東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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――日常の裏で非日常は廻る

――もう既に崩壊の序章は始まっている・・・




13「墓参り」

あの永琳が起こした異変が解決してから一月程が経った。

 

その一ヶ月の間に稗田阿求の取材を受けたり、永琳に会いに行ったり、紫と修行したりして過ごした。

 

今日は紅とアカコの(・・・・・・)命日(月の満ち欠けと季節から換算)だ。

 

我ながらよく憶えていたなと思う。

 

今日は最近見つかった屋敷に諏訪子とレミリアと一緒に墓参りに行くことになっている。

 

 

 

「黒、準備出来た?」

 

 

「うん。出来たよ諏訪子。」

 

 

「ぎゃっ」

 

 

「「レミィ?!」」

 

 

 

向こうから着物に着替えていた(・・・・・・・・・)レミリアの悲鳴が聞こえてたので着替え終わった諏訪子とレミリアの元へ向かった。

 

すると其処には帯を踏んで転んだと思わしき状態のレミリアが涙目でうつ伏せになっていた。

 

 

 

「うぅ・・・黒ぉ。」

 

 

「レミィ、無理して一人でやらなくても良かったのに。ほら。」

 

 

 

僕はレミリアの着物を着付ける。

 

何故諏訪子とレミリアが着物を着ているのかというと「結婚報告もしたいから黒みたいに着物で行こうかな」と諏訪子が言ったのにレミリアが乗っかったからだ。

 

諏訪子は紫色、レミリアは赤色の着物を着ている。

 

因みに僕は最近の普段着である白黒の着物に道士服の前掛けだけを掛けた服装だ。

 

 

 

「諏訪子もレミィも綺麗だね。」

 

 

「ええ、そうでしょう!」(涙目)

 

 

「黒も格好良いよ。」

 

 

「ありがとう。よし、行こうか。」

 

 

「うん。」

 

 

「ええ。」

 

 

 

湖の屋敷から出ると萃香が話しかけてきた。

 

 

 

「あれ、どこ行くんだい?」

 

 

「ちょっと母と姉の墓参りにね。萃香も来る?」

 

 

「うーん。私は今度でいいや。今回は愛する嫁2人と行ってきなよ。」

 

 

「うん。じゃあ家を頼むよ。」

 

 

「あいあいさ〜。」

 

 

 

萃香が飲み始めたのを視界の端に僕達は出発した。

 

因みに『烏』は今は守矢神社に住んでいるらしい。

 

・・・手伝いで早苗とお揃いの服着てたのを見た時はクランと笑った。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

そうして僕が張った迷いの結界を通り、懐かしい屋敷に着いた。

 

結界のお陰か屋敷は古びているが原型を留めている。

 

あー結界で時間まで曖昧になってたのか。

 

僕は屋敷を見上げている諏訪子達に声をかける。

 

 

 

「諏訪子、レミィ。此処が僕の実家だよ。母さんと姉さんの墓は庭にあるんだ。入ろう。」

 

 

「お邪魔します。」

 

 

「お邪魔するわ。」

 

 

 

門を通り抜け、庭の端に向かう。

 

其処には名前が刻まれた三つの墓石があった。

 

諏訪子が三つの墓石を見て尋ねてくる。

 

 

 

「ねえ、黒。この人たちを紹介してくれないかな?」

 

 

「うん。右端が姉の紅、真ん中が母のアカコ、左端が会ったことのない父のトウマさんの墓だよ。紅は何というか活発な美少女って感じで僕の名付け親だ。」

 

 

 

名付け親の部分でレミリアが疑問を呈した。

 

 

 

「黒、名付け親ということは黒は血の繋がった家族では無かったのね?」

 

 

「うん。諏訪子には軽く話したことがあるかもしれないけどレミィには話したことがなかったね。僕は寂しかったんだ。」

 

 

「寂しい?」

 

 

「・・・少し昔話をしようか。僕はずっとずっとずーっと気の遠くなるような昔に生まれた。今ならわかるけどその時の僕は名前が無い上に【ありとあらゆるものを曖昧にする程度の能力】が原因で誰にも認識されることが無かった。

 

殆ど憶えてないけどそれから僕は僕を認識できる存在を探して彷徨った。まあ軽く数万年以上経った頃位にアカコ――母さんに会った。

 

