ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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21・5話・おめでとう! 4章後半!

 

━━▶︎ DAY??? ???

 

んー。

あれ、なんかボクの

前に柔らかいものがある?

 

妙に温かいし……抱き枕?

 

もしやルカ氏、

ボクに内緒で抱き枕を仕込んだか。

ドッキリでもする気なのかな……。

 

なんか抱き心地いいし、

もうちょっと顔埋めても良いかも。

 

んー。何これ。

2つの柔らかい

でっぱりが邪魔で息がしづらい。

 

少し距離を取って

どんな抱き枕か見てみよう。

 

パチパチ……

 

「……あ。うん。」

 

(人だ。知らない女の子。)

 

いやいや、日々の訓練で疲れてるだけだ。

 

最近ではリアルだけじゃなくて、

寝ても座標の中で

楔と螺旋丸の修行させられるし。

 

もう身体が疲れて幻覚まで

見ちゃってるんだ。

……そうだよ。

他人と同じベットで寝るなんて

ある訳がない。

 

そっと目を閉じて

もう一度開ければただの抱き枕に

戻って……なかった。

 

人だ。

桃色の髪をした、気の強そうな子。

 

「「――いやぁぁあああっ!!」」

 

「もう……朝からうるさいなぁ。

爆音はスピーカーで事足りるっての……」

 

ボクと謎の子の絶叫に反応して、

ルカ氏が嫌々目覚めて

こっちに近づいてきた。

 

「お、ナンジャモとめぐみんじゃん。

……って、

朝っぱらから仲良くベッドインかよ。

やる時くらいは

こっそりしろって

司令官に教わんなかったの?」

 

「教わってないよ!?」

「そんなん知らへんわ!!」

 

「ほら、やっぱ仲良いじゃん。」

 

桃色の髪をした少女が、

不機嫌な顔でルカ氏に反発した。

 

「どこがやねん!

名前も知らない女に

ハグされたんやでうち!?

そもそも頭に謎の目ん玉乗っけた

この女は誰や!?」

 

「え……ホントに

忘れたのめぐみん……。」

「忘れたも何も

知らん言うとるやろがい!

今日会うのが初めてやわ!」

 

「まぁまぁ、そうカッカなさんなって。

めぐみんが忘れても、

あたしは連れてくよ。

孤独の果て、虚数の海……」

「Burn My Soul口ずさむなや!

うちまで歌いたくなってまうやろ!」

 

ルカ氏はこの子を知っている……?

もしや、知らないのはボクだけか。

 

確認してみよう。

 

「ねぇタマ氏。その子の事知ってる。」

「はい! めぐみさんです!」

 

すごい嬉しそうに紹介してきた。

タマ氏が信頼を置くくらいには、

良い人かもしれない。

 

「おいタマぁ!」

「はいぃ。」

「うちだけ自己紹介されるのは

納得いかん。」

 

「でしょうね。……逢川さん。

彼女の紹介は、エリート諜報員である

このわたしに

任せてくれないかしら。」

 

「……ええで。」

 

「皆の者〜!

ドンナモンジャTVの時っ間だぞー!

はいドモドモー!

アナタの目玉をエレキネット!

何者なんじゃ! ナンジャモでーす!

ジムリーダーだよ!

おはこんハロチャオ!」

 

「「「「……………。」」」」

 

「ナンジャモ語使いこなしてんジャン!

意外と場慣れしてるー!?」

 

「東城、誇張抜きで

そういう挨拶する奴なんか……。」

「そうよ。このわたしが

下手な芝居打つわけないじゃない。」

 

待って。

つかさ氏の再現度高すぎて、

逆に背筋が凍るんだけど。

 

「あのぅ……ナンジャモさん。

本当でしょうか……。

ナンジャモ語っていうのは一体……」

「え、えーと。

あれは……そのぅ。」

 

どうしよ。

目を泳がす事しか出来ない。

 

「「「「「…………。」」」」」

 

皆、ボクに向ける目が冷たくないか。

 

え。 

なんでルカ氏が近づいてくるの。

肩にそっと手を置かれたけど……何?

