ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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17話・大島屋同盟

 

━━▶︎ DAY1 14:50

 

「確かに楔の力は凄まじいものです。

ですが、大き過ぎる力は

時として己への破滅をもたらします。

それを理解した上で、

もう一度わたくしと

お手合わせしますか?」

 

見透かしたように言い放ち、

美也氏は問いかける。

 

「でも、独楽はもう……」

 

「大島屋の皆さん。

まだ独楽は残っていますか?」

 

代わりにちえ氏が聞いてくれた。

 

「すみません皆さん。

それがもう、在庫切れでして……」

 

「これじゃ八方塞がり……

どうするにゃ。」

 

「すももさんに、皆さん。

諦めるのはまだ早いですわ。

……桐生さん、残りの2試合に

期限は設けられますの?」

 

「流石菅原さん。

機転の効いた交渉ですね。」

「あたくしは、貴女が勝負を

有耶無耶にして

投げるような人ではないと

存じておりますわ。」

 

「えらく信用されてるようですね。」

「同じ部隊の仲間ですから。」

 

「分かりました。

乗って差し上げましょう。

残り2回戦。

2週間の延期を設けましょう。

延期期間中、どのタイミングで

試合を申し込んでも構いません。

わたくしが試合スケジュールを

組み立てて報告します。」

 

「……何とかなったでゴザルな。」

 

「ただ。独楽の件ですが、

同じモノを作り直すのか、

力に対応した

新しい独楽を創るのか。

そちらはあなた方の

判断に委ねます。お好きにどうぞ。」

 

「すもも達は

なめられてるのかにゃ?」

 

「いいえ。あなた方を見下す気は

毛頭ありません。

わたくしも久々に楽しそうな

試合が出来そうなので、

期待しているのです。」

 

「ナンジャモさん!

私たちの

新作独楽でやったりましょう……!」

 

「そうだねタマ氏。

……美也氏、ボクは新しく

丈夫な独楽を用意する。

悪く思わないでほしい。

ボクらは全力で勝ちたいんだ。」

 

「悪くなんて思いません。

あなた方のその思いは

悪意なんかではなく、

真っ直ぐな信念です。

あなた方が、勇敢な

挑戦者であると認めましょう。

次の試合、楽しみにしてますよ。」

 

穏やかに微笑み、

美也氏はトコトコと

その場を去っていった。

 

「成立してしまったようで

ゴザルな……。」

「そもそも成立しなきゃ

すもも達は詰みだったにゃ。」

「ヴァウッ。」

 

「首の皮一枚繋がったわね!」

「でしょう……!!」

 

「ありがとうちえ氏、

ボク達の希望を繋いでくれて。」

 

「気にしなくていいですわ。

あたくしも参加すると

決めた事ですし、淑女として

最低限の筋は通しますわよ。」

 

「で、具体的にどうやって

新作を作る気かにゃ?」

「オワタ! 考えてなかった!?」

 

タマ氏がハッとした。

 

「うん。同じモノを作らない為にも、

色々考える必要があるね。

と言っても、

どう手を付けるべきか……」

 

「それならナンジャモさん。

あたくしに

いい考えがありますわ。」

 

「ちえ氏……?」

 

「大島屋さん。

ちょっといいかしら?」

 

「え、あたし達?」

 

ムーア氏を始めとして、

大島屋一同が首を傾げた。

 

「あたくし達は見ての通り、

新作の独楽を2週間以内に用意し、

かつ、使い慣れなくてはなりません。

当然、事態は一刻を争う。

あなた方にも仕事があり、

独楽一つのためだけに仕事を割く

余裕なんて無いですわよね。」

 

「それが何だってんだー。

あたいらの代わりに

働いてくれんのかー。

それならあたいは大歓迎だぜー。」

 

大島屋の眠た気な少女が、

嬉しそうに言う。

 

「ちょっ、四ツ葉姉ぇ!

滅多な事言わないでよ!」

 

「安心してくださいまし。

あたくし達は大島屋を

代行経営なんてしませんわ。」

 

「なら、一体……」

 

「同盟です。

あたくし達も仕入れに同行しますわ。

あなた方大島屋は通常通り

現地調達による仕入れをし、

あたくし達は新作独楽用に

丈夫な素材を調達する。

悪くない提案でしょう?」

 

「むーあ、どーすんだ?」

「…………」

 

「名付けて、大島家同盟。

悪くない響きでしょう。」

 

「……みんな。

あたし、同盟してもいいかな。

この人たちを放っておけないよ。」

 

「いいんじゃねーの。

この店の店長はむーあ。

他でもないおめーだろー。」

 

大島屋の面々が、頷いた。

 

「ありがとう、みんな。

大島屋同盟! ここに結成だよ!」

 

「お気遣い、感謝致しますわ。」

 

すごい。

これが先輩部隊の交渉力。

 

ボクも部隊長として、見習わなきゃ。

 

「で、その調達とやらは

いつやるのにゃ?」

「ヴァウッ!」

 

「……あはは、それなんだけど。

あたし達、今から調達に行くんだよね。」

 

「決定して早々出発……

ワクワクするでゴザルな!!」

「YES!」

 

「じゃあみんな!

