緋色の欠片 ー私は、緋の眼の代理出品者でしたー   作:秋田慶

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黒い瞳の青年 三

 あれから何時間経ったろうか。

 既に辺りは暗く、窓がしっかりと部屋の光を反射していて、外の景色が見えない。

 

 あれから私はネオンの部屋に呼ばれて、なんだかよくわからない遊びに付き合わされている。クラピカと話をして部屋に戻る途中ネオンに捉まり、遊ぼうとせがまれて無理やり部屋に連れ込まれたのだ。

 

 部屋にはミイラのような奇妙な置物があって、見た目とは裏腹に奇妙なものが好きなお嬢様なのだと思った。

 

(金持ちって何考えてるかわかんないわよね……)

 

 しげしげと辺りを見回していると、扉をノックする音が聞こえて扉が開いた。

 

「そろそろ出発のお時間です」

 センリツ、バショウ、スクワラ、クラピカ四人が集まり、センリツがネオンに言った。

 

「えー! もう?」

 ネオンが不機嫌そうに言う。

 

「あの……これからどこか行くんですか?」

 私が問うと、

「ボス(ネオン)はこの後家に戻られる事になったのだよ」

と、クラピカが答えた。

 

「え? なんで?」

「私はこの後急な任務が入ったから、アイリスはセンリツから詳しい話を聞いてくれ 」

 クラピカはそう言うと、急ぎ足で部屋を出てしまった。

 

「任務……? 何が何だかさっぱり」

 私は首を傾げた。

 

 センリツが

「少し話したいことがあるから来てくれないかしら」

と部屋の外へ私を連れ出した。

 

 ネオンには聞かれてはまずいから、とのことだった。

 

「実はオークションは中止とボス(ネオン)に伝えてあるの」

「えっ!?」

「本当は今夜から再開されるんだけど、ボス(ネオン)の安全を考えて……ね。私と バショウはボス(ネオン)と侍女を連れて家まで送るわ」

「クラピカは……?」

「ちょっと話が長くなるんだけど……」

 

 センリツ曰く、クラピカは別行動をするらしい。センリツは、盗まれた会場の金庫にあった競売品は今は旅団の手にあること、旅団から奪い返すためにプロの暗殺集団を雇い、クラピカもそれに参加したことを教えてくれた。

 

「プロの……暗殺集団……」

 クラピカの横顔が目に浮かび、私は何となく胸が痛んだ。

 

 あんなに儚げな青年が、暗殺集団と一緒に──

 

 そう思うと、なんともやるせない気持ちになった。

 

「スクワラにあなたの事を護衛してもらえるように頼んであるから、彼と一緒にいて欲しいの。テキサスからの連絡が来るまで待機していて。私がアイリスについてあげられないのが心残りだけど……」

 

 そういえばテキサスから連絡が無い。今夜からオークションが再開となれば、そろそろ連絡がきてもいいはずだ。

 

 ──なんだか胸騒ぎがする。

 

 センリツの話が終わらないうちに、私は競売品の置いてある部屋へ駆け出した。

 

「ちょっと、アイリス!?」

「ちょっと競売品確認してくる!」

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