ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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二章『〜水の底、蒼星の墓標〜』
14話・ビャッコを追って


 

━━▶︎ DAY1 5:30

 

「なあユッキー、

今日は何の日でしょう?」

 

「え……? 

なんかの日だったか……?」

 

「えー、覚えてないのー?」

「まさか、お前の誕生日……とか?」

「ぶーーー!」

 

「じゃ、なんだよ……?」

「答えはな、週に一度のお休みさ。」

 

「知ってるよ。

なんで知らねーと思ったんだ。

くそ……

そんな下らない知らせの為に

なぜ起こされなきゃ

ならないんだ……

頼むからもう

少し寝させてくれよ。」

 

寝起き早々不機嫌にされ、

ユキ氏が再び瞼を

落とそうとしたその時。

 

『セラフ第31A部隊、

直ちに教室に集合!』

 

「また急な呼び出しね。」

「なんだろう?」

 

「……いい予感がする。よし行こう。」

「相変わらずポジティブな奴だな……。」

 

 

 

━━▶︎ DAY1 8:30

 

――クラスルーム。

 

「作戦行動が発令されたわ。」

 

「ほーほー。」

「茅森さん。

まだ寝ぼけてるのかしら?」

「いえ! シャッキり起きております!」

 

「……そう。」

「ビビリかよ。」

 

「作戦の決行は22日後。

これからその内容を説明します。

作戦名は、

『オペレーション・プレアデス』。」

 

言って。

手塚氏はリモコンを使い

ホワイトボードにマップを投影する。

 

「神奈川県南西にある、

旧国道246号沿いの秦野盆地に

巣くうキャンサーを排除し、

箱根の入り口となる拠点までを

人類側に奪還する。」

 

「ほーほー。」

「おい月歌、そろそろ

真面目になった方がいいと思うぞ。」

 

「あなた達を含めて、

総計7つの部隊が参加するから

大規模な作戦になるわ。」

 

「一丸となって達成すべし……

ですね! ほーほー!」

「ほら見ろ、國見にまで

伝染してんじゃねーか。」

 

「切り込み隊であるあなた達には、

先陣を切って盆地へ突撃し、

密集したキャンサーを

掃討してもらいます。」

 

「サラッと言われたけど、

死んでもおかしくない内容ね!

ほーほー!」

「最悪だ。

東城までも伝染しやがった。」

 

「あなた達が中心となって

キャンサーを一掃した後。

別の部隊が橋頭堡の資材を

運搬し設営を行う。

橋頭堡が完成したら、

盆地に残るキャンサーを

排除して作戦は終了よ。」

 

「きょうとうほってなんだ……?」

「防御の拠点だろ。」

 

「当然、その間にもキャンサーの

増援は来るだろうけど、

あなた達は周辺を

守ることだけに集中して。」

 

「防衛戦もあるのか……ひゃひゃっ。

ワシの性分には合わんが、

付き合ってやっても構わん……」

「なんでお前は

上から目線なんだよ……。」

 

「この作戦が成功するかどうかは、

あなた達にかかってるというわけ。

その辺りを踏まえて、

作戦に臨んでちょうだい。

他に何か質問はある?」

 

「あのー、映画の件って

どうなるんですか?」

 

「おっと、

そう言えばまだ途中だったわね。

ナンジャモさん、

良い質問をありがとう。

部隊名をかけた競争に

決着がついたとはいえ、この件を

うやむやにするのは筋が通らない。」

 

「ということは……?」

 

「この部屋で少し

待ってくれないかしら。

七瀬。至急で

山脇さんとキャロルさんを

呼び出してちょうだい。」

 

「はい。」

 

バンっ!!

 

「その必要は無いわッ!」

「無いでゲス!」

 

待ち伏せていたのか。

 

完璧なタイミングで

イヴ氏と弥生氏が

扉を開き姿を現した。

 

「あら、盗み聞きとは良い度胸じゃない。」

「違うわ司令官、

私たちは偶然通りがかっただけよ!」

「そうでゲス!」

 

「……そう。」

 

納得したように頷き、

手塚氏が帽子を整えた。

 

「いや、どう考えても

スタンバってないと無理な登場だろ。」

 

「それで、31Aの作戦会議中に

何の用かしら。」

 

「確かに私たち31Cは、

部隊名を巡る競争で白旗を上げ、

その立場を譲ってあげたわ。

しかし、この勝負を

降りる気は毛頭ない!」

「けっひっひ!」

 

「続けたいと言うことかしら。」

 

「勿論よ!

戦闘力だけじゃ31Aは

成り立たないって事、

身をもって教えてやるんだからねぇ!」

 

「と、言っているようだけど。

ナンジャモさんは続ける?」

 

「続ける……ボクは続けたい。

この競争は、ボク自身が

隊長として成長する為にも、

必要な事だと思うんだ。」

 

「流石私たちのライバルね!

よく分かってるじゃない!

ボッコボコにしてやるから、

楽しみにしておきなよ!

……ふっふっふ。」

「けっひっひ!」

 

勝負を続行できることが

よほど嬉しいのか。

2人は高笑いしながら

その場を去っていった。

 

「さて。明日から作戦に向けての

訓練を始めます。

訓練は31Bと共に行います。」

 

映画の件は続行という形で

平然と流され、

手塚氏は言葉を続ける。

 

「部隊長の蒼井さんは、

あなた達より

沢山の知識を持っているわ。

見習うべきことがあるでしょう。

切磋琢磨に臨みなさい。」

 

「このあたしが、

彼女に身体的に劣ると?」

「月歌さんは

人気アーティストだったんですよ!?」

 

「関係あるか。しかもお前ら

31Cの山脇と豊後の行動を

トレースしてるからな。

またデジャヴを感じたわ。」

 

「では解散。」

 

 

 

━━▶︎ DAY1 13:10

 

「そろそろランチの時間ですね!

