遊戯王ARC-V A Transcender 作:ダイナソー剣崎
光が収まり、目を開くとそこはどこかの路地裏なのだろうか先ほどまでの研究室とは打って変わって周りは壁に囲まれていた。少し歩いてそこを出て上を見上げると、そこにはアカデミアとは明らかに未来的な高層ビルが立ち並んでいた。
次に周りを見るとスラムのような町並みで上の街とは天と地程の差がある。
「資料で見てわかってはいたが、酷いな…」
出発前に確認した資料によればこのシンクロ次元、シティには全人口の1%の成功者たちが上の都市で生活している"トップス"と呼ばれる上流階級と、下層のスラムで暮らす残りの99%の貧困層"コモンズ"で分けられている。
観察対象であるセレナにそっくりの少女はこのコモンズの方らしい。ただその人物の顔も特徴もわかってないのが問題だ。まずその人物を探さなければならないことが先決となる。
「この辺りの連中から聞き出すか…?」
という考えが言葉に出たがその考えはすぐに捨てた。セレナの顔を見せてそっくりの人間はいるかなどあからさまに怪しまれる。これは潜入任務である以上、やはり自分の力で探し出すしかないな。
そんな考えに至り、スラムの中を歩きだした時
「いい加減にしなさいよ、あんたたち!」
透き通ったようね女の声が響いた。その方向に目を向けると、そこにはミントグリーンのショートヘアーにライダースーツのような服装に腕にはセレナの着けていたのと似たブレスレットをした少女が三人組の男たちと対峙していた。その少女の後ろにも大きめのワンピースを着ている赤いボサボサの長い髪の女の子(?)が慌てたような様子で見ている。
「あんたたちがさっきラリーに足を引っ掻けたのを見てるのよ!」
「ああ?んなもん、そこにいるゴミ臭ぇコモンズのガキが悪いんだよ!」
「瓜生さんは鼻が敏感なんだから気を付けてくれないとなぁ」
「シッシッシッ…!」
少々の抗議に対して男たち、瓜生と後ろの二人は何食わぬ顔で言い返す。
「ねぇ、もういいよ"リン"。オレなら気にしてないからさ…」
「いいわけないでしょ!?あんたたち最近他の皆にもちょっかい出して、いい歳して恥ずかしくないの!?」
「うるせぇ女だな。瓜生さんはトップスの生まれなんだぞ?お前たちとは器が違うんだよ」
「フンッ!何がトップス生まれよ!犯罪起こしてコモンズに落とされた癖に、威張ってんじゃないわよ!」
「ちょっ、リン!それこいつらには禁句なんだぞ!」
セレナにそっくりな少女、"リン"はワンピースの少女(?)、"ラリー"に止められるがそれでも瓜生たちに対して強気な口調で言うのをやめようとしない。それどころか瓜生たちを煽っている。
さすがに頭に来たのか瓜生が額に青筋を立てながらリンの前に立つ。
「言わせておけば付け上がりやがって…!このコモンズのゴミガキがぁ…!」
そう言って瓜生はリンの胸ぐらを掴もうと詰め寄る。それには流石のリンも後ずさってる。これは不味いな…一応彼女は監視対象でもあるのだから助けたほうが良さそうだ。そう思い俺はすぐに横から瓜生の腕を掴んだ。
「なっ…!?」
「えっ…?」
「やめとけよ。彼女も言い過ぎだが、暴力は良くないだろ」
突然の乱入者に瓜生たちもリンたちも両方驚いてるが、オレは掴んでいた瓜生の手を離し下がらせた。
「な、なんだお前!?そこのガキの仲間か!?」
「いや、ただの通りすがりだ」
「だったら引っ込んでろよ!それともお前が代わりに殴られてくれるのかぁ?」
「ああいいぜ。但し、やるならデュエルだ」
そう言ってオレは左腕に着けてるデュエルディスクを見せる。瓜生の腕にもデュエルディスクが着けてあるしデュエリストで間違いないだろう。
「あんたもデュエリストなら、デュエルでケリつけようぜ」
「おいおい。この俺とデュエルだとぉ?」
「そうだ。俺が勝ったら、今日のことは目を瞑れ。お前が勝ったら…好きにしろ」
「ちょっと!横から入ってきたあなたがデュエルする必要ないでしょ!やるなら私が…!」
リンが自らがデュエルを受けようとするが、それをオレは右手で制した。オレとしてもこの次元のデュエリストたちの実力を知っておきたい。それにデッキケースのほうからカタカタとカードたちが暴れてる感じがする。戦いたいのだろうなこいつら…
「ついさっきこっちに来たばかりなんだ。この街のデュエリストの実力、どれ程の者か試させてくれ!」
「へっ、後悔するなよ!この俺様にデュエルを申し込んだことをなぁ!」
「向こうもやる気みたいだし、な?」
「…わかったわ。あなたに任せる。えっと…」
「ツルギ。雄山ツルギだ」
