ふたご・ざ・ろっく!   作:餡 子太郎

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九月一発目です。

途中から初の喜多ちゃんside入ります。


喜多さんとのお泊まり会!!の巻

 

喜多さんが今後のバンド活動の為に、ボーカルは自分の曲への理解を深めた方がいいと思って、だから私に歌詞を直接解説して貰えれば課題の突破口が開けるかも、と言うことで、今週末に喜多さんがうちにお泊まりする事になりました。まさかの急なお泊まり会で、私とたっくんは電車内で驚愕し、急いでお父さんに連絡したら、『買い物行ってる!』と連絡が帰ってきました。うわー、お父さん気合い入ってるなー(遠い目)

 

2時間掛けて帰宅して、玄関を開けたら、

 

「「「喜多ちゃんいらっしゃーい!!」」」

 

と、お父さんとお母さん、ふたりがクラッカーを放って出迎えてくれました。なんか夏休みに虹夏ちゃんと喜多さんが初めて来た日を思い出すなぁ...と思いながら、たっくんの顔に着いたクラッカーの紙屑を回収した。後で玄関掃除しなくちゃ........。

 

「急にすみません〜」

 

「気にしないでいいのよ〜、自分の家みたいにゆっくりしていってね〜」

 

(よーし!作詞のひとりちゃんに色々質問して、歌詞への理解を深めるのよ!なんかテンション上がってきた!(ギャグではない)私今日寝れないかも!)

 

「あっ、私は下に居るので、部屋は自由に使って下さい」

 

そう言って私はリビングの扉を開いて、中へ入った。

 

「温度差ぁ!!一緒に居ないと意味ないじゃない!!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

喜多さんが私の足を引っ張って、わたしの部屋へ連れて行こうとするが、私は力を振り絞って、扉に掴まって引き摺られるのを防ぐ。

 

「達也くん!ひとりちゃんの手を持って!二人で部屋に運ぶわよ!」

 

「了解!」

 

「あ、ちょっと待って!たっくん、話せば分かる!分かるから!!わ、私の側に近寄るなぁぁぁぁ!!」

 

そのまま私はたっくんと喜多さんに掴まれて、部屋まで連行されてしまった........。

 

 

 

 

さて、二人に私の部屋に運ばれてしまい、私はこの状況の打開策を考えていた。たっくんは先程のクラッカーの紙屑を回収しに掃除している。だから自分でなんとかしなくちゃいけないのだ。ただでさえ、まだタイマン耐性がないから長時間居るのはキツイのに、更に泊まっていくなんてとても耐えられない!それになんで私の部屋?私の部屋なんてギターと動画用のノートパソコンしかないのに、何で私の部屋!?だったらたっくんの部屋でも良かったじゃん!私より漫画あるし、会話のネタのストックも某英雄王の王の財宝並みにあるでしょ!?虹夏ちゃんの時はmy new gear........で話しが盛り上がった(?)のに、喜多さん相手じゃ通用しない!

 

(ふふふ、困ってるのね。お母さんに任せて!)

 

お、お母さん!?いつの間に扉の隙間を覗いて........。まさか何か策が!?

 

「じゃーん!お母さんも居たら気まずくならないでしょ〜!後藤美智代、16歳で〜す!制服なんて21年ぶり〜!」

 

まさかの制服姿でやってきたお母さん。期待した私がバカだったーーー!!

 

お母さんはあっち行ってて!!

 

(家族には大きい声出せるのね........)

 

「お待たせ〜!ジュース持って来たよ〜........ってお母さん!?」

 

「どう達也?お母さんもまだまだいけると思わない〜?」

 

すると掃除を終えたたっくんが、オレンジジュースのペットボトルとグラスを乗せたお盆を持って部屋に入ってくると、お母さんの制服姿に驚いていた。ほら見て!たっくんだって驚いてる........。

 

すっごく可愛い!!

 

((ええええええええええええええええええええええ!?))

 

「そう〜?着替えた時にお父さんが見たら、なんとも言えない顔してたから良い返事が貰えなかったのよ〜」

 

「でも全然可愛いよ!!もしかしたら本当の高校生に間違われるんじゃないかな!?」

 

「あら達也ったら褒め上手ね〜、私も捨てたもんじゃないわね〜」

 

嘘やん........、たっくん本気で言ってるの........?

 

「........達也くんって、本当に歳上好きなのね........」

 

あ"ぁ"っ"!?そういえば前に言ってた!?確か歳上の人が現状の好みだって!そ、そんな........、たっくんが........、お母さんを........。

 

『お母さん........、可愛いよ........』

 

『達也.......、愛してるわ.........』

 

うそだ....................。

 

ウソダドンドコドーン!!

