東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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黒:様々な事を極めて様々な出会いと別れを繰り返した。様々な立場を経験しており、そのおかげでお金持ち。只今三度目の青春を謳歌?中。

諏訪子の分霊:黒のマフラー。出番がない。(作者が存在をよく忘れる)


2「再会」

「気をつけ、礼。」

 

 

 

学級委員の終わりの号令が教室に響く。

 

何時もと同じ日常の一コマだ。

 

最近は呪縛?の強制力もほとんど無くなり、何かの拍子で解けそうな感じだ。

 

諏訪子の分霊は最近は僕の首にマフラーみたいに巻き付いている。

 

僕は授業が終わり、昼休みになったので昼食を取るために屋上に向かう。

 

まぁ、僕は友達が居ないんでね。

 

ん?

 

隣のクラスから人を嘲笑うような僕の嫌いな声が聞こえる。

 

机への落書き。

 

見に行くと緑色の(・・・)少女が虐められているみたいだ。

 

うーん。

 

気に入らない。

 

確か、1年生の時にクラスメイトだった東風谷 早苗だっけか?

 

うん。

 

これもなにかの縁だ。

 

助けよう。

 

 

 

「おーい、東風谷。昼飯食べに行こう!」

 

 

「え?」

 

 

 

僕は彼女の腕を引いて教室を出る。

 

行き先は、屋上でいいか。

 

暫くして屋上に着いた。

 

 

 

「東風谷、大丈夫か?」

 

 

「・・・なんで助けてくれたんですか?」

 

 

「僕が気に入らなかったから。」

 

 

「貴方が虐められるかもしれないんですよ?!」

 

 

「いや、別に虐められても気にしないし。」

 

 

「そういう問題じゃ・・・。」

 

 

「東風谷、僕は気に入らなかったから君を助けた。それでいいだろ?」

 

 

 

この娘は自分が虐められているというのに他人の心配か・・・。

 

あぁ、何処ぞの今はもう人ではない友人を思い出す。

 

でも、似ている(・・・・)

 

雰囲気も顔も髪の色も何もかもが僕に想起させる。

 

この娘から懐かしさを感じる。

 

嗚呼、逢いたい。

 

ん?

 

東風谷・・・?

 

東風谷って翡翠の。

 

もしかして。

 

 

 

「なぁ、東風谷。」

 

 

「何ですか?」

 

 

「東風谷って守矢神社って知ってる?」

 

 

「何で貴方が神社()の事を?!」

 

 

 

なるほど。

 

なるほど。

 

この娘に感じる懐かしさは諏訪子の気配か。

 

ってことは諏訪子が近くに居る(・・・・・)

 

 

 

「東風谷。急で済まないが、今日帰ったら諏訪子に約束を果たしに今日逢いに行くと伝えておいてくれ。」

 

 

「諏訪子様に?!」

 

 

「じゃ。」

 

 

「ちょ、ちょっと、待ってください!!」

 

 

 

困惑する東風谷を置いて僕は先生に早退する旨を伝えて、自宅に向かって走り出した。

 

あぁ、準備することが一杯だ。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「ただ今帰りました。」

 

 

「ああ、お帰り早苗。」

 

 

「神奈子様、諏訪子様は?」

 

 

「諏訪子は未だ寝てるけれど。どうしたんだい?」

 

 

「それが、今日変な人に会いまして。」

 

 

「変な人?」

 

 

「ええ。首に蛇が取り憑いてる人なんですけど。諏訪子様に約束を果たしに今日逢いに行くと伝えておいてくれって。」

 

 

「まさか!!」

 

 

「神奈子様、何か知ってるんですか?」

 

 

「ああ。早苗には話したことがあっただろう?この神社に居たもう一人のことを。」

 

 

「柏手様のことですか?」

 

 

「ああそうさ。柏手は理由は知らないが未だに旅を続けている。奴は遠い昔に諏訪子と約束(契約)したのさ。」

 

 

「約束、ですか?」

 

 

「ああ。必ず逢いに行くっていうね。」

 

 

「じゃあ、あの変な人って神様なんですか?!」

 

 

「多分ね。早苗、諏訪子を起こしてきな。諏訪子に柏手が来ると言えば飛び起きるはずさ。」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

――逢いたい。

 

 

――?

 

 

――黒の匂い?

 

 

――早苗から黒の匂いがする。

 

 

――え?

 

 

――今日来るの?

 

 

――嗚呼、やっと待ち望んだ時が来たのか。

 

 

――待ち遠しい。

 

 

――早く、早く。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

うーん。

 

諏訪子にどんな格好で逢いに行けばいいだろうかとクローゼットの前で悩む。

 

まぁ、こういうときは僕の正装(母さんからもらった道士服)一択だな。

 

神様として人には見えない様にしていけば大丈夫だろう。

 

懐かしい道士服に着替える。

 

あぁ、とてもしっくりくる。

 

うん。

 

そういえば準備なんて殆ど無かった。

 

後は、あの早苗とか言う娘の気配から神社の位置を割り出して向かうだけ。

 

うーん。

 

あっちか。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

ようやく着いた。

 

懐かしい階段だ。

 

ゆっくりと噛みしめるように登っていく。

 

永い間逢えていないし、諏訪子は元気だろうか。

 

やっとあの日の約束が果たせそうだ。

 

ふと、呪縛?のことであの友人が言っていた事を思い出した。

 

「旅とは目指す場所に辿り着くまでが旅なのです。」

 

ああ、確かにと思う。

 

紅の最後に残した呪縛?は僕にとっての辿り着くべき場所(諏訪子のもと)へと帰らないといけないんだと唐突に理解した。

 

よし、そろそろ登り切る。

 

さあ、逢いに行こう(帰ろう)諏訪子のもとに。

 

人影が見える。

 

とてもとても逢いたかった人影だ。

 

――あぁ、今呪縛は解けた。

 

僕はその人影の前に立って言う。

 

 

 

「諏訪子、ただいま。」

 

 

「黒、お帰り!!」

 

 

 

――こうして神とバケモノの契約は果たされた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

それから、僕は一晩中諏訪子と話した。

 

諏訪子にお土産話を沢山話した。

 

聖人達と旅をして見聞きしたこと、様々な出会いと別れがあったこと。

 

諏訪子は始終ご機嫌で、僕の話をにこにこしながら聞いていた。

 

諏訪子、くっそ可愛い。(重症)

 

諏訪子からはこれまであったことを聞いた。

 

冬華の子孫が早苗であること、早苗の両親は他界していること、信仰が薄まり神としての存在が保てなくなりそうなこと。

 

――そして、紫が幻想郷に来ないかと誘いにきたこと。

 

なるほど、なるほど。

 

紫は無事に夢を叶えられたわけだな。

 

神社の鳥居の上に諏訪子と座る。

 

月が綺麗だな。

 

僕は旅の中で手に入れた神酒を取り出す。

 

そしてとってあったあの時の徳利を取り出す。

 

 

 

「諏訪子、久しぶりに乾杯しよう。」

 

 

「うん。」

 

 

「じゃあ、僕と諏訪子の再会に。」

 

 

「うん。黒と私の再会に。」

 

 

「「乾杯。」」

 

 

 

うん、月に照らされて諏訪子が綺麗だ。(重症)

 

そうして神とバケモノの再会の夜は更けていく・・・

 

 

 

 

 




ギャグパート


「神奈子様、私達って完全に空気ですね。」


「ああ。でも、早苗。覚悟を決めておきな。」


「?」


「あれが奴等の通常運転だよ。」


「?!」


「そして、柏手の本来の家はここだ。・・・後はわかるな?」


「嘘だーっ!!」



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