東方黒雲録   作:文才の無い本の虫

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6「月移住計画」

ツクヨミとの間が静まり返る。

 

――あ、これだけは言っておかないと討伐されちゃう。

 

そう思い、僕は言った。

 

 

 

「あっ。でも危害を加えるつもりはないよ。僕は旅をしていろんなとこを見て回りたいだけだから。」

 

 

「ふむ。まぁ、バケモノだろうと月移住計画を邪魔しなければ好きにしろ。」

 

「永琳、コイツがここにいる間はお前の所で面倒を見ろ。」

 

 

「はい。わかりました。」

 

 

 

こうして突然始まった話し合いは、僕が永琳の所でお世話になることが決まってお開きとなった。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

「今日からここが貴方の家よ。」

 

 

 

永琳の家、というか診療所みたいなところについた。

 

すると永琳が僕に聞いてきた。

 

 

 

「黒、今のうちに聞いておきたいことがあったら私が答えるわ。何かある?」

 

 

 

じゃあ、話し合いのときに出てきた「月移住計画 」について聞いてみようと思い永琳に言う。

 

 

 

「そうだ、永琳。」

 

 

「何かしら?」

 

 

「月移住計画って?」

 

 

 

そうすると永琳はそれに纏ることを僕に語った。

 

永琳によると人間は永琳の作った薬のお陰で老化の原因の「穢れ」を体から追い出しているので長寿らしい。

 

で、発展した人間は考えた。

 

老化の原因が「穢れ」ならそれの無い月に移住すればいいのではと。

 

って言うことらしい。

 

で、月に出発するのは1年後らしい。

 

僕は丁度良い時に来たようだ。

 

――じゃあ、僕は月移住のためのロケット?っていうのを見届けよう。

 

きっと良いお土産話になるだろうから。

 

 

 

「なるほど。じゃあ、そのロケット?で月に行くまでお世話になるよ。あらためてよろしく、永琳。」

 

 

「ええ、よろしく黒。」

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

――偶に黒の夢を見る。

 

 

――コレは分霊()の記憶。

 

 

――次はいつ黒を見れるのだろう。

 

 

――私は、夢でもいいから(半身)を感じていたい。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

――夢を見た。

 

夢を見るのは久しぶりだなと思う。

 

でも、内容はあんまり覚えてない。

 

何かとてもいい夢だった気がする。

 

でも覚めてしまうと半身を喪った様な気分になる。

 

これが名残惜しいってやつだなと思いながら、永琳の貸してくれた余っていた部屋から出る。

 

しばらく歩くと永琳を見つけたので、朝の挨拶をする。

 

 

 

「おはよう。」

 

 

「ええ。おはよう。」

 

 

「あ、永琳。朝つくるからちょっと待ってて。」

 

 

「ええ。わかったわ。」

 

 

 

最近、永琳と過ごしてわかったことがある。

 

――永琳は結構な面倒くさがりなのだ。

 

朝は料理が出来るのに栄養ゼリー?とか言うので済まそうとするし、服は何時も赤青のだし、被検体を用意するのが面倒だからと自分や僕で実験するし。

 

最初の方のしっかりしていた永琳は幻想だったらしい。

 

今では僕がちょくちょくご飯をつくっている。

 

本当に料理を教えてくれた母さん(アカコ)には頭が上がらない。

 

因みに僕も面倒くさがって何時も母さんからもらった道士服姿だが。

 

人のこと言えないなぁ・・・。

 

 

 

「「いただきます。」」

 

 

 

永琳と食卓に座り朝食を食べる。

 

 

 

「黒、相変わらず私より料理が上手いわね。」

 

 

「まぁ、姉が料理ができなくてね。母さんに教えてもらったんだ。」

 

 

「あら、貴方って家族がいたのね。」

 

 

「うん。血は繋がってないけどね。」

 

 

「黒が自分のことを話すなんて珍しいわね。」

 

 

「まぁ、最後だしね。」

 

 

 

そんな他愛もないことを話しながら永琳と朝食を食べる最後(・・)の時間が過ぎていく。

 

今日は、月移住計画の最後のロケットが発射される日だ。

 

永琳はこの都の創設者として最後を見届けるために最後のロケットに乗るんだと。

 

朝食を食べ終わり、片付けをする。

 

ふと、距離が離れていても感知出切る程の妖力がすごい速度で此方に近づいてくる。

 

勘が警鐘を鳴らす。

 

 

 

「ん?妖力が。永琳、伏せろっ!」

 

 

 

僕は咄嗟に永琳の前に出て防御。

 

――直後、視界が凄まじい光で埋め尽くされ、凄まじい爆発音が鳴り響いた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

どうにか防御には成功した。

 

僕はすぐに永琳の安否を確認する。

 

 

 

「永琳、無事か?」

 

 

「ええ、なんとかね。貴方こそ大丈夫なの?」

 

 

「まぁ、ちょっと疲れたけど。怪我は無いよ。」

 

 

 

こんな成りだけど始まりの妖怪だし。

 

能力が間に合わなかったから妖力で相殺したけど、1割位持ってかれた。

 

周りを見渡すと僕が立ってる場所より前は更地になっていた。

 

幸い、ロケットの発射場や居住区は僕達の後方にあるので人死は少ないないはず。

 

 

 

「永琳、君はロケットに!!僕が抑えるから、予定を繰り上げれば逃げられる!!」

 

 

「でも、それじゃ貴方は。」

 

 

「うーん。死にはしないよ。この一年間の恩返しもしたいしね。」

 

 

「・・・黒、ありがとう。少し、頼むわ。」

 

 

「ああ。任せとけ。月では健康に気をつけて。――頑張れよ、永琳。」

 

 

「ええ。貴方に言うのも可笑しいのだけど。黒も、どうか健康で。」

 

 

 

そうして僕と永琳は別々の方向へ走り出す。

 

僕は妖怪達を抑えて時間を稼ぐために。

 

永琳は月に行く為に。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

向こうには見渡す限りの妖怪の群れ。

 

此方は僕一人。

 

諏訪子の分霊は僕の中に避難したみたいだ。

 

 

 

「ざっと見て、一対千ってとこかな。」

 

 

 

――あー。手加減してると(・・・・・・・)勝ち目なさそう。

 

出すか、本気。

 

変化の応用でひたすら頑丈に3尺ーー90cm位の棒を作る。

 

何時もは隠してる妖力を全開に、何故か使える霊力も棒の強化につぎ込む。

 

少し、向こうが怯んだ気がする。

 

そんな量多いかなぁ、僕の妖力。

 

まあ、時間稼ぎ(戦争)を始めよう。

 

 

 

 

 

 

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