ふたご・ざ・ろっく!   作:餡 子太郎

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今回少し短いです。

北海道出張が決まって絶望しております...。

行きたくねぇぇぇぇ!!(泣)


渋谷 de セッション!!の巻

 

乗る電車を間違えちゃった僕とひーちゃんは、渋谷駅に降りた途端、途方に暮れていました。天井に付いてる案内板を見てもちんぷんかんぷんだし、仕方なくスマホで調べる事にしました。それにしても参ったね...、まさか乗る電車を間違えるとは........。

 

「ど、どうしようたっくん........」

 

「お、落ち着いてひーちゃん!今帰りの電車調べるから!」

 

そう言って僕はスマホで電車を調べる。

 

「ほら!早くしないとスタジオ遅れるよ!」

 

調べてる最中に何か聞いた覚えのある声が聞こえた。この声ってもしかして........。そして僕とその声の人と目が合った。

 

「あっ」

 

「おっ?」

 

それは紛れもなくつっきーちゃんだった。これは........、チャンスなのでは!?

 

「つ、つっきちゃあ〜ん!!」

 

「ご、後藤達也!?それに後藤ひとりまで!?」

 

「キィィィヤァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「そんなに私と会うのが嫌なの!?」

 

僕がつっきーちゃんに会えた事で安心すると、ひーちゃんはつっきーちゃんの顔を見た瞬間、黄色い悲鳴を上げてしまった。どうしたのさひーちゃん!?

 

「後藤ひとり!なんで毎回毎回そんな反応するの!?カラオケの時とか兄妹揃って無視して!ちょっとだけ傷つくんだけど!ちょっとだけよ!?」

 

「「その節は申し訳ありませんでした!」」

 

(顔見知りに会っても条件反射で知らない振りしてしまう...!)

 

「ちゃっかり二回言いましたね、そんなに大事な事だったんですか?」

 

つっきーちゃんが前にカラオケで会った事を気にしてたのを知ると、つっきーちゃんの背後から他のSIRODESのメンバーも居た。他のメンバーの人が居るって事は........、これから練習かな?さっきスタジオ遅れるって言ってたしね。

 

「丁度良かったよ〜!実は乗る電車間違えて困ってたの〜!」

 

「あー、だから此処まで来ちゃったんすね」

 

事情を説明したら、SIRODESのメンバーは納得してくれた。そして僕は帰り方を教えて貰おうとすると........。

 

「あ、ウチら今からスタジオ入るんで、良かったどうすか?これも何かの縁ですし」

 

「わ〜、たのしそ〜!来て来て〜!」

 

なんとスタジオ練習のお誘いが来た。こ、これは........!SIRODESとの練習!これは絶好のチャンス!!でも........、帰る時間を考えると終電に乗る事になるし、明日も学校がある........。

 

これは........、究極の選択だ........!

 

「ぼっちさんはどうですか?勿論、終電までには終わらせるんで」

 

「あっはい!(えっいやだ!)」

 

「ひーちゃん!?」

 

僕が考える暇もなく、ひーちゃんが建前と本音が逆になって発言してしまった為、僕とひーちゃんはスタジオへ行く事になってしまいました、

んも〜う、ひーちゃんったら〜!その癖直した方がいいよ〜!

 

「えっ、ちょっと何勝手に決めないで!私は嫌だからねっ!」

 

どうやらつっきーちゃんは乗り気ではないらしい。そうだよね、いきなり一緒に練習するって言われても困るもんね...。

 

「ちなみにウチらが向かうスタジオ、5人以上なら格安で大部屋借りれますよ」

 

「........ま、まぁそういう事なら」

 

「チョロいっすね」

 

「べ、別に大部屋が気になる訳じゃないんだからね!金額が安くなる的な意味だから!!勘違いしないでよねっ!!」

 

「誰一人何も言ってないっす、ってかどっちみちチョロいっす」

 

........という事で僕とひーちゃんはSIRODESの皆さんと一緒にスタジオへ向かう事になりました。

 

 

 

〜渋谷・スタジオ〜

 

「わ〜、部屋広い〜!」

 

「すご〜い!!こんなに広いお部屋のスタジオがあったんだね!」

 

「........!(こ、これ使いたかったアンプ...!)」

 

「................」

 

どうしてこうなった........?