現地調達にレッツゴーだよ!!」

 

 

 

 

――調達地帯。

 

「凄いなぁ……

あたし、こんな大人数で

現地調達するの初めてだよ!」

 

「なに言ってんだむーあ。

同盟って案外こんなもんだぞー。」

 

大島屋一同も、

嬉しそうに張り切ってる。

さて、ボクらも本腰入れて

見つけていかなくちゃ。

 

「えーと、ムーア氏が店長なんだよね?」

「ん? そうだよ。」

 

「何か丈夫そうな素材に

心当たりないかな。」

 

「んー、パッと思い浮かぶのは

溶岩プレートだね。

独楽の材料としても使ったけど、

探せばもっといいのが

見つかるんじゃないかな。」

 

「ありがとうムーア氏。

参考になったよ。」

「いやいや、あたしは結局

経験で語っただけだから。」

 

「むーあ。そこは素直に

受け取ってもいいんだぞー。」

「うっ……四ツ葉姉ぇ。

分かってるってばぁ。」

 

姉妹睦まじい会話を耳にしながら、

ボクらはより奥へと進んでいく。

 

そうして進むこと数十分後。

 

すもも氏が逸早く何かに気が付き、

指を刺した。

 

「ナンジャモ、見てみるにゃ!

洞窟があるにゃ……!!」

 

「ホントだ……洞窟がある。」

 

と、一同が洞窟に目を向けた瞬間。

ビャッコ氏が

洞穴の先を威嚇し唸った。

 

「ヴァウルルルルッ……!」

「ビャッコ……どうしたのにゃ?」

 

「もしや、野生の勘というヤツで

ゴザルな……ッ!?」

「「「――ッ!?」」」

 

神崎氏が

カッコつけようとした矢先。

 

洞窟から外に、

得体の知れない存在が

歩いて出てきた。

 

ペストマスクを被る、

約5メートルサイズの筋肉質な巨人。

爬虫類を思わせる質感の褐色肌。

 

胸部と背中に半分だけ浮き出た

メロンサイズの緑の双眼。

それは両太ももにも

一つずつついていた。

 

その謎めいた姿に、

一同は絶句するしかない。

 

そんな中、眠た気な少女が

冷や汗を垂らし、口を開いた。

 

「どーして、

『イモータルセル』がここに居んだよ。」

 

「イモータルセル……?」

 

「四ツ葉姉、それって何なの……」

「…………。」

 

ムーア氏が問いただしても、

彼女は沈黙するだけだった。

 

「あなた達、私語はそこまでになさい……

ただ一つ言えるのは、

『彼』に気付かれるのは宜しくない。

あたくしが司令部に

報告しますから、皆さんは一旦、

身を潜めておいて下さいまし。」

 

「分かりました。

ニ似奈、三野里、四ツ葉、

五十鈴、六宇亜。隠れて。」

 

「「「「「了解ッ!」」」」」

 

「ボクらも、大島屋一行に

続いて隠れるよ。散。」

 

全員で、付かず離れずの距離で

身を潜める。

ふと洞窟の方を見ると、

先程の巨人の姿が消えていた。

 

「ソレで隠れたつもりカ?」

 

「「「――ッ!?」」」

 

この重なるような低い声。

大島屋同盟の誰のものでもない。

 

運悪く、気付かれてしまったようだ。

 

いや、まだだ。

もう少し粘れば……

気のせいで

済ましてくれるかもしれない。

 

「貴様ラ、自分の置かれてる状況が

分かってないようダな。」

 

バチバチバチバチ……

 

(これは、電気が漏れる音?)

 

「――コマンド:Thunder

……『辺爆』」

 

ボゴォォンッ!!

 

巨大な爆発が発生し、

辺りが更地となる。

 

ボクらはデフレクタによって

その衝撃から身を守れたが、

最早、隠れる状況は 

維持できそうにない。

 

「どうやら、武力行使以外の

選択肢はなさそうですわね。」

 

ちえ氏が最前線へと

移動して構えた。

 

「ほう、貴様ラは面白い武器を

使うのダな。」

 

「黙らっしゃい!!

アンタは一体、何者ですのッ!」

 

 





どうも、たかしクランベリーです。

アーさん新イベ、最高でした。
そしてついに、
ヤベェ原作改変が始まりました。

お喋りキャンサーのご登場です。

さて、
どういう経緯でイモータルセルが
お喋りキャンサーと化したのか……

U140や君読むで度々触れる
〈例の研究施設〉を絡めて、
次回は、U140イベ軸の
よっつん視点で明かそうと思います。
(原作改変&擬人化補完ストーリー)

よろしくお願いします。
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