「シェイマス?」
ハリーは首を傾げた。
[シェイマス・ゴドリック・ポッター、奴の曾爺さんだよ。奴と違って正義感に燃える熱血漢だったらしい。]
「でも、スネイプ先生。そんなことをどこで聞いたんですか?」
[わかりきったことを聞くなポッター。学生時代に奴から聞いたのさ。]
「・・・・。」
[シェイマスは、今から160年以上も前にホグワーツに在籍していた男で、貴様や貴様の父親と同じグリフィンドール生だったそうだ。]
以降スネイプは、表情を変えずにただ淡々とシェイマスについて語り始めた。
[シェイマスはホグワーツ入学時、組み分け帽子が彼の頭に収まる前にグリフィンドールと叫んだそうだ。]
[君の時のように熟考せずに・・・だ。]
いちいち腹の立つ言い方するなあ。ま、そこが彼らしいけど。
[その後は、常に成績トップクラスで点数加算がされる理由は、ほとんど彼の活躍だったらしい。]
[そして、ある時には思いを寄せていた彼女の下着を神出鬼没で強力な魔法を使う変態に盗まれた際は勇敢に立ち向かい、最終的にはとらえて先生に突き出したそうだ。]
「その変態って誰です?」
[奴の証言によればポッター。貴様と同じ額に傷があり、丸眼鏡をかけたぼさぼさ頭のおじさんだったらしい。]
「えー、犯人の特徴今考えたでしょ?先生。」
[断じて違う、貴様の父親が実際に言ったのだ。後で聞いてみると良い。]
[・・・で、話を戻すが。そう言ったゆるぎなき正義感はもちろんせがれである奴にもむけられ、吾輩やほかの生徒に悪戯を仕掛けてそれがばれた時はこっぴどく叱られたらしい。]
[それを奴から聞いて吾輩は胸がスーッとしたわい。]
スネイプはそこだけ心底嬉しそうに話した。
・・・・・・
ハリーは透明マントをかぶりながら、将来的にハグリッドの小屋ができるであろう場所の途中にある例の橋を歩いていた。
『あの時は、スネイプが話した冗談かと思ってたけど・・・もしかして。』
額に傷、丸眼鏡、ぼさぼさ頭のおっさん・・・そして、今しがた不幸な事故とはいえ少女の下着を盗んだ変態呼ばわりされた・・・。すべて今の自分が当てはまる!
・・・詰んだ。ご先祖様に殺される!
あ、でもこの透明マントさえあれば逃げ切れるんじゃ・・・。
そう思っていた矢先にどこからともなく女の子の悲鳴が聞こえて来た。
「誰か助けてー!」
一体どこから・・・。
なんてのんきに思って声がする方向を向くと、いきなり視界に箒に乗った赤毛三つ編みの女の子が現れた。
それと同時にものすごい衝撃が主に大事なところに走り、少しばかり吹き飛ばされた。
「あ、あわわわ!どなたか知りませんがごめんなさい!大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫。あなたは?一体・・・。」
大丈夫とは言ったもののあまりの衝撃と痛さでまともに立ち上がれない。
って・・・あれ?俺を認識できてる?もしや透明マントは・・・。
出来る限り辺りを見回すと、透明マントは倒れた自分のそばに落ちていた。
「よかったー。私は、ミラベル・ガーリック。ハッフルパフ生です!よろしくです。」
「あ、ああ・・・どうも。」
「・・・立ち上がれないのですか?やっぱりすぐに医務室の先生を呼ばないと!」
普通ならありがたいが、今呼ばれるとまずい!
「ま、ゲホゲホ・・・待ってください!」
下腹部が痛くて立ち上がれない。だが、今この子を止めないとすべてが終わる!
そう思って彼女に必死でしがみついた。
「ちょっと!何をするんですかー!」
「大丈夫!俺は大丈夫だからー!!」
つかんだところがスカートだったのがいけなかった。
するりという音とともにミラベルのスカートがずり落ちた。
「キャー!!!ケダモノー!」
「ち、違う!誤解だー。」
ものすごい悲鳴を聞きつけて先ほどの生徒たちがやってきてしまった。
「貴様!俺の彼女だけに飽きたらずミラベルまでも!覚悟はできてるだろうな?この変態おやじ!!」
あ・・・終わった。