次のR-18版は店長さんに行こうと思います。
「お父さん、ギターを壊してごめんなさい」
「顔を上げてひとり!土下座する必要ないから!」
文化祭ライブが終わっての休みの日、私はお父さんの前でギターを壊してしてしまった事に謝罪と同時に土下座した。
「ひーちゃん!それは大袈裟過ぎるよ!」
そう言ってたっくんは私を無理矢理頭を上げる。
「大丈夫だよ。ペグが壊れただけだし、修理費そんなにないし、心配しなくてもいいよ。でもライブ中に壊すなんて何か父さん興奮しちゃうなぁ〜。今は破壊専用ギターってやつも売ってあるらしいし、今度のライブでしてくれよ!」
「危ないだからダメです!!」
実の娘にどんな方向に持っていきたいんだ...?それに比べてたっくんは優しい...。
「これもいい機会だし、ひとりも達也も自分用のギター買ってみたらどうだ?」
「「自分用のギター?」」
お父さんの提案に、私とたっくんは首を傾げた。
「ギターは何本持っててもいいと思うし、今回みたいなトラぶった時にすぐ対応できるし」
「おとーさんあそんでー」
お父さんの説明してる横で、ふたりが割って入ってくる。もう少しで話しが終わるのでもう少しだけ待って貰おう。
「でも...、バイトしてるけどライブのノルマで消えるからそんなお金......」
「ふふふ、案ずるな!!金ならあ......」
「あーそーんーでーーー!!」バシバシ
「痛い痛い痛い!?ちょっと顔面叩かないで!?」
「ふーちゃーん。もうちょっとだけ待っててねー」
さっきからバシバシとお父さんの顔を叩いてるふたりを、まるでクレーンゲームのアームみたいに捕まえて少し距離を離れるたっくん。
「......ごほん、改めて...。金ならある!此処になぁ!!」ドンッ!!
そう言ってお父さんは尻ポケットから茶封筒を取り出して、中身を取り出す。そして、私に差し出した。
「!!???」
「!?」
それは、福沢諭吉様が60枚もあった。後ろに居たたっくんもびっくりしていた。
「なっ、何この大金......。お父さん、まさか闇営業......こんな黒いお金受け取れないよ!」
「うちはそんな切迫してないよ!?」
「じゃ、じゃあ......、父さんの貯金から出したの?」
「断じて違う!」
「もしかしてあれー?へそくりー?」
「泣いていい?父さん泣いていいかな!?自分の子供達に信じて貰えないなんて泣いていい!?」
そうは言ってもそのお金は何処から出てきたの!?
「はぁ...、それはひとりの動画広告収入で得たお金だよ。一定の再生数があると動画サイトからお金が貰えるんだよ」
???何言ってるんだ?言ってる意味が分からない......。
「あ!そう言う事か!と言う事はひーちゃんは知らない間にお金稼いでたんだよ!」
「な、なんだってーーー!?」
すぐに理解出来たたっくんの説明に思わず声を上げてしまう。そういえばテレビで『将来なりたい職業No. 1は動画配信者』って言ってたな!今気づいたよ!
「そう言う事、動画サイトのアカウント家族共有になってたの忘れてただろう?再生数が結構あったから父さんがこっそり広告つけておいたんだ」
「「いつの間にそんな事を!?」」
「いつかこうやって必要になる時がくるかもと思ってね。ひとりと達也が練習頑張って演奏どんどん上手くなってく過程が見れたのは本当に嬉しかったよ」
「お父さん......」
「父さん......」
「まぁ......、比例して虚言が達者になっていく過程は父さん悲しかったけど...」
オロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ.........。
ちょっとお父さん!?何勝手に概要欄覗いてるの!?プライバシーの侵害!!
「虚言って何!?ひーちゃんなんて書いたの!?」
「ん?これ」スッ
私が概要欄に書いた虚言(自覚なし)に気になったのか、お父さんがスマホをたっくんに見せる。
「ま、待って!ダメだたっくん!ダメだ!死ぬぞ!!」
『友達の間で
最近流行ってる曲です。
カラオケでよく歌う曲!
