ふたご・ざ・ろっく!   作:餡 子太郎

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初ライブ前の内容を改変しました。

どうか私めに今一度高評価のチャンスを........。


路上ライブは突然に...の巻(NEW)

「あっ、そうそう。チケットノルマ1500円×20枚だから1人4枚ずつね!」

 

皆んなに僕のお料理を食べ終えて、ひーちゃんと一緒に帰ろうとした所、虹夏ちゃんがチケットを4枚渡して来た。虹夏ちゃんに詳しく聞いた所、どうやらライブの手続きする為のノルマという事で、明日からチケットノルマをクリアしなくちゃギターいけないのだ。

 

むぅ〜........。4枚かぁ...、明日クラスの子に聞いてみよう!まだ売れそうだったらまたチケット貰ってくれば良いしね!

 

「ひーちゃん!2枚は父さんとお母さんに渡して、後の2枚は僕と一緒に売りに行こう!」

 

「え........?ふたりとジミヘンの分は...?」

 

「んも〜う、何言ってるのさ〜。ふーちゃんは5歳だから無料料金だし、それにジミー(ジミヘン)は対象外だよ?」

 

「なん........、だと........」

 

それはそうだよ〜、5歳のふーちゃんに1500円も払える訳ないじゃないか〜。そう言ったらジミーはどうやってお金払うのさ?

 

「わ、私は........、どうしたら......」

 

「あっ、だったらこうしない?明日の放課後にひーちゃんがノルマ達成出来なかったら、僕が代わりにノルマを達成するってのは!」

 

「はーいそれはダメー!」

 

僕が提案した案が、虹夏ちゃんが横から遮った。え!?なんで!?

 

「ダメだよたっくん、いくらぼっちちゃんの為とはいえ、甘やかし過ぎだよ?」

 

「?昔からそうですけど?」

 

「尚更じゃん!!偶にはぼっちちゃんの活躍する時を見たいでしょ?」

 

確かに見てみたいけど........。ひーちゃん、僕が側に居ないと喜多さんを勧誘する時みたいに暴走する時があるからね。心配で心配で仕方ないよ。

 

「という事で、たっくんはたっくんで、ぼっちちゃんはぼっちちゃんでノルマをクリアする事!」

 

「「ひ、ひーちゃん(た、たっくん)から離れろと!?」」

 

「ほんっと仲が良いねこの双子!」

 

 

 

 

 

という事で翌朝、HR前に早速クラスの子達に聞いてみました!

 

「皆さーん!少し良いですか〜?」

 

「おっ、どうした後藤」

 

「何か用かしら?」

 

「実は僕、夏休みにバンドライブに参加するんです!!良かったら皆さんにも是非来てほし........」

 

「何!?それは本当か!?」

 

「後藤くんのバンドライブ!?行く行く!絶対に行く!」

 

「確か後藤くんギター弾けるって言ってたよね!?」

 

「いつやるんだ!?何処の会場だ!?」

 

僕がライブすると言うと、クラスの子達が僕の前に押しかけて来た。嬉しい!嬉しいけどちょっと怖い!

 

「み、皆んなありがとう!でも今持ってるチケットが4枚しか無くて........。それにお金も掛かるから........」

 

「いくらだ?1万か?10万か?100万でも1000万でも出してやるぞ?」

 

そんな高くないよ!!リョウちゃんだったらすぐに食いつきそうな金額だよ!!

 

「えっと......、せ、1500円だよ。1500円のチケットが4枚」

 

 

えー、これより一年一組、後藤達也主催のライブチケットを賭けたじゃんけん大会を開催しまーす

 

一人の男子が突然じゃんけん大会を開催宣言した。ちょ、ちょっと待って!?僕が主催ってどういう事!?

 

「ルールは簡単、後藤が出したじゃんけんに勝者4名がライブチケットゲット!あ、ちゃんと勝った奴は1500円払えよ」

 

勝ってもお金払わないといけないなんてどんなじゃんけん大会なのさ!?

 

「そ、其処までしなくても当日チケットがあるから........」

 

「分かってないなぁ〜、だからこそなんだよ後藤」

 

だからこそ?それってどう言う意味?僕が頭を傾げると、先程答えてくれた男子生徒が答えてくれた。

 

「当日チケットになったら、後藤はライブの準備で受付に居ないって事になるだろ?」

 

「そ、そうだね........」

 

つまり!後藤に直接チケットを貰えるチャンスが今日しかないって事だ!!

