ロンメルの開拓   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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交渉をしろ

 4月……ロンメルがこの世界にやって来てそろそろ1年である

 

 ロンメルが生活水準を上げる為に奔走し、実に充実した1年であった

 

 村人達も間近だった死から逃れ、しっかりと現実と向き合い協力して生活ができている

 

 マンパワーが相変わらず不足しているがポケモン達によっていくらか緩和している

 

 そんな好循環の中事件は唐突にやってくる

 

 嵐の翌日

 

「村長……船が座礁していませんか?」

 

「……本当だ」

 

 ミッション11 you達はなぜフォルモサへ? 

 

 ロンメル達村人は慌てて船の向かうと困った顔をした男性達が浜辺に何名も出ていた

 

「おーい! 大丈夫か!」

 

「船長人が」

 

「先住民が居たのか……おーい! こっちだ!! 助けてくれ」

 

 とりあえず平和的に接触を果たす

 

 ロンメルは船を見る

 

 貨客船……700tクラスか? 

 

「すまないこの島はフォルモサで有ってるか?」

 

「はい、フォルモサであってます」

 

「そうか……嵐で大型のポケモンが活性化しており、舵がやられて座礁してしまった。今救難のムクホークを放ったのだが、救難されるまで協力を依頼したい。代金は払う」

 

「こちらとしては構いません。あ、自己紹介がまだでしたね。フォルモサ開拓村村長のロンメルです」

 

「アクア団アクアマリン号船長ササキだ。すまないが救難が来るまでよろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが……開拓村!?」

 

「はい、とりあえず色々と決めていきましょう」

 

 船長ササキはまずはロンメルを見てポケモンとの混血者が村長をしているのかと、開拓村と言うくらいだから物資の補給は難しいかと思ったが、田園の広さ、村の文化レベルの高さに驚いた

 

「船長! フォルモサって未開拓の場所って聞いていたのですが……」

 

「あぁ、俺もそう思って居たが……凄いな……ロンメル村長であってるよな」

 

「はい。なんでしょう?」

 

「あの見えてきた大きな機械はなんだ?」

 

「あれですか? あれは海水から塩と真水を作る機械ですよ」

 

「どれぐらいの塩を作れるのだ?」

 

「今セーブしているので毎日10キロの塩ができていますが80%稼働で1日10tの塩を製造可能です」

 

「10t……いやいや、そうなると大量の石炭が必要だろ」

 

「石炭は使いません。電力発電方法が違いますので」

 

「船長! すげえ! 村人に教えられたが大浴場がある! 真水だ!」

 

「なに!」

 

「見ますか?」

 

「是非」

 

 ロンメルは共同浴場を見せる

 

「大風呂、3ヶ所の中風呂、シャワー30ヶ所……1回の入浴で50人が入ることができます」

 

「お、おお! 我々も風呂に入っても」

 

「ええ、構いませんよ」

 

「乗客を優先に船員も入って良し。マナーを守るように」

 

「「「は!!」」」

 

「すまない。船だと真水は貴重でな」

 

「いえいえ」

 

 ロンメルは研究所にササキ船長を連れて行く

 

「何か食べます?」

 

「良いのですか?」

 

「ええ、軽く何か作りますよ」

 

 ロンメルは鶏肉の照り焼き(目玉焼き乗せ)と木の実の塩漬け、ご飯と味噌汁を出した

 

「お、おお! 旨い! なんだこの米は!! いくらでも食べられるぞ! 鶏か? 貴重ではないのか! 卵も含めて……心遣い感謝します」

 

「いえいえ、村民は普通に食べているものなので」

 

「そうなのですか! 旨い! ……旨い!」

 

「お代わりもありますからね」

 

「感謝します」

 

 ・

 ・

 ・

 

「ご馳走さまでした」

 

「はい、お粗末様でした」

 

「いやー、美味しかったですよ。船だとどうしても新鮮な野菜だったり肉も燻製だったりしますので美味しかったです」

 

「それは良かった」

 

「特にこの米は何ですか? 祖国でも米は主食ですがここまで旨い米は食った事ありませんよ」

 

「まぁ作り方が良いのかな?」

 

「開拓の村と言いますが電気が通っているようで、凄いですね。うちの国の町よりも裕福かもしれませんよ」

 

「それは良かった……さて話を詰めましょうか。すみませんが私は出立ちが特殊で外国の様子をよく知らないのですが……他の者もフッケン地方以外を知らなくて」

 