 

私はただ、一緒にスタジオ入らないか?と誘われたので『はい!(勢い)』と答えてたっくんを連れて(というよりたっくんの後ろに隠れて)スタジオに訪れた途端、私以外のメンバーがテンションが高くなっていた。

 

な、なんで皆んなそんなテンション高くなれるの...?え、もう深夜テンション突入?陽キャってそれが当たり前なの?なんかすっごい居た堪れない...、将来BADルートで社会人になったら飲み会でこんな思いすると思うと耐えられる訳が無い...!と、取り敢えずスマホを適当に弄って今忙しいんですよ感を出しておこう...。

 

「?どうしたのひーちゃん」

 

「ひゃい!?なななななに!?」

 

「何慌ててんのよ、時間勿体無いから早く準備してよね」

 

「あっはい!」

 

さっきから適当に返事してるけど、今はギターを取り出そう。そう思った私は自分のギターを取り出してアンプに繋げる。あ、あと何をすれば........!そうだ!

 

「あっじゃあギターから音出ししましょう!」

 

「それ私の仕事!貴女が仕切ってどうすんの!?」

 

えぇ!?何処が間違ってた!?

 

「と、取り敢えずひーちゃん!軽く弾いて音出してみよっ!」

 

たっくんが慌ててフォローしてくると、言われた通りに音を出してみる。任務了解、後藤ひとり、作戦行動に移る!!

 

........でも大槻さん以外よく知らないし、こんな中で練習できない。

 

「あのー、ぼっちさん」

 

すると黒いマスクを着用してる人に、心配そうな顔で声をかけられた。

 

「やっぱ来るの嫌でした?無理矢理呼んですいません」

 

や、やばい........!明らかに気を遣わせてる!今こそ結束バンドで一年間鍛えた力を発揮する時じゃないか!私はもう陰キャじゃない、なんちゃって陰キャにレベルアップしたんだ...!そう、パーソナルスペースブレーカー喜多さんの会話術を思い出せ!!

 

『ねぇねぇ今ヒマ〜?お姉さんかわい〜、肌ツヤやば〜!化粧水何処の使ってるの?あっ、ロインで教えて?ちょっと疲れない?どっかで休憩しよ?30分だけ!』

 

※喜多さんはそんな事言いません。全てひーちゃんの妄想です。

 

あっかわい...っ、肌...白...ぐふっ、ロインID教えて...?

 

「どんな距離の詰め方!?」

 

「めちゃくちゃエグいっすね...」

 

するとたっくんとツッコミが炸裂し、マスクの人もドン引きしてしまった。ば、馬鹿な........!?喜多さんのパーソナルスペースブレーカーが通用しないだと!?喜多さんの真似しただけなのに!?

 

「どうしよ、やばい人連れて来ちゃったかもっす...」

 

「そんな事言ったら失礼だよ!」

 

「ごめんなさい!うちのひーちゃんがご迷惑を!ほらひーちゃん!僕と一緒に練習しよっ?」

 

それからたっくんに連れられて、たっくんとセッションする事になった。それから大槻さん以外の目がとても危険視していた。どないせっちゃうねん...。

 

 

〜数分後〜

 

「あの〜、そろそろいつものやらないっすか?」

 

「いつもの?」

 

「合わせる事よ。でもそうね、貴女達も準備して」

 

「え?わ、私達も?」

 

「なんの為に誘ったと思ってるの、ほらやるわよ」

 

『いつもの』という言葉にピンと来ていなかったたっくんが首を傾げると、大槻さんはセッションする事だと教えると、私達も加われと言ってきた。

 

「そんじゃ、ハチロクで行くんでカウント6でてきとーに!」

 

するとマスクの人が合図を出すと、SIRODES4人が一斉リズムに乗って演奏を始めた。

 

「「––––––––っ!!」」

 

演奏が始まった途端、圧倒的な演奏に私とたっくんは息を呑み込んだ。広いスタジオに迫力のあるメタルロック、結束バンドとは違う迫力を感じた。

 

「................っ!」

 

