ふたご・ざ・ろっく!   作:餡 子太郎

43 / 46

どうもです。

なんとこの作品にお気に入りが1000件、UAが100000を超えました。

此処まで読んで下さる読者様には大変感謝です。本当にありがとうございます。

最後までお付き合い下さると恐縮です。


ファイナルステージ!の巻

 

「やってきました!未確認ライオットファイナルステージ!!」

 

「「いえーーーい!!」」

 

遂にやってきた未確認ライオットのファイナルステージ、日差しは厳しく、息苦しさを感じるような暑さにも関わらずに、他の観客は暑さに負けじとシートを敷いて場所の確保をしたりしてました。

 

ファイナルステージの開始が12時なので、それまでにご飯食べたりして会場の周辺を回る事になりました。僕達もシートを敷いて場所を確保してる中、なんだか遠足みたいな感じがしました。

 

さて、いざ行かん!と思った矢先にリョウちゃんは鞄からお菓子、ゲーム機、枕とお布団を取り出してはお布団を敷いて、寝転んではゲームを始めてしまいました。

 

「ぼっち、鞄の中に団扇あるから扇いて」

 

「あっはい」

 

「皆んなでこの後屋台とか回ろうって話しはどうした!?」

 

僕と虹夏ちゃん、喜多さんは回る気でいるのに対してリョウちゃんは完全に行く気ではありませんでした。........正直言うと、僕もあんまり乗り気ではありませんでした。

 

 

 

 

––––––最終ステージに進むのはー.........

 

SIDEROSとケモノリアだぁ!

 

全くとんでもねぇバンドが出てきたぜ!審査員も最後まで迷ったんだが、どのバンドも皆んないいバンドをしてくれた!本当にありがとな!––––––

 

 

結果から言うと僕達、結束バンドはファイナルステージに上がる事が出来なかった。つまり、7組の中で2組に入らなかったのだ。当然悔しかった、でも本当は漫画やアニメのように奇跡が起きて欲しかったのが僕の願いだったけど、所詮は二次元でのお話しであって現実は全く違うのだ。

 

その結果を僕達は黙って受けざるを得ないのだ........。

 

それから暫く経って夏休みを迎え、僕達はファイナルステージの結末を見届ける為に僕達は訪れた。いつまでも引き摺る訳にもいかない、少しでも成長する為にも参考にする所を見つける為に........。

 

 

「........くん、........っくん!たっくん!」

 

「は、はい!」

 

自分の世界に入っていたら虹夏ちゃんに声を掛けられた事に気が付かなかった。どうやらひーちゃんとリョウちゃんは暑さにやられて一歩も動きたくない状況だった。

 

「二人共行く気ないみたいだからもう行こっ!」

 

「時間になったら呼びにきて」

 

「あのねリョウちゃん、そんなにのんびりしてるけどお水とかあるの?見たところ一本も置いてないし、僕達が離れたら熱中症とか脱水症状とか起こしても誰も助けてくれないよ?」

 

「ぼっちがいるから問題ない」

 

「ちなみにひーちゃんのお財布は僕が預かってます」

 

「........仕方ない。たっくんがどうしても言うなら偶には我儘を聞いてやるか」

 

「何様のつもりだテメェ!」

 

「其処まで言ってないよ!」

 

僕の説得により、リョウちゃんは見事に手のひら返しをして寝転んでいた身体を起こして僕達の元へやってくる。勿論ひーちゃんもだ。

 

んも〜う!本当に素直じゃないんだから〜!という事で皆んなで屋台を回る事になりました。

 

 

 

 

「あっ!ケバブ!ロックフェスと言ったらやっぱりケバブですよ!」

 

皆んなで屋台を見て回っていると、喜多さんがケバブ屋さんの屋台を見つけて指を指しながらはしゃぐ。しかしひーちゃんやリョウもそうだけど虹夏ちゃんもあんまりいい顔をしなかった。

 

そりゃそうだよね........。暑いのにあったかい食べ物は食べるのは抵抗があるもんね。

 

「暑い日にあっかいの食べるのちょっと........」

 

「むぅ〜........、達也くんは食べるわよね!?」

 

「また其処で僕に振る........。ま、まぁケバブはあんまり食べた事ないから気になってるけどね」

 

「ほら達也くんがそう言ってるんですから行きましょう!」

 

「そうやってたっくんを使うのはどうかと思うよ」

 

「おまいう」

「お、おまいう...」

「おまいうです」

 