「なるほど……まず我々の出身はホウエン地方……野生溢れる国ですよ。一応国としては7つの地方がありそれの緩やかな共同体です。ポケモンリーグが行政を担当しており、各地方に8つのジムがあるのが特徴ですな」

 

(ゲームの世界に似ている感じか……アクア団というのも気になるが)

 

「ちなみに貨客船と思いますがどこの地方に運ぶ予定だったのですか?」

 

「今回はシャンハイ地方に貨物と人を運ぶ予定だったな……周辺の地域はわかるかい?」

 

「いえ、無学ですみません」

 

「何か書くものはあるかい?」

 

 ロンメルは鉛筆と紙を出す

 

「良い紙だね……」

 

 書かれたのは中国沿岸部と台湾、朝鮮半島と日本だった

 

「まずジャパンがここで出っ張りが半島、広いのが大陸、そしてここがフォルモサだ」

 

(地理的にはほぼ世界地図とリンクしているのか。海南島もあるし)

 

「半島は2つの地方があり、北のコウクリ地方と南のシラギ地方、それに大陸は10の地方が存在し、北から南マンシュー地方(南満州)、ホット(北京と天津、河北周辺)地方、サントウ(山東)地方、コウソ(江蘇)地方、ナント(南京周辺)地方、シャンハイ(上海)地方、セッコウ(浙江)地方、フッケン(福建)地方、コウトウ(江東)地方、カナン地方(海南島)だ。ここら辺が人の生存圏で大陸の奥はポケモンの生存圏になっている」

 

「発展してるのはホット地方とナント地方、シャンハイ地方だな。でここら辺をまとめて東アジアって言う」

 

 今度は世界地図を書き出し

 

「世界は幾つかのグループになっており、欧州、合衆国(北アメリカ)、暗黒大陸(アフリカ)、魔大陸(南アメリカ)、中東、天竺(インド)、東南アジア、東アジア、南方大陸(オーストラリア)にアローラ地方が主な地方だね」

 

(欧州はポーランド東部から未開拓、ロシア……いや、ロシア帝国だった領土、中央林間アジア、インド北部中部、そして中国の海岸近くが未開の地かい北アメリカはカナダ、メキシコが無いけど合衆国は有るんだな。……1国だけでかすぎだろ。そしてアフリカや南アメリカは中国みたいに海岸沿いだけで内陸部は範囲外か)

 

「なるほど……大陸は地方が1つの国と聞きましたが」

 

「そうだね。大陸は地方が1つの国として成り立っているよ」

 

「なるほど……力の強い国とかはありますか?」

 

「ジャパン、ガラル、カロス、合衆国、パルデア、北欧帝国、中央帝国(ドイツ)、ハクスブルク(オーストリア=ハンガリー帝国)、ルネサンス(イタリア)、ホット……かな大国は」

 

(歴史が宛にならねー……技術レベルは明治初期……ビクトリア時代だろうなフロンティアが沢山有るから)

 

(欧州は第一次世界大戦前の地図に似ている感じかパルデアはイベリア半島国家か、ポルトガルとスペインに別れてないから大航海時代などが気になるけど……それは置いておこう)

 

「ありがとうございます。フォルモサの場所もわかりました。最初の方の質問に戻るのですがアクア団というのは?」

 

「アクア団かい? ホウエン地方の造船、海運会社で海外との貿易を一手に引き受けているよ」

 

「マグマ団とか有ったりします?」

 

「有るよ。鉄道と陸輸、鉱山等を経営しているよ。アクア団たは少し仲が悪いんだよな」

 

「そうなのですね……他に大きな会社とかあります?」

 

「デボンコーポレーションだな。炭鉱や工場を幾つも持ちカントーのシルフカンパニーと共同でモンスターボールの大量生産に成功して莫大な富を築いた企業だね。あとはアソウ、カイジマ、ヤスカワの3財閥含めて6大企業って言われてるよ」

 

「なるほどなるほど……ヌルフフフ……」

 

(ゲームのアクア団みたいな悪の組織ではなく企業としてある感じか? となると協力したいな)

 

「ササキさん、私は村長としてフォルモサを発展させる必要があると思うのですよ。村の物を見せますので貿易できませんかね。腰に下げてる小さなモンスターボールや他国の作物なんかは魅力的ですので」

 

「流石に村の規模で貿易は無理だと思うが……ロンメル村長には助けてもらうのでアドバイスできれば」

 

