東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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2「一人の旅路、出逢い」

僕はさくさくと竹林を歩く。

 

100年能力の修行をしたお陰である程度の物は持ってくることができた。

 

竹林の分岐地点にきたので、一旦立ち止まってどこに行くか考える。

 

 

 

「どこに行こうか?」

 

 

「うーん。そうだ!あの八意とかいうずっと変わらない人間に会いに行ってみよう。」

 

 

 

目的が決まったので、昔その人間を見かけた方向へと歩き出す。

 

 

 

「方向は・・・まぁ、ざっくりでいいか。」

 

 

「僕には時間だけはたっぷりあるからな。」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

うーん。

 

僕が一人で「時間だけはたっぷりある」とかカッコつけてから1週間がたった。

 

地形、変わったのかなぁ・・・。

 

まぁ、紅が「"私の全部"をあげる」っていうののお陰で寂しくなく(旅への強制力?みたいなのは感じるが)1週間歩き続けられるぐらいの体力があるので焦ることはない。

 

 

 

「今日は流石に何処かに結界張って寝よう。物も食べたいし。」

 

 

 

ってなわけで川の近くに結界を張って、背嚢から布団を出して広げる。

 

 

 

「あ。飯食ってねえ・・・。」

 

 

「・・・釣るか、魚。」

 

 

 

僕は釣りの道具を求めて背嚢を漁る。

 

確か釣り竿がここら辺に・・・っと。

 

あった。

 

さて、久し振りの釣りと洒落込もう!!

 

 

 

「よっこらせっと。」

 

 

 

川辺に丁度いい石を見つけたのでその石に腰を下ろす。

 

 

 

「釣りは久しぶりだなぁ。」

 

 

「確か、紅とどっちが多く釣れるか競争したっけ。」

 

 

 

懐かしいなーと思いながら糸を垂らす。

 

 

 

「お、かかった!!」

 

 

 

そんなこんなで二尾の川魚を入手した僕は、結界を張った場所へ戻る。

 

 

 

「妖術で火を浮かべて、魚の腸をとって、串に刺して焼く!!」

 

 

「できた。いただきます。」

 

 

 

結構美味しかった。

 

適当に塩をふったのが良かったのだろう。

 

僕は満腹になったので、布団で寝ることにする。

 

 

 

「おやすみなさい。」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

気持ちの良い朝が来た!!

 

って言いたいところだけど・・・

 

残念ながら寝過ごしたみたいでもう夕方だ。

 

 

 

「まぁ、良く寝れたことには変わりない。」

 

 

「出発だ。」

 

 

 

僕は布団を背嚢に収納し、また歩き出した。

 

 

 

「てか、ここ何処?」

 

 

 

まぁ、前途多難だな。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

旅立ちから、かれこれ3週間が経った。

 

今更気づいたのだが、別にここが何処だろうが関係無かった。

 

そういえば、今日の能力の修行中に新しい発見をした。

 

能力の対象を自身の五感とかの感覚にすると、知覚範囲を"曖昧にして"物凄く広げたり出来るようになった。

 

あと、能力は強い"できる、あたり前"みたいなイメージが大切だ。

 

紅からもらった【与える程度の能力】を使えば物とかに能力の効果を持続させられるのがすごい。

 

制約はあるけれどとても助かる。

 

今日の修行を終え、また歩き出す。

 

 

 

「次は此方に行ってみよう・・・妖力?!」

 

 

 

向こうから妖力を感じる。

 

何となく行った方がいい気がする。

 

勘が「助けろ」と叫ぶ。

 

 

 

「ちっ。()ばないと間に合わない気がするっ!!」

 

 

 

勘が「間に合わなくなる」と僕を急かす。

 

なので僕は、能力を使って"空間の距離"を曖昧にする。

 

僕はこの技を"空間の距離"を曖昧にして跳ぶから「空間跳躍」と呼んでいる。

 

 

 

「空間跳躍っ!!」

 

 

 

跳んだ先では、今まさに5尺程の金髪の女が妖怪の爪でとどめを刺される直前だった。

 

僕は右腕を一旦煙に変え、煙を刀に変えて、生やした右腕で持つ。

 

その金髪の女の前に割り込み、妖怪の爪を弾く。

 

 

 

「間に合ったっ!!」

 

 

「邪魔スルナァ!」

 

 

「そりゃ、無理な相談だっ!」

 

 

妖怪の爪による連撃を造った刀で往なして切る。

 

僕は、流れるように妖怪の左腕を切り飛ばす。

 

 

 

「ギャアァ」

 

 

「速く去ね!!」

 

 

 

妖怪が傷を押さえながら去ってゆく。

 

満身創痍の女が俺に問う。

 

 

 

「き、みは?」

 

 

「僕は、黒。君はの名は?」

 

 

諏訪子(スワコ)・・・。」

 

 

 

安心したのか彼女は気を失った。

 

 

 

 

 

 

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