東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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4「天狗との交渉(物理)」

「侵入者、覚悟!!」

 

 

「うん。寝てな。」

 

 

 

柏手を打ち、斬りかかってくる天狗の意識を刈り取る。

 

えーっと、これで20体目位かな?

 

天狗って殺意高くね?

 

うーん。

 

天狗の偉い奴のところ迄誰かに案内させるか。

 

 

 

「お次はこの私、清く正しい射命丸文がお相手です!!」

 

 

「ん?じゃあ、お前でいいか。」

 

 

「へ?」

 

 

 

射命丸とか言う娘を適度に叩きのめして、案内させることにする。

 

神力と霊力の出力を上げる。

 

先ず結界で閉じ込めて、霊力の塊で全方位から軽く叩く。

 

わあ、一瞬でぼろぼろだぁ。

 

威圧感増々で射命丸に言う。

 

 

 

「射命丸とやら、ここの長のところ迄案内しろ。」

 

 

「は、はいただいまぁ!」

 

 

 

射命丸の後ろをついていく。

 

途中で天狗の集団や白狼天狗が襲い掛かって来たんだが、柏手で意識を刈り取る迄に留めておいた。

 

ん?

 

着いたっぽい。

 

向こうに此処で一番大きい気配を感じる。

 

するとおずおずと射命丸が目的地に着いたことを言う。

 

 

 

「ここです・・・。」

 

 

「ああ。もう行っていいぞ。」

 

 

 

妖気?

 

もしかして未だ折れないのか?

 

・・・射命丸文、良い気骨をしてる。

 

もう一度叩きのめして折れないなら、式にしてみるのも面白いかもしれない。

 

 

 

「・・・一応、そう安安と通す訳には行かないんです!覚悟!」

 

 

「射命丸文。折れない君に敬意を称して、少し本気で相手してあげよう。」

 

 

 

射命丸文が飛び掛かってくる。

 

これは、風か。

 

懐かしい。

 

よく翡翠の組手に付き合ったなぁ。

 

最近使ってなかった妖気を開放。

 

【空喰い】の応用で僕と射命丸文を囲む。

 

神力を使うと周辺被害が酷くなるから神力は抑えて。

 

うん。

 

翡翠の技を借りよう。

 

【空喰い】によって僕の右に風と霊力と妖力(・・)を束ねて槍にする。

 

 

 

「射命丸文。死ぬなよ?」

 

 

「なんですかこの妖気と霊力はっ!!」

 

 

「翡翠、技を借りるよ。――破魔・風神槍っ!」

 

 

 

射命丸文は避けられない事を悟ったのか風と妖力で相殺しようとしている。

 

――甘い。

 

この技は非力な人間の巫女が大妖怪を破る為に編み出した破魔の風槍。

 

この風槍は相手の防御や迎撃を巻き込んで(・・・・・・・・・・・)その全てを貫通する。

 

 

 

「ぐうぅっ・・な?!押し切られる?!」

 

 

 

僕の放った風槍は射命丸の防御を貫き、彼女の腹を抉り取った。

 

――うん、死んでない。

 

よく視る(認識する)とここら辺の天狗の中では上位の力を持ってるみたい。

 

うん。

 

凄く良いね。

 

良い暇つぶしに成り(成長し)そうだ。

 

僕はそう思い、彼女の傷を塞ぎ意識を刈り取る。

 

うーん。

 

札を貼って飲み込んで(・・・・・)おこう。

 

僕は射命丸文を僕の中に彼女を曖昧にして(・・・・・)飲み込む。

 

さあ、この山の長に会いに行こう。

 

 

 

 

side目撃者:天狗

 

「「・・・。」」

 

「侵入者って今、射命丸様を食べなかったか?」

 

「・・・食べたな。」

 

「「よし、逃げよう。」」

 

 

 

 

side目撃者:紫

 

(師匠が、ヤバい。助けて藍ー!!)

 

(どうしたのですか紫様?!)

 

(師匠が天狗を食べちゃったのよ?!)

 

(はい?紫様のお師匠様は神の一種だったと存じていますが? )

 

(だからヤバいのよー!!しかも、昔の数百倍は強くなってるしぃ!)