「助かります。外貨獲得もしたいですし、人が足りなすぎて企業で開発してもらえば助かるのですよ」

 

「色々と苦労しているのですね……産業物のサンプル等はありますか? もしくはリスト等が有れば良いのですが……そういうのに詳しい者と交えながら話しましょう。私は経済は専門外なので」

 

「ええ構いませんよ」

 

 ササキ船長も風呂に入り、ゆっくりした後乗客に居た経済学者の先生とアクア団の貿易担当者数名とササキ船長が研究所に集まる

 

「いやー、お風呂に美味しい食事をありがとうございます」

 

「いえいえ……すみません住む場所が船員、乗客合わせて50名近くは用意できてなくて」

 

「いえ、服の貸し出しだけでも助かります」

 

「カナズミ大学のシラトリです。よろしくお願いします」

 

「アクア団の貿易担当のスズミヤです。よろしくお嬢さん」

 

「村長のロンメルです。まずこちらから提供できそうな物資を身繕いました」

 

 ・米

 ・木の実類

 ・紙

 ・布

 ・化学肥料

 ・芋

 ・ぼんぐり

 ・塩

 ・ポロック

 ・ネコブ

 ・蜂蜜

 

「なるほど、この化学肥料というのは?」

 

「化学反応で作った肥料になります。糞等から作る有機肥料とは異なり工場にて量産が可能です。窒素肥料、硝石等がこちらになります」

 

「確かに我が国では肥料は需要があると思います。木の実は加工しないと厳しいですね。ドライフルーツにするか缶詰め、ポロックにしないと船で腐りますよ」

 

「そうですね」

 

(冷凍保存ができないか)

 

「米や芋は良いですが加工した方が儲かりますよ」

 

「人員が足りません」

 

「米はどれぐらいの収穫量になりますかね?」

 

「そうですねぇ……今の規模だと2万石でしょうか」

 

「増産は?」

 

「可能です。まだまだ開墾の余地ありますし」

 

「1回の航海で約3500石の運搬は可能でしょう。米は大陸でも祖国でも売れますから良いでしょう」

 

「輸送費が付く分安くしないといけないですが1石2.5万ポケドルがこちらが提示する買値でしょうね。1回約8750万の利益となります」

 

「集団農業、ポケモンを労働力とした場合、機械化……まぁ妥当か」

 

「この布は?」

 

「木綿とユキハミの糸で作られた布になります」

 

「ユキハミは祖国には居ないポケモンですね。この布は高く売れますよ。どれぐらい作られているのですか?」

 

「1日3キロの布ができますね。拡張は可能です」

 

「今の段階では話しになりません。10担(1担60キロ)生産して欲しい。この質であればどこでも売れるのは保証しますがこちらも貿易として売るなら600キロは欲しい。1担300万ポケドルは出します。それだけの価値がある」

 

「化学肥料は幾らで売りますか?」

 

「そうですねキロ50ポケドル位でしょうか」

 

「こちらとしては安いのでありがたいのですが……」

 

「効果が出るまではあまり売れないでしょう」

 

「紙は」

 

「ジャパンには大規模な製紙工場が有るので売るとしたら大陸の国々ですが、こちらとしてはあまり魅力的では無い」

 

「塩と蜂蜜は?」

 

「有るだけ買いたい。塩は安ければですが」

 

「塩キロ20ポケドルでどうでしょう」

 

「まぁ妥当か」

 

「ポロックの生産量は?」

 

「現在日に50キロですね」

 

「木の実の収穫が拡大できるのであれば500キロ1セットとして1キロ5万ポケドル出しましょう」

 

「なるほどなるほど……勉強になります」

 

「とにかく当面は米は買いますが他の商品は増産しないと難しいでしょう。あと船着き場の整備もしなければいけません」

 

「船着き場の希望はありますか?」

 

「2隻の船が入港可能、大きさは700tクラス……いや1400tクラスですね」

 

「流石にそこまでの船着き場の建造は厳しいと思いますが」

 

「それならばアクア団の方で作る形で貸しとし、利益の1%を返済に宛てて行く形にすれば良いかと……もっとも我々が無事に祖国に帰れたらですが」

 

「必ず帰しますので安心してください」

 

 鋳造を考えていたが、これならば鋳造はしなくて済みそうである

 

 まぁ島内独自通過としても良いが……

 

 有意義な会話をもって交渉は終了する

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