 

ルカ氏が、

すんごい優しい目で見てる。

 

「分かるよナンジャモ。

あたしにも

『そういう時期』があった。

また昂る厨二病を

爆発させたくなったら、

いつでも

あたしに声かけていいんだぜ。」

 

あ……これ。

完全に患者認定されてる。

 

「うっ……うわぁぁああっ!!」

 

堪らずボクは叫んで、

部屋から走り出た。

 

「ナンジャモさん。

出ていきましたね。」

「何がいけなかったのかしら。」

「東城、

少なくともお前のせいだからな……」

 

エントランス、メイン通りを

意味もなく走り……

 

ゴツっ。

 

ぶつかった。

 

「ちよっと、何事ですの。

あら、ナンジャモさん。」

「ちえ氏……」

 

「今にも泣き出しそうですわね。」

「実はボク……」

 

「立ち話も何ですし、

時計塔辺りで座ってお話しましょう。」

「ありがとう。ちえ氏。」

 

………………。

 

……。

 

━━▶︎ DAY??? ???

 

時計塔近辺。

 

幸いな事に今日は休日。

 

時間の余裕がありそうなので、

ボクは今朝の出来事を

細かくちえ氏に伝えた。

 

「……そんな災難がありましたのね。

申し訳ないですが、

特に励ます言葉が思いつきませんわ。」

 

「ううん。

聞いてくれただけで有難いよ。

おかげで、ボクも少し落ち着いた。」

 

「それなら良かったですわ。

……ん? 誰か来ますわよ。」

 

確かに、こちらへ駆け寄ってくる

足音がする。

待って。この集まりって……

 

「逃さへんでナンジャモ!」

 

「えっ! 何でここが分かったの!?」

 

「はっ! うちは天才サイキッカーやで。

ハイヤーセルフ使うたら

居場所特定なんて楽勝やわ!」

 

「騒がしくなりそうですので、

あたくしはこれにて

御暇させていただきますわ。

ナンジャモさん。

後は頑張ってくださいまし。」

 

淑女然とした笑みを浮かべて、

ちえ氏は宣言通り去っていった。

 

「ちえ氏ぃぃいい!!」

 

「はっ! 先輩部隊にも

見放されるなんて情け無い奴ちゃなぁ!」

 

「う……ボ、ボクだって

一応戦えるし。」

 

「そうだぞめぐみん。

こう見えてもナンジャモは

ウチの自慢の部隊長だ。」

 

「何下らない冗談言うてんねん。

31Aの部隊長は自分やろ?」

 

「……え? 本当だよ。

な、ユッキー。」

「ああ。大抵支離滅裂な

発言をする月歌だが、

ナンジャモがウチらの部隊長なのは

紛れもない事実だ。」

 

「嘘やろ! こんなヒョロガリが

隊長な訳あらへん!

……ええわ。

隊長に相応しい存在かどうか、

うちのサイキックで見極めたる……。」

 

なんか勝手に話進んでない?

見極めるって何。

 

「そっか。じゃあ仕方ないな。

めぐみんとナンジャモで

アリーナTA勝負といこうか。

同じ打属性だし、公式でナーフが

確定したビゴトリーゲートでも

一狩りするか?」

 

「んなメンドい勝負して

どないすんねんッ!!

しかもナーフされてんの

メインストーリーだけや!」

 

「え、めぐみん良い勝負でも

思いついたの?」

「決まっとるやろ……

サイキック勝負や。」

 

「それ、圧倒的にめぐみんが

有利じゃない?

確かにナンジャモも

変な力持ってるけど、

ジャンル違いっていうか……」

 

「変な力やと……?

