どうもです。
大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。原作では五巻目に入ります。
それではどうぞ。
本格的にレーベルとの契約を結び、バンド活動に新たなスタートをきった結束バンド。夏休みの間は皆んなで海に行ったりと思い出を作ったり、ひーちゃんの歌詞作りをサポートしたり、ギターヒーローとしての活動をしている中、あっという間に二学期になってしまった。
学校に来れば、一ヶ月会えなかった友達と会えば『夏フェス良かったぞ!』『レーベルと契約結んだらしいな!すげぇな!』と言ってくれてとても嬉しく思ったり、もっと皆んなの想いに応えないと、というプレッシャーが掛かる。
そんなこんなで新たな学校生活が始まった始業式の放課後...。
「えっ?新しいアルバイト?」
「そう!あたしとリョウも受験であんまりシフト入れられないと思うから、人手を増やそうと思って!」
「明日から二人来るから、たっくんとぼっちちゃん対応よろしくな」
「あっ、えっ!?」
店長さんと虹夏ちゃんから告げられた新しいアルバイトさんの対応の話しだった。新しく入ってくれる事もびっくりだけど、新人さんの対応をする事が一番驚いていた。なんてたってひーちゃんに後輩が出来る訳だからね!
「あっ、あの...。わ、私達しか出来ないんですか...?」
「ごめん!明日は進路関係の用事があって!喜多ちゃんも用事があるんだって」
「でーじょーぶだ、私も明日シフトだから何とかなるさ」
「その発言に信憑性を感じられない!」
リョウちゃんの発言に全く信用がないとツッコむ虹夏ちゃん。確かに店長さんからも何故か僕とひーちゃんにしか名前上げてなかったもんね...。正直どんな人が来るのか分からない、僕も少しだけ不安だけ残るけど、此処は先輩として指導しなくちゃ!
そして迎えた翌日のアルバイトの日、僕はひーちゃんと一緒にスターリーへと向かっていた。
「新しい人、どんな人かな...」
「僕達と同じ高校生だったらいいね!あとひーちゃんと好きなお話しができそうな人とかね」
「なんか楽しそうだね、たっくん」
「そりゃそうだよ!これから一緒になっていく仲間だよ?楽しく無い訳ないじゃないか!」
「その心構えが羨ましいよ...。新学期始まったばっかで身体が慣れないし、バンドもレコーディングに向けて最近毎日スタ連してるのに...、それに新人さんもすぐに仕事ができて追い越されちゃうんだろうな...」
「んも〜う、ひーちゃんったらそんなネガティブに考えちゃダメだよ〜。ひーちゃんの初めての後輩さんでもあるんだよ?だったらもっとシャキッとしないと!」
「........そうか!私一年半もバイトしてるんだから、最低でも三日は先輩面できるんだ!」
「うん!考え方はあれだけど、その意気込みは大事だよ!」
なんて会話しながらスターリーに到着すると、ひーちゃんが扉を開けた途端、店内が見た事のない輝きを放っていた。
「........スターリーってこんな綺麗な店だっけ?」
「いや、誰かがお掃除したんだよきっと。でも一体誰が........」
「あっ!ヒッピー先輩!おはようございます!」
僕とひーちゃんが困惑してる中、知らない女の子の声が大きく響いた。それにヒッピー先輩って、ひーちゃんの事かな?
「フロア掃除あと少しで終わるんで寛いでください!」
「えっあっはい!」
「いやいや寛いじゃダメでしょ!?」
物凄い元気な女の子だ........。もしかしてこの子が新しく入ったアルバイトさんかな?
「コーチ!水分補給してきていいですか!」
((コーチ!?))
「えっ勝手にどうぞ、あと店長ね」
あの店長さんが圧倒されてる........。この子、只者じゃない!
「おはようたっくん、ぼっちも」
「あっ、おはようリョウちゃ『おはようございます!先輩!』!?」
「........」
新人さんに驚いてる中、背後からリョウちゃんが出てくると、新人さんがリョウちゃんに大声で挨拶すると、リョウちゃんは『何だこの暑苦しい奴は........』と言いたそうな表情を見せていた。いや気持ちは理解できるけど抑えて!
「え〜とという訳で、こいつ等が新しいバイトです。皆んな仲良くするように」
「初めましてッ!!」
「こんにちは〜........」
気を取り直して、店長さんが新人さんの自己紹介が始まった。先程の元気の良い女の子と、隣にはもう一人おっとりした女の人が立っていた。確か昨日の話しでは二人入るって言ってたけど、この人なのかな?