虹夏ちゃんのツッコミに対して三人のツッコミ返しに虹夏ちゃんは撃沈してしまい、皆んなでケバブの屋台へ向かう事に。列の最後尾に並ぶ事数分、僕達の順番が回ってくると、

 

「いらっしゃいませ〜........」

 

「「きくり(廣井)さん!?」」

 

何故かきくりさんがケバブ屋さんで働いていた。エプロンを着用し、お酒が抜けてる状態で。

 

「な、なんでケバブ屋さんで........?」

 

「お酒が飲めるって言われて来たら突然バイトしろって........。銀ちゃんに騙された........」

 

まさに因果応報だね........。銀ちゃんが『ひっかかったわね〜!沢山働いて早く借金返しなさ〜い!』って言ってるのが目に見えるよ........。でもゲストに呼ばれたイベントで最後はこんな扱いは流石に同情してしまう。

 

それから皆んなでケバブを購入して実食してみたが、味が濃かったり、生地がボソボソしてたりと課題点が取り上げられた。後日、僕が試行錯誤で作成したケバブが喜多さんのイソスタでやや受けする事になるのは、まだ先のお話し........。

 

 

 

ケバブを食べ終えた僕達は、ステージへやってくると丁度ファイナルステージが始まった。1組目は福岡からやって来たバンドが演奏を始まる前には観客者は沢山集まっていた。

 

「折角ですし、もっと前の方で聴きましょうよ!」

 

と喜多さんが前の方へ行こうと提案してきた。僕は今居る位置でも良かったので僕は喜多さんの提案に乗る事にした。そして喜多さんは虹夏ちゃんの手を引っ張ってグイグイと前へ進む中、僕はひーちゃんの手を掴んで後を追っていき、リョウちゃんも僕の後ろについてくる。

 

「大丈夫ひーちゃん?こう言った所は苦手でしょ?」

 

「う、うん........。大丈夫........」

 

心配してひーちゃんに声を掛けるが顔色が悪く、とても大丈夫そうには見えなかった。そしてひーちゃんに更なる追い討ちが襲い掛かる。

 

「前は危険だから、俺の傍から離れるなよ?」

「うん♡」

 

「ひっ!?(カ、カップル!?)」

 

「ひーちゃんしっかり!」

 

「たっくん、ぼっち!覚えておけ!これがフェスの名物、自ら最前に来ておいて人混みから彼女守るマンだ!」

 

「訳分からないよ!」

 

偶然近くに居たカップルさんのやりとりを目にした途端、ひーちゃんは物凄い痙攣と凄まじい冷や汗をかき始めた。僕は慌ててその場を後にする。そして虹夏ちゃんと喜多さんと合流できたのもつかの間、僕はひーちゃんにお水の飲ませて少しの間だけ休息する。

 

「ひーちゃんしっかり!」

 

「た、たっくんヘルプ........」

 

「ふっ、哀れだなぼっちよ........。後方なら巻き込まれなかったものを。青空の下ゆったり聴くのも案外悪くないぞ」

 

「何で上から目線!?」

 

「モッシュ!モッシュ!みんな輪になって!ウェイウェイウェイ!!」

 

すると今度はロングヘアにヘアバンドを付けて、サングラスをかけた男の人がテンションを上げて観客を盛り上げていた。何だか楽しそうと思いながら見ていたら、今度はリョウちゃんが冷や汗をかき始めた。

 

「あっ、あれは!?フェス名物の一つ、ライブよそ目にサークルモッシュを先導し、サビで飛んだり跳ねたりするくそ迷惑なモッシュ先導男!?」

 

「虹夏ちゃん、どう言う事?」

 

「あたしにも分からん」

 

どうやら虹夏ちゃんもそのモッシュ先導男さんの事は知らないようだ。ただそのモッシュ先導男さんが盛り上げているのは良いが、あの人の影響を受けて飛んだり跳ねたりする人が増えてきた。確かにこれは迷惑だね........。

 

「く、くそっ!バンドの雰囲気や曲の方向性に関係なくただただ騒ぎたいだけの輩が何でもかんでもサークル作ろうとするからこうなるんだ!何でこんな炎天下で曲なんか聴かきゃいけな........へぶっ!」

 

「リョウォォォォォォォォォ!」

 

「リョウちゃん大丈夫!?」

 

文句を言っていたリョウちゃんに天罰が下ったのか、リョウちゃんは横から突き飛ばされてしまった。

 

