灼焔の呪術師   作:辛味噌の人

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遅くなりました、申し訳ありません
交流会前半にオリ主を活躍させる機会がねえな?


京都姉妹校交流会【乱入】

 

 

 『ゔゔゔゔま゛ゔぁ』

 

 「は〜あこれでようやく一匹目、と」

 

 虎杖の救援に向かった伏黒と真希パイセンと別れた俺は、真希パイセンの言う通りに呪霊狩りを続けていた……のだが。

 

 「なかなか見つからねえもんだなおい。玉犬って便利だったんだなあ」

 

 最初こそ真希パイセンにいいとこ見せようと思っていたものの、肝心の呪霊が見つからずに苦戦を強いられていた。一家に一匹欲しいわ玉犬。

 森歩くのは慣れてるんだけどね、弱い呪霊だからその分ちっさいせいで木の影とかに隠れてなかなか見つからなないんだなこれが。罠でも仕掛けてみるか?道具なんかねえけど。それかいっそのこと森ごと燃やすか……ルールで禁止されてねえよな?

 

 「二級呪霊(ほんめい)さえ見つかればあっさりクリアなんだけどなあ……三級(ザコ)ですらなかなか見つからねえんだもん」

 

 いやまあ流石にそんなことしないけどね?こうも見つからないとイライラしてくるのよ。それで強いやつと戦えるならともかく三級だろうが二級だろうが相手にならねえことだし。俺も京都校の人とやりたかったなあ……今頃伏黒や真希パイセンはバチバチにやり合ってるんだろうなあ……いいなあ……

 

 

 

ちっがーう!! ちっがーう!! ちっがーう!!

 

 

 

 「うおっ!?この声は東堂パイセンかあ……何やってんだあの人」

 

 計画通りなら虎杖とやり合ってるはずだが……いやほんと何があったし。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 その後も俺は追加でもう2体呪霊を祓ったのだが、それ以降がトンと見つからない。べつに呪力感知が下手というわけではないが、そう遠くまで探れる訳ではないし、雑魚になるとめちゃくちゃ近くにいないと察知できない。おそらく本命はかなり遠くにいるのだろうが……そう考えつつ木の上などを重点的に探していたのだが。

 

 

 ムニッ

 

 

 ムニッ?

 

 「ってうおわあびっくりしたあ!?」

 

 足に妙な感触を覚え、思わず飛び退いた俺。すわ敵襲かと思い構え、目線をやったその先には。

 

 「……水色髪の人じゃん。確か三輪霞……だっけ?なんでこんなとこで寝てんだ?」

 

 そう、俺が踏んづけてしまったのは、なぜか地面に寝っ転がってすうすうと寝息を立てていた京都校唯一の常識人(推定)こと三輪霞……そういえば先輩だったなこの人。三輪パイセンであった。踏んじゃってごめんなさいね。

 それはさておき余程の変人でない限り交流会中に踏んづけられても起きないほどにグースカ寝るなんてことはしないだろう。いや三輪パイセンが実は変人だった、と言うこともあり得るのだが、まあ手に持った携帯から察するに……

 

 「狗巻パイセンの仕業かこれ、さっすが狗巻パイセン頼りになるぅ♪」

 

 大方狗巻パイセンが電話越しに呪言で眠らせたのだろう。ということは少なくともこれで二名は脱落か。いやまあ相手さんの携帯電話だけぶんどったという可能性もあるが……。

 

 「というかこの人どうするかなあ……置いていくのもなんか不安だし……背負って京都校の誰かに押し付けるか?奇襲くらいそうであんまやりたくないんだが……」

 

 呪言食らって爆睡してるとなると低級呪霊でも脅威だ。特にこの人あんま強くなさそうだし。

 さてどうするかと思考を巡らし、とりあえずエリアの端まで運ぼうと背負おうとした、のだが。

 

 

 

 「なっ、あれは──!!」

 

 

 突如として空の一部が黒く染まったかと思えば、かなりの速度で広がっていくのが視界の端に映った。これは──

 

 (帳!誰の仕業だ!?京都校?いや違うな、一部ならともかくこの規模はエリア全体を覆う規模だ、理由がない。となると考えられるのは──)

 

 侵入者、と見るのが自然だろう。即座に俺は呪力感知に全力を注ぐ。高専に侵入できる時点で手練れであることは間違いない。特段感知に長けているわけではない俺でも位置の割り出しくらいは可能だろう、と踏んでのことだったのだが。

 

 (ッ、明らかにやばいのが一体!感じからしておそらく特級!しかもめちゃくちゃ強い!)

 

 わざわざ感知を鋭敏にするまでもなく引っ掛かった。大物中の大物、俺が出会った奴の中でも一、二を争うレベルの輩。それゆえに感知は容易かったが、到底喜べるわけもない。

 

 (いかん、間違いなく俺以外の誰かが遭遇したら死ぬ!平時でも危ういのに皆消耗しているであろう今となってはよりまずい!)

 

 帳が降りている以上即座に外からの増援は見込めない。目的は不明だが高専に襲撃をかけてきた以上、五条センセ対策の一つや二つくらいあるのだろうし、外部に頼るのは不可能と見た方がいいだろう。ならば、俺のやるべきことはひとつ。

 即座に俺は三輪パイセンをほっぽり出し(その際「ぐえっ」と言う声が聞こえてきたのは無視した。起きない方が悪い)、やばい気配の方へと全力で走った。

 

 (気配の主の元へと行く!帳が上がるまで時間を稼ぐのが目標だが、万が一上がらないこともありうる以上祓うのが最上だ!とにかく全員の安全確保するだけの余裕を作る!)

 

 決意を胸に、俺は呪力強化全開で気配の下へと走るのだった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 見事な連携プレーによって特級呪霊──花御にダメージを与えた真希と伏黒。しかし今は一転して大ピンチに陥っていた。

 伏黒の腹には寄生植物が根を張り、動揺した真希も致命傷は避けたものの左肩を貫かれてしまう。

 

 “もう呪術は使わないほうがいい。アナタに打ち込んだ芽は呪力が大好物、術を使うほど肉体(からだ)の奥深くへ根を伸ばす”

 

 「ご親切に……!どうせ殺す気だろ」

 

 “説明した方が効くのが早いらしい”

 

 術式の開示という縛りによる術式効果の底上げ、という概念すら理解し使いこなす花御は、確かに今までの呪霊とは格が違っていた。

 もとより2人ではどうしようもない相手。肩を貫かれてもなお果敢に挑みかかる真希だったが1人では到底歯が立たず、あえなくその首を木の根に捉えられる──

 

 

 ゴオオオオッ!!

 

 

 その直前。森の奥から噴き出してきた炎が真希の首に絡みつかんとする根を一瞬で焼き尽くした。突然のことに驚いた両者は飛びすさり、森の奥──そこから歩いてくる人影に目を向ける。

 しかし両者の反応はバラバラであった。警戒をにじませる花御に対し、真希の表情はどこか安堵しているかのように見える。

 

 「ったく……遅えんだよバカ」

 

 瞬間、猛スピードで突っ込んだ人影の飛び蹴りが花御の胴に突き刺さり、後退りさせる。

 

 

 「テメェ……真希パイセンと伏黒に何してやがる……!燃やすぞ雑草ヤロー……!!」

 

 

 人影──茜屋は、腰を落とし、片手には呪具を握りながら、怒りに満ちた表情でそう言い放った。

 

 




三人称視点って難しいね。

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