あれから何時間経ったろうか。
既に辺りは暗く、窓がしっかりと部屋の光を反射していて、外の景色が見えない。
あれから私はネオンの部屋に呼ばれて、なんだかよくわからない遊びに付き合わされている。クラピカと話をして部屋に戻る途中ネオンに捉まり、遊ぼうとせがまれて無理やり部屋に連れ込まれたのだ。
部屋にはミイラのような奇妙な置物があって、見た目とは裏腹に奇妙なものが好きなお嬢様なのだと思った。
(金持ちって何考えてるかわかんないわよね……)
しげしげと辺りを見回していると、扉をノックする音が聞こえて扉が開いた。
「そろそろ出発のお時間です」
センリツ、バショウ、スクワラ、クラピカ四人が集まり、センリツがネオンに言った。
「えー! もう?」
ネオンが不機嫌そうに言う。
「あの……これからどこか行くんですか?」
私が問うと、
「ボス(ネオン)はこの後家に戻られる事になったのだよ」
と、クラピカが答えた。
「え? なんで?」
「私はこの後急な任務が入ったから、アイリスはセンリツから詳しい話を聞いてくれ 」
クラピカはそう言うと、急ぎ足で部屋を出てしまった。
「任務……? 何が何だかさっぱり」
私は首を傾げた。
センリツが
「少し話したいことがあるから来てくれないかしら」
と部屋の外へ私を連れ出した。
ネオンには聞かれてはまずいから、とのことだった。
「実はオークションは中止とボス(ネオン)に伝えてあるの」
「えっ!?」
「本当は今夜から再開されるんだけど、ボス(ネオン)の安全を考えて……ね。私と バショウはボス(ネオン)と侍女を連れて家まで送るわ」
「クラピカは……?」
「ちょっと話が長くなるんだけど……」
センリツ曰く、クラピカは別行動をするらしい。センリツは、盗まれた会場の金庫にあった競売品は今は旅団の手にあること、旅団から奪い返すためにプロの暗殺集団を雇い、クラピカもそれに参加したことを教えてくれた。
「プロの……暗殺集団……」
クラピカの横顔が目に浮かび、私は何となく胸が痛んだ。
あんなに儚げな青年が、暗殺集団と一緒に──
そう思うと、なんともやるせない気持ちになった。
「スクワラにあなたの事を護衛してもらえるように頼んであるから、彼と一緒にいて欲しいの。テキサスからの連絡が来るまで待機していて。私がアイリスについてあげられないのが心残りだけど……」
そういえばテキサスから連絡が無い。今夜からオークションが再開となれば、そろそろ連絡がきてもいいはずだ。
──なんだか胸騒ぎがする。
センリツの話が終わらないうちに、私は競売品の置いてある部屋へ駆け出した。
「ちょっと、アイリス!?」
「ちょっと競売品確認してくる!」