 

「うわっ!?ひとりちゃん!?」

 

「たっくん!考え直して!!実の母親に手を出そうなんて、バカな事はやめて!!」

 

「何を考えたらそう言う事になるのさひーちゃん!?」

 

「まぁまぁ〜、ひとりちゃんってば、私と達也がくっつくって思ってたのかしら〜?」

 

「あ、いや........、ちがっ!」

 

「大丈夫よ!お母さんは近◯相姦オッケーだから!」

 

「何処を安心しろと!?と、取り敢えずお母さんは出て行って!!」

 

私は直ぐにでもお母さんを追い出そうと、背中を押して部屋の外に出す。こ、このままだとお母さんみたいな大人に、たっくんが取られてしまう........!なんとしてでも同い年、又は歳下好きになって貰わなければ!!

 

 

気を取り直して、たっくんがグラスに注いでるときに、本題の歌詞について、私は喜多さんに質問してみる事にした。

 

「あ、あの........。理解を深めるってどう言う事ですか...?」

 

「達也くんがカラオケで歌歌ってる時に、歌詞に何か思いを込めて歌ってる感じがしてね。私って、歌詞に深く考えた事がなかったの」

 

思いを込めて、か........。たっくんは特別意識してる訳じゃないと思うけど........。

 

「早速だけど、ひとりちゃんの作る詞ってどういう意味なのかしら?なんとなく憂鬱な事を言ってるのは分かるけど、どの曲も比喩が多くて抽象的よね」

 

「べ、別に聴く人が各々自由に解釈して貰えたらいいなっていうか...」

 

「それじゃあ喜多さんが来た意味がないよひーちゃん........」

 

知るか!!私は未だに同級生に苗字は覚えられても、名前は間違われるとか、席替えで隣になった人に少しがっかりした顔されて傷ついたとか、そんなしょうもない不満を抽象的な歌詞でカッコよく言ってるだけだから!喜多さんが追い求めるものとはかけ離れた存在だから!

 

「だ、大体学校とかであった嫌な事とか、コミュ症には生きずらい世の中の不満を...」

 

「あっ、ごめんね。聞きづらい事聞いて........」

 

気を使わせてしまった........。情けない........。

 

「(歌詞の意味を聞いても、あまりよく分からないわ...。そうだ、ひとりちゃん自身への理解を深めたら何か分かるかも!)今から私の事は気にせず、いつも通り過ごしてみて!」

 

え?いつも通り?いつも通りって凄く地味ですよ?あといつも通りって言われても、喜多さんが居る時点でいつも通りには出来ない........。

 

「そうだ!ひーちゃん、そろそろギターヒーローの動画のストックないでしょ?だったら今から撮影しようよ!」

 

それだ!たっくん流石!という訳で早速機材をセッティングして、宅録の準備に取り掛かる。

 

「へ〜、宅録ってこんな感じなんだ〜!」

 

「そ、それじゃあいきます........」

 

それからたっくんと一緒にギターを掻き鳴らし、いつも通りの動画撮影を行った。

 

 

 

〜数時間後〜

 

「........zzz」

 

「................たっくん、どうやら私の日常はつまらなかったみたい...」

 

「そ、そんな事ないよ!ほら、音楽聴き続けたら眠くなるでしょ!?あれと似たような感じだよ!」

 

必死にフォローしてくれてるたっくんだが、やっぱり私の日常って人から見たら詰まらないって事が分かった......。

 

 

 

 

「さぁ、皆んな出来たよ!今日は唐揚げとコロッケとかの揚げ物だよ!」

 

たっくんが夕飯を作ってテーブルに並べたら、テーブル中央には唐揚げやコロッケ、メンチカツ等の揚げ物のオンパレードだった。勿論、サラダも用意してある。

 

「わ〜!お兄ちゃんのコロッケだー!」

 

「今日はいつもより気合が入ってるなー、やっぱり喜多さんがうちに来てくれたからか?」

 

「うん!だから遠慮する事はないよ!喜多さん!」

 

「え、えぇ........。ありがとう........(ダイエットする覚悟しなくちゃ........)」

 

「*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*」

 

(ひとりちゃんが見せた事のない笑顔を作ってる!?)

 

私が変な顔をして揚げ物を見てる中、喜多さんがこっちを見て驚いてるけど全く気が付かず、ただ目の前にある揚げ物に視線が固定されていた。唐揚げ!!コロッケ!!メンチカツ!!ハムカツ!!イカフライ!!エビフライ!!フライドポテト!!やっぱりジャンクフードは正義、至高、強靭、無敵、最強!!

