ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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16話・桐生美也

 

━━▶︎ DAY1 14:20

 

スタスタと、

妖艶なオーラに満ちたターゲットが、

こちらへと歩み寄ってくる。

 

「この人が……」

 

「来ましたわね。桐生さん。」

 

狐の面を外し、彼女……

美也氏は応答した。

 

「菅原さん。

わたくしをいきなり呼びつけて

何の用でしょう?」

 

不思議そうな表情で、

呼ばれた当人が首を傾げる。

 

何の説明もないで呼び出されたら、

流石に無理もない。

 

「あたくし達、映画を

撮影する事になりましたの。」

 

「成る程、菅原さんが

個性的な集まりに

時間を費やしているのは

その為でしたか。」

 

「それで、桐生さんには

頼みたい事がありますの。

あたくし達は今、より質の良い

作品を創り上げる為、

仮面という小道具に目をつけましたわ。」

 

「ほう……。わたくしが

仮面作りの玄人であると推測し、

協力を仰ぎたいという事ですね。」

 

ちえ氏は頷いた。

 

「当然、貴女が無償で協力して

くれるような人でない事は

存じておりますわ。

条件の提示は桐生さんの自由です。

どうなさいますの?」

 

「条件……そうですね。

では独楽まわしで勝負致しましょうか。」

 

「独楽まわしですか?

桐生さんにしては、

えらくシンプルな競技ですわね。」

 

「ええ。そうでないとあなた達に

勝ち筋がなくなりますので。

二階堂さんや白河さんならともかく……

わたくしに対し、弓道や

国産テーブルゲームで挑みたいですか。」

 

「確かに、他競技で挑むには

酷が過ぎますわね。」

 

「分かっていただいて何よりです。

勝負の内容は至ってシンプル。

用意されたフィールドに

お互いの独楽を回し入れる。

最後にフィールド上を

回っていた独楽の持ち主が

勝利です。試合は計3回まで。」

 

「ナンジャモさん。

この勝負……乗りますか。」

 

決まってる。

 

「乗るよ……他の道はない。」

 

「独楽回し。それは遥か昔の日本から

現代に至るまで、老若男女問わず

親しまれている『和』の象徴遊戯。

自らで手掛けた独楽を、

どの座標に回し落とし、

相手の独楽を如何様に崩すのか。

一見シンプルに

見えるかもしれませんが、

そこには廻す者同士の

拘りが衝突し合っている事を

忘れてはなりません。

考えれば考える程奥深い……

その奥ゆかしさが、

多くの人を魅了するのかも

しれませんね。」

 

「ぎぃぇえええっ!!

長い長い長ぁぁーーーい!!

司令官でももう少し区切り

つけて話しますぅーー!!」

 

「……はて?」

 

当の美也氏は、疑問符を浮かべていた。

 

「落ち着きなさい國見さん。

これが桐生さんの『いつも』ですの。

彼女に日本文化の1コンテンツを

語らせたら一週間でも足りませんわ。」

 

「で、いつ勝負を始めるのにゃ?」

 

「もちろん、すぐにでも

始められるよう手配しておきました。

佐月さんと『大島屋』に。」

 

ガラガラガラガラ……

 

ベストなタイミングで、

移動式店舗が

ナービィ広場にやってきた。

 

「桐生さん! お買い上げありがとう!」

 

「おい人質役、なに撮影サボって

のうのうと商売やってるにゃ。

映画なめてるのかにゃ?」

 

ムーア氏に間髪入れず、

すもも氏が殺意剥き出しに

銃口を向ける。

 

……が、対する方は

一切物怖じしていない。

それどころか。

 

「はぁ……はぁ♡

見てよ一千子姉ぇ、

あたし銃口向けられてるよぉ♡

これからどうなるのかなぁ……♡」

 

恍惚とした表情で、

その先を待っていた。

 

「六宇亜! カムバーック!!」

「……え? どうしたの五十鈴姉ぇ。」

「死にかけてたんだよッ!?」

 

「見ての通り、わたくしは

この時の為に備え、買い物を事前に

済ませておいたのです。」

 

どうしよ。

情報量が多すぎて頭に入ってこない。

 

「佐月さん、ステージのセットを。」

「任せやがれ♪」

 

手際良くマリ氏がステージを

組み立てていく。

最早、数十秒でそれは完成していた。

 

「これが、決戦の地でゴザルか……。」

「ワンダホー!!」

「That's great!!」

 

「中々の出来栄えにゃ。」

「ヴァウ!!」

 

「資材設置と設営費は

税込み6600GPです♪ 払いやがれ♪」

 

「大島屋特製独楽2点と、

独楽紐2点で税込み4400GPだよ!」

 

「はい。皆様

ご用意ありがとうございます。

GP Payで支払いますね。」

 

ピピっ!

