混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
自分は就職関連の動きに進展があり、うまくすれば来月から違う環境になりそうです。
ただ就業時間も変わるので、投稿頻度が多少遅くなるかもしれないことをご了承ください。
カズヒSide
リアス部長やイリナ、ゼノヴィアにアニルと一緒に、私は謎の建造物に突入していた。
……アダルトゲームとかで出てくる雰囲気がありすぎて、正直女主体で来たのは反省している。
とはいえ、今の私達なら手早く片づけられる手合いだらけなのは安心だ。油断は禁物だけれど、いつでも離脱できるように後続の自衛隊も退路を確保してくれている。
そして私達は、敵を撃破しながら中心部に到達する。
そしてその光景を見て、思わず一瞬絶句してしまった。
「……惨いな、これは」
ゼノヴィアが吐き気を催しながらそう呟くと、アニルは目を閉じて十字を切る。
イリナもまた、思わず主に祈りを捧げるほどだ。これは酷い。
「なんてマネを……許せないわ……っ」
リアス部長が拳を血がにじむほどに握ってしまう。
それほどまでに、目の前の光景は酷かった。
……肉と半ば一体になり、人間として歪になっている存在。
そしてそれに群がり犯す化け物となった生物達。
それを素早く仕留めながら、私は内心でため息をつく。
直感的に入った方がいいと判断してよかった。リアス部長達だけでは、動揺が激しくなっていただろう。万が一の油断に繋がりかねない。
ただ、そんな中で一人だけ丁重に扱われている姿があった。
一糸纏わぬ状態にされ、触手と一体化している要素は確かにある。そして同時に、彼は年若い少年であることがちゃんと分かる状態だった。
だが、上半身は確実に人間のままだった彼は、ゆっくりと見上げると私達に気づく。
「……誰、だい?」
「生存者か!」
「待ってゼノヴィア! 釣りかもしれない、慎重によ」
慌てて駆け寄ろうとするゼノヴィアを制し、私は聖墓を展開しながら慎重に探りつつ近づく。
聖墓の影響に抵抗している辺り、相応の力があるようだ。まだ私が慣れてないとはいえ、中々に厄介ね。
「ゼノヴィアは、イリナやアニルと一緒に周囲の警戒をお願い。私とカズヒで調べるわ」
リアス部長が素早く指示を出し、そして星を発動する。
彼女の星は、長い時間同調した味方の異能を発現する。必然として自分の眷属や親密に付き合っている者の異能は再現しやすく長くできる。その中には、仙術使いの小猫や治癒の力を持つアーシアも当然含まれる。
その力と同調して解析をするけど、……芳しくないわね。
「生命活動がこの辺りと一体化しているわね。私の再現じゃ、聖杯でも切り離すのに時間がかかるわ」
「鶴羽は別件の方に注力しているし、となると小猫とアーシア、それにヴァレリーが欲しいところね。連絡するべきかしら」
思った以上に状況は悪いが、同時に彼はまだ人間だ。
生命活動に置いてどうにかする余地があれば、助けられる可能性はある。
「……よかった、これで……」
ほっとした様子の少年だけど、まだそれは早い。
救助する余地があることと、救助できるかどうかは全く別。ここから安全地帯に運べるかがまず問題で、そもそも運べるようにするのに相当の時間がかかるだろう。
だからこそ、それは
「まだよ。状況が色々と切迫している以上、悪いけど助けられる確約は―」
できない。
その言葉を言うとした時だった。
「―助け……られる」
彼は、自分のことを対象にしていなかった。
そして同時に、強い力の発動を感じる。
「これは、
リアス部長が面食らうけれど、彼はそれに力なく微笑む。
「……そこは良く、分からないです。ただ、僕は……ずっと待ってました」
そう返す彼の顔色はどんどん悪くなる。
咄嗟に私は解析の方向性を変え、すぐに理解した。
この禁手は、正気!?