 

「「「な、なんだってーーー!?」」」

 

「わけが分からないよ!!(QB)」

 

んも〜う!どうしてチケットで必死になるのさぁ〜!それに新しいチケットなら明日持ってくるよ!!

 

「さっ、後藤くん!早くしないとHRの時間になっちゃうわ!」

 

一人の女子生徒がそう言うと、クラスの子達全員が右腕を掲げた。うそ......、皆んなやる気だ........。

 

「........んも〜う!分かったよ!それじゃあ行くよ!」

 

それからじゃんけんが三回戦まで続き、5分も経たずに僕のチケットノルマはクリアしました。もしかして僕が一番早くクリアしちゃった?

 

「ありがとう皆んな!ライブ頑張るからね!」

 

「おう!頑張れよ!」←勝者その1

 

「絶対に行くからな!」←勝者その2

 

「頑張ってね!応援してるから!」←勝者その3

 

「楽しみにしてるわね!」←勝者その4

 

「くっ、勝てなかった........。だが良い!まだ当日チケットがある!」←敗北者

 

「当日チケットで後藤くんが受付する事に期待するわ!」←敗北者

 

皆んな........、ありがとう!こんなにも応援してくれるなら、失敗は許されないね!

 

「あ、出来たら新しいチケット持ってくるね!」

 

お前等喜べ!まだチャンスはあるぞ!

 

んも〜う!そんなに騒がないでよ〜!

 

それから担任の先生が教室に入って来たので、僕達は慌てて席に着く。

あ、虹夏ちゃん達に連絡しておこっと!

 

 

たっくん『おはようございます!チケットノルマ、クリアしました!』

 

虹夏『おはよ〜!ってか早くない!?』

 

世界のYAMADA『流石たっくん、媚を売って買わせたな?』

 

虹夏『そんな訳ないでしょ!』

 

喜多『そ、そんな...。まさか達也くんに先を越されるなんて........』

 

たっくん『それと、クラスの子達も当日来てくれるそうです!』

 

虹夏『でかした!』

 

ぼっち『ならたっくん、私のノルマも手伝って?』

 

たっくん『ひーちゃん!虹夏ちゃんに言われたでしょ!ひーちゃんはひーちゃんのお仕事をこなさないとめっ!って!』

 

ぼっち『あっはい、イキってすみません』

 

ロインではそう言ったけど、困ったらちゃんと助けてあげるからね!ひーちゃん!

 

 

 

さてさて、放課後になってひーちゃんと喜多さんと一緒にスターリーへ向かってノルマ代を虹夏ちゃんに預けて、また新しいチケットを貰いました。

 

よーし!これからどんどん儲かるぞー!

 

 

そんなある日、僕の携帯に連絡が来た。どうやらひーちゃんからだ。

 

ひーちゃん『たっくん助けて』

ひーちゃん『ヘルプミー』

 

たっくん『どうしたのひーちゃん?』

 

ひーちゃん『酔っ払いに絡まれてる』

ひーちゃん『助けてたっくん!』

 

ひーちゃんが........、酔っ払いに絡まれてる!?

 

たっくん『今何処に居るの!?』

 

ひーちゃん『金沢八景駅前』

 

通学でお世話になってる最寄駅じゃないか!!

 

たっくん『待ってて!すぐに向かうから!』

 

なんでひーちゃんが酔っ払いに絡まれてるのか分からないけど、今は助けに行かなくちゃ!!僕は急いでひーちゃんからヘルプの連絡が来て、僕は電車に乗って金沢八景駅に向かう。

 

 

 

 

 

『まもなく〜金沢八景〜金沢八景〜』

 

目的地の金沢八景駅に到着するみたいなので、僕は降りる準備を始めた。一体どんな人に絡まれてるのだろうか...。怖い人じゃなきゃ良いけど...。そして、電車が止まり、到着した金沢八景駅の改札口へと駆け出して行く。

 

 

 

 

〜金沢八景駅〜

 

さてさて、駅に出たのは良いのだけど、肝心のひーちゃんが何処に居るのか分かりません!連絡しても返事が返ってきません!

