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「おいおいどこまで行くんだよ、車も使わずに」
「山ですよ、山。俺が育った、ね」
どんな手を使っても強くなると誓った翌日、俺は真希パイセンと共に俺が育った山へと向かっていた。東京の郊外にある件の山は、ハゲジジイが構築した結界が張ってあって、一般人は立ち入れないようになっているのだとか。死後も残留する結界を張れるあたり、ハゲジジイの呪術師としての能力の高さが窺える。
「というか山籠りっつったってなにすんだよ、呪霊狩りでもするのか?」
「まあそれは見てからのお楽しみということで……ほら、つきましたよ」
山登りを始めてからおよそ1時間、俺と真希パイセンはようやく俺の育った家へと辿り着いたのだった。
「ここが俺の生家です」
「なんともまあしょぼい家だなおい。平成の世にあっていいもんじゃねえだろこれ」
禪院家出身がそれを言うのか……
まあ真希パイセンがそう言うのも無理はない。日本昔ばなしに出てきそうな木組みの家に、薪にする用の丸太と薪を作るための切り株と斧。ここで10年以上暮らしてきたとかまあ普通ありえないよなあって。
「んでここで何すんだよ、薪割りでもすんのか?」
「真希だけに?」
「は?」
「すんません」
……おほん。
気を取り直して、俺は真希パイセンを連れて家の中に入る。うっわ扉めっちゃ軋むじゃん。明日にも倒壊しそうだなこの家。
「なんだ?茶でも出すのか?」
「いやいやな訳ないですよ。というかろくなもん出せませんし……よっこいしょ」
真希パイセンと軽口を叩きながら、俺は一つだけ色の違う床板を引っぺがす。するとそこには……
「地下通路……?似合わねえもんがあるなおい」
俺もそう思うよ、うん。
謎の地下通路に2人で入っていく。不親切なことに灯りがないので術式で火を灯し光源を確保する。こういう時炎って便利だよね。
「サンキュー、でもこんな閉鎖空間で火なんか出したらそのうち酸欠になるんじゃねえの?」
ふむ、ここにいるのは真希パイセンだけ。術式の開示なんざ軽々しくやるもんじゃないが、まあいいか。
「俺の術式『柳炎煌火』で発生させる炎は酸素を消費しませんし二酸化炭素も出しません。消費するのは呪力だけの超クリーン術式です。すごいでしょう」
「地球にやさしい術式、ね。でもそれ戦闘じゃ特に意味ないだろ。こう言う時ならともかく」
……。
「ほら開けてきましたよ、あそこが目的地です」
「おうなんか言えや」
そんな漫才をしながら到着したのは学校の体育館ほどもある広い空間。その奥には何やら檻のようなものがある。普通こんなもん山の地下につくれないよなあ……。やっぱハゲジジイの結界術やばいよなあ……。
「んで?結局ここは何するとこなんだよ。組み手なら高専でもできるだろうに」
「とりあえずこれ見てください」
そう言って俺が真希パイセンに手渡したのはハゲジジイの遺言状、その一部。その内容を要約すると、
『もし儂が死んだ後力不足を感じたのなら家の地下にいけ。そこで帳を下ろせば命をチップに強くなれるぞ』
と言う内容であった。ハゲジジイは人格はともかく指導者としての能力は超一流だということは俺が一番よく知っているので、今回こうして頼ることにしたのだ。真希パイセンがついてきたのは想定外だったが。
「へえ、面白そうだな。修行内容は?」
「知りません」
「はあ?」
真希パイセンが呆れたような声を出すが、知らないものは知らないのだ。遺言状にも修業としか書いておらず、肝心の修行内容は一切書かれていなかった。
まあとはいえ予想はつく。このだだっ広い空間といい、奥の方にある檻といい、十中八九飼い殺しにしていた呪霊でも出てくるのだろう。
「まあ強い呪霊でも出てくるんじゃないですか?知りませんけど」
「そんなんで大丈夫かよ……」
まあ……大丈夫でしょう。元々1人用想定だったっぽいし、真希パイセンと2人がかりならまあ死ぬことはないと思われる。
「じゃあ帳下ろすんで、構えててください。『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』」
俺が帳を下ろすと同時に、真希パイセンが持ってきた呪具を構え、檻が消える。そして檻があったところの暗い奥の方から、地響きのような唸り声のようなものが聞こえてきた。
「やっぱ呪霊か。1級上澄みか、特級クラスか……」
「いや待て刃、なんかおかしい」
予想通りだと思い目標の強さを測ろうとする俺の言葉を真希パイセンが遮る。何かがおかしいとのことだが、俺にはさっぱりだ。
「なんですか真希パイ──んなっ」
「◾️◾️◼️◾️◾️◼️──!!」
どういうことかを尋ねようと隣に立つ真希パイセンの方を向いたのが良くなかった。一瞬注意を逸らした俺に黒い巨大な塊が激突する。
「がはっ─!」
「刃!うおっ!」
突撃をモロに喰らった俺は思いっきり吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。見た感じコンクリートなんかよりはよっぽど頑丈な素材でできているように感じた壁がが大きく凹み、空間が揺れる。
(クッソが!あばら2、3本やられたし防いだ右手も使い物にならん!明らかに特級、それもかなり強い!俺の感覚が間違ってなければ少年院で戦った両面宿儺とそう差はないレベルだ!ハゲジジイめ、とんでもないもの残しやがって!)
内心で悪態をつきつつ、なんとか立ち上がった俺の目に映ったのは。
「大丈夫か刃!気をつけろ、こいつ呪霊じゃない!」
必死に防戦する真希パイセンと、5メートルを超えるような大きさのあまりにも巨大な──
「◾️◾️◼️◾️◾️◼️──!!」
「化け物グマだ!」
熊であった。
修行回もむずいし2人だけで会話回すのもむずいよー
大人しく原作通りにすれば良かった…