ロンメルの開拓   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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アクア団を見送ろう 移民を何とかしよう

 有意義な話し合いは終わり、座礁した船の貿易品を教えてもらう

 

「大量の空のモンスターボールに保存食、鉄道のレールか」

 

「ああ、大陸はモンスターボールの大量消費地でな。1つ100ポケドルで作って20倍で売れるがそれでも手作りの不安定なボールより安全だからな」

 

 ロンメルの持つ旧式のモンスターボールは耐久性と携帯性が低い

 

 木製なので劣化で腐っていくため5年持てば良い方である

 

 そして大きい

 

 野球ボール位の大きさとはいえ、持ち歩ける数に限りがある

 

 一方最新式のモンスターボールは一番耐久力が無い普通のモンスターボールでも劣化せず、圧縮すればピンポンボールくらいに小さく軽くなる

 

 更にいちいち戻す時も旧式はモンスターボールに当てる必要があるが、新型は電子ビームを当てることですぐに戻すことができる

 

 メンテナンスも新型の方が楽である

 

「新型のモンスターボールとレール、現金の支払いでこちらは物資提供でどうでしょうか」

 

「それだとありがたい」

 

 ロンメル的には開拓にモンスターボールは必要不可欠

 

 旧式のモンスターボールの作り方はわかるが最新式のモンスターボールの方が色々と楽なので……

 

「とりあえず至急しなければならないのは居住施設ですよね」

 

「ああ、斜めに傾いた船の中で生活は寝るだけであれば大丈夫だが、厳しいものがある」

 

「乗客の方に手伝ってもらうことは可能でしょうか?」

 

「緊急時ですし大丈夫だと思いますよ」

 

「でしたらすぐにでも住居を作り始めようと思います。とりあえず住居や研究所、共同浴場の休憩スペース等で乗客30名の寝床は確保しようと思います」

 

「助かります」

 

「船員20名はもうしばらくお待ちを……ウマ娘集合」

 

 ロンメルが外に向かって叫ぶとすぐに20名のウマ娘が集まった

 

「これより木造住居の建造を始める」

 

「「「はい!」」」

 

「優先順位を建築を第一とする。場所は南方の平地、5人1組で動くこと! 荷物運搬にはポケモンの力も使え、解散」

 

 ウマ娘達はすぐに動き出した

 

「良く訓練されてますね」

 

「ええ、まぁ」

 

 ウマ娘達が建造に取り掛かり、村人達はロンメルの指示の元で夜食や寝るスペースの確保、衣類の洗濯や仮設トイレの設置を始める

 

 船員や乗客も手伝い、日が暮れるまでにどこで寝るかの割り振りや夜食、衣類の貸し出し、仮設トイレの設置が終わる

 

 夜もライトやランプで明かりを確保しウマ娘達やロンメルは建築を続ける

 

「平屋で広さも大きくなくて良い。とりあえず雨風が凌げれば良いから突貫工場で組み立てるぞ」

 

 ロンメルと律が家の設計、ウマ娘達は木材の加工を行っていく

 

「休憩! 6時間睡眠休憩!」

 

 ウマ娘達はクローン工場や製材所の休憩スペースで眠りにつき、朝5時には起きて朝食を作っていく

 

 少し遅れて村人達も起き、朝食作りに参加、7時に広場のテーブルで食事を取り、作業再開

 

 村人や船員、乗客やポケモン達に木材を荷車に詰め込んで押して運ぶ

 

 運ばれた木材を穴を掘ってコンクリートを流し込んで土台を作り、どんどん組み立てていく

 

 船員や乗客達は村人やウマ娘達の怪力や手際の良さに驚きつつ作業を進めた

 

 子供達は共同浴場の掃除に、女性陣は昼食作りとグループに別れ作業を続ける

 

 午前中には10棟の土台が出来上がる

 

 昼食後午後から壁を作り始める

 

 休憩時間に家畜達の食事を与えたりとロンメルやウマ娘達、村人は別の作業もこなす

 

「よし、あとはウマ娘組が続けるので作業終了」

 

 夕食をとった後ロンメルがそう号令する

 

「ロンメルさん達は休まないのですか?」

 

「体力おばけがウマ娘! 3時間睡眠が取れれば疲れなんてへっちゃらへっちゃら! お前ら! 頑張るぞ」

 

「「「はい!」」」

 

