「ん。あー。あれ?」
目が覚めた。
目の前には諏訪子の顔がある。
幸い、左瞼の傷は治ったようだ。
諏訪子を見てふと、思う。
「綺麗だ・・・」
僕、何言ってんだ。
聴こえてないよな?
あー心臓がバクバク言ってる気がする。
えーっと、昨日は何をっ!?
あー思い出した。
諏訪子に力の譲渡をするために首を噛まれたんだった。
で、噛まれて力を譲渡したから俺の能力が暴走して、諏訪子と混ざる前に
あっぶねえ。
僕は体に不具合は無いか確かめようとして、気付いた。
――あれ?僕と諏訪子、抱き合ってね?
何か凄く離したくない。
うん。
諏訪子も未だ寝てるし、起きてなかったことにして二度寝しよ。
――――「聴こえてるよ。ばか。」
◇◇◇◇
諏訪子の声がする。
「黒、起きて。」
「うー。諏訪子?おはよう。」
「おはよう、黒。」
目を開けると諏訪子が僕を揺すっていた。
――あれ?
諏訪子を見て違和感を感じる。
よく見ると、諏訪子の左目が水色になっていた。
「諏訪子、その目は?」
「目?」
「ああ。左目が水色になってる。」
「へ?」
その後、諏訪子と二人で変わったところは無いか調べてみたものの精々僕の力が1割ほど減っているだけだった。
「あーうー。多分、黒と私が一時的に
「あー。それって僕にも諏訪子の要素が出てるんじゃないか?」
「うーん。精々記憶位じゃないかな?黒の記憶をちらりと見た気がするし。」
「それって不味くないか?」
「うーん。まあ、黒ならいいや。私も黒の記憶を見たからおあいこってこと。」
「まぁ、諏訪子がそう言うならいいんだが。」
その後、諏訪子の包帯を取って見ると傷は全て塞がっていた。
傷が治ったので諏訪子の住処に行こうということになった。
「諏訪子の住処って何処にあるんだ?」
「湖の底。」
「底?」
「うん。湖の底に沈んでる社に結界を張って住んでたんだ。」
「へえ。」
そうして洞窟から歩くこと数十分。
湖に着いた。
「此処が諏訪子の住んでる湖?」
「うん。黒を私の住処に招待するよ。ちょっと泳ぐから、私の手を離さないでね。」
諏訪子に手を引かれながら泳ぐ。
その社はすぐに見えてきた。
半球形の結界に覆われており、空気もあるみたいだ。
諏訪子と僕はその結界を通り抜けた。
「うん。着いたよ。」
「此処が諏訪子の住処・・・。」
「うん。一度言ってみたかったんだ。いらっしゃい、黒。」
「うん。お邪魔するよ、諏訪子。」
諏訪子に案内されて社の居間に座る。
すると諏訪子は社の奥から瓶と徳利を2つ持ってきた。
「コレは?」
「お酒。」
「・・・僕、酒なんて飲んだことなんだけど?」
「あーうー。実を言うと私もない。」
「ま、まぁ二人共初めてな訳だしゆっくり飲んでみればいいと思う。」
「そうだね。」
諏訪子が2つの徳利に酒を注ぐ。
片方を僕に渡して、諏訪子は言った。
「うん。私達の出逢いに、乾杯。」
「ああ。乾杯。」
始めて飲む酒はとても美味しかった気がした。
◇◇◇◇
――黒は多分、これから永い時を生きる。
――正確には黒は、不滅の存在だ。
――このことは黒と混ざった私しかわからない。
――嗚呼、離したくない。離したくないとも。
――でもそれは黒の為にならない。
――黒は紅という女の最後の我儘を叶えたいから。
――ならせめて、黒に私の分霊を預けよう。
――それがあれば黒と二度と逢えなくなることもない。
――私は黒がいる限り不滅なのだから。
◆◆◆◆
目が覚めた。
目の前には諏訪子が寝ている。
――うん。何か見覚えのある状況だ。
あー離したくない。
こういうのを人を駄目にするってやつかなと思う。
あーでもそろそろ旅を再開しなきゃなぁ。
そんな事を考えながら諏訪子のことを見ていると、
「あーうー。おはよ、黒。」
「ああ、おはよう。」
「・・・。黒、行くんでしょ?旅。」
諏訪子は起き上がりながら僕にそう言う。
「・・・ああ。」
「紅――お姉さんとの約束を叶えたいんでしょ?」
「ああ。」
「うん。でも、会いには着てね?」
「ああ。約束する。」
「約束ね?黒、指切りしよう!!
――指切りげんまん、嘘ついたら、食べちゃうぞっ。」
「・・・じゃあ食べられないように会いに来なきゃな。」
湖の外に出る。
すると諏訪子が何かを取り出しながら言った。
「あ。あとコレ上げる。」
「白い蛇?」
諏訪子が何処からともなくが取り出したのは金と水色の目をした白い蛇だった。
「コレは私の分霊ってやつかな。多分、黒の助けになると思う。」
「ありがとう。」
その蛇は何時かの諏訪子のように僕の首に巻き付いた。
「黒、必ずだよ?また会った時のお土産話期待してるよ。」
「諏訪子、お土産話を沢山つくって会いに行くよ。」
「「じゃあ、また何時か。」」
そうして僕は諏訪子に再開を誓い、歩き出した。
諏訪子は黒と一時的に混ざったため魂に黒の一部が混ざり込んでいます。(黒もですが)その時に前から持っていた思いと"自身の片割れ"であるという認識が相まって若干暴走気味です。ああ、描写力が欲しい。