ハリー・ポッターと薩摩藩の隼人   作:小林ミメト

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2.1863年

「うそ・・・だろ?何かの間違いだ!」

 

ハリーは、新聞に書かれた日付が信じられずに目をこすった。

 

自分の目が悪いのは自他ともに認めているからだ。

 

だが、いくら目をこすっても眼鏡を拭いても日付は変わらない。

 

「そうだ。これは夢だ!きっとそうだ!」

 

そう言ってハリーは元居たベッドに潜って羊を数えた。だが、一向に夢から覚める気配はない。

 

『そんな、夢じゃないなんて・・・・。』

 

ハリーが、160年前という途方もなく昔の世界でどうやって生きて行けばいいのか途方に暮れていると、おもむろに寮に入ってくる女子の声がした。

 

「だれかそこにいるの?」

 

『やばい!なんで男子寮に女子が!?』

 

「ねえ、ほんとに大丈夫?」

 

「大丈夫よ、ジェニファー。いざとなれば魔法があるし・・・。」

 

先ほどの子とはまた別の女子の声がした。

 

『まさか僕、この時代に来る前に間違って女子寮に?いや、そんなはずはない!だって、一緒に来たロンはまだ酔ってなかったし・・・。』

 

そんなことを考えているうちに被っていたシーツをめくられた。

 

色白で目鼻立ちがはっきりとした、金髪縦ロールの女の子と目が合った。吸い込まれそうなほどの青い目をしていた。

 

「あ、こんにちは!ドビーです、屋敷僕のドビーですぅ。(裏声)」

 

「え、エクスペリーアームズ!!!」

 

彼女は、武器取り上げの呪文でハリーを吹き飛ばした。

 

「ふぐぉ!」

 

ハリーは背中を思いきり壁に打ち付けた。

 

「キャー!変態よー!!」

 

応援が来るとまずいと感じたハリーは急いで立ち上がり、逆転時計を手探りでつかんでポケットに入れて猛ダッシュで寮を飛び出した。

 

「な!ま、まてー!罪に罪を重ねる気かー?!」

 

「待てと言われて待つ奴がいるかってんだ!」

 

逃げている最中、後ろから男性の声もした。おそらく、騒ぎを聞きつけて駆けつけたんだろう。

 

「どうした?ジェニファー!」

 

「あ、シェイマス!あいつ、私のぶ、ブラを・・・盗んだのよ、やっつけて頂戴。」

 

女性の声は涙声になっていたため、良心の呵責と弁明のために立ち止まり振り返った。

 

声の主は、先ほどの金髪縦ロールの少女で顔を真っ赤にして目を潤ませながらこちらをにらんでいた。

 

「ナニィ?貴様ぁ!この聖28一族の家柄の子であるシェイマス・ポッター様のガールフレンドを泣かすとは!その所業、万死に値する!」

 

「待ってください!何かの間違いです!」

 

「じゃあ、その首に巻いてるのは何だ!?この変態め!」

 

たしかに首に何か違和感が・・・。

 

ハリーは首に巻かれていた手に取り、目の前に持ってきた。

 

それはピンク色で白のレースがある女物のブラジャーだった。

 

ハリーはどっと冷汗が出た。

 

「さあ、どう言い訳するんだ?変態野郎。」

 

「ぼ、僕は知りませーん!」

 

そう言ってブラジャーを放り投げて全力で走っていった。

 

「あー!わたしのー!!」

 

・・・・・

 

曲がり角の所で、だれもいないことを確認して透明マントをかぶった。

 

そして、ホグワーツを出るために廊下を歩き始めた。

 

ふと、あることを思い出した。

 

たしかあれは、前の同窓会の時に校長室の壁画の中にいるスネイプ先生と談笑していた時のことだ。

 

[ポッター君、君の親父が悪戯好きなのは知ってるな。]

 

[ええ・・・。]

 

[そんな奴が唯一、頭が上がらなかった人物は誰だか知ってるかね?]

 

[ダンブルドアですか?]

 

[当たっているが違うな。]

 

[じゃあ、だれです?]

 

[知ってるが教えないぞ。自分で調べてくれたまえ。]

 

相変わらずの口ぶりだが、僕は彼の本当の性格を知っている。

 

[えー!教えてくださいよー。僕が尊敬する偉大なスネイプ大先生。]

 

彼は顔を真っ赤にして怒った。

 

[大先生はやめろ!大先生は・・・わかった!教えてやるからリリーと同じ目を潤ませるな!]

 

「偉大な」の下りはいいんだ。

 

[・・・奴が唯一、心の底から尊敬し、恐れた人物それは・・・シェイマス・ゴドリック・ポッターだ。]

 




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