ナンジャモと大筒木の居るセラフ部隊   作:たかしクランベリー   

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35話・ダンスダンスダンスさー!

 

「――って事があったんだ。

あたしは何が何でもこの歪んだ

誤解を解きたい……。

ナンジャモちゃん。タマちゃん。

何かいい策はないかな?」

 

「ムーア氏……」

「それはお辛いですね……。

――ハッ!」

 

タマちゃんが何か閃いたみたいだ。

 

「どうしたのタマ氏?」

「六宇亜さんって、李さんと

仲良しですよね。」

 

「まぁ、映画の撮影とか色々あってね。

最近はトレーニングにも

ちょくちょく付き合ってくれるし、

本当にいい子だよ。」

 

「だからそれですって!

李さんに協力して貰いましょう!

『認識』をすり替えてしまえば、

エナドリカニ地獄から解放

される筈です……!!

内容はこうです!」

 

タマちゃんが、

作戦を細かく伝えてくれた。

 

……確かに、それならこの地獄から

抜け出せるかもしれない。

 

「そうか! その手があったか!?

ありがとう2人とも!

あたし、映夏ちゃんを

LINNEで呼んでくるよ!」

 

よし……! 来てくれた!

 

「ほう、六宇亜か。

それと……ナンジャモ。國見か。

中々見ぬ組み合わせだな。

さて、うぬの要件を聞こうか。」

 

「映夏ちゃんには、家族みんなの前で

あたしのプロポーズを

受け入れて欲しいんだ!」

 

信じられないといった表情で、

彼女は目を見開いた。

 

「待て待て待て!?

何がどうなって

それをやる必要がある!?」

 

「それ相応の理由があるんだ!

あたしの為に一芝居打ってよ!」

 

「一芝居だと?」

 

「そうです! 事情は不詳、

この私めがお話したりましょう!」

 

タマちゃんの説明を

サラサラと聞き入れ、

映夏ちゃんは頷いてくれた。

 

「……成程な。それは

さぞ災難であっただろう。

うぬは妾と映画を創り上げた

大事な朋ぞ。遠慮は要らぬ。

この妾の名演を以て、

必ずや救ってみせようぞ!」

 

「ありがとう! 映夏ちゃんは

あたしの最高の友達だよ!」

 

ブンブンブンッ!

 

「分かった分かった!

分かったから妾の手を握って

ブンブン縦に振るのやめんか!」

 

 

……………………。

 

 

…………。

 

 

━━▶︎ DAY19 18:40

 

 

了承も得たなら、後は実行に移すのみ。

 

家族みんなのLINNEには、

今からナービィ広場で想い人に

告白しますと伝えといた。

 

みんな暇なのか、

そわそわとした空気を醸しながら

ナービィ広場へと集まった。

 

茂みの裏に全員で隠れている

つもりだろうけど、

 

一千子姉の帽子や 

四ツ葉姉のぬいぐるみが

一々ひよっこり出てくるので

こちらからでも位置がバレバレだ。

 

タイミングはバッチリ。

後はあたしの合図に合わせて、

映夏ちゃんと一芝居打つだけだ。

 

偽のラブレターをもじもじと

揺らしながら、合図に入る。

 

「ううっ……来てくれるかなぁ。」

 

(((((……頑張れ! 六宇亜!!)))))

 

なんか、お姉ちゃん達の

向けてくる視線と気持ちが

一瞬だけ一致したけど、気のせいだよね。

 

そう、あたしが今気にするべきは……

 

合図を聞き漏らさず、

彼女は木の影から歩み寄ってきた。

 

「六宇亜よ、妾をこんな場所に

呼び出してどうした?

映画のお礼か?」

 

「ちっ、違うんです……。

そのぉ〜、もっと大事な話があって。

ううっ……」

 

「そう焦るでない。

ゆっくりでも構わぬ。妾に話してみろ。」

 

 

「えっ! まさかのそっち!?

長女のわたしでも気がつかなったわ!」

「まさかそんな大穴があったとはねぇ。

扉違いだったよ。」

「本当の愛をお届けー♪」

 

「なんて事っ、私の美しさを

以てしても見抜けないなんて……。」

「とんでもねーミラクルだなー。」

 

家族みんな予想通りの反応だよ。

予想通り過ぎて逆に悲しい。

 

しかし、悲しんでる暇はない。

一気にケリをつける。今ここで!