「じゃ、軽く自己紹介を」
「大山猫々(おおやま ねね)!!秀華高校一年、16歳です!」
おー!まさかの同じ高校の子!しかも僕とひーちゃんの一個下!
「スポーツが趣味で中学ではバスケやってました!高校ではバンドやろ!と思ってます!当方ギター!!メンバー募集中!!」
ちゃっかり宣伝までしてる!?熱血系なのかやる気は充分みたいだね!
「あ、そういえばさっきヒッピー先輩ってひーちゃ........、ひとりちゃんの事?」
「そうです!ヒッピー先輩は学校で有名人ですよ!」
「おー!バンド活動頑張ってるもんなぁ」
「い、いやぁ...、そんな事は...、多少あるかも...なんて、へへ」
やっぱりヒッピー先輩ってひーちゃんの事だったのか...。でもひーちゃん、その有名の内容って........。
「学校でヒッピーの格好してたり全校集会で一発ギャグして滑ったり!一年の中では伝説ですよ!」
「分かったからこれ以上は言わないであげて!ひーちゃんの為にも!」
「いっ、いいじゃねぇかヒッピー!それでこそロッカーだろ!」
「ダイナミック擁護」
「寧ろトドメ刺してる!」
「今じゃこの画像を待ち受けにしたら願いが叶うってもっぱらの噂です!」
そう言って大山さんが携帯を見せた写真が、いつの日かひーちゃんが発狂しながらブレイクダンスしている写真だった。いや誰が撮ったの!?SNSに投稿されてる訳じゃ無いよね!?それもう肖像権とか犯罪レベルだよね!?
そして大山さんの自己紹介が終わり、今度はもう一人の自己紹介が始まった。
「日向恵恋奈(ひなた えれな)です。通信制高校に通ってる一年の16歳です。趣味は小説執筆とアイドル鑑賞だったんですが、最近はバンドに沼りました〜」
もう一人の新人さん、日向さんは更に趣味を語り出す。
「色んなバンド推してきますが特に結束バンドが好きでメンバー箱推し本担リョウさん達也さんリアコカ勢夢女。あっ、さっきの小説執筆てのは夢小説だったり...(妖笑)それもごめんなさい!同担拒否です」
なんか一人で暴走してて、ひーちゃんとリョウちゃんは頭の上にハテナマークばっかり出てるけど、僕は少し気になっていた事があった。この人、何処かで見たような気がする........。
「...あの、皆さんえれの事覚えてないですか?」
「........えっ?」
「こんなやばい奴知らん」
「失礼だよリョウちゃん!」
全く、リョウちゃんは容赦なく言うんだから........。それにしても日向さんは僕達と会った事があるような事言ってたけど、いつ会ったっけ........。
「........あっ!!もしかして地下アイドルのラファエルさん!?」
「たっくんさん!!覚えてくれて嬉しいです〜!!」
「「あの地下アイドルだと!?」」
思い出した!!確か天使のキューティクルで活動していたアイドルの人だ!ってかなんでライブハウスに?
「あの、アイドル活動はどうしたんですか?」
「やめました!」
「「「やめた!?」」」
「メンバーの一人であるミカエルさんが大学入学してから私生活が派手になって........。茶髪にしてからネットで大炎上したんです〜、私達清純さが売りだったんで........、アイドルの道を絶たれ傷心の時、結束バンドの未確認ファスを思い出して観に行ったんです。皆さんえれの心にめちゃくちゃ響きました...」
なんと、そんな事があったなんて........。日向さんもさぞ辛かっただろう。
「それでえれ理解ッたんです!バンド女子しか勝たん!って!」
おっと?なんか風向きが変わったよ?
「かっこいい女の子が圧倒的なんばーわん!かわちーかわちーちょうかわちー!かわちーカーニバル開演!しゅきしゅきしゅきしゅきしゅきめろりー!」
なんかバンドオタクになっちゃったけど!?