サビで皆盛り上がるよね〜o(^▽^)o
彼氏が好きな曲!(ノωヾ*)』
「........................ひーちゃん、彼氏居たの??」
やめて!もうやめて!私のぼっちライフはゼロよ!!だからそんな哀れな目でこっちを見ないでよっ!!(迫真)
さてさて、場面は変わって私の部屋。私はお父さんから受け取った福沢諭吉様を並べてみる。60枚...、つまり私の目の前には60万円ある。ふひ...、まさかこんな棚ぼた展開が起こるなんてね......。人生何が起こるか分かったもんじゃないね。
半分はたっくんのだし、新しいギターは大体10万前後、約20万は余るって事だ...。この残りをノルマ代にあてれば2年近くはバイトせずにライブ出来る.....。ふひ、ふひひひひひひひひひ........。
「我が世の春が来たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!URYYYYYYYYYYYYYY!!」
「ちょっとしたお金持ちの体験してどんな気持ち?ひーちゃん」
「そりゃもう、最高にハイッ!ってや..............................」
..................................................................................ン?
「(^-^)」ニコニコ
「(・□・;)」アセダラダラ
やべぇ......、たっくんが
「そのお金は、新しいギター買う時まで僕が預かってるね♪心配しなくても、1円も使わないから♪」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!(もはや人間では出せない奇声)
「まっ、待ってたっくん!?私もう高校生だよ!?自分のお金ぐらいちゃんと管理出来るから!」
「そう言って新しいギター買った時に余ったお金でノルマ代に使えばバイトする必要ないって思ってるんでしょ?」ジィー
「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカヤダー(お見通しだぁぁぁぁ!!)」
「あのねひーちゃん、もしこの件で辞められたとしてもね?復帰した時に前みたいにやり方が忘れたって事になるんだよ?折角今日まで頑張ってきたのに水の泡にする気?」
ハハハハハハそうですねー言われてみればそうですねー特に私みたいなクソ雑魚ツチノコにはなぁ!!(泣き目)
「ぐ、ぐうの音も出ない...」
「だから、もう少しだけ頑張ろ?ね?」
もう無理です降参です。私にはたっくんに一生勝てないって事が分かりました。イキってすみませんでした.....。
翌日のバイトの日、店長さんに何か献上したら辞めさせて貰えると思って虹夏ちゃんに頼んで聞いてみたら『特にない』の一言で私の野望は砕け散った。
「わ〜、たくさんお店がありますね」
「楽器屋さんって言ったら御茶ノ水だよね〜」
「最近は渋谷もいいぞい」
文化祭ライブが終わって数日後、僕達はひーちゃんの新しいギターを買う為に御茶ノ水にやってきました!それにしても凄いお店の数だね〜。何処行ったら良いのか分かんないや!
「え〜?渋谷にそんなイメージ無かったな〜」
「楽器店が密集してたり、楽器村なんてのもあって、ここ数年で結構力入れてる」
ほぇ〜、流石リョウちゃん。音楽関係だとバッチリだね。
「達也くん、どうしてこんなに楽器屋さんあるの?」
「う〜ん...、ごめん。僕はそう言うのは詳しくなくて......」
「なら私が教えてしんぜよ」
うわっ!?後ろからニョキって出てこないでよ!?びっくりしたじゃないか!
「明治時代に日本で最も古い歴史を誇るプロケストラが結成されてから都内で音楽活動が盛んになってその頃御茶ノ水で今では老舗と呼ばれる下倉楽器、イシバシ楽器ができてうんぬんかんぬん......」
「「「( ゚д゚)」」」ポカーン
「おー、たっくん頭から湯気立ってないない。成長したんだね〜」
リョウちゃんの熱い説明に僕とひーちゃん、喜多さんは口を開けたまま唖然としていた。なんでそれを学力に活かさないのだろうか...。まぁ好きな事だから仕方ないとは思うけど...。それから虹夏ちゃんを先頭に暫く歩くと、一つの楽器屋さんに到着しました。
「この辺のお店に入ろ〜!お姉ちゃん昔此処でバイトしてたんだよ!」
え?そうだったの?店長さんらしいって言えば店長さんらしい...。飲食店でアルバイトしてたのかも思ってた...。
(入りたくない...。本当は後ハウス(※楽器通販サイトの事)で買うつもりだったのに...)
と言う事でいざ店内にゴー!...したら突然ひーちゃんがいきなりブンブンと首を縦に激しく揺らし始めました。
いや何やってんのひーちゃん!?
「店長!凄いヘドバン少女が来店しました!」
「コアメタルファンに違いない!」
「違います!!こらひーちゃん!店員さんが驚いてるからやめなさい!」
「何たっくん!?今イヤホンつけてノッてるふりしてる最中だから」ブォンブォン
「首痛めるからやめなさい!!」
「お客様、メタル志向のギターをお探しなら2階の...」
「えっ、あっ、えっ」ブォンブォン
だから首振るのやめなさいよ!!
