ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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33話・大島家のカニ祭り(ムーア回)

 

「いやぁああああああっ!」

 

思わず叫んでしまい。

姉さん達を起こしてしまった。

 

「どうしたの六宇亜!?」

「一千子姉ぇ!」

 

逸早く駆けつけてきたのは、

一千子姉だった。

 

「六宇亜、何があったの?

わたしに話してみなさい。」

 

そうだ。長女の一千子姉なら

この異常事態を

分かってくれるはず……!

 

それに、常に学問書を

持ち歩く程勤勉なんだ。

何かしら解決して

くれるに違いな……

 

「――小学生でもわかる

カニ図鑑って何!?」

 

「……見ての通りよ。

これでも長女として、

グリ……六宇亜の事は誰よりも

理解してるつもりよ。

わたし、応援してるから。」

 

「それ多分理解してないよ!?

あとグリーンって言いかけてたよね!?」

 

重症だ。

 

31Cの映画の見過ぎで

あたし=グリーンみたいな

認識になってる。

 

完全にあたしと豊後ちゃんを

くっつける気でいるよ。

 

どうしよう。

 

大島屋設立の時みたいに

一千子姉の頑固さが

一度発揮されれば、

そうそう折れてくれないし……

 

「六宇亜、

取り敢えず落ち着きなさい。

わたし達も

朝支度を済ませたいから、

自分のベットで休んでなさい。」

 

「……分かったよ。」

 

ぽふっ。

 

自分のベットに腰を掛け、

解決策を考える。

 

(どうする?

やはり、他のお姉ちゃん達を

説得して味方につけるか。

一千子姉といえど、

家族一丸となった総意には

流石に頷くよね……。)

 

「おいむーあ、なに柄にもなく

難しい顔して考え込んでんだー?

あたいらみんな、

朝の支度終わったぞー。

まー、口や顔がさっぱりしても、

あたいはすぐ寝れるけどなー。」

 

そういえば。

 

大島屋設立の時も、

一番最初に味方に

なってくれたのは四ツ葉姉だ。

 

今回も、逸早くあたしの味方に

なれば、心強いよ!

 

「四ツ葉姉ぇ!」

「んー? なんだぁ?」

 

『――31D、31E両部隊は

点呼ののち、すぐさま司令官室へ

出頭して下さい。』

 

「司令官空気読んでーー!」

 

「おいおい、なんで朝から

こんな忙しないんだよ。

しゃーねぇ。行くかー。」

 

 

………………。

 

…………。

 

――司令官室。

 

「急に呼びだして悪いわね。」

 

「司令官、何かありましたか?」

 

一千子姉が、率先して訊きに入る。

対して司令官の方は、

落ち着いていた。

 

「いいえ。特に何もないわ。」

「何もないんかい!?」

 

「六宇亜!」

「……ッ!?」

「言葉を慎みなさい。」

 

「ごめん、一千子姉ぇ。」

 

「何も無いのに、

どーしてあいな達を

呼びつけたさー。」

 

のほほんとした白衣の少女が、

司令官に訊き始めた。

 

「そうね。

そろそろ本題に入ろうかしら。

この1週間、あなた達2部隊が

任務に尽力してくれたおかげで、

旧木更津卸売市場を 

キャンサー支配圏から奪還出来たわ。

改めて、お疲れ様。」

 

「領海が再び人類の手に戻って、

あいなも嬉しいさー。」

 

「ええ。見事な働きと認める他ないわ。

あなた達が橋頭堡の拡大や、

開渠の設営を支援してくれたからよ。

その結果、新宿ドーム、

習志野ドーム等の各ドーム。

及び基地に供給できる水産物の

総量が増加する見込みよ。」

 

(なんか凄いことしてたんだ……。)

 

「近辺にある習志野ドームは

その恩恵を存分に受けて、

ドーム全体がより豊か且つ、

より活気付いたモノに

なるでしょうね。」

 

「水産物だけじゃなく、

生きた深海魚ももっと欲しいさー。」

「あいなちゃーん、

お口チャックですよー……うふふ。」

 

「バブぅーあいー。」

 

(31D、大丈夫かな。この部隊。)

 

「その戦果を讃え、あなた達2部隊は

オペレーション・プレアデス実行前日

までの期間、休暇を設けます。」

 

「本当にいいのか?

当日だけの任務参加なんて、

他部隊の負担が

増えるだけではないのか。」

 

「いいえ二階堂さん。

あなた達が思っている以上に

切り込み隊は優秀よ。

なんなら、作戦当日までに

余裕が出来るくらいにね。」

 

「やはり……『楔(カーマ)』か。」

 

「確かに『楔』もあるでしょうけど、

31A部隊の強みはそこだけじゃないわ。

あなた達31Dは、

近い将来任務を共にし

その強さを実感するでしょうね。

ナンジャモさんと共に行動した

31Eはそれをよく分かってるわ。」

 

「司令官、

無礼な発言をしてすまない。」

 

「気にしないで頂戴。二階堂さん。

私も、あなた達31Dの気持ちは

理解しているつもりよ。」

 

「…………。」

 

「……話は変わるけど、

あなた達2部隊には、

特別なプレゼントを用意したわ。

……七瀬。」

 

「はい。

そいっ、そいっ、そいやっ。」

 

手早く副官が何らかの紙を

隊員達の指に挟む。

 