 

というか何なのこの人の多さ!?今日に限って人多くない!?何かイベントなんてあったっけ?そんな事思いながら周囲を見渡していると、ひーちゃんらしき女の子を発見した。

 

うん、間違いない!ひーちゃんだ!やっぱりピンクジャージは目立つね!(褒め言葉)

 

「おーい!ひーちゃーん!」

 

「あ、たっくん........」

 

僕が手を振ってひーちゃんの元へ駆けつけると、ひーちゃんの側には見知らぬ女の人が居た。なんか今日は知らない人と関わってるなぁ...。

 

「お〜君が助っ人くんかな〜?」

 

「あ、はい........」

 

いきなりお姉さんが声を掛けてきたのにびっくりして、ひーちゃんみたいな返事をしてしまった。うぅ...、この人お酒臭い........。

 

「えっと........。ひーちゃん、これどういう状況?」

 

それからひーちゃんに説明して貰ったところ、ひーちゃんのノルマは残り2枚になったまま試行錯誤していた所、隣に居るお姉さんがひーちゃんの前でバッタリと倒れ込んでしまったようだ。それでひーちゃんが介抱したら、お姉さんは実はベーシストらしく、チケットノルマの話しをしたら『路上ライブやってチケット買って貰おう!』と提案してきたらしい。それでひーちゃんは混乱状態になって僕を助けを呼んだ、との事........。

 

「ごめんね〜?急に来て貰ったって〜」

 

「い、いえ........」

 

そう言ってお姉さんは、路上ライブに必要な機材の準備し始める。僕は路上ライブでチケットを売るのは別に反対でない。これって僕も一緒に路上ライブやるって事だよね?

 

でもどうしよう......。

 

今日ギター持ってきてないよ......。

 

「ひーちゃんどうしよ!?僕ギター持ってきてないよ!」

 

「あ、そういえばそうだった........」

 

今日はチケット売るのが目的だったからギターは僕の部屋の中だよ!?どうしようどうしよう!?今から家に取りに帰るとなると、絶対に間に合わない!ど、どうしたら........。

 

「ん?どうしたの〜?」

 

「え、えっと........。僕ギター持ってきてなくて........」

 

「あ〜そんなの事ね〜。ならボーカルやって貰おうかな!」

 

ボーカル........。すっかりボーカルの事忘れてた........。ダメだ!今日はやけに余裕が無いよ!!

 

「........たっくん?」

 

「え!?あ、大丈夫だよ!ボーカルやります!」

 

「お〜!やってくれるんだね〜!あ、私は廣井きくり。SICK HACKってバンドのベースボーカルで主に新宿で活動してま~す!」

 

「僕は後藤達也って言います!結束バンドでギターボーカルやってます!」

 

「へ〜ギターボーカルね〜........。え?達也?男の子なの?」

 

「はい!正真正銘の男です!」

 

「...................えぇええええええええええええええええ!?」

 

きくりさんが僕が男だと分かると、酔いが冷めたような大声で叫び出した。あはは...、いつもの事なのにとても懐かしく感じちゃう...。

 

「あ、でも曲はどうしよっか?きくりさんは結束バンドの曲分からないと思うし......」

 

「別にそっちの曲でも良いよ〜。私が一方的に合わせるってだけだからへーきへーき。ぼっちちゃんと達也くんは今度のライブでやる曲をいつも通りやってくれればいいよ?」

 

「「は、はぁ........」」

 

僕とひーちゃんは口を揃える。本当に大丈夫なのだろうか........。

 

「一応言っとくけど、今目の前に居る人は君達の闘う相手じゃないからね。敵を見誤るなよ?」

 

(敵を.........見誤る?)

 

きくりさんの言葉に僕とひーちゃんは理解出来なかった。それってどう意味だろうか.......。

 

「それじゃあ始めますね〜、曲はこの子達のバンドのオリジナル曲で〜す」

 

そう言ってきくりさんはベースを構えると、僕は慌ててマイクの電源を入れる。そして、きくりさんがベースを弾き始めた途端、きくりさんの表情が変わった。

 

 

 

 

 

 

す、凄い........。即興なのに音に全く迷いがない...、凄く自信に満ちた演奏...。私を演奏を確実に支えてくれてるんだ...。そうやって私が驚いている間にたっくんの歌声が加わってきた。いつも聴き慣れたたっくんの歌声を私は完全にたっくんの歌うペースに合わせて弦を弾いていた。恐らくお姉さんも...。

 

たっくんもそうだけど、お姉さんも上手い。それに比べて私はどうだろうか........。二人と違ってお客さんに笑われていない、怖くて顔が上げられない。

 

やっぱり、私なんて........。

 

「頑張れ〜!」

 

すると一人の女性の声がして、思わず顔を上げた。

 

「ちょっとあんた、何言ってんのよ」

 

「なんかギターの人、不安そうだったからつい........」

 

もしかして........、心配してくれてる...?

