東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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趣味の延長で作った駄文ですが、楽しんで頂けたら幸いです。

#主人公の一人称がブレていたので「僕」に統一。


第一章「孤独な煙の古い話」
0「始まりの黑」


 

 

 

 

 

うん?

 

ここは?

 

僕は、さっき※※に殺され?!

 

・・・何で生きてるんだ?

 

いや、手も足も無い(・・)し煙だし・・・ってどうゆうこと?!

 

・・・

 

・・・

 

・・少し整理しよう。

 

僕の名前は■■・・ん?

 

思い出せない。

 

・・・それは置いておいて、えっと。

 

覚えているのは

 

①自身が人間として生きていたこと

 

②弟の※※に殺されたこと

 

③生きていた12年間の記憶

 

だ。

 

でも、僕生きてるし。

 

これはもしや寺子屋の先生が言っていた輪廻転生と言うやつでは?

 

・・・記憶って洗われるんじゃなかったっけ?

 

第二の人生ってやつか?

 

僕って今、手足無い黒い煙なんだが?

 

これって人か??

 

・・・。

 

前向きに行こう。

 

僕は今から――煙だ。

 

煙らしく風に吹かれて旅でもするか。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

そうして僕が煙に転生?してから数十回目の春を迎えた。

 

未だに(黒い煙)を認識できる存在は居ない。

 

世界一周もしたし風景も見飽きた。

 

人は、とても増えた。

 

それでも、(黒い煙)のことに気づいてくれる存在は現れない。

 

でも、少し前から不思議な存在を見掛けるようになった。

 

火を吐いたりする異形。

水の上を走ったりする人の形をしたもの。

ずっと姿が変わらない人間。

 

こういう存在ならもしかしたら・・・

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

彼等――妖怪や神と言う存在が現れ始めてから、千は降らないぐらいの春を見た。

 

(黒い煙)が何者だったのかはとうに忘れてしまった。

 

覚えているのは何かの温もりを感じたいという強い想い(渇望)だけ。

 

僕が最初の頃に見た火を吐く異形は退治され、水の上を走っていた彼らは天人と名を変え空の上に去って行った。

 

変わらないのは八意とか呼ばれていた人間くらいだ。

 

僕は外を見るのに飽き、ふと思い出した。

 

そういえば、人と駆け落ちした妖怪がいたなと。

 

妖怪と人間では寿命が違うし、能力から容姿迄違うことだらけだ。

 

でももし、その違うことだらけだの彼彼女らに子供ができたら?

 

もしかしたら、僕に気づくかもしれない。

 

――もし、それでもだめだったらこの星の中心にでも行って寝てしまおう。

 

――嗚呼、誰か気付いてくれ・・・

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

ようやく着いた。

 

彼らはこの竹林に居るようだ。

 

早速見に行ってみよう。

 

着いた先には紅い女と白い老人がいた。

 

ふと、紅い女か此方を向いた。

 

そして、その顔に驚愕を浮かべ、(黒い煙)のことを視て(・・)口を開いた。

 

 

 

「貴方は?」

 

 

 

――驚いた。

 

そりゃあもうたまげた。

 

そして、感動した。

 

人間と駆け落ちした紅い妖怪は俺のことが分かるみたいだった。

 

そして紅い女妖怪は俺のことを視て、何かに気付いたように言った。

 

 

「黒き存在よ、30年後にここに来なさい。貴方には其れが最善だ。」

 

 

と。

 

彼女には未来でも見えるのかと思っていると、紅い女妖怪は続けて言った。

 

 

「私は、【ありとあらゆるものを読む程度の能力】によって未来がわかります。黒き存在よ、取引です。」

 

 

――取引?

 

 

「ええ。」

 

 

――というか、僕の言いたいことが判るのか?

 

 

「ある程度ですが。」

 

 

――なるほど。で、取引とは?

 

 

「取引とは、これから生まれてくる私の子供の家族になって欲しいのです。」

 

 

――家族?

 

 

「ええ。代わりに貴方の願いは私の子供(この子)の"能力"によって叶うでしょう。」

 

 

――判った。でも、何故30年?

 

 

私の子供(この子)は半妖です。それ故に成長が緩やかだ。そして、成長の過程で貴方が入ってしまうとこの子の"能力"はつかえなくなる。」

 

 

――なるほど。判った。30年後だな。

 

 

「ええ。30年後に会いましょう、黒き存在よ。」

 

 

そうして僕は、30年後への期待を胸に――煙だけど暇つぶしの旅に出た。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

そうして、30の春が通り過ぎた。

 

僕は、あの約束の竹林に来ている。

 

竹林を漂っていると、少し向こうに紅い少女が見えた。

 

その少女は俺に気づいたのか、此方に向かってきた。

 

そして俺の前に来ると口を開いた。

 

 

 

お母さんの言ってた通り(・・・・・・・・・・・)ね。私は、出雲 紅(イズモ ベニ)。貴方の名前は?」

 

 

――名前?

 

 

「無いの?」

 

 

――ああ。

 

 

「そっか。じゃあ、私が付けてあげる!!」

 

 

少女はそう言って悩みだした。

しばらく経って、少女がおもむろに口を開いた。

 

 

「よしっ決めた!!貴方は今日から、

 

 

 

――出雲 黒(イズモ クロ)、私の弟ね!!」

 

 

 

"与えられた"名前を認識する。

すると、僕の中に温かい何かが流れ込んできた。

 

――何時も黒い煙だった俺の体が形を変える。

 

小さな手足、目の前(・・・)の少女と同じぐらいの目線の高さ(・・・・・)

 

流れ込んできたコレは紅の記憶?

 

僕は、黒い髪に水色の目の少年になっているみたいだ。

 

すると、紅い少女は俺と同じ水色の瞳で俺を見て言った。

 

 

 

「クロ、これからよろしく!!」

 

 

「――ああ、よろしく。紅。」

 

 

 

――でも、一つ言いたい。

 

僕、年齢?的にせめて兄では?

 

まぁ、そうして僕は出雲 紅(イズモ ベニ)の弟の出雲 黒(イズモ クロ)に成った。

 

 

 

 

 

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