混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 最近はこっちの執筆意欲が底上げされているグレン×グレンでっす!

 さぁて、戦愛白熱編も幕間に突入! 今回はカズヒ関連で作ってはいたものの、あまり明かせなかった少年兵時代の武勇伝となっております!









 そして、次章を踏まえた導入部分も出てきますよー?


戦愛白熱編 幕間 酒の席で武勇伝を語るものは数多く、思い出したくない過去も数多い

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

「え~。本日ご利用のお客様に嬉しいお知らせがあります」

 

 と、九成が立ち上がりながら、レストラン全体に響く声を上げた。

 

 なんだなんだとちょっとざわつくお客さん達の注目が集まった時、九成は手を上に掲げる。

 

「……喜べ! こちらのお祝いも兼ね、今回の代金は俺が全部持つ!」

 

『『『『『『『『『『……ぉおおおおおおおおおっ!!』』』』』』』』』』

 

 一気に店中が沸き立つ中、九成は涙を浮かべながら店長さんに振り返った。

 

「……ありがとうございます、俺に……俺に……、お金をいっぱい使わせてくれて! とりあえずお酒飲めるお客さんに高い酒出してあげてください。浴びるほど出してあげてくださいませ!!」

 

「お前さん、なんか疲れてねえか?」

 

 店長さんが軽く引いている中、カズヒが苦笑いを浮かべながら九成を後ろに引っ張った。

 

「御免なさい、店長。ちょっとこの人お金に振り回されすぎてて」

 

「まぁ、払えるってんならいいんだがな? それでいいのか?」

 

 店長さんすいません。

 

 九成、数千億もお金を持っていてちょっと情緒不安定なんです。お金を使わないといけない強迫観念に縛られてるんです。

 

 まぁ、この店の値段とかを見る限り余裕だろ。高級店というよりは大衆向けって感じだし。

 

 さて、文字がちょっと不安だから、メニューを適当に見ないようにしないとな。

 

 と思っていると、なんかさらりと日本語で書かれたメモ帳が差し出された。

 

「簡単に日本語訳を用意したよ、使いたまえ」

 

 ……国家元首がメモくれたよ。親切過ぎません、この人。

 

「ありがとうございますわ、サハロフ首相。親日家と伺っておりますが、日本語もお上手ですわね」

 

 流石リアス。こういう時も手慣れたもんだ。

 

 そしてこの首相、親日家だったのか。そういえば、日本語も綺麗に書かれてるしな。

 

 サハロフ首相も、にっこり微笑みながらメニューを確認する余裕があるぐらいだ。

 

「日本には留学経験もあるのでね。あの経験があるからこそ、何とか国家を運営することができたものさ」

 

 へぇ~。日本の留学で国家運営ができるぐらいに成功したのかぁ。

 

「君達の国にも問題がないわけではないが、それでも世界的に見て極めて高い水準のいい国だ。私達もそれを参考に、一歩ずつ目指したいと思っている」

 

 そ、そんな風に言われると少し照れるな。

 

 ……でも、そうだよな。

 

 悪魔社会や吸血鬼の里、そういったところを見てると、俺って結構恵まれた生活をしていたんだって思い知る時は多い。

 

 寝る時に凍死する心配までするなんて、俺には考えもつかないしな。

 

 でも、この国だと数年前までそんな心配をする人達が何人もいる。

 

「その、俺って結構馬鹿なんで上手いことは言えないんですけど」

 

 ほんと、その辺りは困ったもんだっていうかなんて言うか。

 

 まだ二十年も生きてないガキで、知らないこともいっぱいある。それなのに上級悪魔になるとかで、ちょっとついて行けてないところもある。

 

 だけど、思ったことははっきり言った方がいいかもな。

 

「そんな良い国に生まれた者として、まぁ世界に恥じない奴になりたいって、そんな気持ちになりました」

 

 う~ん。自分でもどういったらいいのかちょっと悩む。

 