 

「「「いっただきまーす!!」」」

 

それから皆んなで夕食を堪能した。私の承認欲求を唯一抑えられるのがたっくんの手料理だから、本当に有難い限りである。喜多さんも目の前にある揚げ物を一つ箸を使って口に運ぶ。

 

「........あ、これ美味しい」

 

どうやら喜多さんもたっくんの手料理に胃袋を掴まれたようだ。

 

 

 

〜次の日〜

 

「よーし!今日は気を取り直して、ひとりちゃんを大解剖するわよ〜!」

 

「か、解剖........!?私はこれから解体新書にされるが為に........」

 

「そんなバイオレンスじゃないわよ!小中学校とかのアルバムとか見せて!」

 

「」バタンッ

 

「なんでその言葉で倒れるの!?」

 

喜多さんが泊まりに来て翌日、私は喜多さんとたっくん特製のベーコンエッグを堪能した後に、部屋に戻ったら喜多さんが私の黒歴史を見せて欲しいと尋ねて来たら、私は一瞬にして気を失った。ちなみにたっくんは皿洗いしてる最中である。

 

「だ、だって........。あ、あるじゃないですか、偶に暗い人が突然勇気を出して面白い事やろうとして、滑べるあれ........」

 

そう言って私は中学時代のアルバムを押し入れから取り出して、後ろ部分を捲る。其処には過去の私が書いたであろう、卒業文集のページだった。

 

『将来の夢  

 

3年A組 後藤ひとり

 

私の将来の夢はリア充撲滅です。

 

総理大臣になって、まずはクリスマス、バレンタイン、ハロウィンを廃止させたいと思っています』

 

 

「つまりこう言う事です........」

 

「わ、若気の至りぐらい誰だってあるわよ!」

 

「じゃ、じゃあたっくんのと比べて見ますか?」

 

そう言って押し入れに入ってあるたっくんのアルバムを取り出す。

 

「なんで達也くんのがあるの?」

 

「た、たっくんの部屋は私の部屋と違って、漫画とかプラモデルとか置いてあるので、少しでもスペース確保の為に........」

 

「ひとりちゃんも達也くんを見習った方が良いのでは?取り敢えず見てみましょう!」

 

そう言って喜多さんがアルバムを開く。

 

 

『将来の夢

 

3年A組 後藤達也

 

僕の将来の夢は、双子の妹であるひとりちゃんの為に、頭の良い大学に入って、高収入の会社に就職し、バンドマンになる(予定)のひとりちゃんのサポートが出来る人になりたいです。

 

バンドマンは、不安定な職業な為、何が起こるか分かりません。なので、お兄ちゃんとして精一杯サポート出来るような大人になりたいです」

 

「た"つ"や"く"ん"、あ"な"た"な"ら"ひ"と"り"ち"ゃ"ん"を"ま"か"せ"ら"れ"る"わ"!!」

 

たっくんの卒業文集を読んで、感動したのか喜多さんが泣き出してしまった。その言い方...、喜多さんは私の親なのかな...?まるで結婚を許して貰えるよう頼み込んだような彼氏さんのセリフに似てる気が...。

 

「き、喜多さん?僕ならひーちゃんを任せられるって何?」

 

するとお皿洗いを終えたたっくんが、お茶を持ってやってくる。

 

「あら達也くん。ごめんなさいね、勝手にアルバムを見て」

 

「それは構わないけど........」

 

それからたっくんも加わって、一緒にアルバム鑑賞をする事に。体育祭や文化祭、色々良い思い出が無いものの、所々たっくんが映ってる写真があっては、喜多さんとたっくんが盛り上がって、私は蚊帳の外。逆に私の写真は集合写真と写真しかないので、心霊写真みたいになっており、私の口から解説する手間が省けてしまった。うん........、なんというか........。死にたい........。

 

それからページはペラペラと捲っていき、メモのページに到達した。今開いてるアルバムはたっくんのなので、沢山の文字が書かれていた。

 

「わぁ、達也くんってこんなに一杯書かれてるのね〜」

 

「あはは、友達から書いてくれ、書かせてくれって頼まれて来たから、断れなくって........」

 

................友達に書いてくれ?書かせてくれ?

