東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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この章はあともう少し続くんだ。


12「明けない夜に」

あの萃香との宴(春宴異変と呼ばれているらしい)から少しが経ち、秋が来た。

 

因みに萃香は湖の屋敷に住み着いている。

 

どうしてかというと家がないといったので余ってる部屋あるし来る?みたいな感じで僕が提案したからだ。

 

何か諏訪子達からは門番みたいな扱いだけど塀の上で酔っ払ってるだけでは?

 

まあ、困ることもないし賑やかだからいいか。

 

そんな事を考えながら縁側に座っていると空の真ん中にずっと(・・・)ある月を見て萃香が言った。

 

 

 

「黒、何か変じゃないか?」

 

 

「どうしたの萃香?」

 

 

「月に違和感があるんだよ。」

 

 

「ああ、確かに。感覚的には朝だしね、今。」

 

 

 

そうなのだ。

 

今は現実で言う8〜10時付近。

 

今は日が昇っていないとおかしい時間帯だ。

 

まあ諏訪子とレミリアは寝ているが。

 

うーん。

 

 

 

「ねえ、萃香。あの月ってどう見ても偽物だよね。」

 

 

「だろうねぇ。」

 

 

「しかも満月だ。不味くない?」

 

 

「不味いね。私達クラスなら少しの不快感で済むけど中級妖怪なら暴走してもおかしくない。」

 

 

「うん。異変だよねコレ。」

 

 

「うん。黒はどうするんだい?」

 

 

「うーん。このままだと色んなところに被害とか出そうだし、何より人里で中級妖怪が暴れたら大変だ。一応人類の守護者として動かなきゃなぁ。」

 

 

「・・・黒って人類の守護者だったのかい。あんたますます謎が深まるね。」

 

 

「あ、人類の守護者と言っても見守る寄りなんだけどね。この幻想郷には人里にしか人類が居ないから動かざるを得ないんだ。」

 

 

「結構大変なんだね、人類の守護者って。」

 

 

「うん。返上したい。」

 

 

「あっはっは!そんなんで守護者してていいのかい?!」

 

 

「僕はどこぞの弓兵みたいに望んで成ったわけじゃないからね。」

 

 

 

守護者とは人類の滅亡を防ぐ抑止力のような存在だ。

 

細かいところは省くがアニメの台詞を借りると人類の滅亡の要因を排除する掃除屋ってとこだ。

 

この幻想郷は現世と結びつきはあるが独立した世界だ。

 

なので人里への被害は人類滅亡の要因になる為守護者()が動かざるを得ない訳だ。

 

 

 

「よし、萃香。僕は少し行って解決してくるよ。萃香は屋敷を頼める?」

 

 

「おー行ってら。私は月見酒でもしながら解決を待ってるよー。」

 

 

 

そうして僕は萃香に屋敷を任せて白黒の着物のまま飛び立った。

 

うーん。

 

取り敢えず霊夢と合流しよう。

 

きっと紫も動いてる筈だ。

 

僕は霊術で紫と霊夢を探す。

 

――二人共博麗神社に居るな。

 

神力を使い、柏手を打つ。

 

空間を歪めて博麗神社の境内に繋げる。

 

賽銭箱の前で二人が話しているのが見えた。

 

 

 

「やあ、霊夢に紫。状況は把握してる?」

 

 

「ええ、把握してるわ。やっと来たのねクロ。・・・いえ、今は人類の守護者と呼んだ方が良いかしら?」

 

 

「うーん。未だ異変解決を手伝いに来た柏手様ってとこかな。」

 

 

「なるほどね、未だ明確には成ってない(・・・・・・・・・・・)ってことね。」

 

 

「どういうこと?」

 

 

 

話について行けない霊夢が聞いてくる。

 

 

 

「霊夢、簡単に言うと守護者は確定した(・・・・)滅びの要因を消す存在よ。クロが未だ柏手様として来ているのなら未だ猶予はあるということよ。」

 

 

「へえ。妖怪が偶に言ってた守護者ってそういうモノだったのね。しかもそれが師匠だったとはびっくりね。」

 

 

「それで紫、犯人の目星は?」

 

 

「ええ、奴らは迷いの竹林に居るわ。」

 

 

「迷いの竹林?(もしかして・・・)」

 

 

「紫、それって人里の外れの方にあるやつかしら?」

 

 

「ええ、そうよ。取り敢えず向かいましょう。」

 

 

 

紫は大きめのスキマを開く。

 