「あっ、もちろんメンバーのビジュだけじゃなくて音楽にもちゃんと興味ありますよ〜。ベース買ったしぃ〜」
「なら恵恋奈とバント組めばいいじゃん」
「店長ナイス!」
日向さんの説明が続く中、ベースを買ったと呟くと店長さんがそれをネタに大山さんとバンド組んだらと提案したら、大山さんは大喜び。早速大山さんは日向さんに勧誘を始める。
「恵恋奈ちゃん、あたしとバンドしようよ!一緒にスターリーのステージにあがろう!」
「あっ、ごめんね!えれ、推し活が忙しいからバンドする気ないの!」
即答で断れた。じゃあなんの為にベース買ったの!?そんなこんなでスターリーに新しく入った個性豊かな二人を招いた僕達、正直上手くやれるか心配です。
「じゃあどっちか二人に仕事教えて........」
「う"っ!」
ようやく二人の自己紹介が終わり、早速新人さん二人にお仕事に教えて貰うよう、店長さんが指示するとリョウちゃんが突然お腹を押さえて前屈みになってしまった。
「は、腹が痛ぇ........。も、盲腸だ........」
「面倒だからってそんな嘘通用する訳ないでしょ!?」
「そ、それがさっき此処に来る前にあった知らない味の雑草食ったのが原因かもしれない........。ダメだ、トイレ行ってくる!」
「あ、ちょっと!」
そう言ってリョウちゃんは慌ただしくお手洗いへ走ってしまった。どうせ僕とひーちゃんに押し付けようとしたのだろうけど、どうも今の顔を見てそうは思わなかった。顔色悪かったし、本当におなか壊しちゃった........?」
「........仕方ない。ひーちゃん、二人で頑張ろ?」
「ジーザス........」
それから僕とひーちゃんで、大山さんと日向さんにお仕事の説明を開始するのであった。まずはドリンクのやり方をひーちゃんが指導してる中、僕と店長さんは側でサポートに徹底する。今こそ先輩としてかっこいい所を見せる時だよ!ひーちゃん!
「えっ、えっとお客さんからドリンクチケット受け取って、えっと...」
「ぼっちちゃん落ち着け、自分のペースで良いから」
「頑張って!ひーちゃん!」
「ってメニューモブいですね!キャラクタードリンクとかないんですか〜?」
「モッ、キャッ?」
「たっくん、モブいって何の意味か知ってるか?」
「分かりません........」
初めて聞いたよモブいって........。ありきたりって事なのかな?でもキャラクタードリンクなら聞いた事あるね、確かその人をイメージしたドリンクの事だよね。よく見かけるもんね。
「なら試しにひとりさんで作ってみますね!いちごオレ+マグロの目玉+ヒアルロン酸ジュレ仕立ての『ひとりのあっあっ目が泳いじゃういちごオレ』!」
「ダメに決まってるでしょ!!」
なんて物を作ろうとしてるの!もっと他にあるでしょひーちゃんのイメージが!!
「でもバンドとのコラボメニューはありだな。案出し頼むわ」
提供しようとしたドリンクはダメでも、案としてはファインプレーだったのか、少しだけお店に貢献した日向さん。仮に採用したら僕がメニュー考えたいなぁ........。
「ずるい!ウチにも何か大役下さい!」
「大役つってもな...。じゃあ受付する?なんか得意そうだし」
日向さんの貢献に羨ましがったのか、大山さんは店長さんに大役を求めると、店長さんが提示したのは接客だった。いきなり接客させるのはちょっと難しいとは思うけど、何故か大山さんなら直ぐに馴染めそう........。
〜5分後〜
「らっしゃっせーっ!ワンドリンクせーです!」
「八百屋さんかな?」
「うるせーけど元気のねぇ受付よりかは良いな」
「(私のプライドはズタズタ........、もう年上な事しか後輩に勝てる要素がない........)」
僕の予想通り、大山さんは簡単に受付をこなしてしまった。しかし、接客する以上は元気と笑顔は大切な仕事だから、それについては大山さんが一番適任なのかもしれない。
「あっ、ひーちゃん!ゴミ捨てに行こうよ!確か結構溜まってたよね!」
「あっうん」
「ならウチも手伝います!」
そういえばゴミ出しがまだだったのを思い出して、ひーちゃんにゴミ捨て場に行こうと提案すると、大山さんも着いていく事に。これはひーちゃんと大山さんと仲良くなれるチャンスだと思い、僕はひーちゃんと大山さんと一緒にゴミ捨て場へと向かった。
「ありがとう〜大山さん、お陰で助かったよ!」
「いえいえ!これぐらいお安いご用意ですよ!」
手伝ってくれた大山さんに感謝しながらゴミ袋を出しにいく。隣で何故か落ち込んでるひーちゃんに、大山さんに気づかれないように耳元でアドバイスする。
「ほらひーちゃん、何か会話しないと!」ヒソヒソ
「えっ、あっ運動以外で好きな事ある...、ますか?」
良いよひーちゃん!その調子で会話のキャッチボールしよう!
「ウチけっこー色々好きですよ!ワンプース、進撃の小人、映画はアベンベンジャーズ!好きな音楽は100代目ベイソウルブラザーズです!」
「........そっか!(会話終了)」
終わっちゃった!流石にひーちゃんにはどの話しも広げられないか...。だったら別方向から攻めて!