 

「え、たっくん?其処ってメモスペースじゃないの?」

 

「「え?此処は寄せ書きスペースだよ?」」」

 

「」

 

どうやら私は盛大な勘違いをしてしまったようだ........。

 

 

 

 

 

ま、まずい........。ひとりちゃんにダメージを負わせてまた死なせちゃった...!おまけに私が求めてるものは手に入らず仕舞い....、万事休すと思われた時、隣にいた神様が助言を下さった。

 

「あ、父さん達に質問してきたら?何かヒントになるんじゃないかな?」

 

「それよ!」

 

流石達也くん!達也くん以外にひとりちゃんの身近に居る人、つまりご両親に聞いてみればいいのよ!と言う事で、早速質問してみる事に。

 

 

〜母の証言〜

 

「う〜ん、小さい頃から達也とは違って人見知りで、引っ込み思案な子だったわねぇ。物心ついた頃はよく『お腹に戻りたい...』って言ってたし」

 

キャラ徹底してますね!あと物心ついた頃からお腹に戻りたいって、その日から自分に自信が無かったの!?

 

 

〜妹・犬の証言〜

 

「お姉ちゃん、幼稚園の皆んなからユーレイって呼ばれてるよ〜」

 

そんなのあんまりだわ!!

 

「逆にお兄ちゃんは、皆んなのアイドルだったよ!」

 

ほんとに双子!?実は病院に取り違えた子とかじゃないの!?

 

「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!」

 

ごめん、何言ってるか分からないわ!!

 

 

 

〜父の証言〜

 

「僕とひとりは、ふたりの中の家族カースト最下位を争いを繰り広げる良いライバルだよ!」

 

碌なエピソードが集まらない!ってかお義父さんが最下位ってどう言う事なの!?

 

「ちなみに一位は達也だよ!」

 

だと思った!貴方は大人としてのプライドはないんですか!?

 

「あ、そういえばひとりちゃんって、達也くんがギターを始める一年半前に始めたんですよね?」

 

「うん、確か中学入ってすぐだった頃かな?昔から運動も勉強も頑張って来たけど、周りの子についていけなかったみたいで........。それとは反対に達也は運動は出来るし、勉強もテストでは毎回60点以上は取っていたんだ。でもギターを始めてからは、その悔しさを埋めるみたいに没頭してね。唯一達也に勝てるものと言ったら、ギターぐらいなんだ。毎日6時間以上練習して、今じゃプロレベルになってるし、二人揃って努力家で天才なんだよ。達也も影響を与える程だから本当に熱中出来る物に出会えて良かったよ」

 

「........へぇ」

 

「でもネット上で彼氏居るとか、妄言吐くようになったけどね........」

 

「あっ、皆んなにアカウントバレてからピタッと止みましたよ」

 

「本当は達也にやらせた方が良いと思ってたんだけど、SNSには全く手をつけなかったからやり方が分からないから、ひとりに任せてたんだ...」

 

な、成る程........。達也くんがSNSに弱い理由が分かったわ.......。

 

「あ、でも達也くんはなんで今でもギターを?」

 

「あぁ、多分ひとりの動画に一緒にやり始めたって事もあるけど、もう一つの理由はふたりなんだ。ふたりも達也と同じでアニメが好きだから、よくアニメの主題歌とかBGMとかよく弾いて聴かせてるから、達也自身もそれが楽しくてずっと続けてると思うよ。ひとりと違って6時間も練習してないし、始めはバンドマンになるつもりは無かったからね」

 

「じゃ、じゃあなんであんな技術を?」

 

「多分、やり方を覚えては後は独学だと思うよ。達也ってアニソンとか中毒性の高い曲が大好きだから、よく同じ曲を聴いては練習してたからね」

 

え?じゃあ今まで耳コピしてたって事!?達也くん、幾ら何でも高スペック過ぎよ!!

 

「ほんと、双子揃って天才だよ。今となれば自慢の子供達だよ」

 

 

 

 

 

私が死んでいたら、すっかり日は暮れてしまい、リビングでは既に夕飯の準備が出来ていた。そして、夕食を食べ終えて就寝しようと布団を敷いたら、喜多さんに今日の成果を聞き出した。

 

「わ、私死んでたので分からなかったですけど、何か掴めそうですか?」

 

「うーん........、ひとりちゃんは昔からひとりちゃんね。特に目新しい情報は無かったわ」

 

なんかすみません........。生きててすみません、生まれてきてごめんなさい........。

 

「ひとりちゃんと達也くんとじゃあ、私なんて正反対な人生を歩みすぎて........」

 

そんなにですか!?気持ち悪いところ見せ過ぎたか!?

 

「やっぱり私みたいな平凡な人間に、ひとりちゃんの書いた歌詞は歌いこなせないのかな...」

 

................え?

