今回から四巻目です。
いや〜........、終わりが見えん........。
「じゃ〜ん!これがうちの子のバンドでーす!」
「へー、楽器背負ってるのは見た事あったけど、こんな本格的な活動してたんだ〜」
「これで今フェスに出る為のネット投票とかいうのやってるみたいで、良かったら入れてくれないかしら?」
「勿論!息子さんと娘さんの晴れ舞台だから気合い入ってるわね!」
「うん!制服来て女子高生に擬態して布教活動もしてるの!」
「やめてあげて!二人の名誉の為に!!」
「ってな感じで今日、20人に宣伝しといたわよ〜」
「有難いけどそんな宗教勧誘みたいなのはやめてよね!?」
お夕飯を食べてる時に、お母さんが僕達を宣伝してくれたようだけど、宣伝行動があまりにも宗教勧誘みたいで僕は思わずツッコんでしまいました。お母さんにワンちゃん友達がいっぱい居たのは知ってたけど、だからってひーちゃんの制服着て宣伝する必要はあるの!?
「ふたりも幼稚園でお友達にお願いしてるー」
「そーなんだ!ありがとうふーちゃん!」
どうやらふーちゃんも幼稚園でも宣伝してくれたようです。とっても嬉しい!!
「流石に幼稚園の皆んなは興味ないんじゃない...?」
「おねーちゃん皆んなから幽霊って呼ばれてるから、この曲を聴いたら投票しないと7日後に死ぬぞって言ったらやってくれたよ〜」
呪い扱い!?あと7日後に死ぬってどんな呪い!?デ◯ノート!?
ってかふーちゃん!死ぬぞ、って言葉使っちゃいけません!!
「父さんも昨日徹夜してフライヤー作ってみたぞ!」
父さんも僕達の為にフライヤーを作ってくれたらしく、テーブルの上に一枚の紙を見せてきました。
「父さん!ご飯食べてる途中なんだから、それは後で!」
「おっと、すまんすまん。つい興奮しちゃって」
「で、でも徹夜って仕事に支障でない........?」
「あー、大丈夫大丈夫。父さん窓際族だから」
「「全然大丈夫じゃない!!!」」
僕達を応援してる場合じゃないでしょ!?父さんはずっと窓際族で良いの!?そんなこんなで僕達の楽しい食事は続くのでした。
〜翌日・秀華高校〜
「喜多ちゃーん、ネット投票入れておいたよ〜」
「私も入れたよ!」
「わ〜、皆んなありがとう〜!」
「動画サイトに上がってる曲も何曲か聴いたけど、どれも良かった〜」
「ありがとう〜、ひとりちゃんにも伝えておかなきゃ!」ポチポチ
「後藤さん(妹)も本当にギター弾けるんだね!かっこいいね!」
「ありがとう〜、ひとりちゃんにも伝えておかなきゃ!」ポチポチ
「それと達也くんも凄いよね〜!綺麗な歌声に華麗にギター弾ける、かっこかわいいよね〜」
「ありがとう〜、達也くんにも伝えておかなきゃ!」ポチポチ
「........なんでわざわざロインで?」
「毎日授業始まるギリギリまで何処かに隠れてるのよね........」
「じゃあ達也くんも?」
「達也くんは........、付き添いというより保護者?」
「後藤兄妹って、飼い主と飼い犬みたいな関係なの?」
〜一方その頃〜
「ほらひーちゃん、もう教室に行かないと授業に遅れちゃうよ?」
「うっ........」
私は新たに見つけた隠れ家でたっくんと一緒に休み時間が終わるのを待っていた。何故なら、喜多ちゃんの友達が私に興味ないのに気を遣って会話を投げ掛けてくれるのが絶えられなくなって逃げたなんて言えない...。この前だって........。
