ミッション22 マッドサイエンティスト
今回の移民50名の中にポケモンの研究者が混じっていたので話を聞く事にした
「おお! 貴女がロンメル総督か! ポケモンとの混血と聞いているが」
「正確には違うのですが……えっとオカベ博士」
「うむ! 私がマッドサイエンティスト! オカベだ!! 本国の連中は私の有用性を理解することなく追放しやがって!」
「ちなみにどんな研究をしていたのですか?」
「うむ! 人間からポケモンになるという現象の解明から逆にポケモンから人間へ変化することはないのかという研究をしていたのだが! なかなか成果が出なくてな。予算とポケモンを食う割には成果無しと見られてしまった。政争にも負けてここに来たがロンメル総督が高い科学技術を持っていると噂程度で聞いていたが……どうやら本当のようで」
「ええまぁ……その研究もしかしたら答えがあるかもしれませんよ」
「なぬ!?」
「とりあえず研究所へ。食事も出すので」
「おお! 助かる! お腹が空いていてな!」
オカベ博士を連れて研究所に移動する
そこでオカベ博士にウマ娘の製造プログラムとポケモンの肉体を使ってウマ娘を作る生産ラインを見せた
「ふむ……いや、確かにこれも1つの到達点であるが、俺が考えるのは進化による人型化だ」
「進化による?」
「多くのポケモンは進化することで巨大化する。勿論クサイハナからキレイハナの様に小さくなるポケモンもいるが、それは例外だ。ただ、ポケモンは進化をすることで強く、賢くなる。それだけ進化のエネルギーは未知と希望に満ち溢れている。それに過去の文献にあるキズナヘンゲ……人との絆によりフォルムチェンジした姿だが、これこそがポケモンから新人類への鍵と私は見ている」
「なるほど……面白いですね」
「わかってくれるか!」
「研究室を与えましょう。資材も出します。ポケモンの人化実験を行ってください」
「ああ! 勿論だ! このマッドサイエンティストオカベが必ず解き明かしてみせようじゃないか!!」
オカベ博士と握手をする
フッケンの担当官であるシリンに聞いたところオカベ博士はポケモンの進化学とエネルギーの異端児扱いで貴重なメタモンを使い潰したことに軍が怒り、更に才能を妬んだ他の研究員によって罪をでっち上げられてここに飛ばされたらしい
「でっち上げられたとは本人からの話ですが、客観的に見てもはめられたんだなぁと思いまして……仲良くしてあげてください」
とのこと
オカベ博士はロンメルの手持ちのマリさん(ロンメルのマリルリ)が喋れるので興奮しながらデータを取っている
この手のタイプは自由にやらせるのが一番とロンメルは定期的に研究成果を聞きながら自由にやらせた
ミッション23 警察
人数が増えてきたことでトラブルが少しばかり起きるようになってきた
痴情のもつれだったり、仕事上のトラブルであったり、密造酒でのトラブルなんかもあった……
そこでロンメルは村の代表者を選び、村民会議の開催を発表、最初の議題として警察の設置を提案した
警察といっても仲裁人の役割が大きく、もめ事の間に入り、両者の意見を聞き、裁く、悪質な場合は村民会議に上げ、懲罰労働か追放刑……最高刑を人体実験の素体にするとなった
悪質といっても何人も殺したとか放火したとかよほどのことをしなければ大丈夫である
代表達もトラブルが多くなってきたので賛成し、新たに5名の警察官が選ばれた
ウマ娘1名、人間4名であり、防衛隊がウマ娘だけならば、警察官は人間が多い方が良いであろうという政治的な配慮だったが、知識量が高等教育の刷り込みがされてあるウマ娘の方が優秀なため、直ぐに警察官の代表者の長官に警察官で話し合い選ばれることになる
アルミニウム工場が稼働し、缶詰め工場も稼働
鉄鉱石と石炭が大量に入手したことで鉄や鋼も生産される
まだまだ産業は貧弱であるが育ってはきている
余裕が出てきたので人型ポケモンの繁殖に取りかかる
まず村人達と一緒に育てられられた人型ポケモン達は3ヶ月で大半が進化し、繁殖可能となっていた
そこでロンメルは進化した人型ポケモン達を集め、ポケモンフーズに媚薬を仕込んだ結果、1日で1種族当たり10個近くのタマゴを採取することに成功
人型ポケモンは単純労働において人や普通のポケモンよりも高い作業効率なため、どんどんタマゴを産ませ、人工孵化槽、産まれたらそのまま人工生育槽にぶちこみ、草ポケモンの犠牲で確立した言語の刷り込みをおこなった
結果人の言葉を喋るワンリキーやラルトス等の人型ポケモンが爆増した
喋るポケモンが増えると村人達から自分達のポケモンも喋らせてくれないかという話となり、データを集めるためにも了承、ポケモン達は刷り込みによって喋れるようになっていく