 

(そうか........、そうだったんだ........)

 

お姉さんの言ってる意味が理解出来た。初めから敵なんか居なかったんだ。私が勝手に壁を作ってただけなんだ........。

 

そうだ、此処にいる人達は、私の演奏が聞きたくて立ち止まってくれた人達...。敵なんかじゃない!

 

なら........、本気出しても良いよね........?

 

ちらっとたっくんの方へ向くと、たっくんも目だけを向けてくる。私が『本気でいく』とメッセージするようにアイコンタクトとすると、たっくんも小さく頷いた。

 

今の私は、結束バンドのギター担当の後藤ひとりでもギターヒーローでもない......。私は手元に視線を注ぎながら必死でギターをかき鳴らす。お姉さんのベースもきちんと付いてきている。

 

そして、私は最後の音を切った...。

 

 

 

「え〜、以上で結束バンドの曲でした!ありがとうございました!」

 

演奏か終わり、僕がそう言うと、お客さんたちが一斉に拍手をしてくれた。人数が少ないから拍手喝采とまで言うにはちょっと微妙な気がするけど、でも、演奏を始める前よりもみんなずっと明るい表情で、ずっと大きな拍手をしてくれた。

 

最初の時は本当に危なかった......。正直言って、最初の部分の歌は過去最悪に酷かった。何故か分からないけど、いつもの調子が出せずにただ感情の籠った歌を歌った...、それだけなんだ。

 

いつもならもっと楽しくて、心が躍るような感覚になる筈なのに..........。最初の部分だけがそうならなかった。でも、ひーちゃんを応援してくれたお客さんのお陰で、ひーちゃんのエンジンが掛かった事で、僕もその時以上に気合いを入れた事で、僕も本調子に戻ったので、何とか最後まで歌い切る事が出来た。

 

今日はひーちゃんに助けられた...。ありがとうひーちゃん...。心の中で僕はひーちゃんに感謝した。

 

「えー、ちなみに今やった曲は再来週の日曜日に結束バンドの初ライブでもやりますんので!チケット欲しい人は是非!この後言ってくださーい!ほらひーちゃん!何か一言言って!」

 

「えっ、あっよよよよよよろしくおねががかががががいしますすすすすす!!」

 

んも〜う!ひーちゃん表情が固いな〜。さっきのギター弾いてた顔とは大違いだよ〜。

 

でも、これから沢山ライブしたら、色んな人がもっと笑顔な表情が見れるのかな...。

 

もしかしたら、あのお兄さんも笑ってくれるよね..........?

 

「見れたら........、いいな...」

 

「た、たっくん!?な、なんの話し!?」

 

「え?..........あぁ!今度のライブでお客さんを笑顔に出来たら良いなって思ってただけだよ?」

 

「そ、そっか........(ま、まさかたっくんにまで片目しか開けてなかった事がバレたかと思った...)」

 

はて、ひーちゃんはなんでそんなに慌ててるんだろうか?僕が首を傾げていると、浴衣を着た二人の女性がひーちゃんに声を掛けて来た。

 

「あの〜、チケット買っても良いですか?」

 

「えっあっはい!」

 

ひーちゃん落ち着いて!顔がホラー映画みたいな顔になってるよ!そう言って僕がひーちゃんの代わりに茶封筒を取って、中からチケットを取り出して、声を掛けて来てくれた浴衣姿の女性二人にチケットを渡して、代わりにお金を受け取った。

 

「初めて生でライブ見たけど、凄く良かったです!」

 

「今度のライブも頑張って下さい!」

 

「ありがとうございます!」

 

「あっはい!頑張ります!」

 

そっか........。今日が初めて生でライブ見てくれた人が居るんだ...。なら僕達が、もっと盛り上げていかないとね!!

 

「今夜はやけ酒だ........。こんなキラキラした時代が私にもあった筈なのに........」

 

いやなんで!?

 

よく分からないけど何処から取り出したか分からないパック酒を飲まないでよ!?