「きゃ〜!サークルって意味分からないけど楽しいわねひとりちゃん!」

 

「えっいや、あっはい!あっいや、えっはい!」

 

「ひーちゃんもオーバーヒート寸前だぁ!?」

 

一方、喜多さんに腕を掴まれて振り回されてるひーちゃんも限界に近づいていた。そしてモッシュさん達は更に盛り上がりを増していき、観客もギュウギュウに詰めてくる。喜多さんに関しては満員電車気分である。そして落ち着いた頃には僕と虹夏ちゃんはクタクタだった。精神的にもう限界だよ........。

 

「はー疲れた〜!あれ?ひとりちゃんとリョウ先輩はどこ行きました?」

 

「........もしかしてはぐれちゃった!?」

 

「弱者は淘汰される........!これがフェス!」

 

呑気に言ってる場合じゃないでしょ!僕は慌てて二人を探しに行く。二人の為に自動販売機でお水を買って周辺を走っていると、

 

「おーたっくん、気分は上がってるかい?ウェイウェイ」

 

「陽キャ最高!ウェイウェイ!!」

 

何があった!?

 

ようやく見つけた二人と合流すると、何故かモッシュ先導男さんと同じく星型のサングラスにヘアバンドをつけた状態だった。しかもさっきよりテンションが高くなってる........。暑さで頭がやられちゃったのかな........。

 

「........取り敢えず、お水飲む?」

 

「「頂きますウェイウェイ」」

 

そのウェイウェイはやめなさい!!

 

まぁとりあえずひーちゃんとリョウちゃんが無事だったようなのでヨシとしよう。そう思いながら二人にお水を渡して虹夏ちゃんと喜多さんの元へ向かった。

 

 

 

 

『あー、SIDEROSです。観客の皆んな、暑い中朝からお疲れ様。...今立ってるこのステージを目指したバンドを今回沢山見てきました。いいバンドばかりだった...。凄いギタリストにも出会った...。でもそれを退けて私は今此処に立ってます』

 

SIDEROSの順番が周り、つっきーちゃんが緊張しながらステージの上にマイクを持って立っていた。

 

僕達はつっきーちゃんの姿をステージの下から見上げていた。

 

『だから、その分背負ってるものが半端ないの!初っ端から死ぬ気でトばすから!最後までついて来なさい!』

 

つっきーちゃんの力強い言葉を送ると、SIDEROSの一曲目が始まった。審査の時とは比べ物にならないぐらいの圧巻のファフォーマンスで観客者を盛り上げていく。

 

........悔しいなぁ、審査に受かっていたら僕もあそこへ立っていたんだな........。つっきーちゃんが居る其処に僕が立って、隣にはひーちゃんと喜多さんとリョウちゃんが居て、後ろには虹夏ちゃんが居て、結束バンドの曲を皆んなの前で披露する。そんな妄想が僕の目に幻として写し出された。

 

黙りながらSIDEROSの演奏を聴きながら無意識に右拳が力む。そして、SIDEROSの演奏が終わってフェスも終了した。結果はSIDEROSの優勝で幕を閉じた...。

 

 

 

 

「楽しかったー、結局SIDEROSが優勝だもんねー」

 

「凄かったですねー!大槻さんのドヤ顔も負けなかったですけど」

 

「ドヤ槻ね。暗くならないうちにあたし達も帰ろっか」

 

「そうですね。ひとりちゃん、達也くん、帰る準備するわよ」

 

「........ぼっちちゃん?たっくん?」

 

喜多さんが帰る支度をすると言い出すが、僕とひーちゃんには届かなかった。虹夏ちゃんが僕の肩に手を置いて顔を覗かせると、ひーちゃんの右目には一筋の涙が........。僕の両目にはポロポロと涙が流れていた。

 

「ど、どうしたの........!?」

 

「ご、ごめん........」

 

あたふたする虹夏ちゃんに心配される中、僕は流した涙を服の袖で拭っていく。

 

「やっぱり........、悔しくて........、色んな人の演奏聞いてたら嫉妬して........。とても辛かった........!今日この一日が!」

 

「わっ、私もやっぱり悔しくて...。みっ皆んなで今日...、大きいステージに立ちたかったです...。誰かに僕達の実力を認めて貰うとかじゃなくて、もっと...、沢山の人に私達の曲を聞いて欲しかったです...!」

 

「........やめてよ。私だって...、皆んなとライブしたかったよ...」

 

「伊知地先輩........」

 

「................」

 