そうなるとポケモン達の中でも階級ができる
人に捕まえられているポケモンかつ喋れるポケモンが一番上で、次に野生の喋られる人型ポケモン、戦闘従事のポケモン、開拓従事、一般労働、それ以外の順である
ポケモン達の中ではポロックが通貨として流通し、野生のポケモンなのに他の野生のポケモンを従えるという階級みたいなのができていた
ポケモン達はこぞって人の言葉を覚えようとし、人工生育槽は限りがあるため学校に入って文字の勉強を行うポケモンも現れた
そんな摩訶不思議なフォルモサの様子を他国の人間達は本国に報告
人の言葉を喋れるというのは通訳として凄まじい価値があり、譲って欲しいと言われたので何匹か産まれたばかりでレベルの低いポケモンを身繕い、友好の証として渡したりした
そんなことをして8月
アクア団のスズミヤが本国ホウエンとの定期連絡で送られた情報でとんでもない情報が送られてきた
「欧州最大のポケモンシルク生産国のカロス、ウールーのイメージが強いがユキハミの糸の最大生産国ガラル等の西洋で虫ポケモンの疫病が大流行してシルクの生産がストップ!」
「はい! その為ポケモンシルク……生糸の需要がアジアに集中すると見ています。なので生糸の増産をお願いしたい」
「わかりました。ユキハミの糸を日産5坦、他の糸も日産10坦から20坦を目指しましょう」
「いえ、その倍をお願いしたい」
「倍ですか」
「この事態にポケモンリーグが動き価格調整を行おうとしているのですがフォルモサはポケモンリーグの管轄外。アクア団としては資金調達や業績改善のためにフォルモサ産の糸を1回の貿易で1500坦程確保したいのです」
「90tですか……抜本的な改革が必要ですね」
「正直な話250t船を全て生糸で埋めて欲しいとも言われていますが」
「現状では無理ですね」
「だろうね……ホウエンだけでなくジャパンはこれを機にポケモンシルクの世界シェア1位を狙っている。現状でも2万tの生産をしているがそれを倍増させるつもりだ」
「なるほどただ価格調整をされると調達にも金がかかるからフォルモサ産の安いポケモンシルクを転売して資金を稼ぎたいと」
「あぁ、そうだ」
「わかりました。何とかしましょう。幸い労働力は確保しましたのでね」
ということで新たな目標が決まった
国際生糸の値上がりで末端のこちらにも利率が通常貿易より1.5倍の値段で買うとの契約も結べたのでここで一気に稼がせてもらう
ミッション24 ポケモンシルク大増産令
ロンメルは飼育が難しいユキハミは今まで通りロンメル管轄下で飼育するが、ケムッソは飼育が簡単なため村人1人当たり2匹譲渡し、増やした数分だけ村で使える独自通貨の発行を決めた
素材はアルミニウム貨幣と紙幣である
アルミニウムは1グラム1元とし、紙幣は10元から
1元でタマゴ1個、木の実1個、針1本、木の実の葉っぱ5キロ
5元ポケモンフーズ3キロ、コイキング1匹、ミルク1L
10元野菜1ザル分、小麦粉2キロ、ポロック1キロ、
20元で米5キロ、蜂蜜500g、アルミ製食器、5L壺、ケムッソのタマゴ1個、定食1食
50元鉄製農具、人型ポケモン
300元基本日給
と値段を定めた
「とにかくケムッソを増やそう。ポケモンシルクの増産で外貨を稼ぎ、ポケドルに交換しよう!」
と発表をおこなった
ケムッソが即日育て方と一緒にマニュアルを配布し、仮通貨の発行も行われた
ケムッソは進化させ、マユルド、カラサリスにすると糸の生産量は増えるがアゲハントやドクケイルになると糸の生産量が減ってしまう
タマゴを産ませるだけであるならケムッソ×ケムッソは日に1個、マユルド(カラサリス)×マユルド(カラサリス)でも1個、アゲハント(ドクケイル)×アゲハント(ドクケイル)だと2~3個のタマゴを産む
雄1匹に対して雌5匹まで産ませる事が可能
食べ物は野菜の屑、木の実の葉っぱが好ましいが、ポケモンフーズ(虫)も可(食べる量だとポケモンフーズの方が少なくて済む)
水は1匹当たり1L飲む
等々色々書かれているマニュアルを配布
まあ要は基本労働の他にケムッソのタマゴをロンメルに売ってねとのことで、通貨もおまけだったが、今まで物々交換だったのが通貨の出現で貨幣経済に強制的にアップデートされ、密造酒やポケモンの売買が行われるようになる
中には労働の後に夜だけの酒場を開く者も出たり、育て屋の真似事を始める者、ケムッソ飼育を大成功させて富豪になる者も出始めるのだった
貧富の差が僅かであるができた瞬間だった
ポケモン最終回お疲れ様でした