 でも、俺達の国を良い国だっていうのなら、そんな良い国に住んでる人としては恥ずかしい真似はしない方がいいよなぁ。

 

 そんな気持ちを何とか言葉にしてみたけど、これでいいんだろうか。

 

「……リアス嬢。良い連れ合いに恵まれましたな」

 

「ええ、自慢の愛する男です」

 

 よかったみたいだ。よかった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なるほど、蕎麦掻もこんな風にするとこんな味になるんですね」

 

 小猫ちゃんが一心不乱に、洋風にアレンジされた蕎麦掻を食べている。

 

 実際、実に美味しい。元々ロシア近辺は蕎麦粉を使っていることが多いとはいえ、ここまで美味しく仕上げるとはね。

 

 確か、カズヒが貰った蕎麦粉で蕎麦掻を作ってたところから発想を得たと聞いている。それでここまで美味しい料理を作れるのだから、才覚も努力もしっかりと持っているんだろう。

 

 この味はとても参考になる。今度アレンジしてリアス姉さんやイッセー君に食べさせてみよう。

 

「……それで店長? カズヒってばその頃はどんな感じだったんですか?」

 

「写真とか取ってあったりしません? あるならちょっと見せて欲しいんですけどぉ」

 

 と、その美味しい料理を作った店長は南空さんとリーネスに絡まれていた。

 

 ……この国の法律上、ここなら二人もお酒を飲める。なので飲んだ結果、からみ酒になったようだ。

 

「お、おう? まぁあるっちゃあるが……そんなに気になんのか?」

 

「「もちろん!!」」

 

 完全に押されているね。これはフォローを入れた方がいいのだろう。

 

「二人とも? あまりご迷惑をかけないように。……カズヒもキレるよ?」

 

 本当にキレそうだし、きちんと釘を刺しておいた方がいいだろう。

 

 カズヒにとって義理の親ともいえる人物。更にそんな彼らしか知らないカズヒの姿がある。となれば、二人がテンションをおかしくしてしまうのは仕方がない。

 

 そこに酔っ払いのテンションがあればこうもなる。だから少しは見て見ぬふりをした。

 

 ただ、これ以上はカズヒが怒りかねない。そうなる前に止めてあげるのが人情という物だろう。

 

「そうだよ。二人とも、ちょっと落ち着いてね?」

 

 と、そこでオトメさんも止めに入ってくれる。

 

 困り顔だけどムッとしており、ちょっと怒るようにたしなめてくれた。

 

「「……ぐぅっ」」

 

 二人揃って、オトメさんにまで言われたら強くは出れない。

 

 しぶしぶ引き下がるのを確認してから、オトメさんは店長に頭を下げる。

 

「二人がすいません。カズヒのことが大好きなので、ちょっと抑えがきかなくなったみたいです」

 

「まぁ、そういう事ならしゃぁねえか。で、アンタは気にならないのかい?」

 

 と、店長はそう切り返す。

 

 オトメさんもまた、カズヒのことを大事に思っている。それをなんとなく察しているのだろう。

 

 ただ、オトメさんは小さく首を横に振る。

 

「気にはなっています。でも、感謝している人に失礼な真似はできませんから」

 

 その言葉に、後ろでリーネスと南空さんがもの凄く気まずそうな表情になっているのが見えた。

 

 カズヒがストリートチルドレン時代、酷い犯罪行為に手を染めることなくやっていけたのは、ひとえにこの店のおかげともいえる。

 

 相応に気を使ってくれた。より厳密に言うなら、一人の従業員として可能な限りちゃんとした待遇で扱ってくれた。その一本筋の通った接し方があったからこそ、カズヒ達は人として一線を引いた生活が送れたのだろう。

 

 すなわち、彼はカズヒにとっての大恩人だ。オトメさん達が感謝するのも当然。無体な真似は本来できない。

 

 そういうわけでオトメさんは二人を引っ張っていったので、僕はフォローに回ることにした。

 