 

「毎度ありです♪」

「こっちも、毎度ありだよっ!」

 

電子軍人手帳越しに

電子決済を済ませ、

美也氏がこちらに向き直る。

 

その手には、独楽と独楽紐が

握られていた。

 

「さぁ、誰がわたくしに挑みますか?」

 

「ボクが挑む。」

「ほう。31A部隊長の

ナンジャモさんですか。

相手にとって不足なしですね。」

 

嬉しそうに、美也氏が

ボクに独楽と独楽紐を手渡した。

 

そして紐は、すでに巻かれていた。

 

「……ッ!?」

 

「そんなに驚いてどうかしましたか。

あなた達では綺麗に巻けないだろうと

思い、サービスしたまでですよ。

回し方は簡単です。

一番外側に伸びてる紐を起点にし、

引っ張るように独楽を

回し降ろすんです。こんな風に。」

 

シュッ!! クルクルクル……。

 

「おお……! 回ってます!」

 

「國見さん。感激にはまだ早いですよ。

これは準備段階に過ぎないのですから。」

 

サッ。

 

言って。サッと廻る独楽を回収した。

 

「どうしたんですか。

試し打ちくらいしといた方が

良いですよ……ナンジャモさん。」

 

「うん。」

 

シュッ……クルクル。

サッ。

 

「良い感じです。

さ、もう一回試し打ちどうぞ。」

 

「うん。」

 

シュッ……クルクルクル。

 

サッ。

 

「どうです? 

独楽の回し方掴めましたか。」

「ありがとう美也氏。

ボク、戦える気がしてきたよ。」

 

「良い心意義です。

では準備体操はここまでにして、

本勝負と行きましょうか。」

 

「そうだね。」

 

楔のある手に、力を込める。

 

「おや、その黒いアザは……」

 

美也氏がポツリと驚いた。

 

「ようやくこっちの『使い方』も

分かってきてね。

使える手はとことん使うよ。」

 

「それが噂に聞く『楔』ですか。

セラフに触れずとも

使えるなんて、初耳です。

何とも禍々しい力ですね。」

 

「悪く思わないでほしい。

ボクにも負けられない勝負って

モノがあるんだ。」

 

「キタコレ! ナンジャモさんの

楔があれば怖いものナシです!」

 

「さて、それはどうでしょう。」

 

不敵に笑い、美也氏は構えた。

 

「キャロルさん、

進行をお願い出来ますか。」

 

「OKよMs.桐生サン!

アタシがチョベリグな進行を

決めてみせるわ!」

 

「ふっ、どうなるか見ものだにゃ……」

「ヴァウッ!」

 

「3……2……1……GO Shoot!!」

 

「それベ●ブレードの掛け声ですぅ!!」

 

2つの独楽が、ステージに降り立つ。

 

互いの独楽は数秒対峙し、

同時に間合いを詰め抜刀する

侍の如く、剣を交える。

 

火花を散らす剣戟、いや。

衝突は激しさを増し、

ステージ上を素早く駆け回る。

 

キィン! キィン!!

クルクル……クルクル…………キィィン!

 

一同が、ステージ上を舞う

その死闘を見守る。

一音一音重くなる金属音。

 

決着はもう、すぐそこに迫っていた。

 

ガッキィィン!

 

一つの独楽が場外に押し出された。

 

「――なッ!?」

「勝負アリですね。

ナンジャモさん。」

 

穏やかな口調で、

美也氏は勝敗結果を伝えた。

 

「そんな……ナンジャモさんの

楔を持ってしても敵わないなんて。」

 

「そう落ち込む

必要はありませんよ國見さん。

彼女の楔の力は確かなものでした。

正直なところ、

わたくし自身も白熱しましたよ。」

 

「ホントかにゃ?」

「ヴァウ!」

 

「佐月さん、例の独楽を。」

「どうぞ♪」

 

ニッコリとして、

マリ氏が独楽を美也氏に手渡した。

 

そしてその独楽をボクらに

見せつける。

 

「独楽の軸をよく見てください。」

 

「こっ……これはッ!?」

 

タマ氏が驚くと同時、

ボクもその違和感に気がついた。

 

そう。

独楽の軸が『欠けて』いたのだ。

 

「確かに楔の力は凄まじいものです。

ですが、大き過ぎる力は

時として己への破滅をもたらします。

それを理解した上で、

もう一度わたくしと

お手合わせしますか?」

 

 




どうも、たかしクランベリーです。

ええ、昨日の生放送。最高でした。

前にも言いましたが、
次回以降はマジで
ヤベェ原作改変のオンパレードです。

もうノリと勢いが暴走して、
とどまる事を知りませんわね状態です。
よろしくお願いします。
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