ナンジャモさん! 

一緒に行きませんか!」

 

「うん。そうだね。」

 

みんな外に出歩いてるし、

むしろボク達のランチタイムが

少し遅いくらいだ。

 

ボクはタマ氏と

学舎を出ることにした。

 

外に出て早々。

白き巨体が道を駆けて行った。

 

(あれは……ビャッコ氏?

あんなに急いでどうしたんだろう。)

 

「ビャッコさん、何か急いでますね。

追ってみますか?」

「……追ってみよう。」

 

気になって、ビャッコ氏を追ってみる。

 

追って数十秒後、

可憐氏が此方へ駆け寄ってくる。

 

「ナンジャモさん……!

今、虎が前を通り過ぎて行ったの……!

なんだろう、あれ。確かめたい……!」

 

自販機まで走った辺りで、

ルカ氏と合流した。

 

「なんかモフッとした奴いたな。

ナンジャモ達もあれ追ってんの?

なぁなぁ、

あたしも混ぜておくれよ。」

 

ルカ氏もついてくる事になった。

最終的にジムに到着し、

ジムの入り口付近では

ユキ氏が冷や汗を垂らしていた。

 

「おいおい、一体なんだよ今の?

くそでけぇ生き物が

中に入っていったぞ……。」

 

「取り敢えず、何に入って

確かめたりましょう……!!」

 

謎の緊張感に包まれながら、

一同でジムへと入った。

 

「ヴァウ!!」

 

「こんにちはビャッコさん!」

 

「見つけたはいいが……」

「どうしてこんなところに

居るんだろう……?」

 

「え、飼ってるの……?

野放しになっているのだけど……?」

「襲うことがないから

ああやって野放しなんだろ。」

 

「じゃ、ユッキー行ってよ。」

「なんでだよ……

隊長が率先していけよ。」

 

「え? ボク。別にいいけど……」

 

「ナンジャモさんには

楔があるし、余裕でしょ。

諜報員である

このわたしが保証するわ。」

 

「楔ってセラフに触れずに

発動出来んのか……?」

 

ビャッコを前に戸惑う一同。

それを気にしてか、

一人の少女が歩み寄って来た。

 

「その子はビャッコです。」

 

「おっと、図らずもターゲットに

辿り着いちまったようだぜ。」

 

「あなた方は?」

 

「31Aだ。ちなみにあたしが

隊長じゃなくて、

そこの身の丈に合わない

クソデカ黄色コートを

制服の上に着てんのが

うちの部隊長な。」

 

雑にルカ氏が指をさし説明した。

 

「ボクは31A部隊の隊長をしてる

ナンジャモっていうんだ。

よ……よろしくね。

コートは戦う時……一応脱ぐよ。」

 

「月歌……言い方ってもんが

あんだろ。少しショック

受けてんじゃねーか。」

 

「数十万GPした

オーダーメイドのコートですもんね!」

「國見、

お前まで煽ってどうすんだよ。

後でちゃんと謝れよお前ら……。」

 

「やっぱり、

あの切り込み隊に任命された……!」

 

「おいおい、そんな騒ぐなよ。

人が集まってくるだろう?」

「どんなスター気取りだ。」

 

「あの、挨拶して良いですか?」

「もちろん。」

 

「私は31B部隊長の蒼井えりかです!

明日から作戦の訓練一緒ですね!

頑張りましょう!」

 

ルカ氏が、頬を緩ませながら

蒼井えりか……えりか氏を見る。

 

「いやぁ、可愛いなぁ……

ふたり31Aに来ない?」

「31Bが困るだろ……。」

 

「でも、白い虎の名前が

ビャッコってそのまま過ぎない?」

 

「カタカナでビャッコだから、

いいんです。」

 

「意外に大人しい。」

「これでもセラフ部隊の

一員ですから。」

 

「「え、この虎が!?」」

 

ルカ氏とユキ氏が同時に驚愕した。

 

「やべぇ、月歌とハモっちまった。

……不覚だ……。」

 

「はい。私よりも古く、

先輩にあたる存在ですよ。」

 

「まさか、セラフも呼べるのか……?」

「はい。」

「すげーな……。」

 

ビャッコがセラフを

呼び出せるなんて、

ボクも知らなかった。

 

「そいつは大変な目に

遭ってるんだろうな。

おー、よしよしよし。」

 

「ヴァゥゥゥゥ……。」

「ビャッコが、

こんなにすぐ懐いた!?」

 

「人懐っこい性格じゃなかったのか。」

「人懐っこい性格ですが、

人見知りなんです。」

 

「ヴァウゥゥ……。」

 

「よーし、ビャッコとも

仲良くなれたことだし、

改めて訊きたいことがあるんだ。」

 

「はい、なんでしょう?」

 

 





どうも、たかしクランベリーです。

お久しぶりです。
張り切って章のタイトルとか考えてみました。

二章以降は、ヘブバンのイベスト
混ぜたり、ヤバすぎる原作改変が
勃発しますが、よろしくお願いします。
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