するとたっくんも途中からギターを弾き始める。たっくんの目つきが先程とは違い、本気を出していた。たっくんが本気出させる程のバンド........、SIRODES........。私は、私達はこの人達を超えなくちゃいけないんだ........。やるしかない........、やるしかないんだ........!私も遅れてギターを弾き始める。私も、負けていられない。多分たっくんも同じ事を考えているだろう。此処には虹夏ちゃんやリョウさん、喜多さんは居なくても、たっくんが居る。二人が一緒なら何も怖く無い........、SIRODESに対しての闘争心を燃やしながら演奏に集中するのであった。

 

 

 

〜数分後〜

 

「ねぇつっきーちゃん、一つ聞いていい?」

 

「ん?何よ」

 

「つっきーちゃんって、なんでフェスに出ようと思ったの?」

 

演奏が終わって休憩時間に入ると、たっくんは大槻さんに質問してきた。私も気になってたので縦に首を振る。

 

「そんなの一番になりたいからよ」

 

「一番に?」

 

「一番になると周りが見てくれる、世界が認めてくれるって思ったの。だから私、もっと好きな事で一番になりたいって思いが強くなったのよ。だから今回のフェスでも一番になるの」

 

お、おぉ........。やっぱり大槻さんも私と同じ承認欲求の塊........!やっぱり私と同類なんじゃないか!

 

「あっ、か、仮に優勝出来なかったらどうしますか...?」

 

「絶対一番になるけど(王者の風格)」

 

「か、仮の話しです........」

 

「そうね...、まぁ万が一億が一優勝出来なかったとしたら、死ぬ程悔しいけど、たかが一度の挫折で一喜一憂なんてしない。今の私達にとっては大きなバンドになる為のただの通過点に過ぎない」

 

........強いな、大槻さん。私達よりもっと先を見据えてる...。そういえば、リョウさんも過去にバンドを結成しては解散してるって言っていた。リョウさんが時に落ち込む時って、恐らくフェスで一番になれなくて、それで解散しちゃう事に恐れていたんだろう........。

 

「まぁ何があっても立ち止まらない!最後に私達が一番だったらそれでいいの!目標はビルボードチャート一位!グラストンベリーフェスティバル大トリ!」

 

「言ってる事が悪役!」

 

「厨二病っすか?」

 

「そんな訳ないでしょ!?人が真面目に話してるのに!だ、誰だって一番になりたいでしょ!?」

 

「艦◯れの白露型駆逐艦の一番艦みたいっすね。とか言って対バン相手の方が盛り上がってると裏で毎回泣いてる癖に」

 

「泣いてないわよ!?」

 

........実力の差を見せつけられたような気がする。結束力も完成度も全く敵わないや。

 

「すみません!今日はありがとうございました!もう帰ります!」

 

「あ、私もちょっと聞きたい事が........」

 

「ごめんねつっきーちゃん!そろそろ帰らないと終電に間に合わなくなっちゃうから!また今度ねっ!」

 

そう言って私とたっくんは荷物を纏めて、スタジオを後にした。

 

 

 

〜後藤宅〜

 

渋谷から帰ってきた僕達は、先程の出来事を振り返っていた。さっきのSIRODESの演奏........、間近で聞いてとても圧倒された...。ただ凄いの一言しか出なかった。

 

「凄かったね、SIRODESの演奏........」

 

「うん........。でも言える事は...、ギターヒーローの力は使わずに結束バンドとして、出来る事をするしかないって事........」

 

「そうだね........。僕達の力だけで、何処までやれるか」

 

それでダメならただ単に僕達の実力不足、つっきーちゃんがさっき言ってた『未確認ライオットをあくまで通過点』として考えていないのなら、未確認ライオットはゴールじゃない。優勝出来なかったからってバンドが解散する訳じゃないんだ。

 

此処まで来た以上、100%の力が出せなくてもやれる所までやるしかない。本当に幸運の女神様が味方になるのを待つしかないのだ。

 

「よ、よし!今から皆んなに集まるように連絡して練習しよう!」

 

「今何時だと思ってるの!?もう日が変わるよ!?」

 

ひーちゃんがスマホを手に取ると、ロインでグループに練習しようと連絡する前に僕が止めた。今からやるとしても、もう電車ないよ!?確か始発は5時からだよ!?

 

でも、僕達はやるべき事に変わりはない。泣いても笑ってもチャンスは一度、後戻りは出来ない。改めてこれから先のことに想いを馳せ、自分の部屋に戻って今日一日を終えた。

 

つづく!!





次回出せるか分からないので、念のため皆さん、良いお年を!
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