〜回想〜
『ごっ、後藤さん。好きな寿司ネタはなに?』
『あっ、かっぱ巻き...』
『そう...』
『皆んな仲良くなって嬉しい!』←鈍感な喜多
〜回想終了〜
それに喜多ちゃんの後ろの席になってからトイレで席外す度に喜多ちゃんの友達が席を占領してるし...。どいて貰うのがしんどくなって休み時間はもう此処に居る...。こんな状況に心配してたっくんが側に居てくれてるけど、何故か喜多ちゃんと同じクラスになってからの方が心労が多い...。たっくんが居ればなんとかなると思ってたら、そうじゃ無かった。休み時間教室で寝たふりしてた一年の時の方がマシだった........。
「あっ、こんな所に居た〜」
「あっ、佐々木さん!」
「さっ、ささささん!?ささささんなんでっ!?」
突如、ささささんがひょこっと現れた。私は驚いてたっくんが見ていたアニメのようなセリフで返事をしてしまった。
「喜多が決めたい事があるから呼んでこいって、後藤兄にロインしたら此処に居るって行ってみたらマジじゃんウケる」
「たっくん!?」
「あはは........、ごめんね?喜多さん経由で........」
後頭部を掻いて謝罪するたっくん。
「あっ、ネットの投票うちも入れたよ」
「あっ、どうも...」
「同い年なのに夢に向かって行動してんの尊敬するわ、クラスの皆んなで応援してるから」
そう言って私の隣に座るささささん。やっぱり良いクラスだな...。
「で、そんなマジな三人を見てたら皆んな体育祭かってくらい一致団結して燃えちゃってさ。見てこれ、クラスTシャツ作った」バーン!
「本当に気合い入ってるね!!」
ささささんが来ていたTシャツ全体を見せた途端、青春コンプレックスが刺激した。投票期間終わるまで学校行くのやめたい........。やめたいけどたっくんが認めてくれないよね...。そしたらチャイムが鳴ったので、私達は教室へ戻った。
〜放課後〜
「ふふふ〜ん♪よしっ!」
「おはよーごさいまーす!」
「おっ、たっくんおはよ〜!あれ?二人と一緒じゃないって事は掃除当番か委員会?」
「うん、でももう少ししたら来るよ!」
放課後、ひーちゃんと喜多さんは掃除当番なので、僕が先にライブハウスへ向かうと、虹夏ちゃんは壁に何かを貼り付けていた。よく見ると、僕達のバンドのポスターだった。
「?虹夏ちゃん、これは?」
「投票呼びかけるビラだよ!これから2週間ネットステージだからね、100組の中から30組しか通過出来ないから少しでも色んな人に投票して貰えれるように、目につく所にポスター貼っておこうと思って!」
成る程、だからご機嫌にポスター貼ってたんだね!それから虹夏ちゃんは次々とポスターを貼り付けていき........、やがて男子トイレに入ろうと........。
男子トイレ!?
「虹夏ちゃん其処男子トイレ!!」
「え、うおおおおっ!?」
僕がそう言うと、虹夏ちゃんは慌てて男子トイレのドアノブを手から離した。
「あっぶねっ!ってリョウ見てたなら止めてよ!!」
「いや熱心だなって思って、邪魔しちゃ悪いかなと」
「山田ァッ!!」
全く、リョウちゃんは高校三年生になってもイタズラっ子なんだから........。
「ってかリョウはなんかしてんの?たっくんはどうせ喜多ちゃんと一緒に学校中で宣伝してると思うけど」
せめてひーちゃんも仲間に入れてあげてよ!戦力外だったとしても!!