益々滾る事言うてくるやん。

今からでも勝負が楽しみやで。」

 

めぐみ氏、聞く耳持たないのかな。

まぁ、決まった事なら

しょうがないか。

 

場所はナービィ広場に移った。

 

「おいタマぁ!」

「はいぃ!」

「水入れたコップと

電池抜きの電池式オルゴールは

用意できたか?」

 

「はい! この通りです!」

 

言ってタマ氏は用意したものを

陳列していった。

 

「……これで準備万端や。

勝負のルールは至ってシンプル。

自慢のサイキックを

2つ見せるだけでええ。

ホンマは手指で数え切れんほど

あるが……勘弁したる。」

 

「だからそれめぐみん。

何のハンデにもなってないよ。」

 

「ほな! うちから

始めさせてもらうで!」

 

本当に始まっちゃたよ。

 

お、めぐみ氏がコップの前で

険しい顔してる。

 

「はぁぁああっ! どやぁあ!」

 

コップの中の水が浮いた。

見るからに、タネも仕掛けもない

本物の特殊能力っぽい。

 

けれど……

 

「うーん。微妙だねめぐみん。」

「十分凄いやろ!?」

 

「はいはい次々。」

 

「あっさり流すなや!

もうええ……

電池の無い電池式オルゴールを

うちのエレクトロキネシスで

派手に鳴らして驚かせたるで!」

 

もう一度険しい顔になって、

めぐみ氏が力を込める。

 

……バチバチバチ。

 

『鳴らない言葉を……』

「「「一筋の光ィィイイ!!!」」」

 

今にも音楽が鳴りそうな

オルゴールを

ルカ氏、ユキ氏、カレン氏が

同時に強く踏みつけて壊した。

 

「一筋の光って何や!

何結託して

オルゴール破壊しとんねんッ!?」

 

「めぐみん、聞いてくれ。

あの音楽は鳴らしちゃいけないんだ。

あたしらが反省を促さないと

いけなくなる。」

 

「意味わからんのやが!?」

 

「よーし。これで 

めぐみんのターンは終わりだな。

ナンジャモ、見せてやれ。」

 

「やっぱそうなるよね。」

 

サイキックかは分からないけど、

見せられる特殊能力と言ったら

秘術・少名毘古那と

秘術・大黒天だ。

 

幸いナービィ広場にボクら以外の

人影は無いし、

使っていいかもしれない。

 

ボクは手に力を込めて、

楔を発現させ……

 

「待て待て待てぇ!

何やその不気味な黒いアザ!

サイキックか!? 

新手のサイキックなんか!?」

 

楔を見慣れてないせいか、

めぐみ氏がとても驚いてる。

 

「え……めぐみん。

楔知らないとか本気で言ってんの?

もうセラフ部隊全員が

周知してるよ。」

 

「知らんわ! ナンジャモに

会うんも初言うたやろ!」

 

「……そっか。

じゃあナンジャモ。

なんか楔ですごい事してよ。」

 

「分かった。

みんな、ちょっと下がっててね。」

 

周囲の安全を確認して、

ボクは力を使った。

 

ギィンッ!

 

ズドォォンッ!!

 

「待て待て待てぇ!

何も無いところから

馬鹿デカい匣落ちてきおったで!!

こんなサイキック、うちも知らんわ!!」

 

「……え、何これ。

あたしも知らないんだけど。」

「「「「………………。」」」」

 

タマ氏以外の31Aメンバーが、

ドン引きした顔でボクを見た。

 

空気に耐えられず、

ボクはそっと

秘術・少名毘古那で匣を縮小した。

 

「大丈夫だよみんな……

今のは気のせいだから……ね?」

 

しかし、めぐみ氏は悟りを

開いてしまったようだ。

吹っ切ったような目で、空を仰いでいる。

 

「……この勝負、うちの完全敗北や。」

 

「めぐみさん!」

「タマ……どないしたんや?」

 

「私たち、めぐみさんに

言いたい事があるんです。」

 

「おいおい、

自分らパーティークラッカー

うちに向けてどうすんねん。」

 

「皆さん、いきますよ!」

 

パァァン!!

 

「「「「「「4章後半実装! 

おめでとう!!」」」」」」

 

「……はぁ?」

 

「めぐみさん! 

4章後半での活躍、期待してますよ!」

 

「おいタマぁ!」

「はいぃ。」

 

「うちの活躍、よう見とけや。」

 

 





どうも、たかしクランベリーです。

とりあえず、4章後半の実装
おめでとうございます!

自分も、これから
遊べるのが楽しみです。

そして、救世主めぐみん様。
また気が乗ったら
ゲスト出演させます。
……いつか会いましょう。

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