 てなわけで工事続行

 

 翌朝には1軒の建造が終わる

 

「ただ広い平屋だけどこれでよし! 残りも仕上げるよ!」

 

「「「はい!」」」

 

 と言うことで1週間で10軒の平屋の建造が終了

 

 広さは1軒8坪(16畳)

 

 プレハブ小屋に近く、雨風凌げて寝れる場所である

 

 一応電気を通したので明かりが付けられるがそれだけである

 

 トイレはロンメルが夜間に設置したバイオトイレを家の横に設置

 

 とりあえず最低限の住居は完成した

 

 

 

 

 

 

 

 

 建築中にアクアマリン号が救難として放っていたムクホークが帰ってきた

 

 背中のバッグに手紙が入っておりすぐに救助船を派遣するとの事で住居ができて数日後、小型の船が海岸に現れた

 

「大丈夫だったか兄貴!」

 

「おお! コイズミ!」

 

 どうやら船長の弟分が助けに来てくれたらしい

 

 アクア団の幹部も乗っており、ロンメル達に助けてくれてありがとうと感謝の言葉を送った

 

 まず乗客乗員はこれで帰ることができる

 

 ロンメルとササキ船長の間で決められた取引も遵守されモンスターボール1000個、宿泊及び食事や衣服等の代金1人10万ポケドルを支払うとなったが、船に残される鉄道用レール200tと保存食300tが問題となった

 

 船は急遽だったらしく貨物船ではなく客船であり、貨物をそんなに運ぶことができない

 

「できれば村で買い取って欲しいが……不可能だよな」

 

「今回の事故でそれなりの損失が発生する。主力船の喪失と貨物の損害で貿易国であるシャンハイ地方の会社に違約金を支払うことになりましたので……少しでも穴埋めをしたいのですが」

 

 アクア団の幹部の方が言う

 

 そう言われても貨幣も流通していない僻地である

 

 が、乗客のシラトリ教授が仲裁に入る

 

「ここの村が貿易拠点として発展できるポテンシャルは多いにあります。今回の損害は痛いかもしれませんが、ここを開発できれば損害も数年で返済可能だと思います」

 

「本当ですか!」

 

「ロンメル村長、読み書き計算ができて信頼できる者を数名ホウエンのアクア団に送ってはくださいませんか? 我々で話し合った貿易ができると思いますが」

 

「そうですね。ウマ娘5名送りましょう」

 

「ありがとうとございます」

 

 アクア団の貿易担当官だったスズミヤも言う

 

「船で嵩張る物はこの際村に投資と言うことで置いていきましょう。船は後々サベレージできれば良いですがそれは後で、この村を貿易の中継拠点にできればフッケン以南と東南アジアでの貿易が楽になります」

 

 幹部は悩んだ末に

 

「よし、わかった。が、スズミヤは連絡員としてこの島に残れ、給料は出すし、ムクホークも3羽出す。村人と協力して今回の損害回収を行うぞ」

 

「は!」

 

「村長さん、すみませんがスズミヤをよろしくお願いします」

 

「わかりました。こちらからも5名の人員をよろしくお願いします」

 

 協定を書面を作り結ぶと夕方には島を出発してスズミヤ以外はホウエンに戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼らが帰った後残された住居の改造をチマチマと行っていく

 

 水道や台所、釜戸を増設し、収納棚や書き物台を作ったりしてウマ娘達やスズミヤがそこに住む

 

 スズミヤなんかは1人で1軒を貰うことになり

 

「いいんですか?」

 

 と聞いてきたので良い良いと答えた

 

 なんならしっかりとしたアクア団の支店を作る計画も建てたりする

 

 で、村人やポケモンを使い保存食やレールを運び出す

 

 重い為大変な重労働であるが、倉庫に運び込み、倉庫の増設を行いながらも2週間かけて全て運び出した

 

 レールはとりあえずロンメルの四次元ポケットに全て収納した

 

 現在の人口

 

 ロンメル含めウマ娘16名、村人12名、アクア団1名である

 

 

 

 

 

 

 5月となり移民の船がやって来た

 

 役人みたいな人が降りてきて

 

「おお、昨年は定住に成功したらしいな! 喜べ先代の移民が生きていたぞ」

 

 役人の声に比べて移民達の表情は暗い

 

「村長のロンメルです。村の代表をしています」

 