僕とひーちゃんの本音をぶつけると、虹夏ちゃんも泣き出してしまい、喜多さんも釣られて涙ぐんだかと思えば、目の端から零す。リョウちゃんも少し目が潤んでいるように見えた。そしてひーちゃんも僕の胸に抱きつき、僕も抱きしめ返す。

 

僕達の泣く声が、静かに響いた........。

 

 

 

 

「あっ、みつけた!」

 

そんな中、一人の女性が此方へ駆けつけてきた。

 

「え、ぽいずんさん?」

 

それは紛れもなくぽいずん♡やみさんだった。

 

「ど、どうして此処に........?」

 

「絶対来てると思ったから探してたのよ。どうしても言いたい事があって...」

 

言いたい事........?僕達が首を傾げるとぽいずんさんは深々と頭を下げた。

 

「ギターヒーローさん以外、お遊びだって言ってごめんなさい」

 

それは、ライブハウスにやってきた時の謝罪だった。

 

「ライブ審査の演奏を観て分かったの。ギターヒーローさんの居場所は結束バンドじゃなきゃダメだって...。あの時、私にとっては結束バンドが一番だったから........。それだけ」

 

そう言って恥ずかしそうにそっぽ向くぽいずんさん。

 

........ぽいずんさん、僕達の事見てくれていたんだ........。

 

「........ありがとうございます、ぽいずんさん」

 

気がついたら僕もお辞儀をしてぽいずんさんに感謝の言葉を送った。ぽいずんさんもそうだけど、他の皆んなも呆然としていた。

 

「僕達の事、見てくれてありがとうございます。それと、この前は僕も言い過ぎました........。ほんとにすみませんでした」

 

「えっ、あ、いえいえ!こ、此方にも非があったというか........。あー、これ絶対エンドレスループになるやつ!」

 

実は貴女達に会わせたい人が居るの、と無理矢理話題を変えたぽいずんさんが連れて来たのは、スーツの着た女性だった。

 

「お取り込み中申し訳ありません。私『ストレイビート』というレーベルでマネジメントをしています司馬都と申します」

 

そう言って司馬さんば僕達に名刺を渡して、話しの続きをする。

 

「先日のライブを観て気になったのでお話しできたらと思ったのですが」

 

「え........」

 

「「レーベルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!??」」

 

「ってなんですか?(無知)」

 

「「「「ズコーーーーー!!」」」」

 

皆んなが驚いて叫んでる中、僕の一言で皆んなが昭和のお笑い番組のようにズッコケてしまった。

 

し、仕方ないじゃないか!初めて聞いたんだから!

 

するとリョウちゃんが僕に教えてくれた。

 

「レーベルはレコード会社の組織の1つで、アーティストが所属してCDを作る部門の事。しかも大手だからCDとかの販路の規模が大きいから所属することによって、強いバックアップを得られるというメリットもある。でもCDなどの売上による収益の中からアーティストに分配される割合が少なくなるなど、大手ならではのデメリットもあったりする」

 

という事は........、メジャーデビュー出来るかもしれないって事!?

 

「分かった?たっくん」

 

「う、うん........。なんか実感が湧かないけど........」

 

す、凄い...!まるで漫画やアニメみたいに奇跡が起きたみたいだ!

 

「にっ虹夏ちゃん!また夢が近づきましたね...」

 

「うん!よーし!いつか必ずフェスのステージ...、いやロック音ジャポン出場だー!」

 

「「「おーーー!」」」

 

『Nステと出ちゃったり!?』『冠番組も遠くないですかね!?』と虹夏ちゃんと喜多さんが騒ぐ中、遂にはコンビニで花火を買って遊ぼうとなってしまった。皆んな浮かれ過ぎだよ........、気持ちは分かるけど。でも此処って花火大丈夫かな?

 

それから皆んなでコンビニに行って花火を購入した後に、もう一度戻って早速花火を開けて火をつける。ちなみに花火の使用は大丈夫みたいです!そして、ひーちゃんと虹夏ちゃん、リョウちゃん、喜多さんが楽しそうに花火をしている隣で、僕は四人の様子を窺っていた。

 

 

(もう、僕の役目も終わりかな........)

 

 

「たっくん!たっくんも一緒にやろうよ!」

 

「........うん!」

 

虹夏ちゃんが手を振って呼びかけ、僕はゆっくりと皆んなの元へと歩いていった。

 

 

つづく




未確認ライオットの回はこれにて終了です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。