納得したのかリンはオレの後ろに下がっていった。オレと瓜生は互いに向き合うように立つ。お互いにデッキをデュエルディスクにセットしてカードプレートを展開し、デッキからカードを五枚引く。そして互いにデュエル開始の合図の言葉を告げる。
「「
ツルギ LP4000
手札5枚
瓜生 LP4000
手札5枚
「先行は俺様から貰う!」
「ああ、いいぜ」
「俺のターン!《
瓜生の先行で始まり、瓜生はすぐに手札から1枚のカードをディスクにセットすると彼の前にオオ顎がチェーンソーになっている大きなクワガタムシが現れる。
――――――――――――――――
☆4 ATK2400
「さーらーに、永続魔法《蟻地獄の報復》を発動!このカードはモンスターが破壊される度に、そのコントローラーに800ポイントのダメージを与える!」
――――――――――――――――――――――
《蟻地獄の報復》(アニメオリジナル)
永続魔法
モンスターが破壊され墓地に送られた時、
そのモンスターのコントローラーに800ポイントのダメージを与える。
――――――――――――――――――――――
「破壊される度に800のダメージですって!?」
「しかも攻撃力2400のモンスターまで…!」
「厄介だな…」
「俺はこれでターンエンドだ!」
瓜生
手札3枚
フィールド:電動刃虫ATK2400
魔法・罠:永続魔法:蟻地獄の報復
後ろの二人が瓜生の出したカードに慌てた声をあげてる内に、瓜生はそのままターンを終了した。《蟻地獄の報復》…破壊され墓地に送られればそのままダメージを与えるカードか…かなり面倒だな。特にオレのデッキには…
「オレのターン!ドロー!」
オレのターンとなり、ドローしたカードと合わせた6枚の手札を見る。相手の場にはデメリット効果つきとはいえ攻撃力2400。今召喚できるモンスターでは太刀打ちできない。
オレは手札の中から1枚のカードをセットする。
「オレは《
オレの目の前に鈍い緑色の体色をしたステゴサウルスが現れる。
暗黒ステゴ
☆4 ATK1200
「えっ攻撃表示!?」
「おいおい初心者かぁ?攻撃力2400のモンスターを前にそんな雑魚モンスターを攻撃表示だぁ?」
「ほんと、なにやってんすかねぇ?」
「シッシッシッ!」
「更にカードを二枚伏せて、ターンエンド!」
ツルギ
手札3枚
フィールド:暗黒ステゴATK1200
魔法・罠 伏せ2枚
オレが召喚したモンスターの表示形式に周りが色々言ってくるが、構わずデュエルを進めてターンを終わらせた。
「どうやら速攻で終わりそうだな。俺のターン、ドロー!」
そして瓜生のターンとなった。引いたカードを見て瓜生は、ニヤリと笑う。何かいいカードがきたのか?
「俺は《代打バッター》を召喚!」
《代打バッター》
☆4 ATK1000
そして電動刃虫の隣に大きいバッタのモンスターが現れた。あのモンスターの効果は確か墓地に行くと手札から昆虫族モンスターを召喚できたはずだ。さっきの様子からして何かあるな。
「さーらーに!魔法カード、《
――――――――――――――――――――
《
魔法カード
(1):手札の昆虫族モンスター1体を墓地に送って発動する。デッキから昆虫族モンスター1体を手札に加える。その後、自分フィールド上の昆虫族モンスター1体を破壊する。
――――――――――――――――――――
瓜生がデッキからカードを手札に加えると、目の前の代打バッターは魔法カードの効果により爆発するように消えた。
「自分のモンスターを破壊!?」
「そんなことしたら…」
それと同時に瓜生がさっきのターンに発動していた永続魔法《蟻地獄の報復》から雷が発生し、瓜生に降り注いだ。
瓜生
LP4000➡️3200
「何で俺のライフが減ってんだぁぁ!?」
その言葉にオレと後ろにいたリンたちもズッコケそうになっていた。
「ってそれあんたが発動した永続魔法の効果でしょうが!」
「…そ、そうだったぁ。だがなぁ、こんくらいどうってこと無いのさ!《代打バッター》の効果発動!」
リンの突っ込みに自分のカードの効果によるダメージに気付く瓜生だが気を取り直しデュエルを再開する。
「このカードが墓地へ送られた時、手札から昆虫族モンスターを特殊召喚する!」
「それって…さっきあいつが手札に加えた…!?」
「そうよ…《
代打バッターがいた場所から鋼鉄に身を包んだ巨大な昆虫が現れる。
《鋼鉄装甲虫》
☆8 ATK2800
「さーらーに!墓地の《代打バッター》と《甲虫装甲騎士》を除外して、《デビルドーザー》を特殊召喚だぁ!」
更に墓地にいた2体の昆虫族が除外されて、手札から巨大なムカデのモンスターを出現させた。
《デビルドーザー》
☆8 ATK2800
「どちらも攻撃力2800…!」
「これじゃあ…もう」