うへぇ、何度見てもスキマの中の多数の目には慣れない。

 

霊夢と一緒にスキマを通り抜けると覚えのある結界(・・・・・・・)が張り巡らされている竹林の前に出た。

 

 

 

「紫。」

 

 

「どうしたのかしら?」

 

 

「この竹林って随分前から幻想郷にある?」

 

 

「ええ、そうだけど?」

 

 

「どうしたの師匠?」

 

 

「あー。この迷いの竹林って大昔に僕が作ったんだ。」

 

 

「「え?」」

 

 

「僕の屋敷を守る為に結構頑丈な結界術を使ったのに無くなったのかと思ってたら幻想郷にあるとはね。」

 

 

「・・・クロ、ごめんなさい。この竹林には永遠亭の奴らが住んでいるわ。クロのだとは知らなくて。」

 

 

「あ、別に大丈夫だよ。屋敷が無事なら儲けものみたいなもんだから。誰が住んでいようと関係無いよ。」

 

 

「そう。ならいいわ。」

 

 

「そうだ紫。犯人ってこの竹林の真ん中の方に居る?」

 

 

「・・・?ええ。」

 

 

「よし、それなら直ぐだ。着いてきて。」

 

 

 

僕は竹林の結界術に組んでおいた中心部への近道を進む。

 

そうして歩いていると大きめな建物が見えてきた。

 

ん?

 

落とし穴がある。

 

・・・仕掛け人は其処か。

 

僕は軽くそちらの方に拘束用の札を投げる。

 

 

 

「うわ!なんだよこれぇ?!」

 

 

 

そこには小学生位のウサギ少女が居た。

 

ウサギ少女はジタバタと抜け出そうとしている。

 

 

 

「君がこの落とし穴を?」

 

 

「そうだけど、はーなーせー!!」

 

 

「君はなんでここに?」

 

 

「はんっお師匠様のとこには行かせないもんねー!!鈴仙!!」

 

 

 

そうウサギ少女が言うと物陰から赤い目をした高校生位のウサギ少女が出てきた。

 

 

 

「言われなくとも!!【赤眼催眠】!!」

 

 

「効かん。」

 

 

「え?」

 

 

「寝てろ。」

 

 

 

僕は柏手を打ち、ウサギ少女の意識を刈り取る。

 

それにしても、今の【赤眼催眠】とか言うのは僕が相手じゃなければ十分脅威になりそうだ。

 

 

 

「紫、霊夢。無事?」

 

 

「ええ。」

 

 

「師匠こそ無事なの?」

 

 

「まあ、僕に催眠とかは効かないからね。取り敢えずあの建物にお邪魔しよう。」

 

 

 

僕達はその建物――永遠亭に入っていった。

 

 

 

「紫、犯人の素性は?」

 

 

「なんで異変を起こしたかは知らないけど月の賢者よ。」

 

 

「月の賢者がなんで幻想郷に?」

 

 

「昔に色々あって隠居してるのよ。」

 

 

 

暫く永遠亭の廊下を歩いていると違和感を感じ始めた。

 

おかしい。

 

うーん。

 

これ、位相をずらしたスキマの中みたいになってる。

 

・・・月の賢者の名は伊達じゃないってことかな。

 

何か覚えのある気がする気配に近づいて行ってる。

 

 

 

「紫、霊夢。そろそろご対面かな。」

 

 

「ええ。霊夢、準備はしておきなさい。」

 

 

「言われなくとも終わらせてあるわ。」

 

 

 

すると廊下が崩れ去った。

 

周りは宇宙だ。

 

〈あはっ綺麗だね!〉

 

綺麗だけど本物じゃない。

 

あくまで宇宙を模した異空間ってとこかな。

 

僕は空間?を飛んで紫達を見る。

 

紫達は無事みたいだ。

 

前を向くと其処には偽りの月を背に見覚えのある赤青の服をきた××――永琳が立っていた。

 

 

 

「此処は私がすり替えた偽りの月との狭間。永遠亭を見つけられてしまった以上、只では返しません。」

 

 

「貴方が月をすり替えた犯人ね!私は博麗の巫女!大人しくお縄に付きなさい!」

 

 

 

あれえ?

 

僕って空気?

 

永琳さんや、もしかしなくとも気付いてない?

 

〈お兄ちゃんもゆかりんも空気だね!〉

 

・・・泣くよ?