「本当にすいません。二人はカズヒのことが大好きなので、色々と聞きたくてたまらなかったんでしょう」

 

「そうか。……ま、それは良い事だな」

 

 そう返すと、店長は離れたところで何やら人に囲まれているカズヒを見た。

 

 ……九成君達の対応で、今回この店での注文は全部九成君が持っている。

 

 たまには大金を使わせないと、九成君がバグりかねない。なので、こういった形でお店の売り上げに貢献する方法をとったらしい。

 

 そして、そんなことになっている間に来たグループが、カズヒをもみくちゃにしている。カズヒの方も、無理やり引き離そうとしない当たり知った仲のようだ。

 

「彼らは?」

 

()()()()()()うちの元従業員だよ。独立して以来、孤児の類に支援事業が広まってんだ」

 

 そういう事か。

 

 教会も手を差し出したようだけど、政府からも支援がなされているわけだ。

 

 そして、その結果が目の前の人達だ。

 

「大抵の連中は手に職つけてるんだが、結構な頻度でわざわざ食いに来てくれてんだ? おかげでこっちも潤ってるぜ」

 

 ……流石はカズヒが面倒を見ていた子達だ。

 

 かつての恩義を忘れず、更に世間様に恥じないような生き方もしている。

 

 ふふ、それはもみくちゃになるわけだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ふぅ。

 

 ニ十分ぐらいもみくちゃにされたけど、久しぶりに旧交を温めるのは良い事だわ。

 

 もう少し頻繁に来るべきかしら? とりあえず、何もなくても夏休みには一度戻ってきた方がいいでしょうね。

 

 そんなことを思いながら、私はちょっと一息をついている。

 

 ……でも、今日は良い日ね。

 

 そう思いながらほっと一息ついていると、空いたコップにウォッカが注がれた。

 

「良いダチに恵まれてんな、カズヒ」

 

「店長」

 

 店長の方を振り向いていたら、テーブルの空いた部分に適度なつまみの盛り合わせまで置かれたわね。

 

「同意見だ。少しほっとしているよ」

 

「首相まで」

 

 こ、これは困ったものね。

 

 何かしらこれ。成人した子供が親にからかわれている図に近いわね。

 

「君を見ていると思い出すよ。こんな足になった時、命まで失わなかったのは君の奮戦あってのものだ」

 

 首相にそう言われると、少しこそばゆいわね。

 

 あれはこの国の独立紛争。そこに少年兵として活動していた時。

 

 たまたま配属部隊が近かった為、私は何度か革命軍幹部だった頃の彼を何度も見かけていた。

 

 首相は政治的な立ち位置を重視しながらも、独立紛争後の支持率などを踏まえ、同志達と共に歩兵部隊に分散配置して戦っていた。同時に色々な国家や人と繋ぎをとり、例え直接的な協力が得られなくとも、様々な視点や知識を得続けていた。

 

 革命というのは起こしたら終わりではない。その後、政情をまとめて国を動かしていくことまでが必要だ。残念なことにそれを失念した反乱は数多く、幸運なことにシルヴァスタン共和国はそれを考慮した独立運動が起きていた。

 

 後先を考え、それを成せるように官僚となる者達を海外に留学させる。同時に彼らから知識を得たり、諸外国の識者達と繋ぎを作って初期の中枢に座る者達は学んでいた。

 

 その筆頭が彼だ。日本に留学経験がある彼は、歴史も学んだことでそれに気づいていた。だからこそ、革命後の政情をまとめる準備をしながら、そもそも革命を成功させ、まとめ役となる者達が支持を得られるように戦っていた。

 

 そんな彼が、ビルの一階付近で機械化歩兵部隊*1に追い詰められていた。私はそれを、隣のビルの五階ぐらいから見つけていた。

 

 私が所属していた分隊がビルの制圧を試みていた時であり、部隊が壊滅的打撃を受け、練度の問題もあって恐慌状態で散り散りになっていたのだ。可能な限り呼吸を整えて冷静さを取り戻している時に、私は隣のビルが奪還され返されたのに気づき、首相の窮地を悟った。

