東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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5「新たな出会いと月の都」

あれからどれぐらいが経っただろうか。数年は経ったが十年は経ってないはず。

 

僕は暇なので能力の確認をすることにした。

 

僕の能力は主に3つ。

 

1つ目は僕が生まれてから持っていた【ありとあらゆるものを曖昧にする程度の能力】。

 

その名の通り、ありとあらゆるものを曖昧にすることができる。

 

主な使い方としてはある地点とある地点の間の距離を曖昧にして跳ぶことで瞬間移動をする空間跳躍などがある。

 

 

2つ目は紅からもらった【認識を操る程度の能力】。

 

認識を操ることができ、自分を認識されないようにしたりできる。

 

同時にありとあらゆるものを認識することができる。

 

 

3つ目は紅からもらった【与える程度の能力】

 

自分の持っているものや意味、能力などを強制的に与えることができる能力。

 

僕の名前も意味としてこれによって付けられている。

 

 

他に妖怪としての能力があり、僕の種族に名前を付けるとすれば「ケムリ妖怪」となるだろう。

 

母さん(アカコ)によると僕は、紅によって名前を与えられた影響で出雲 黒と定義されているので今の人間の姿か煙にしか変化できないそうだ。

 

最近試したら何故か目の色が変わったあとの諏訪子になら変化することができた。(きっと使うことはない。)

 

諏訪子にだけ変化出来ることが気になって僕の状況を【認識を操る程度の能力】によって認識してみたら、やばいことがわかった。

 

わかった事は3つあり、1つ目は紅のことだ。

 

紅の最後に言った「"私の全部"をあげる」のときに僕という妖怪の体と紅の体が融合して別種の妖怪モドキの人間モドキになっていた。

 

要するに僕は人間でも妖怪でもないバケモノってわけだ。

 

その為、僕は妖怪で在ると同時に人間という不思議な側面をもつ。

 

 

2つ目は諏訪子との融合が思いの外深かったことだ。

 

その為、僕は黒で在ると同時に諏訪子という謎掛けみたいな状態になっている。

 

まあ、悪影響はない。

 

精々諏訪子と離れると1時間位、半身を失った様な気分になるだけだ。(超重症)

 

 

3つ目は僕の出自についてだ。

 

僕、実は始まりの妖怪だったらしい。

 

僕って何歳なんだろ。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

今日もお日柄もよくーってありえないほど森が広い。

 

かれこれ3か月直進してるんだが風景に変化がない。

 

落ち込んでいると、首に巻き付いている諏訪子の分霊の白蛇が舌でなめて慰めてくれる。

 

諏訪子(分霊だけど)、ありがとう。

 

僕、感動で泣きそう。

 

 

 

「ん?妖力?」

 

 

 

勘も「さっさと行け」って言ってるし。

 

――何かこの流れ覚えがあるなぁ。

 

 

 

「最初から飛ばしてこうっと。――空間跳躍っ!」

 

 

 

目的地まで跳ぶ。

 

うん。

 

襲われている女の前に割り込んで妖怪の拳を往なす。

 

今回は拳かあ・・・。

 

僕も拳を構え、相対する。

 

殴ってきたので、力ずくで妖怪の腕をへし折る。

 

出来るだけきれいに折ったのでちゃんと処置すれば治るだろう。

 

 

 

「ほら、速く去れ!!」

 

 

 

今回の妖怪は頭が良かったのかすぐに退いてくれた。

 

はあ。

 

八意だっけ?

 

うーん、でもなぁ。

 

聞くか。

 

 

 

「あー。僕は黒。君は?」

 

 

「助けてくれてありがとう。私は八意××。」

 

 

「うん。よろしく。八意××。あれ?これで発音合ってる?」

 

 

 

八意は少し驚いた表情をした。

 

 

 

「え、ええ。合ってるわ。言いづらいなら永琳でいいわよ。」

 

 

「わかった。」

 

「で、永琳はどうして襲われてたの?」

 

 

「ああ、ここの薬草を取りに来てたの。」

 

「助けてもらったお礼をしたいから私の住んでいる都に招待するわ。」

 

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

永琳に連れられ、しばらく歩くと大きな都が見えてきた。

 

諏訪子の分霊は僕の中に隠れてもらっている。

 

何気に人が多く住んでいる所に来るのは初めてだ。

 

 

 

「ここが私の住んでいる都よ。」

 

 

「でっか。」

 

 

 

永琳が門番らしき人に事情を説明したみたいで、通してもらえた。

 

 

 

「行くわよ。着いてきて。」

 

 

 

そう言って永琳は都の中心の方に歩いていった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

あーうー。

 

何でこんなことになってるんだろう。

 

横には僕の挙動を監視する永琳。

 

前には何か凄い気配を放つこの都の偉い人(神様)(ツクヨミというらしい)がいる。

 

その神様が僕に問いかけた。

 

 

 

「人間のようであるが人間ではない。しかも妖怪や神ですらないと視える。貴様は、何者だ?」

 

 

 

――うーん。僕が何者か、かぁ・・・。

 

僕は少し考えてから言った。

 

 

 

「うん。あえて言うなら、妖怪モドキの人間モドキ(バケモノ)かな。」

 

 

 

と。

 

 

 

 

 

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