「私は...........」
するとリョウちゃんは固まってしまった。何かあったのだろうか........。
「........病院の待合室で流して貰う事になった........」
「病院でゴリゴリのロックを!?」
大丈夫なのそれ!?いくら何でも病院で........、病院?そういえばリョウちゃんのご両親って病院勤務だった筈........。その時僕の頭に電流が走った。確か前にリョウちゃんのお家に行った時、僕達が来るのを知ったリョウちゃんのご両親が仕事を休んだって事を思い出した。そして、リョウちゃんを溺愛しているご両親さんが仕事を放ったらかしにして投票に専念する可能性がある。だからリョウちゃんは病院の待合室に流して貰うようにしたんだろう。
「........リョウちゃんも、苦労してるだね........」
「分かってくれたか........」
「えっ、何?何でたっくんは理解出来たの!?あたしにも教えてよ!」
僕がリョウちゃんの気持ちを理解すると、虹夏ちゃんは理解出来てないみたいで僕に近づくと、ライブハウスの扉が開かれた。
「おはよーごさいまーす!」
すると掃除当番を終えたひーちゃんと喜多さんがやってきた。お疲れ様二人とも!
「あっ、喜多ちゃん、ぼっちちゃんおはよ〜」
「クラスの子達、投票してくれてましたよ〜!あとイソスタのフォロワーさんとよく行くショップの店員さんにも宣伝しておきました!」
「流石喜多ちゃん!頼りになる〜!」
「あっ、そうそう!クラスの皆んなで"あれ"考えてきましたよ!」
「何なに!?バンドが拡散されるような秘策でも!?」
"あれ"........?あれってまさか!?
「ひとりちゃん!スローガン!」
「て、『天まで轟け魂の音!いざ掴み取れ勝利の栄冠!伝説作れ結束バンド!!』」
「です!」
「めちゃくちゃ暑苦しいイベントにされてるー!?たっくん止められなかったの!?」
「ご、ごめん........。皆んなの熱に負けちゃって........」
僕も止めようとは思ったけど、同級生の皆んなが皆んな乗り気だったから止めようにも止められなかったんだよ...。それに僕が一年生の時に同じクラスだった子も横断幕とか団扇とか法被とか作り始めちゃってたから時すでに遅し、対処は出来ない状態だった。皆んな行動が早くて驚きました。
それから虹夏ちゃんは店長さんに知り合いにも投票してくれと頼むと、ファンでもない人に投票して貰ってもバンドの為にならないと拒否........、と見せかけてライブする他のバンドさんに投票させたり、PAさんも知り合いに広めたりしてくれてるみたいです。有難い事に、きくりさんや銀ちゃんさん、そしてファン1号さんと2号さんも投票してくれているみたいだ。
皆んな僕達を応援してくれてるんだ...。今までやってきた事が実を結んでる!
応援してくれる人達の為にも30位圏内に入ってみせる!!
でも現実は漫画みたいに上手く行きませんでした........。
中間結果発表当日。
「中間結果45位........(6Д6)」←ショックのあまりに顔面崩壊した虹夏ちゃん
「(6Д9)」←同じくショックのあまりに顔面崩壊した喜多ちゃん
「........」←無表情のリョウちゃん
「 」←既に顔面がスライムと化したひーちゃん
「な、何だお前らどうした!?」
すると店長さんとPAさんが入ってくると、僕達の居る空間がお通夜状態に驚いていた。よく見てみると、PAさんの手にはホールケーキ、店長さんの手には紙皿とプラスチック製のフォークが人数分あった。もしかした僕達が30位圏内に入ってると思って買ってくれたんだろう。
「PAさん、そのケーキ下さい」
「えっ」
僕はPAさんの持っていたホールケーキを、店長さんの持っていた紙皿とフォークをテーブルに置いてケーキを六等分して........。
「はむっ!はむっ!はむっ!!」
「たっくんが物凄い勢いでケーキ食べてるー!?」
嫌な事を忘れたいが為に食欲で紛らわす事にした。もうこうなったら食べて食べて食べまくってやる!!