それから皆んなで楽器屋さんの中を探索する事にしました。ギター用のストラップやピックを見たり、喜多さんがアクセサリーに加工しようとか言い出したり、ひーちゃんが店員さんに揺らされたり、リョウちゃんは不満そうな顔したりと、とても優雅(?)な時間を過ごしています。
「すみません、このベースって試奏できたりします?」
「大丈夫ですよ〜」
「?リョウちゃんベース買うの?」
「別に、ちょっと気になるから軽く弾きたいだけ」
するとリョウちゃんが気になったベースを持って試奏してみる事に。そしたら軽く弾くどころか、本気で弾いていた。すると店員さんや喜多さんは驚き、虹夏ちゃんはやっぱりか、と言いたそうな顔をしていた。
「まぁ...、すごい適当に弾いた...だけだけど...。結構いいベース...」ゼーゼー
「試奏で本気出してドヤる奴だ!」
「あはは......」
「........................」
「?郁代も気になるギターでもあったの?」
「えっ、いや別に...」
(...皆んな楽しそうでいいな......。あっ、これが漫画でよくあるドラマー孤独問題か......)
「そう言えば、達也くんは買わないの?」
「え、えっと僕のは......『あっ、あたしもギターとベースかっ、買っちゃおうかな〜』え?」
「「え?」」
僕が喜多さんの質問に返答してる途中に、虹夏ちゃんが横から入ってきた。虹夏ちゃんがギターとベース......、それプラスにドラム......。
虹夏ちゃんギターとベースをドラムスティックの代わりにドラム叩くの!?
「違う違う!普通に弾くようでだよ!」
だ、だよねぇ〜!そんな訳ないよねぇ!!(汗)
「じゃあ今度はドラム専門店絶対行こうね!秋葉にあるから!」
「ごめんごめん」
「上にも行っていいですか?」
「上に何があるの?」
「三階はハイエンドコーナー」
ハイエンド?聞き慣れない言葉に僕は首を傾げて、皆んなで三階に行くと、沢山の楽器が並んでいたが...。
値段がさっき見た金額の何倍も高くなってました(白目)
一つ65万だったり71万だったりしてるけど、絶対に高校生じゃ買えないでしょ!?
「値段が全部バグってるわ!?」
「皆んな!絶対に楽器に傷つけたり倒しちゃダメだからね!!」
「壊したりでもしたら全員臓器の一つや二つ消えるからね!」
「「いや〜〜〜!!」
「気楽に見てって下さい......」
こんな価格見たの初めて見た僕は、長い時間は居られないと思って二階に戻りました。あんな値段見ちゃったら緊張しちゃうでしょ!?それからひーちゃんとギターを見ていたら、ひーちゃんが一つのギターに目を付けました。それは、YAMAHAと書かれた黒いギターだった。
「これかっこいい...」
「お〜良いの見つけたねひーちゃん!」
「YAMAHAさんいいですよね〜。手頃な価格ですけど、すごく良いギターですよ。お客様も試奏なされますか?」
「あっ、いやっ、えっと...(こ、断れない...)」
「試しに弾いてみたら?気に入らなかったらまた別の探せば良いしね!」
「たっ、たっくんがそう言うなら...」
そう言ってひーちゃんは選んだギターを試しに弾いてみた結果、やはり人前ではまだ弾けないのかべちょ...って音が鳴りました。いやギターってそんな音出せたっけ?
「だ、大丈夫です!練習していけば必ず弾けるようになりますよ!初めてのギターならシールドとミニアンプも揃えた方がいいですよ」
「あっ、うっ、買いま......」
「あっははー!ごめんなさい、実はこの子経験者で人前だと緊張しちゃって普段の演奏か出来ないんですよ〜」
「あっ、経験者の方でしたか!大変失礼しました!」
「お気になさらず〜!最近ギター壊れちゃって代替機を探しに来たんですよ〜!」
「そうだったのですか!今時学生さんでも何本も持ってる方いらっしゃいますからね〜」
「そうみたいですね〜。どうひーちゃん、このギター気に入った?」
「」パクパクパク
「これにするみたいです!」
なんかひーちゃんが腹話術のお人形さんみたいになってて可愛い!!でも若干くるみ割り人形みたいだね!
(ぼっち腹話術の人形みたい)
(最近成長したと思ったけど、こういうとこまだまだだな...)