母さんは人間と駆け落ちした当時最強の妖怪だったんだ。母さんは僕に娘の家族になって欲しいって言ってね。僕は寂しさがどうにかなるなら良いかと30年待った。

 

そうして紅に「出雲 黒」っていう名前を貰って彼女の弟に成った。

 

それからは母さんに料理や術を習ったり、紅と遊んだりして充実した幸せな時間だった。そうしてある日――60年が経った頃に母さんが亡くなった。

 

まあ、墓を作ってお別れも済ませた。

 

でも、それから丁度一年後に紅が不治の病で死んでしまった。」

 

 

 

諏訪子とレミリアの息を呑む音が聞こえた。

 

 

 

「その時に僕は紅の全部を貰った。肉体も、能力も、経験も、そして願いも。その後僕は100年修行してその願いを叶える為に僕は旅に出たんだ。でも紅の願いは本人の意図とは関係無く呪いに成った。」

 

 

「「黒・・・。」」

 

 

「まあ、諏訪子とレミリアに逢えたからちょっぴり呪いには感謝してるよ。」

 

 

「私も黒と出逢えて良かったよ。愛してる。」

 

 

「私もよ、黒。愛してるわ。」

 

 

「僕も愛してる。」

 

 

 

少しイチャイチャ?した後、僕達は墓に向き合って姿勢を正した。

 

 

 

「母さん、紅、僕は今幸せだ。愛する人たちが出来て結婚もしたんだ。色々あるけど楽しく過ごしてる。だからどうか安らかにお眠りください。」

 

 

 

すると諏訪子とレミリアが墓に向かって話し始めた。

 

 

 

「えーっと。義母さん?と義姉さん?黒と結婚した洩矢諏訪子です。黒を育ててくれてありがとうございます。黒は私達が幸せにします。どうか安らかにお眠りください。」

 

 

「私は黒の伴侶になったレミリア・スカーレット。旦那様は私達が幸せにします。黒の家族の皆さん、どうか安らかにお眠りください。」(流石に敬語モドキ)

 

 

――――ええ。私の息子を頼みます。

 

 

「「「?!」」」

 

 

 

ふと母さんの声が聞こえた気がした。

 

諏訪子とレミリアもなのか僕達は無言で墓に頭を下げた。

 

その後僕は背嚢に仕舞ってあった花を墓前に供えた。

 

そうして僕達の墓参りは終わった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

side:■の■■者&■の狂■

 

 

 

「僕が過去に(・・・)飛ばされてからどれくらいが経ったかな。ねぇ□□□、今はいつだと思う?」

 

 

〈うーん。ワタシの気配は感じるから少なくとも春雪異変は終わって諏訪子お姉ちゃんとレミリアお姉ちゃんが結婚したぐらいじゃない?〉

 

 

「そっか。・・・やっとここまで戻って来たんだ。」

 

 

〈お兄ちゃん・・・。〉

 

 

「ああ、そういえば友が言ってた惡魔に気を付けろってこのことを示唆してたのか。まったく友には頭が下がるね。」

 

 

〈約束の時はそろそろだね。〉

 

 

「うん。そのために博麗大結界に細工をしなきゃなあ。」

 

 

〈もしかしてあの時ゆかりんが言ってた大結界の違和感ってワタシ()達の細工じゃない?〉

 

 

「おお!ってことはシンシア(・・・・)が言っていた事にも信憑性が出てくる。・・・じゃあ、もう少ししたら逢えるのかなぁ。」

 

 

〈うん!きっと逢えるよ!!彼奴等にぎゃふんって言わせてやろうよ!〉

 

 

「うん。もうひと踏ん張りだ!」

 

 

 

 

 




黒:墓参り(数千万年ぶり)に行った。最近は白黒の着物を着ている。

諏訪子:結婚の挨拶?に行った。紅い女性の声を聞いた気がした。

レミリア:着物位一人で着れるわ!と豪語して転けた。最近、黒の運命が二重に見える。

アカコ:諏訪子さん、レミリアさん。息子を頼みましたよ。

■の■■者&■の狂■:謎の存在。博麗大結界に細工をしている。どうやら紫と面識があるようで・・・?


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