「やめなさい! 分かっているの? 貴方は今、自分の命と引き換えに一発限りの博打を撃とうとしているのよ!!」
「え、何が起きてるの!?」
私が思わず怒鳴り、それに反応したイリナが慌てて振り返る。
とにかく分かりやすく説明した方がいいわね。
「要は覇を疑似的に再現した禁手ってこと! ……いい、貴方は今、自分の命と魂を炉にくべて出力を強引に高めているの。自爆技なのよ!?」
そういう方法はあり得るだろう。
神器が想いに応えるのなら、禁手を命と引き換えにするような真似は不可能じゃない。というより、ありえないような進化を齎すのならそれぐらい入るというべきか。
それは例えるなら、通常状態から一足飛びにD×Dに至るようなものだ。短期間とはいえ段階を踏んでいたイッセーですら、多臓器不全を引き起こした。命が繋がったのはオーフィス達がいたからと言っていい。
それがない彼がこんな状況ですれば、確実に死ぬ。
「……分かってる、でも……助け、たいんだ……」
「いったい何を!? 誰を助けたいの、言ってくれたなら私達が―」
何とかすると部長が言う前に、彼は首を横に振る。
「……無理、です。普通じゃ……だから……」
そう呟く彼の体は、少しずつ終わっていく。
分子結合を保ってられないのだろう。水分が抜け、変色し、そのまま砕けて散っていく。
更に彼を経由して生命力を吸われているからか、この建築物そのものが同様の風化を遂げて行っている。
「まずいっすよ! このままだとここも崩れちまいます!!」
アニルがそれに気づいた時、彼は苦笑した。
「その……お願い、が、ありま……す」
その言葉に、私達は誰もが意識を耳に集中する。
彼はもう助からない。助かることを放棄して、誰かを助けようとしている。
それに配慮ができないほど、私達は情が無いわけでは断じてない。私でもそうなのだから、部長達なら尚更だ。
「言って頂戴。何を願うの?」
部長がそう尋ねると、彼は消えかける光を目に取り戻す。
「……亜香里と、有加利を。鰐川亜香里……と、望月有加利を、助け……て、くだ……さ……い……」
そう告げたのが、彼の最後の力だった。
その後一瞬で彼は風化し、上半身の殆どが崩れ落ちる。
残されたのは、化け物と一体化した下半身。そして周囲の建築物もまた崩れ落ち始めている。
……おそらくだが、これが決定打になるだろう。
だから、こそ―
和地Side
その瞬間、急に二人は体を抱えて苦しみ出す。
「あぁ、ぁ……あああああああっ!?」
「何、が……うわぁああああっ!?」
彼女達は急に闇に包まれていくと、それが肉の塊となっていく。
な、何があった!?
「おいおいなんだよ!? こりゃあれか、ゲームみたいにデカくなった奴がボスなのか!?」
「いや、そんなベタなこたないだろ。今までの敵だってそんなこと無かったし」
ラムルとイッセーが困惑するが、俺はとりあえず周囲を確認。
周囲の魔獣達にも同様の事態が起きているが、その数は少ない。ただし、デカい建築物に関しては急激に風化し崩壊し始めている。
カズヒ達が中枢をぶち壊したとかか? いや、それにしても連絡が全くないのが気になるな。自衛隊の後続もいるから、連絡ゼロってことはないだろうが。
どういうことか分からないが、とりあえず状況は俺達に有利に働いている。
周囲の状況を確認しながら、その辺りの状況を把握していると通信がつながった。
『……その場にいる全ての者に、リアス・グレモリーから指示を出します』
「リアス? 一体なんだ?」
「どうなってんだ?」
イッセーとラムルが首を傾げたその時、今度はカズヒの声が飛んできた。
『鰐川亜香里と、望月有加利が分かるのなら、何があっても真っ先に保護しなさい。それが、私達にできるせめてもの誠意よ!』
「「「はぁっ!?」」」
正直状況が分からない中、目の前のそいつらは不思議な現象を起こす。
闇が液体のように落ちると、そこには一糸纏わぬ姿の二人の少女がいた。
どちらも敵対したそいつらだろうが髪の色が大きく変わっている。
青紫だった望月有加利は、鮮やかな水色の髪に。
赤紫だった鰐川亜香里は、鮮やかな桃色の髪に。
二人はそのまま、崩れ落ちるように落下し始め―
「九成右!」
「ああ!」
―慌てて俺達はそれを受け止める。
ああもう。何が何だか分からないが、とりあえず危険性はなさそうだ。
敵意がないどころか意識がない。なら警戒を解かなければ問題ないだろう。
「ったく! カバーするからサンタマリア級にまで下がれ! どうせ狙いはそいつらだから、検査と看病はしてくれるだろうよ!」
ラムルがカバーに入ってくれたので、俺達は素直に従うことにする。
周囲を警戒しながらだが、既に魔獣達は一斉に崩壊。残りは僅かだから、五大宗家でも余裕すぎるだろう。
それを把握しながら離脱していると、通信が届いた。
『……和地』
この声は鶴羽か。
「どうした? 正直こっちも、今色々とありすぎて余裕がないんだが」
俺は周囲の警戒を解かない範囲で促した時だった。
『……リーダーが……っ』
その言葉に、俺は流石に肩が振るえた。
どうやら、世の中に問題が尽きることはまだまだなさそうだという事か。
とある町での戦いはこれにて終幕。
だが、その裏で行われていたもう一つの戦いが、更なる波乱を運んでくる……っ