「た、達也くん........?そんなにガッツがなくても........」
「
「たっくん、私にも頂戴」
「こんな状況でも平常運転だな!ってかそんなに食べてたら喉に詰まっちゃ........」
「んぐっ........!?んんっー!!んんんんんっ!!!」←胸を叩くたっくん
「ほら言ったーー!お姉ちゃん水!お水持っていてー!!」
「店長〜!ピザ届いちゃいました〜!」
「丸呑みしろ!こっちはそれ所じゃない!」
「じゃあピザは私が........」モグモグ
「だから一旦食うのやめろぉ!!!」
〜数分後〜
「た、大変ご迷惑をお掛けしました...」
「今度からはやけ食いはダメだからね?」
「はい........」
あの後、店長さんから持ってきてくれたお水を飲んで、何とか助かった僕は皆んなの前で正座して謝罪した。本当に死んじゃうかと思った........。
「それにしても........、なーんで45位なのさー!なんか上手く感じの流れだったじゃーん!今まで沢山の人に協力して貰ったのに100組中45位なんて...」
確かに........、残り1週間で30位圏内に入れるかどうかと言われれば難しい。それに調べたらSIRODESは3位だった........。やっぱりつっきーちゃんは凄いね........。
「上位陣は頭ひとつ抜けてるのかもしれないけれど、下位層は大差ないだろうし、これはもう運だな」
結局は運頼みになってしまうのか........。それからとりあえずスタジオで練習することにしたけど、現状の僕達の気分が沈んだ状態では全然身が入らない。皆んなも士気下がってて、喜多さんは溜め息する場面が多く見られる。リョウちゃんは相変わらずポーカーフェイスで誤魔化してると思うけど、心はそうでもない様子。ひーちゃんは........、今日の昼休みにクラスで声出し練習で喉が潰れちゃって声が出ないでいた。まさかあのスローガンが曲になるなんてね........。
「あっ、今日この後19時からスタジオ別の予約入ってるから終わろっか」
どうやら先客があるようなので、今日は此処でお開きになりました。
「また何処でバズるか分からないですし、諦めずに頑張りましょうね!」
「勿論だよ!また明日!」
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れ」
「お疲れ様でーす!」
「お、お疲れ様です」
それから僕とひーちゃん、喜多さんは一緒に駅へ一緒に向かう。
「ねぇ達也くん、私達やれるだけの宣伝はしてるわよね...」
すると喜多さんが僕に質問してきた。僕達の力を合わせても30位に入れないとなると、他に何か案があるのだろうか........。
「エゴサしてると呟いてくれてる人は結構いるんだけどね〜」
「まぁ、まだファンじゃない人も居るかもだしね。店長さんの言う通り、此処から先は運任せになってくるのかな...」
「運任せね〜........。あ、でもね!ファンの中にちょっと変な人居るみたいで、高校生のコスプレして結束バンドの音源聴かせてるおばさんが居るらしいのよ〜!」
........高校生のコスプレしてるおばさん?
((それうちのお母さんじゃん!?))
「な、なんか怖いですね...」
「そんな人居たんだね〜........」
その正体を知ってしまった僕とひーちゃんは知らない振りをした。此処でその人は僕達のお母さんだって言ったらなんて言われるか........。そして下北沢駅に到着し、喜多さんとは別の電車に乗るので改札口で別れ、僕達は帰る電車に乗って扉側に立って寄りかかりながら今後の事をどうするか話し合っていた。
「ギターヒーロー垢で宣伝........、って訳にもいかないよね........」
「そうだね........。ギターヒーローはあくまで僕とひーちゃんの事だから、他の三人が居ないと意味がないよ」
「たっくん、何か案はないかな........?」
「う〜ん........、どうしたらいいのかな〜........」
唸ったり黙ったりして、兎に角ひたすらに考え込む。まず僕達に何がたりないのだろうか........。それからお互い何一つ案が出せずにいると、電車内のアナウンスが流れる。
『次は〜 渋谷〜 渋谷〜』
「「えっ」」
電車のアナウンスに僕とひーちゃんは耳を疑った。渋谷?渋谷って........。
「「乗る電車間違えたぁぁぁぁぁ!!」」
今日に限ってふんだり蹴ったりです........。
原作では中間結果48位ですが、この作品ではたっくんの加入により、45位に設定しています。
どんな風に完結すればいいのやら........。