 

「其処の人達〜、此処でのライブはやめて下さーい!」

 

するとお巡りさんらしき人が、僕達を注意しにやってきた。というそもそも此処路上ライブする所じゃないじゃんか!!僕達は慌てて機材を回収してる間に、きくりさんがお巡りさんに謝って、その場から撤収する事にしました。

 

 

「あはは〜最後怒られちゃったね〜」

 

「でも、路上ライブ楽しかったです!ひーちゃんもノルマ達成出来たもんね!」

 

「う、うん...。ありがとうたっくん」

 

「えへへ♪どういたしまして♪」

 

気づいたら日もすっかり暮れてしまったので、僕達は解散する流れになっていた。それにしても、今日は疲れた........。ナンパに遭ったり、路上ライブやったりしてもうヘトヘトだよ........。

 

........あっ!?しまった!

 

僕はポケットから残り1枚のチケットを取り出す。や、やってしまった〜!僕のノルマあと1枚あったの忘れた〜!もう時間も遅いし、今日は絶対に無理だよ...。

 

「お?一枚残ってるの〜?だったら私が買うよ」

 

「え?」

 

そう言ってきくりさんは僕の持っていたチケットを取ると、お財布から1500円を取り出して、悲しそうに僕に渡した。

 

「パック酒15本分以上のライブ期待してるから........」

 

分かり辛い例え方しないで下さい!

 

なんでお酒に繋がるのさ!?きくりさん、もう少しお酒控えた方がいいですよ!?肝臓悪くしちゃいますよ!?

 

「ライブ、楽しみしてるね。また会おうね。ひとりちゃん、達也くん」

 

そう言ってお気楽な感じで大きく手を振りながら、きくりさんは駅の構内に消えて行った。不思議な人だったな..........。と思っていたら、何故かきくりさんが逆戻りして来た。ん?忘れ物かな?

 

「ごめーん!チケット買ったらお金無くなっちゃった........。電車賃貸して〜!」

 

その言葉に僕はひーちゃんと一緒に、某昭和のコントでよくあるズッコケるように倒れ込んだ。

 

なんでベーシストはこんなにもお金使いが荒いのさ!?

 

もう我慢できません!ただでさえリョウちゃん相手に苦戦してるのに!

 

「きくりさん!一回座りなさい!お説教です!」

 

「達也く〜ん!頼むよ〜!」

 

良いから座りなさい!!

 

「は、はい!」

 

そう言って僕は無理矢理きくりさんを座らせて、20分程お説教した後、電車賃と二枚枚のメモを渡して、きくりさんを解放しました。

 

ちなみにメモには..........。

 

『きくりさんのバンドのリーダーさんに見せてください。他のメンバーさんには見せないで下さい』

 

『貴女様のベース担当の女性に電車賃を貸した者です。返金に関しては期限は問いません。ただし、彼女の飲酒を制限させて頂ければこちら側はとても有難いです』

 

と、書きました。流石にリーダーさんに報告すれば解決するよね!

 

 

 

 

「はぁ、今日は疲れたね〜」

 

「うん..........、疲れて眠い...」

 

きくりさんと別れた僕とひーちゃんは、手を繋いで帰路に着いていた。早く帰ってお風呂入って寝たい...。そんな頭の中が埋め尽くされる途中、僕は気になっていた事をひーちゃんに聞いてみる事にした。

 

「そういえば、今日は浴衣を着た人が居たよね?何かイベントでもあったっけ?」

 

「知らないの?今日花火大会なんだよ?」

 

花火大会!?全然知らなかった..........。でも浴衣姿で来たのなら納得がいくね。そういえば、昔はよく花火とか買ってよくやってたっけ....。僕とふーちゃんとジミーははしゃいでたり、ひーちゃんは一人で線香花火でやってたっけ...。

 

昔を記憶を思い返していると、空からバァーン!と音が鳴り、色とりどりの花火が打ち上げられた。どうやら花火大会が始まったようだ。

 

「綺麗だね〜」

 

「うん..........」

 

次から次へと打ち上げられる花火に僕は見惚れてると、あっ、と思い出したかのような声が出てしまった。

 

「ひーちゃん、虹夏ちゃん達に報告した?」

 

「あ、してない」

 

ひーちゃんがスマホを取り出して、両手で操作し始めると、暫くしたら僕の携帯に連絡が入って来た。うん!ちゃんとグループの方に送れたね!

 

..........お兄さんの事、相談しようかな...。

 

「..........ひーちゃん」

 

「?どうしたの?」

 

「ライブ、絶対に成功させようね!」

 

「..........うん!」

 

ひーちゃんと打ち上げ花火を見ながら、帰宅するのであった。

 

つづく!!




ちなみに改変したやつはタイトルの後ろに(NEW)と書いてあります。
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