「じゃ、じゃあなんでバンドしようと思ったの...、ですか?」
そうそう!それで良いんだよひーちゃん!そのまま頑張って!
「ヒッピー先輩とたっくん先輩って、そんなに背高くないですよね」
「えっうん...、156ぐらい...」
「僕もそのくらいだね」
「...ウチは146cmなんですけど...、スポーツって背低いと色々プレーに制限掛かるコト多いんすよ。自分が主役になる事ってけっこー少なくて...。ウチ目立ちたがり屋だから、それが地味に不満だったんですよ。三年間バスケやり切ったハズなのに何か不完全燃焼みたいな........」
「へっへぇ........」
「それとバンドと何が関係が?」
「高校で何しようって迷ってた時に友達から先輩達が出るから応援しようって未確認フェスに誘われて...。正直、あの先輩がライブなんて出来るのかなって思ってました。でもライブが始まったらそんな考えが吹き飛んでマジで胸打たれました!あの日のステージの双子先輩........、あっ、双子どっちもですよ!めっちゃ大きくて一番目立ってました!ウチもこんな風に沢山の人に見上げられたいって思ったんです!だからウチは双子先輩に憧れてバンド始める事にしたんです!」
そういう理由だったとは........。でも、僕とひーちゃんをギターヒーローじゃなくて結束バンドとして見て、僕達の影響を受けてギターを始めてくれたんだ...。なんだかとっても嬉しい........。
「あっそうだ!ギター教えてほしいです!ていうか何であんなに上手いんですか?何か秘密が!?」
「ちゅっ、中学三年間毎日6時間練習してて...。たっくんはその途中から........」
「えぇ〜〜〜!遊ばずにですか!?チョーストイック!」
「そっ、そんな大した事じゃ...(友達が居なかっただけど...)」
「たっくん先輩も毎日6時間練習を!?」
「ううん、僕は途中からギター始めてね。家事とかやってるから6時間もやってないよ。だからひーちゃんと比べたらまだまだ未熟だよ」
「そんな事ないっすよ!他のクラスの子も虜になってましたよ!流石はファンクラブ出来た事はありますね!」
一年生の子にもファンクラブ入ってる人居るの!?それはそれで驚きなんだけど!?
〜数分後〜
「きたーーーーーッ!ちょ待って無理!!あ"ぁ"あ"あ"ーーーッ!顔が良いーーーッ!」
「ちょ、ちょっと日向さん落ち着いて!!」
ゴミ捨てを終えた僕とひーちゃんは、新たに大山さんと日向さんに他のお仕事を説明し終えた時にはライブが始まる時間になっていた。店長さんが初日だし今日はゆっくり観ていいと許可を貰い、お手洗いから戻ってきたリョウちゃんと一緒に観る事になった。しかも最初のバンドグループは日向さんの好きなバンドだったらしく、演奏が始まった途端に騒ぎ出してしまった。これは流石にスターリー一同ドン引きです...。
「おい暴れるな!リョウ抑え込め!」
「いや私死にたくは...」
「明日クッキー焼いて上げるから!(切り札投入)」
「任せろぉ!(即答)ぐわっ!(即死)」
「無口先輩が吹っ飛ばされた!」
「即落ち2コマみたいな展開!」
誰も日向さんの暴走を止められないまま時間が過ぎていき、演奏終了後、落ち着きを取り戻した日向さんはとてもオドオドしながら謝罪した。店長さんも次はないと言い聞かせて、大山さんと日向さんを先に上がらせた。
「「「やっと終わった........」」」
僕とひーちゃん、リョウちゃんは座り込んでいた。新しく入ってきた子は良い子なのは分かったけど、個性が強過ぎて今まで以上に疲れが増していた。はぁ、これから練習........。正直辛いよぉ........。それにしても凄い視線が........。
「................」ジーーー
「お、大山さん!?」
先に上がった筈の大山さんが僕達に視線を向けていた。
「な、何か用かな?」
「部活に先輩より先に上がっちゃいけないって決まりあったんで!」
先輩より先に上がっちゃいけないっていつの時代!?それ昭和の決まりだよね!?今って令和だよね!?
「それで!何で帰らないんですか!?もしかしてこの後何かあるんですか!?」
(((も、もう勘弁してくれ〜〜〜!!)))
それからグイグイくる大山さんの熱意に負けて、これから練習すると伝えると興味があると言って見学する始末に。その後、日向さんも加わり、練習を応援する事になるという事態に虹夏ちゃんと喜多さんが困惑する事になるのは、もうちょっと先のお話し........。
予定では次回からオリジナル展開です。
こんな調子だと今年で完結が危うい........。