風が吹く。
此処は砂漠。
この砂漠は
最初に飛ばされたところで平行世界と異世界の違いについて気付けて良かった。
聞けてなかったら今は異世界ではなく平行世界を漂い、今使っているスペルカードは完成してないだろう。
――旅符「辿り着くべき希望の旅」
このスペルカードは様々な世界異世界移動を観測し【運命を操る程度の能力】で最終的に僕が元居た世界にたどり着くという運命を固定したカード。
時間は掛かるが
世界を幾つも飛び越えたり、世界が数千回始まって終わる位の時間を過ごした影響で僕とクランは成長?した。
僕は妖力、魔力、霊力が伸びて神力は据え置き、様々な武術から魔術等を習得した。
が、身体的な変化は無い。
一方クランは身長が伸びて僕より少し低いぐらいになった。
何というか黄金比と言うのだろうか?完成された美みたいな感じ。
クランによると永い(それこそ世界数千個分の)時間によりクランの魂がカタチを最適化した結果だそう。
当然クランも妖力、魔力、霊力は伸びている。
最近解ったことは世界を移動するには世界の節目じゃないといけないみたいだ。
始まりや終わりの節目に世界移動が起こる。
このおかげであんまり焦らなくて済む。
何せ元居た世界にたどり着いても世界の始まりだもの。
うん、まぁ元居た世界が終わっても諏訪子レミリアと一緒に居られるってことが解ったことは良かったかな。
因みに今歩いている砂漠は僕が居た世界で言うところの北海道にあたる。
生物はもう居ないし、もうそろそろ世界が終わるかなといったところ。
ガラガラと世界が崩れる音が聞こえる。
よし、次の世界に行こうか。
◇◇◇◇
最近思うことがある。
暇だなあって。
〈暇ー。〉
クラン、何かいい案ある?
〈うーんとね、夫婦ごっこ!〉
もうやった。
〈親子ごっこ!〉
もうやったし虚しい。
〈英雄ごっこ!〉
疲れる。
〈黒幕ごっこ!〉
やって・・・はないけど何の黒幕?
〈世界全ての悪事!〉
クラン、適当言ってるでしょ。
〈あはっバレた?〉
うん。
あーでも悪か。
・・・一回世界を滅ぼしてみるか?
〈・・・やってみる?〉
うーんやめとく。
良心の呵責が・・・。
〈お兄ちゃんにそんなの無いでしょ?〉
クラン、酷くない?
〈だって前の世界では戦争を終わらせるために大陸を更地にしてたじゃん。〉
うっ。
あれはつい力加減をミスったといいますか・・・。
〈そのミスで良心が傷んだりは?〉
しない。
・・・あっ。
〈ほら。〉
クランが正しかったよ・・・。
〈あ、お兄ちゃん。見て!〉
うん?
クランの指した方を見ると世界が崩れていた。
この世界もようやく終わるみたいだね。
〈うん。次は帰れるといいね。〉
それ毎回言ってるね。
〈まあね。ほら、お兄ちゃん。行こう!〉
うん。
僕はクランと手を繋いで今居る世界から別の世界へ跳んた。
◇◇◇◇
今回も天地創造が始まった頃ぐらいの世界に跳んだ。
世界の始まり。
無からの創造。
何度見ても綺麗だと思う。
うーん、人類が発生するまで数億年だから少し寝るか。
地殻の底で寝よう。
〈お兄ちゃん、おやすみー。〉
うん、おやすみ。
◇◇◇◇
そうして永い時が経ち、大地の奥深くで黒は目を覚ました。
この世界は
黒はまだ気付かない。
後の世界で只のおじさんと名乗る友が神に成ってから100年程が経っていた。
◇◇◇◇
「よし、クラン。行こう!」
「うん!今回はどんな世界かなぁ?」
「うーんと、普通に人類が発展してる世界かな?・・・何か身体に違和感を感じる気がする。」
「ワタシもー。でも偶に有った事だよね。」
「うん。僕達は異物だからね。適応まで時間がかかるんだと思うよ。」
「そうだ!今回はお兄ちゃんと学校に行きたい!」
「わかった。じゃあ日本に行こう!」
ということがあり、目が覚めた僕とクランは日本で学生を満喫していた。
そんなある日、懐かしい俗世に染まった友を見つけた。
「やあ、黒。久し振りだね。あ、カップラーメン食べる?」
「カップラーメンは頂くけどさ、イエス、なんでここにいるん?!」
「暇だったからさ!」
「もう駄目だコイツ・・・。」
という感動(???)の再会をした後。
僕とクランは東京都立川市にあるイエスのアパートで3人揃ってカップラーメンを食べていた。
「「「ご馳走さま。」」」
「で、イエス。今はいつ?」
「・・・なるほど。黒、君は未来から来たんだね。」
すると玄関の方から音がした。
「おーい。イエス、帰ったよーーって誰?!」
そこから現れたのはブッダだった。
「やあ、ブッダ。久し振り。」
「なんだ黒か・・・って君結婚したんじゃないの?!横の女の人は?!」
「こんにちは!ワタシは出雲クランドール、夢はお兄ちゃんのお嫁さんです!」
クランのその発言で場の空気が凍りつく。
ああ、懐かしいな。
高校生のときもクランがふざけて同じ様な事を自己紹介で言ってたっけ。
「黒、どういうことですか?」
「クランは妹だよ。」
「ほお・・・妻帯者なのにも関わらず妹と逢引していたと。」
「ちょっとまってブッダ?さん!