それからひーちゃんは先程選んだギターを購入する為に、お会計へとしていました。
「よかった〜。このギター私が検品してメンテナンスもしてたんです。すごく作りがよくて、私もお気に入りなんで。このギターもお客様に選ばれて嬉しいと思いますよ。お買い上げ、ありがとうございます」
そう言って店員さんがギターを差し出すと、ひーちゃんは受け取ろうとする。
「あ........、ありがとございま........した!!」
受け取る前にひーちゃんはお店の入り口へ一目散に走ってしまった。
「お客様!ギター忘れてますよ!!」
「どんだけ帰りたかったのさ!?せめてギター受け取ってからにしてよ!!」
ひーちゃんの背中に抱きついて思いっきり引っ張って連れ戻す。んも〜う!あとちょっとなんだから頑張ろうよ〜!って力強い!?いつの間にこんなパワーを!?
「あれ?そう言えばたっくんのギターは?」
なんとかひーちゃんを連れ戻すと、虹夏ちゃんが尋ねてくる。
「あ、僕のは......」
『〇〇番のお客様〜、修理カウンターまでお越しください〜』
おっ!どうやら呼ばれたみたいだね!僕はアナウンスの指示に従い、修理カウンターへ向かう。
「お待たせしました。此方が修理したギターで、此方がメンテナンス終了したギターです」
「ありがとうございます!」
頼んだ二つのギターを受け取って、虹夏ちゃん達の元へと戻る。え?なんで二本も持ってきたのかって?折角だし、二本とも修理、点検して貰おうと思ってだよ!流石に二本は重かったけど!
「お待たせしました!」
「おー、おかえり...。何そのギター二本は...」
「あ、これ前までひーちゃんが使ってたギターを修理したのと、僕が使ってたギターをメンテナンスして貰ったんですよ!」
「え?た、たっくん買ってないの?」
「うん!これから父さんのギターを借りるんじゃなくて譲って貰うように頼んでみる事にしたんだ!確かに色んなギターを見てていいな〜って思ったギターはあったけど、やっぱり父さんのギターが一番かなって思ってね!それに修理とメンテナンスしただけだから、お金にちょっと余裕があるし、僕用と予備のギターも手に入る。一石二鳥だね!」
「なんて良い子なんだ...」
「親から子へ...」
「達也くん、そのギター大事に扱うのよ...」
僕がそういうと、虹夏ちゃんとリョウちゃん、喜多さんは感動して涙を流してました。隣に居たひーちゃんはというと、
「余る...、お金が余る......。だ、だったら店長さんに無理矢理献上すればバイト辞められるのでは......」ブツブツ
と出来もしない事をぶつぶつ言ってました。んも〜う!僕がお金管理してる事また忘れちゃってる〜。それから僕達は解散して、ひーちゃんと一緒に帰宅すると、ひーちゃんはすぐに買ったギターを持ってみました。
「ひーちゃんかっこいいよ!すごく良い!!」
「う、うへへ......」
「似合ってるよひとり。でも良かったのか達也?新しいギターじゃなくて父さんのギターで?」
「うん!僕は父さんのギター好きだし、最後まで使ってあげないと父さんのギターに失礼だからね!」
「お前はなんていい奴なんだ......。そんな事言ってくれる息子を持って父さん嬉しいよ...。なんで男の娘なのか未だにわからん......」
「ほら、父さん泣かないで?」
(お、大袈裟過ぎる......)
「「ジトーーーーーー.....」」←たっくん専用と化した二本のギター
「ひぃ!?ご、ごめんなさい!たっくんみたいに君たちを大事にしないで新しいギター買ってごめんなさい!」
なんでギターの前で土下座してるのひーちゃん!?こうして、ひーちゃんの新しいギターは無事に買える事が出来ましたとさ。
あ、ちなみに余ったお金は僕が回収しました。そしたらひーちゃんに泣きつかれましたが、次からのお小遣いをちょっとだけ増やしてあげるというと、すぐに引き下がりました。チョロいよひーちゃん......。
〜おまけ〜
「店長さんの今欲しいものを聞いてきて貰えますか...?ってぼっちちゃんが」
「っ!?......特にない」
「いらねぇだって!」
「終わった......」
(ぼっちちゃん優しいなぁ...、でも私はサプライズ派なんだ)
「.........(*^ω^*)」←徐々に笑顔になっていくたっくん
〜数日後〜
「店長さん!これ、プレゼントです!」
「えっ!?」
「日頃の感謝を込めて、マフィン作ってきました!お仕事終わったら虹夏ちゃんと一緒に食べてください!」
「あ、ありがとう......(まさかたっくんからくれるなんて......、ワイン飲も...)」
この後、たっくん特性マフィンを虹夏と食べながらワイン飲んだ。
ちなみに原作では、動画広告収入は30万ですが、この作品はたっくんもギターヒーローやってるので、原作よりちょっと(?)多めです。