「うむ! フチョウシティ(フッチョウ地方の町の1つ)の開拓担当課のシリンだ。ん? 昨年の開拓団に居たか?」

 

「いえ、別口でこの島に定住した者になります。村民と協議した結果村長となりました」

 

「そうかそうか。読み書きは?」

 

「できますよ」

 

「それは素晴らしい!」

 

「シリン担当官に幾つか質問よろしいでしょうか」

 

「うむなんだ?」

 

「フチョウシティ単独の開拓団計画なのでしょうか?」

 

「ああそうだ。フチョウはフッケン1の大都市だからな色々な者がやって来る。村から学も無い者が多くやって来るが学の無い者が就ける職業も限りがあるからな。あとは信用できん。食い詰めれば犯罪者となるから一か八かで開拓団か軍人に応募するのだ。もっとも女は軍人にはなれないからこうやって開拓団に参加するか身を売るかしかないがな」

 

「ありがとうとございます……政治犯等は居ますか?」

 

「……いる。流刑の罪人が10名だ。彼らは解放主義者だ」

 

「解放主義?」

 

「簡単に言うと軍中心の政治をやめて内政に注力しろという思考だ」

 

「なるほど……まぁ私は異国出身なので良くわかりませんが」

 

「わからない方が良い……さて読み書きできるならちょうど良い。前任者がフォルモサに定住した場合、そのリーダーをフォルモサ総督に任命するように言われている。8回も失敗していたからそろそろフォルモサ開拓に予算を使うなと軍に言われていたが良かった良かった……よって貴女をフォルモサ総督に任命する」

 

「はぁ……」

 

「まぁピント来ないだろうな……で、フォルモサ総督にやって貰う事を書いた書類を渡そう」

 

 そう言って渡された書類を拝見する

 

 ・人頭税として1人1石の穀物か5万ポケドルを1年に1度フッケン本国に支払う

 ・できた作物の30%を買い取る(適正価格の80%)

 

「正直この2つを守ってくれれば文句は言わんというか言えん」

 

「まぁ廃民ですから少しでも金になれば良しでしょうしね」

 

「うむ、で総督、秋に収穫物の徴収に訪れるがそれまでに船着き場だけは作ってくれ。できればあの海に停っている船が停められるくらいの大きさで頼む」

 

(ジャンク船かよ……アクア団の商船でも蒸気タービン式の船だったぞ……)

 

「村長何か提案はあるか?」

 

「ちなみに今回の移民は何名でしょうか?」

 

「100名、成人は男25名、女35名10歳未満の男子が10名、女子が30名だ」

 

(成人って言っても20歳以上が20名も居ねーじゃねーか。ほとんど10歳前後のガキやんけ……開拓じゃねーよ、廃民だよバカ)

 

「もう少し年齢の高い者は……」

 

「軍に取られるのと女は年齢がいっていれば軍人達が買っていく」

 

「あぁ、そういう……一気に100名来ると開拓村がパンクするので年2期に分けて50名ずつにはできませんか」

 

「構わないが」

 

「あと穀物以外も買ってはくれませんか?」

 

「それも構わない。安くなるが何でも買おう。何か逆に欲しい物はあるか?」

 

「鉄鉱石、石炭などの鉱物資源、糸を出す虫ポケモンとメタモンがいれば……それと人です」

 

「人は余っているからどんどん出そう。鉄鉱石、石炭も了承した。糸は色々居るが」

 

「とりあえず色々ください」

 

「わかった。メタモンは無理だ。軍の管轄で官民は手出しができん」

 

「わかりました」

 

「お互い良き取引を総督」

 

「ええ、よろしくお願いします」

 

 こうして100名の移民が新たに加わった

 

 ……住居作らないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 とにかく飢えていたので料理を作って食わせる

 

 無学かつ栄養失調でろくな労働力にもならん

 

 なので再教育を行う

 

 木造小屋と学校の教室を増築させる

 

 ウマ娘から5人抽出して1人20人のグループを作らせ指導員とする

 

 村のルールや読み書き、職業訓練、ポケモンの取り扱いを教えていく

 

「戦力化するのは半年後だろうな……」

 

 村の開拓計画をやり直す

 

 アクア団との約束もあるので頑張らないといけないが

 

「とりあえず今回新たに来た政治犯組と話を聞かないといけないな」

 

 ロンメルは政治犯と呼ばれた10名の男達を呼び出す

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