 

〈道士服着てないからわかりずらいんじゃない?〉

 

確かに。

 

そんな事を考えている間に戦いは始まってしまったようだ。

 

霊夢が押されてる。

 

流石に僕の知り合いの中で一番の年長の相手は重いなあ。

 

紫に知り合いなので止めてくると伝えて霊夢の元へ向かう。

 

 

 

「くっ「夢想封印」!!」

 

 

「甘いですね、落ちなさい!」

 

 

 

永琳が大量の弾幕を霊夢に向けて放つ。

 

はあ、撃ち落とそう。

 

僕は神力を使って柏手を打ち、弾幕をかき消す。

 

 

 

「はい、そこまで!」

 

 

「師匠?!」

 

 

「誰だ?!」

 

 

「・・・永琳。久し振りだね。」

 

 

 

僕はまだ僕のことがわかってない永琳に声をかける。

 

 

 

「まさか、黒?!無事だったの?!」

 

 

「うん。クレーターの中で数百年程寝る羽目になったけどね。」

 

 

「師匠、知り合いなの?」

 

 

「うん。永琳、取り敢えず落ち着いて話をしよう。異変を起こした理由があるっぽいし、聞きたいこともあるしね。」

 

 

「・・・いいわ。」

 

 

 

その後僕達は永琳の案内で永遠亭の居間に通された。

 

何ていうか似てるなぁ。

 

永琳を待っている間に霊夢と紫が聞いてきた。

 

 

 

「師匠、あいつとはどんな関係?」

 

 

「黒、クレーターってどういうこと?」

 

 

「えーっとね永琳は大昔に妖怪に襲われてたのを助けたんだ。その後永琳の所で家政婦して、月の民を守るために妖怪と戦ってたら爆殺されかけた。」

 

 

「・・・。」

 

 

「師匠、ツッコミどころが多すぎて何処から突っ込んだらいいかわかってない。しかも紫なんて絶句してるわよ。」

 

 

「まさか黒が月の民が言ってた今は亡き大英雄だったのね。」

 

 

「はい?」

 

 

「そうよ。」

 

 

 

話していると永琳がお盆を持ったウサギ少女を連れて現れた。

 

 

 

「永琳、今は亡き大英雄ってなに?」

 

 

「黒のことよ。ツクヨミ様が黒のことを伝えた結果生まれた言葉ね。黒の慰霊碑立ってるわよ?」

 

 

「・・・一つ聞いていい?もしかしてあの爆発って月の民は知らないの?」

 

 

「・・・ええ。犯人はツクヨミ様よ。」

 

 

「は?どういうこと?」

 

 

 

僕は驚き、紫と霊夢は完全に観戦モードだ。

 

 

 

「黒を恐れて殺せる内に殺そうとしたそうよ。この事実を知っているのは私とツクヨミ様以外はいないわ。」

 

 

「・・・。」

 

 

「月の民に代わって貴方に感謝と謝罪を。」

 

 

「永琳、ツクヨミがやったことだ。月の民には関係ないから謝罪は要らない。感謝だけで十分だよ。」

 

 

「・・・そう。」

 

 

「で、永琳。なんで月をすり替えたの?」

 

 

「姫様のためよ。」

 

 

「姫様?」

 

 

「ええ。姫様を月に連れ戻されないように月をすり替えて道を塞ぐ必要があったの。」

 

 

 

それから永琳から月をすり替えた理由を詳しく聞いた。

 

要約すると地上を好きになったかぐや姫が月に連れ戻されそうだったので阻止したということらしい。

 

紫によると幻想郷を形作る博麗大結界は月の民でも通り抜けられないらしい。

 

あらら、永琳の取越苦労ってことか。

 

その後、永琳に月を戻してもらい話をした。

 

永琳も好きで隠居していた訳では無いらしく診療所を開くとか。

 

それから少し経って竹林の中に診療所が開くことになったとさ。

 

 

 

 




黒:古い知り合いと再会した。博麗大結界の事を初めて聞いた。爆発の犯人がツクヨミとわかり、どうしようか考え中。結婚の事を聞いた永琳から祝の言葉を貰った。

諏訪子&レミリア:寝てた。

萃香:『烏』をさそって月見酒をしていた。

霊夢:永琳に負けかけた事を気にしている。・・・君は、きっと強くなれる。

ゆかりん:説明役のようななにか。黒の正体や性格などを諏訪子の次に理解している。

クラン:空気。

永琳:黒の古い知り合い。未だに面倒くさがりは治っていない模様。
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