「呆気ない終わりだったな。横槍を入れたことを後悔しな!バトルだ!俺は、《電動刃虫》で《暗黒ステゴ》を攻撃だぁ!」
瓜生の言葉と共に《電動刃虫》はオオ顎のチェンソーを回転させながら《暗黒ステゴ》に迫った。
「《暗黒ステゴ》の効果発動!攻撃表示のこのカードが攻撃対象になった時、守備表示になる!」
《暗黒ステゴ》が《電動刃虫》のチェンソーに切り裂かれる直前に体を丸め防御体制に変わる。
《暗黒ステゴ》
ATK1200➡️DEF2000
《暗黒ステゴ》はそのままチェンソーに切り裂かれ消滅してしまった。
「うまい!守備表示なら戦闘ダメージはないわ!」
「ああ、戦闘ダメージは…な」
そう。さっきのターン奴が自分の身をもって証明してくれて永続魔法がある。がその前に
「ダメージの前にお前の《電動刃虫》の効果でドローさせてもらう」
「お、おう!ドローするがいいさ」
「あれ、絶対効果忘れてたな」
「うるさいぞそこのお前ら!瓜生さんはそんな細かい事は気にしないんだよ!」
「シッシシ!」
「ドロー!ッ!」
「そしててめぇに800ポイントのダメージだ!」
ツルギ
LP4000→3200
「これで残りの2体のダイレクトアタックでてめぇは終わりだ!やれ《鋼鉄装甲虫》!」
「ツルギッ!」
《鋼鉄装甲虫》がオレに向かって突進してくる。このままならオレは2800のダメージを受けて残りライフ400になる。やるなら今しかない…!今さっき電動刃虫の効果でドローしたこいつを使うっ!
「手札からモンスター効果発動!!」
「手札から…!」
「モンスター効果だと!?」
「シシッ!?」
瓜生たちはオレが効果を発動したことに驚くが、オレはそのまま効果を進めていく。
「このカードは相手ターンで発動でき、このカード以外の手札、フィールドの恐竜族モンスター2体を破壊することで特殊召喚できる!手札にいる《フロストザウルス》と、《ジャイアントレックス》を破壊する!」
「手札のカードを破壊!?でもそれじゃあ…」
「《蟻地獄の報復》で合計1600ダメージを受けるが、安いものだ!いくぞ…!」
「紅蓮に吼えろ!真紅の巨獣!!《
手札にいる2体の恐竜族を破壊すると、オレの前の地面が盛り上がり火柱を上げて赤い体躯に各所に無数の突起物が生えている巨獣が咆哮を上げて出現する。
『グァァァァァァァァァァオ!!!』
《超越竜メテオロス》
☆12 ATK3500
ツルギ
LP3200➡️1600
手札4➡️1
「こ、攻撃力3500だと!?」
「すごい…!」
「ッ!バトル中止だ!俺はこれで、ターンエンド…」
瓜生
LP3200
手札0
フィールド:鋼鉄装甲虫 ATK2800
デビルドーザー ATK2800
電動刃虫 ATK2400
魔法・罠:蟻地獄の報復
バトルフェイズ中の特殊召喚のため、瓜生は《鋼鉄装甲虫》の攻撃を中止し、手札は既に0のため、ターンエンドする他なかった。
「今度はこっちの番だ!オレのターン!ドロー!」
ツルギ
手札1➡️2
「このままバトルだ!オレは《超越竜メテオロス》で、《鋼鉄装甲虫》に攻撃!」
オレの合図と共に超越竜メテオロスはその尻尾で鋼鉄装甲虫をなぎ払おうとする。だがまだだ。
「更にリバースカードオープン!
「何だと!?それじゃあ攻撃力は…!」
《超越竜メテオロス》
ATK3500➡️4500
4500に跳ね上がった攻撃力で鋼鉄装甲虫は軽々とはね飛ばされ爆散した。
瓜生
LP3200➡️1500
「そして蟻地獄の報復の効果で更に800のダメージだ!」
LP1500➡️700
「くそっ!でもこれでお前の攻撃は終わりだ!」
「いやまだだ!生存競争には、装備モンスターが相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、続けてモンスターに攻撃できる!」
「な、なんだって…!?」
瓜生の顔から血の気が引いていくのが見てとれるが、メテオロスは次の獲物にデビルドーザーを見据えている。
「超越竜メテオロス、デビルドーザーに攻撃!オーバーザメテオ!」
『グルゥォォォォォ!!』
メテオロスは大口を開きその口から巨大な炎の塊を形成し、まるで隕石のような火球をデビルドーザーに放つ。デビルドーザーはなす統べなく焼き尽くされ、瓜生のライフも削った。
瓜生
LP700➡️0
WIN
ツルギ
オレの勝利が決定したと同時にメテオロスは再び勝利の雄叫びを上げた。
リンと一緒にARC-Vでは未登場だった5D‘sキャラも少しずつ出していく予定です。
というわけで主人公のデッキは最新テーマである超越竜の入った恐竜族になります。
デュエルシーンとか上手くかけてるかわからないですが、感想、評価お願いします。