 

「いっ、一生懸命気持ちを込めて

綴ったラブレターです!

映夏ちゃん! う、うう……

受け取ってください!!」

 

「ほう。その気持ち、

有り難く頂こうではないか。」

 

映夏ちゃんが、偽のラブレターを

懐へと仕舞った。

 

「……嬉しいよ。」

「それは何よりだ。だが正直な話、

こんな遠回りな真似は不要だ。」

「……え?」

 

ぎゅっ。

 

「「「「「――!?」」」」」

 

家族揃ってそんな反応を

してしまうのも無理もない。

映夏ちゃんが突然、

あたしを抱きしめたのだから。

 

まぁ、演技なんだけどね。

 

こうでもしないと効果なさそうだし。

当然あたしも抱き返した。

 

「六宇亜、実はな。

妾もうぬの事が大好きじゃ。

うぬの人並外れた

スタミナと妾の軍略が

組み合わせれば、

怖いものなしと言っても

過言ではない。」

 

「…………。」

「これからは朋としてじゃなく、

その先の存在として、

末永くよろしく頼むぞ。」

「……うん。」

 

 

その翌日以降、

六宇亜は無事

エナドリカニ地獄から解放された。

 

しかしこの後、カプ厨を

拗らせた大島家によって、

クンフー三国志地獄に

六宇亜は囚われる事になる。

 

それはまた……別のお話。

ちゃんちゃんっ。

 

 

 

 

━━▶︎ DAY20 16:30

 

――31A部隊、寮部屋。

 

「今日はさ。前夜祭としてギグろう。」

「また色々とツッコミ所が多くて

大変だぞ……。」

 

ルカ氏とユキ氏の会話を

不思議がり、つかさ氏が声をかけた。

 

「まず、何の前夜祭なの?」

「もうすぐ作戦じゃん。それの。」

「祭りちゃうわ。」

 

「でも、馬鹿騒ぎ出来るのも

今日くらいまでだと思うからさ。

流石に明日からは、

決戦に向けて集中して

過ごしたいだろ?」

「今日もだよ。」

 

「いやいや、今日弾けなくて

いつ弾けるんだよ!?」

「結構弾けてきたろ?」

「まだ不完全燃焼だろ!

練習の成果だして、

ようやく完全燃焼だろ!?」

 

「なんで大事な作戦の前で

完全燃焼する必要がある?

寧ろエネルギー溜めておくべきだろ。」

 

ルカ氏が床に転がり、

四肢をジタバタと動かし始めた。

 

こんな情けない伝説ロッカーの姿、

出来れば目にしたくなかった。

 

「やだやだやだー! 弾けたいーー!! 

折角練習したのにーーー!!」

 

「子供か。」 

 

うん。

 

それも、ショッピングモールで

興味ある玩具を買って貰えなくて

駄々をこねるお子様みたいだ。

 

こうなってはどうしようもない。

ボクから切り出すしか無さそうだ。 

 

「えりか氏が待ってるだろうから、

取り敢えず行った方が良いん

じゃないかな……。」

 

「そうだな。蒼井を

待たせるわけにも行かねーか。」

「よし、じゃあ取り敢えず移動ー!」

 

ルカ氏がいつもの調子に戻り、

何事もなかったかのように

一同でスタジオへ向かう。

 

……が、宿舎を出てすぐに。

とある人物がこちらへ来た。

 

「31Aのみんなー、ちょっと待つさー!」

 

「あいちん!?」

「あいな氏!?」

 

のほほんとした雰囲気をした、

白衣の少女……あいな氏だ。

 

「あいな氏、どうしたの?」

 

「あいなは今、31Aのみんなに

お礼をしたいさー。」

「お礼?」

 

あいな氏は頷いた。

 

「そうさー。

31Aの映画が楽しかったから、

あいななりのお礼をしたいのさー。

時間はあまり取らないから、

0GPであいなの深海講座を

お届けしたいさー。」

 

「それは、何処で受けられるの?」

 

「アリーナ横にある、研究施設内に

あいな専用の深海ラボがあるのさー。」

 

「良いですね! 皆さん、あんまり

時間を取らないみたいなんで

行ったりましょう……!!」

 

