加で注文すると、オレは早速本題を切り出した。

「お前も知ってる事だと思うが……オレが今年受け持った第八班は感知・探索特化型だ。構成員は日向ヒナタ、犬塚キバ、油女シノだ。それに対しお前が担当している三班は、近接戦に特化したロック・リーと暗器遣いのテンテン、そして日向一族でも天才と名高い日向分家の息子ネジの三人、そうだったな?」

「そうだな! オレの自慢の教え子達だ!」

 ガイはカラッと明るい声で肯定する。

 辛口の酒を少し猪口でいただきながら、話を続ける。

「うちの班に構成が一番近いのはお前の担当する班だ。そこでなんだが、一度うちの班のメンバーとの模擬戦を頼みたい」

 上忍師に教えを受けているような下っ端下忍達が、互いの上忍師立ち会いの下、模擬戦を行うという事は、中忍試験の最中でもなくばあまり多くはない。互いに別の指導者がおり別の任務を抱えている中、わざわざやる理由もないからだ。ましてうちの第八班とガイの率いる第三班は同期ではないなら尚更だ。

 故に、オレのその申し出は少し想定外だったのだろう。「ふむ」といつも暑苦しい男は真剣な顔をしてオレを見る。

「似たような構成を持つ先達と戦うことは八班にとって良い経験となるだろう。後輩と戦うことになる三班もそうだ。何かを教えることで指導者側もまた成長する。悪い話ではないと思うが」

「いいだろう!! 若き下忍達が互いに切磋琢磨する、くぅ~! それもまた青春だ!!」

 ガイは即答した。

「フッ……お前ならそう言ってくれると思ったぞ」

 そのまま一体いつ行うか、どこの演習場を借りるのかで話を詰め、翌週ガイ班とゴガク班は顔を合わせることになった。

 

 ……つまりは。

「お久しぶりですね……ヒナタ様」

「……ネジ兄さん」

 日向宗家の娘と日向の分家に生まれた天才も顔を合わせるということである。

 ……日向ネジはヒナタとは従兄妹同士の関係に当たるのだったか。

 だがそこに、血縁に対する温かな色は見えない。

 ネジは従妹に当たるヒナタに向かって酷く冷え冷えとした視線を向けていた。ドロリとした憎しみや恨みさえチャクラに滲んで見える。

 そんな従兄に対しヒナタはびくりと肩を振わせ、後ろめたさややりきれなさを顔に映しながら、伺うようにネジを見上げていた。

(ふむ……何があったのかは聞いてはいたが……こりゃ問題だな)

 問題なのはどちらか片方だけではない。両方だ。

 ともあれ、その日の模擬戦は互いの班員達にとっては有意義なものになったのも確かだ。

 ……日向の二人を除いてと言えるが。

 マイナスだったのはヒナタとネジだけだ。

 忍びとして私情を丸出しにするのは問題だってのもあるが、年下の血縁者相手に恨みをぶつけるネジの在り方はうちはで育ったオレからすれば、眉を顰めたくなる所業だったが、だからといってヒナタに問題が無いかと言われればヒナタにも問題はあるのだ。

 萎縮し、後ろめたいという感情を隠せもしないというのは、忍びとして十分に問題である。

 ……オレはヒナタの上忍師だ。オレの部下で教え子と認めた以上、オレは師としてヒナタの面倒を見る責任がある。

 なんでもかんでも上げ膳据え膳などするつもりもないが、それでもこの手の問題を長引かせれば、後の成長に支障が出るだろう。

 そう、観察し判断したが故に、オレはその日日向宗家へと文をしたためた。

 日向ヒナタの上忍師として話をしたい、と。

 

 * * *

 

「今日は私めの為にお時間を頂き、有り難うございます、当主殿」

「……うむ」

 文を(したた)めた翌々週、オレは日向家当主である日向ヒアシと日向の屋敷の一室で面談を交わしていた。

 オレは担当上忍らしくヒナタの普段からの任務に取り組む様子や、修行内容、彼女の能力面から最初は声を出すことを苦手としていたが大分改善してきたことまで、淡々とした声で順に告げていく。

「……そうか」

 無表情の鉄面皮を貫く男は成程、厳格をそのまま体現したかのようであり、ヒナタが萎縮するのも無理はないといえる。が、それでもオレの眼は誤魔化せん。ヒナタの当初に比べて進歩した点について褒めると、男はほんの少しだけ口角を上げかけていた。

 娘の成長が喜ばしいのだろう。

 

「嗚呼、そうそう。貴方の甥にあたる日向ネジですが……」

 話は先日の三班との模擬戦の件に移り、オレがネジについて口にした途端、ピリッとチャクラをほんの少しだけヒアシは荒立てる。

 それをオレはまるで何事もなかったかのようにチャクラの揺れを無視して、淡々とこれまで通りの口調でネジとヒナタがギクシャクしている件まで説明を終えると、日向宗家の当主たる男は苦虫を嚙み潰したような顔で沈黙する。

 思うところが多いのは明白だった。

 そんな男の様子を観察しつつお茶を一口飲み、それから「他の一族の問題に口を出すのは内政干渉にあたるのは分かっている」と前置きしてから、オレは本題について切り出した。

「故にこれはあくまでも独り言として聞き流していただきたいのだが……子供の成長というのは大人が思うよりも早いものだ。そして年齢を重ねれば重ねるほど、人は凝り固まった考えに憑かれ柔軟性を失っていく。あの小僧が暴発するのも目前だろうな、その時誰に被害が出るのは言わずとも分かっている事だろう」

 言外に被害に遭うのはお前の娘だぞ、と伝える。

 愛がないのであればだからどうした、というだけの話かもしれんが、見たところこの男は実子にも甥にも想いはある。立場によって雁字搦めになっているだけだ。

 ならば、届くだろう、というのがオレの見立てだった。

「分家と宗家で何があったのかは聞き及んでいる……が、このままでは取り返しのつかない事になりかねんぞ。その前に対処することだ、後悔のないようにな……」

 その言葉を最後にさっさと「お邪魔しました」そう告げてからオレは日向の屋敷を後にした。

 あとは後ろを振り返りすらしなかった。

 

 ……さて日向の中において何を話しあい、どうなったのかは知らん。

 ただ確かなのは翌月再びガイ班と合同訓練を行ったときには、ヒナタとネジはギクシャクとした気まずい空気はあったものの、それでも二人の中に流れる空気は前回のような敵意に満ちたものではなかった。

 それだけは確かな事だ。

 それからもガイ班との模擬戦は月に1度くらいの頻度で開催されたが、徐々に日向の宗家の娘と分家の息子による確執は収まり、やがてヒナタはネジを前にしても笑顔を取り戻した、ということだけは言っておこう。

 

 続く




因みにこの回の展開元ネタ↓(以下元スレコピペ)

二次元好きの匿名さん
SSみて思ったけど、八班ってガイ班と編成構成が似てるんだな、体術メインのキバとリー 白眼使いのネジと、ヒナタ 遠距離のシノとテンテンって感じで。
ゴガクもガイの体術は認めてるし、何回か合同訓練とかしてる可能性ないかな?
中忍試験みてると、ガイも日向家のゴタゴタは知ってるっぽいし、ゴガクなら変に任務に支障をきたすまえに荒療治でもいいからネジとヒナタのギスギスを多少は改善されようって考えるかも

あと二つ名はわいが提案した名前だが♡それなりについたので採用していいのかなと判断しますた。
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