 

「自分で言うのもあれだけど、私って勉強も運動も出来るし、友達だって多い。でも何かが特別秀でてる訳でもないし、本当に普通っていうか...。楽しいんだけど、自分の人生なんとなくだけど、味気ないなってぼんやり思ってて...。リョウ先輩の路上ライブを見た時は先輩の見た目に惹かれたのもあるけど、それと同時に普通じゃない道を歩いてるのは羨ましいなつて思って。だから私もバンドに入って、頑張ってるつもりだったんだけど...。それでも私には何もないのかなって、大槻さんみたいに何か伝えたい事があって、曲を作っては歌ってる訳でも、先輩達みたいにずっと音楽が好きでやってきた下積みも、ひとりちゃんや達也くんみたいに全ての時間を注ぎ込む情熱も、唯一無二の才能も、カリスマ性も........、私にはない」

 

「それは違うよ」

 

喜多さんの話しを黙って聞いていたら、隣に居たたっくんが待ったを掛けてくる。

 

「人は始めから完全無欠じゃないよ、誰かしら欠点があるからこそ人間なんだよ。それに、喜多さんもひーちゃんも今までの人生は真逆な道を歩んできたから、ひーちゃんの書いた歌詞に共感するのは難しいかもしれない。でも、それぞれ共通点はあるよね?喜多さんも僕もひーちゃんも、バンドを通して、自分を変えたいって思って音楽をやってる所や、色んな感情が共有できれば、歌ってもらう理由には充分だと思うよ」

 

 

「そ、それに、私には私の人生、たっくんにはたっくんの人生、そして喜多さんには喜多さんの人生の人生があります。喜多さんみたいな普通で楽しい人生を送ってきた人だからこそ、届けられるものってあると思います」

 

「ひとりちゃん、達也くん........」

 

「って、偉そうな事言ってすみません........。私はそう思うっていうか、やっ、やっぱりそんな事ないかもです、すみません...」

 

「「其処は自信持って断言してよ!?」」

 

「あっはい........」

 

余計な事を言ってしまった........。けどまぁ、これでこの話題も終わりだろう。さて、そろそろ寝ようか。

 

「ところでさ、話し変わるけどいい?」

 

「何かしら?」

 

なんで僕がひーちゃんの部屋で寝る事になってるの?

 

あ、ほんとだ。なんでたっくんが此処に居るんだろう........。全然気が付かなかった........。

 

「え?お泊まり会なら一緒に寝るでしょ?」

 

「それは女の子同士だからでしょ!?僕、男だよ!?」

 

「........?」

 

「何そのリアクションは!?『え?女の子じゃないの?』みたいな顔はやめて!?」

 

「思えばお泊まりっぽい事、全然してないじゃない!恋バナしましょうよ!気になってる人は居る!?」

 

「いや、特に........」

 

「ちょっと!?話しを進めないでよ!!」

 

「好きな芸能人は!?」

 

「あっ、アベヒロシ........」

 

「渋いわね!達也くんは!?」

 

「声優さんなら皆んな好きだよっ!!」

 

それからたっくんを交えて、夜遅くまで恋バナ以外の雑談を繰り広げていた。最初は嫌々言ってたたっくんも、すっかり会話の渦に呑まれてしまい、気がついたら既に三人とも眠ってしまっていた........。今までこんな事、やった事が無かったから楽しかったなぁ........。と眠る前の私が思っていた事だった。

 

 

 

 

〜おまけ・PAさんが住んでるであろうマンションにて〜

 

「えっ?歌を撮り直したい?」

 

「はい!前の歌のままじゃ、納得できなくて!」

 

「って突然言い始めちゃって」

 

「(えぇ........、面倒くさい........。でも私のこの前に曖昧な返答したからですよね...)........分かりました。やります、やりますよ...」

 

「ありがとうございます!」

 

「でも急に撮り直したいってどうしたの?何かあったの?」

 

「はい、ちょっとひとりちゃんの家にお邪魔しに........、あぁ!?」

 

「うわっ!?どうしたの!?」

 

「しまった!?折角ひとりちゃんの家にお邪魔(お泊まり)したのに、達也くんの部屋を一度も拝見してなかったわ!!」

 

「あっ!そう言ったらあたしもそうだ!!」

 

 

 

「くちゅん!........風邪かな...?」

 

つづく!!




誰か推しの子とシティーハンターのクロスオーバー作品書いてくれないかなぁ........。

皆さんはひーちゃんのお母さんの制服姿はありですか?自分はありです。

次回のR-18はひーちゃん(イチャラブ)です。
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