「はい?」(突然の事に理解不能の仏)
「うん?」(知らなかったバケモノ)
「え?!」(昼ドラにワクワクする神)
◇◇◇◇
そうしてイエス達と話すこと数十分。
クランのお嫁さん発言は諏訪子とレミリアの許可あったらしい。
どういうこと?
というかいつ取ったの?
っていうか諏訪子、レミィ、僕の意志は?!
・・・一旦置いておいて。
イエスとブッダは地上にバカンスに来ているらしい。
はあ、まだ浪費癖治って無いのか・・・。
「そういえばどうして未来の黒がここに居るんだい?」
「ああ、何か知らないけど時空の彼方に飛ばされてね。戻ってくるために世界を旅してたのさ。」
それから暫く幾つもの世界を巡った話をイエスとブッダにした。
「なるほどね。うん。私が思うにこれは不味いかもしれないね。」
「イエス、どういうこと?」
「黒の様な存在を時空の彼方へ飛ばせるのが居るって事だよ。黒が帰ってこれたのは奇跡だ。本当だったら時空の彼方で永遠に彷徨っていただろうね。」
「それって幻想郷が危ないってこと?」
「うん。・・・うん?!」
「イエス、どうしたの?」
「黒、非常に不味い事になった。ブッダも感じたかい?」
「うん。不味そうだね。このままだと世界が滅ぶ。」
「なんだって?!」
ブッダとイエスによると幻想郷で近い将来、『終末を告げる妖精』が出現することが予測されたそうだ。
そして、その『終末』のトリガーになったのは僕の消滅。
告げられたのは諏訪子が『終末を告げる妖精』に成るって事だ。
・・・なるほど不味い。
「お兄ちゃん、どうする?」
「諏訪子を止めなきゃいけないし、僕を飛ばした犯人をどうにかしないと。」
「黒、今は2003年だ。まだ猶予がある。君がするべきことはどうにかして『約束の時』に幻想郷に行き、『終末を告げる妖精』を止める事だよ。私に考えがある。」
――黒とクランは思った。
そのTシャツ(無地に「月に変わってお仕置きよ!」)で凄く残念な感じだと。
〜おまけ〜
「転校生を二人紹介します。二人共、入ってきて。」
「初めまして、僕は出雲黒といいます。よろしくお願いします。」
「初めまして、ワタシは出雲クランドールっていいます!将来の夢はお兄ちゃんのお嫁さんです!」
「「「「「「「え?!」」」」」」」
黒:凄く永い時をクランドールと放浪した。見届けた世界の数は1,000を下らない。暇つぶしにクランドールと様々な事を遊び尽くした模様。極め付きは結婚式ごっこ。イエスとブッダと再会した。
クラン:ゆかりんに引けを取らない美人に成長した。正直言って黒さえ居れば良かったので永い時を満喫した模様。予め諏訪子とレミリアに交渉していた。結婚式ごっこはクランが勢いで黒を押し切った。
イエス:武闘派なため頭にセコムを被っていない聖なるおにいさん。Tシャツは衝動買いしたためバリエーション豊か。仕事(神)しているときとのギャップがヤバい。
ブッダ:イエスとルームシェアしているバカンス中の仏。黒とは知り合い。イエスの衝動買いに巻き込まれTシャツが・・・。
イエスの計画
①幻想郷に侵入して身を隠す
②黒が時空の彼方へ飛ばされた後に登場(黒と黒が出会うと何が起こるか判らないため)
③世界が滅ばないよう時間をイエスとブッダで稼ぐ
④諏訪子を止めて黒幕をとっちめる
⑤ハッピーエンド!