タマ氏がノリ気だ。

 

「んー、そうだな。

ギグるついでにそっちでも

弾けてみっか。行くぞユッキー。」

「講義で弾けんなよ……。」

 

ユキ氏が嫌々そうにしながらも、

目新しさを求めて

大人しくついて行った。

 

――深海ラボ。講義室。

 

「うっわ……広いな。」

 

ルカ氏がボソりと呟いた。

 

正直、31A全員がそう思ってる。

普段は何百人かが

講義を受けてるのかと

思うくらいには広い。

 

ホルマリン漬けの深海生物や

深海生物の写真が其処彼処に

飾られているのにも関わらず、

全く窮屈さを感じないのも不思議だ。

 

あいな氏は何かの

スイッチが入ったのか。

握り拳にした両手を上下に

ブンブン振り、万歳した。

 

「うーっ! あいなの深海講座!

始めるさー!!」

 

「わくわく……!!」

 

最前席に座ったタマ氏が、

今か今かと震えていた。

 

「ちなみにタマちんは、

講義中の特別クイズがでるけど、

回答権はないさー。」

「理不尽! この上ない理不尽っ!」

 

「ごめんよぅ。

タマちんが答えたら

ゲームにならならいさー。」

「う……仕方ありませんね。

我慢したりましょう。」

 

あいな氏がリモコンで

モニターに電源を付け。

スライドを進めた。

 

「さてさてー。

みんながよく口にする

『深海』や『海溝』、

これが具体的には何なのか、

ちゃんと分かってるさー?」 

 

あ、急にそれっぽくなった。

タマ氏が

めっちゃ答えたそうにしてる。

 

「じゃがじゃーん!

ここで第一の深海特別クイズぅー!

深海や海溝の定義をする際、

その定義の基準となる深さが

区分されてるさー。

これを何というか、

今からモニターに

映る選択肢から選ぶさー!」

 

言って彼女は、

次のスライドへ画面を変えた。

 

表示されたのは、

以下の三つの選択肢だ。

 

▶︎護廷十三隊

▶︎五大栄養素

▶︎漂泳区分帯

 

と、パッと見で分かったのか。

つかさ氏が挙手をして立ち上がった。

 

「分かったわ! 護廷十三隊!」

「つかさちん。

残念ながらハズレさー。」 

 

「そんなぁ! 惜しかった……。」

「全然、惜しくねーわ。」 

 

「待って! 次こそ当てるから、

わたしにチャンスを!」

「分かったさー。」

「五大栄養素!!」

「ハズレさー。」

 

つかさ氏は、

また悔しそうに歯噛みした。

 

「惜しい……

ここまで出かかってるのに……。」

「1ミリも出かかってねぇわ。

何で2回連続でミスるんだよ。

諜報員の面目丸潰れだろ。」

 

「正解は『漂泳区分帯』さー。

主に5段階に区分されていて、

海面表層、中深層、漸深層、

深海層、超深海層と

分けられてるのさー。」

 

スライドが

次の画面へと切り替わる。

 

「それと何の関係が……?」

 

「スライドを交えて説明するさ。

見ての通り、一般的には

水深200m以上を『深海』と言って。

区分上は、中深層以上の水深域が

これに当たるさー。」

 

「海溝はどうなるの……?」

「つかさちんは好奇心旺盛で

嬉しいさー。海溝は、文字通り

水深6000m以上の

深い溝の事を言うさー。

区分上は、超深海層に当たるさー。」

 

「凄い! 深海って

そんなに凄かったのね!」

 

「あいー♪

さてさて。基礎を固めた所で、

お次は深海の生物を色々と

見ていくさー。」

 

ピリリンっ!

 

あいな氏の軍人手帳が

突然鳴り出し、

彼女も慌てて開いた。

 

「え!? 色葉ちんが絵の具を!

分かった! すぐ行くさー!」

 

走り去るあいな氏の背中と共に、

講義は呆気なく幕を閉じた。

 

「よし、さっさとギグって

ライブと行くか。」

 

 

 

――カフェテリア、ライブステージ。

 

「よーし、

それぞれ準備はいいなー?」

 

「すごいドキドキする……!」

 

「じゃ、ユッキーカウント!

聴いてくれ!

『Dance!  Dance!  Dance!』!」

 

 

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