東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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2「紫との旅路、紫の巣立ち」

 

 

「紫、これからどうする?やりたいこととかあるかい?」

 

 

「・・・わたし、やりたいことなんてない。」

 

 

「じゃあさ、紫がやりたいことが見つかるまで僕の旅についてくる?」

 

 

「うん!」

 

 

 

っていうやり取りが有って、今僕は紫と旅をしています。

 

僕は変わり者だけど、紫も十分変わり者だった。

 

紫は人間に興味を持っていた。

 

妖怪によくある捕食対象や玩具としてではなく、隣人として(・・・・・)だ。

 

因みに紫は僕に師事するつもりらしい。

 

曰く、「クロは強そうだから」とのことだ。

 

暫く歩いていると、周りが暗くなってきた。

 

 

 

「紫、今日はここら辺で泊まろうか。」

 

 

「うん。わかった。」

 

 

「僕は魚採ってくるから、紫は結界の練習として結界張っておいてね。」

 

 

「うん。頑張る。」

 

 

 

うん。

 

(うちの子)がさ、かわいいんだよ。(親馬鹿)

 

なんというか、純粋で頑張り屋さんときた。

 

僕は、眩しくて直視できないよ。

 

っとしょうもない本心(こと)を考えながら魚を2尾鷲掴みする。

 

紫の所に戻ると、紫は結界を張るのに四苦八苦していた。

 

――魚の下処理が終わって、串に刺したら教えに行こう。

 

そうして、魚の下処理が終わって串に刺したので紫の隣に行く。

 

 

 

「紫、結界はこうすると楽に張れるんだ。やってごらん。」

 

 

「こう?」

 

 

「うん。上手だね。」

 

 

うん。

 

(うちの子)、天才かよ。

 

一回実演しただけでコツを掴んだんだが?

 

客観的に見ても僕の数十倍の才能がある。

 

紫はすごいなぁ。(親馬鹿)

 

はぁ、諏訪子に逢いたい。(重症)

 

そんな事を考えながら魚を焼く。

 

魚が焼けたら、背嚢に仕舞ってあった炊き込みご飯モドキを取り出して皿によそう。

 

 

 

「紫、晩御飯が出来たよ。」

 

 

「うん。」

 

 

 

紫と二人で手を合わせる。

 

 

 

「「いただきます。」」

 

 

「クロの作るご飯はどれも美味しいね。」

 

 

「そうか。そう言ってくれると嬉しいよ。」

 

 

 

だって、元々は一人旅だったし。

 

味のことに関しては永琳もあんまり言わなかったし。

 

諏訪子の分霊も、あれからは常に僕の中で眠っているしなあ。

 

 

 

「「ごちそうさま。」」

 

 

 

こうして、僕と紫の一日(何時も)は過ぎていく。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

紫の能力の修行をしたり、人里に寄って医者の真似事をしたり、秘境を見に行ってみたり。

 

紫は強く美しく成長し、僕は大妖怪を超えるバケモノに成長した。

 

そうして、紫との旅を始めてから60年位が経った。

 

僕は、人里で悪霊や病魔を祓っていたら「柏手様(カシワデサマ)」と呼ばれるようになっていた。

 

最近編み出した一回目の柏手で能力を使い、二回目の柏手で霊力を使って祓う技。

 

その行為が神様にでも見えるのだろうか?

 

まぁ、人里で自由に行動出来るようになったし人も助けられるしいいかなと思う。

 

ある日、小さな村に立ち寄った。

 

その村では小さな子供が子供に化けた妖怪と遊んでいた。

 

その妖怪に後で聞いたら、「子供と遊ぶのは楽しい」と言うので悪さをしないならと何もしないことにした。

 

その日の夜、紫が話しかけてきた。

 

 

「ねえ、黒。やりたいことが見つかったの。」

 

 

「そうか。それはどんなことなの?」

 

 

「人間と妖怪の共存できる世界を創る(・・・・・)ことよ。」

 

 

「・・・うん。世界を創るとは大きくでたね。やり遂げられる?」

 

 

「ええ、実現させて見せるわ。」

 

 

「そっか。うん。こんな日が何時か来ると思ってたよ。」

 

 

 

僕は、背嚢から大きな箱を取り出して紫に渡す。

 

 

 

「紫、これをあげるよ。」

 

 

「これは?」

 

 

「僕が紫の為に作った道士服と本だよ。開けてみて。」

 

 

 

箱の中には紫の太極図が描かれた前掛けの付いた白い道士服と二冊の本が入っていた。

 

 

 

「僕の道士服を参考にして鎧よりも丈夫だし、前掛けに何個かの術が織り込んであるから役に立つはずだよ。」

 

 

「それは、すごいわね。でもこの二冊の本は?」

 

 

「それは、僕が紫の為に書いた秘伝の書?と紫への指南書みたいな物。」

 

 

「指南書はわかるけど、秘伝の書?奥義みたいなものってこと?」

 

 

「そう。僕の使う全ての(・・・)我流結界術を記したよ。指南書の方は考えつく限りの紫の能力の応用法と傷の手当や病気等への対処法が書いてある。」

 

 

「全て?・・・もしかして、【空喰い】も?」

 

 

「うん。僕の【空喰い】も書いてあるよ。紫なら僕の能力も再現できるし使いこなせると思う。」

 

 

 

――そう。紫は【境界を操る程度の能力】で僕の【ありとあらゆるものを曖昧にする程度の能力】を再現できる。

 

【空喰い】とは僕の我流結界術の奥義。(100年修行したときに編み出した)

 

【空喰い】は空――空間のエネルギーを"正と負を曖昧にする結界"で変換し、己の力にする究極の結界術。

 

まぁ、擬似的に無限のエネルギーを取り出す結界ってとこだ。

 

うん。

 

月に行った永琳が聞いたら卒倒しそうだ。

 

紫なら悪用しないと思うし、万が一は僕が止めればいい。

 

今の僕には片手間でそれぐらいならやってのける程の力がある。

 

つくづく、バケモノになったなあと思う。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

――黒が近づいて来る。

 

 

――嗚呼、早く、早く逢いたい。

 

 

――ねえ、黒。

 

 

――私は貴方が恋しい。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

次の日の朝、僕は紫を見送りに人里の外に来ていた。

 

紫は大きなスキマを背に此方を見る。

 

 

 

「紫、行くのかい?」

 

 

「ええ。先ずは場所と賛同者を集めなきゃね。」

 

 

「うん。紫、また会おう。」

 

 

「ええ、クロ。また何時か。」

 

 

 

 

そうして、僕の贈った道士服を身に着けて紫は旅立って行った。

 

――娘の門出を見ている気分だなぁ。

 

うん。

 

頑張れよ、紫。

 

君の夢が叶うことを祈っている。

 

 

 

「さてと。僕も旅に出ますか。」

 

 

 

確か、こっちの方に大きな国が出来たらしい。

 

じゃあ、その国を見に行ってみよう。

 

僕は、その国を目指して歩き出した。

 

 

 

 

 




ちょっと重くて、ちょっとイカれてて、ちょっと壮大な相思相愛。そんな狂ったものを私は書きたい。
――要するに描写力が(ry
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