「なんだーこれ。

ただの紙切れかー。」

「違うわ四ツ葉、よく見なさい。」

「んあ?」

 

四ツ葉姉が紙を見て

まだ首を傾げた様子でいる。

 

最早、誰も説明して

くれなさそうな雰囲気だ。

 

……と、何かを察したのか。

このタイミングで

司令官から説明が入った。

 

「それは、

カニ料理限定GP20%オフ券よ。

期限は10日間。

好きなだけカニを堪能しなさい。」

 

司令官が朗らかな笑顔で

こんなふざけた発言する訳ない。

 

何かの冗談と思い、

渡された紙を凝視してみる。

 

(カニ、カニ、カニ……20%。

クーポン券。)

 

「いっ、いやぁあああ!!」

 

あたしはその時、

気がどうかしてたのか。

 

司令官室から勢いよく外に飛び出して、

基地を疾走し、7周くらい走った。

 

「はぁっ……はぁっ。

もうこんなの、何かの呪いだよ。

あたし……何かした?」

 

「走ってどこ向かうと

思ったら、こんな所に居たのね。

六宇亜。」

 

「一千子姉ぇ!」

 

「六宇亜、

話の途中で逃げてはダメよ。

何に苦しんでいるのか

分からないけど、わたし達家族でしょ。

1人で抱え込まないで

話してくれたっていいのよ。」

 

やっぱ一千子姉はあたし達の

自慢の長女だ。

こんなにも真剣に妹たちの事を

考えてくれる。

 

そうだよね。話さなきゃ。

信じて話さなきゃダメじゃないか。

 

そう、今こそ……

 

「――小学生でもわかるカニ図鑑

その2って何!?

シリーズ化してたの!

あたしが基地7周走ってる間に

1冊目完読して

2冊目借りにいってたの!?」

 

「大丈夫よ六宇亜。

恋は盲目。迷いが生じて

暴走してしまうのも無理ないわ。」

 

「暴走してるのはそっちの方だよ!

何がどうなったら

小学生でもわかるカニ図鑑

読もうってなるの!?」

 

ダメだ。

 

一千子姉は完全に毒されてる。

この件を話しても

一切動じなさそうだ。

 

「……そうね。わたしは少し、

焦りすぎたのかもしれない。

でも六宇亜、わたし達姉妹はいつでも

あなたの事を思って行動しているわ。

それを忘れないで。」

 

「一千子姉……。」

 

「みんな心配してるの。

わたしとしては、

これ以上みんなの不安を

煽るような真似はして欲しくない。

だからお願い。

そう邪険にならないで。」

 

「……ごめんなさい。」

 

(良かった。いつもの一千子姉だ。

何心配してたんだろう……あたし。)

 

「さて。そろそろみんなが

カフェテリアで

待ちきれなくなってしまうわ。

せっかくの休日なんだし、

ゆったり朝食を摂りましょう。」

「うん!」

 

 

………………。

 

 

…………。

 

――カフェテリア。

 

一千子姉とあたしを除いた

姉妹みんなは、既にテーブルに

着席していた。

 

「待たせたわね。みんな。

今から2人で食事を選ぶから、

そこで少しだけ待ってて。」

 

姉妹みんなは快く頷いてくれた。

 

「よし、一緒に選ぶわよ六宇亜。」

 

一千子姉が

券売機パネルをポチポチと押し、

カニ料理タグを開く。

 

「凄いわよ六宇亜。

カニしゃぶ御膳、カンジャンケジャン、

プーパットポンカリー……

これが全部20%割引だなんて、

本当にお得よ。」

 

「うん!」

 

「それで、六宇亜は何にするの?」

 

そうだなぁ。えーっと……

 

▶︎カニしゃぶ御前

▶︎カンジャンケジャン

▶︎プーパットポンカリー

 

(朝食だし、あっさり

食べられるモノの方がいいよね。)

 

「カニしゃぶ御前!」

「いいわね。

わたしもそれにしようかしら。」

 

一緒の食券とクーポン券を

厨房の受付カウンターに手渡し、

お姉ちゃん達が待つ6人掛け

テーブルに着席する。

 

料理の方は、

思いの外早く来た。

 

料理人が気を遣ってくれたのか、

ほぼ同タイミングで

全員分のカニしゃぶ御前が

食卓に並んだ。

 

「こちら、クーポン適用。

カニしゃぶ御前6人前でーす!

甲羅に注意しながら

お召し上がり下さーい!」

 

配膳のお姉さんが丁寧に説明して、

厨房内へと戻っていった。

 

「さぁ、冷めない内に頂きましょう。

この世の全ての食材に、

感謝を込めて……」

 

「「「「「「――頂きます!!」」」」」」

 

 





どうも、たかしクランベリーです。

ルイ姉様の生誕祭、最高でした。
特に、最後の曲が個人的にお気に入り。
開渠はかいきょ、っていいます。
決して開墾の打ちミスではないです。

開渠? 開渠って…。

一瞬記憶が錯乱するが、開渠は開渠だ。
それ以上でも、それ以下でもない。


……さて、本題のお知らせですが。
原稿ストックに余裕が出来ました。
(ナンジャモの方だけ/N●la書溜め勢)

これも……エ●ンの賜物だな。

という訳で、
またまた更新頻度が変わります。
宜しくお願いします。
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