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「お前が此処の長か?僕はこの山の長に要件がある。」

 

 

「如何にも。私がこの山を治める大天狗、天魔 村雨だ。」

 

 

「僕は巷では柏手と呼ばれている。山に出来た神社のことは把握しているな?」

 

 

「ああ、把握しているとも。しかし、貴方様がかの柏手様だとは・・・。」

 

 

「ん?僕のことを知っているのか?」

 

 

「ああ。あの妖怪の賢者に唯一勝てないと云わしめた太古の神。・・・それは事実か?」

 

 

「うん。まぁ、やろうと思えば世界位は滅ぼせるかな?」

 

 

 

抑えてた神力と霊力を天魔に向けて叩き付ける。

 

天魔の知覚出来るぎりぎりの強さにしておくか。

 

天魔からゴクリとつばを呑むのが聞こえる。

 

もう少し脅し・・・忠告しておこう。

 

 

 

「・・・。では、柏手様の要件とは神社のことかな?」

 

 

「うん。いきなり来たのは申し訳ないんだが、無闇やたらに攻撃しないようにしてくれると嬉しい。まぁ、隣人として仲良くしてほしいから滅ぼしたくはないんだ。」

 

 

「あ、ああ。天狗や山の妖怪にはよく言っておく。」

 

 

「うん。じゃあ、これから隣人としてよろしく。もし良ければ、神社に参拝してくれると嬉しいかな?」

 

 

「ああ。今度伺わせて頂きます・・・。」

 

 

 

こうして山の長との交渉(への脅迫)は無事に終わった。

 

面白い拾いものもしたし、満足の行く結果だ。

 

あ、天魔に射命丸文のことは言っておかないと。

 

 

 

「あと、天魔。」

 

 

「何でございましょうか?」

 

 

「ここに居た射命丸文っての貰ってくから。」

 

 

「はい?」

 

 

「代わりに何かあったら柏手様として協力してあげるよ。じゃ!」

 

 

 

そう言って僕は柏手を打ち、諏訪子達の待つ神社へと空間を歪める。

 

さあ、帰ろう。

 

 

 

 

side脅迫被害者:天魔

 

「天魔様、ご無事ですか?!」

 

「あ、ああ。無事だ。天狗の被害は?」

 

「は!天狗は基本的に軽傷で意識だけを刈り取られていました。・・・ただし、射命丸文様が食べられたとの証言が。」

 

「・・・。射命丸だけで済んだと捉えるべきか。射命丸のことに関しては箝口令をしけ。天狗達に伝えよ。あの神社には敵対するなと。」

 

「は!」

 

(射命丸、すまぬ・・・。お前の死は無駄にはしない。)

 

※射命丸文は死んでいません。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「ただいまー!」

 

 

「黒、お帰り!」

 

 

 

飛び付いてきた諏訪子を抱き止める。

 

あー荒んだ(脅迫して来ただけ)心が癒やされるぅ。

 

すると早苗を連れた神奈子がこちらに来る。

 

 

 

「柏手、話はどうなった?」

 

 

「つけてきたよ。後ついでに天狗にこの神社に参拝しに来てくれると嬉しいって言っといた。」

 

 

「なるほど。上手く行ったみたいだな。(天狗達は、きっと脅迫されたんだろうな。少し哀れだ。)」

 

 

 

話していると抱きしめている諏訪子から何かの圧を感じた。

 

・・・見つめてくる瞳に光がない。

 

僕、何やらかしたっけ。

 

 

 

「・・・ねぇ、黒?」

 

 

「す、諏訪子?」

 

 

「何で黒から、知らない女の匂いがするの?」

 

 

「あ。」

 

 

「心当たりが有るんだね?ねぇ、どうして?」

 

 

「・・・えーっとですね。ちょっと面白そうな天狗を見つけまして、式にして鍛えたら良い暇つぶしに成りそうだなぁと。」

 

 

「・・・。(式、式かあ。浮気?ではなさそうだし。それくらいならいいかな?匂いは後で上書きすればいいし。)うん。ならいいや。心配したよ。」

 

 

「諏訪子、心配してくれてありがとう。」

 

 

「ううん。私は黒が一番大切だから。無事ならそれでいいの。」

 

 

「じゃあ、続きは紫とかも交えて話そうか。」

 

 

 

そうして諏訪子の機嫌も治り、僕達は神社の中に入っていった。

 

 

 

 

side神奈子と早苗

 

「神奈子様、諏訪子様が怖いです。」

 

「あー。諏訪子は祟り神だし独占欲が強いからねえ。」

 

「・・・。(強いとか言うレベルじゃないと思います。諏訪子様、あれ絶対に病んでますよ。ヤンデレですよ!!)」

 

「まぁ、勝手に仲直りするさ。柏手も基本的に諏訪子の事しか考えてないからね。」

 

「・・・もうくっつけばいいのでは?」

 

「・・・まあ、気長に見守っておくしかないわね。」

 

(そういえば、簪を贈るって昔のプロポーズだった気が。諏訪子様の時々眺めている玉簪って・・・。)

 

 

 

 

 




簪を贈る。→「貴方を守ります」というプロポーズの意。

射命丸文:今回一番の被害者。天魔からは死んだ扱い。もうこじんまりとした墓が部下の白狼天狗によって作られている。しかも、黒の暇潰し(修羅の道)になることになる。強化フラグ(強制)。
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