 

 足を吹き飛ばされ身動きが取れず、随伴する兵も壊滅寸前。そして彼を失えば、勝った後が上手くいくか不安になる。

 

 なので、私は魔術まで併用して奇襲を仕掛けた。

 

 こっそり神器に蓄え、宝石魔術用に魔力を込めてた小ぶりの宝石。それまで仕込んで奇襲を仕掛け、歩兵戦闘車(BTR)の砲塔及び履帯の片側を破壊。動揺している隙をついて、三人ぐらい一気に始末。結果として敵部隊は戦意をほぼ喪失し、増援も間に合った。

 

 もっとも、足を骨折したりしたのでぎりぎりだったけれど。割と大博打を打った自覚はあるわ。

 

 流石に足を失ったこともあり、首相は反乱軍からは除籍。他国との折衝で支援を取り付ける側に回り、そして最終的にこの国の首相に選ばれた。

 

 ちなみに私は勲章ものだけど、本職の方々が嫉妬に燃えても困るので辞退した。首相達も、少年兵が現実に英雄になるとリスクがあると判断し、了承してくれた。

 

 そこに至るまで、息抜きの場としてこの店を紹介したらこれだもの。流石に忙しくて一年ぶりみたいだけど、釣っかかってきたバカも馬鹿なことをしたものね。

 

「しかしだ。まだまだ国家としての盤石性は緩く、ギャングに全力は出せなかったとはいえ、この店に目をつけるとは。これからはもう少し頻繁に来るとしようか」

 

「面目ねえ。最近になって急に幅を利かせてきやがってな? 相談する前に突っかかられちまってなぁ」

 

 ほんと、どこの世界にも阿呆の一つぐらいはいるものね。

 

 首相も店長も頭を抱えているけど、いきなり出くわした私も頭を抱えたいわ。

 

「まぁ、安心して頂戴。大雑把な事情を把握したリアス達がフォローするみたいだから。……あのギャング達、もう終わりでしょうね」

 

 リアスは金も権力も豊富だし、何より基本的に正義の人物だ。あからさまな外道に容赦をするタイプでは断じてない。

 

 あのギャングはもうおしまいでしょう。おそらく近いうちに、合法的に壊滅するわね。

 

 ……まあ、手伝う気も満々だけれど。我が古巣に邪悪が仕掛けて、只で済むなどありえない。悪敵銀神(ノーデンス)らしく神罰でも下してあげるわ。

 

 でも、それはまた今度。

 

「まぁいいわ。さて、店長に首相」

 

 私はそう言うと、微笑を消しきれないまま周りを向く。

 

 そこにいるのは、私の大事な仲間達のどんちゃん騒ぎ。

 

 ええ、もう一度言ってあげてもいいでしょう。むしろ言いたくなってしまう。

 

「凄いでしょう? 私の自慢の仲間達よ」

 

 彼らを自慢したくなる。そんな気持ちに嘘はいらないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ~。

 

 ちょっとアルコールが回ってきていたので、俺は外の空気で冷ましていた。

 

 日本より遥かに北に位置するこの国は、必然的に気温が低い。だからこそ、外の空気で涼むこともできるわけだ。

 

 やっぱり、酒は気を付けて飲まないといけないな。ことスクリュードライバーは呑みやすくて、割と飲みすぎたかもしれない。

 

 酒は呑んでも吞まれるな。今後も気を付けた方がいいよなぁ。

 

 とりあえず、一度二日酔いになるセーフラインは見極めた方がいい。そうしないと、酒を楽しむのもちょっと苦労しそうだしな。

 

 ただ、俺っては星辰奏者だしなぁ。基本的に蟒蛇化しているだろうし、二日酔いになるまで飲むのも大変だ。うっかりすると急性アル中だし、調整がとても大変だろ。

 

 そう思いながらため息をつき、とりあえず涼めたので戻ろうとした、その時だった。

 

「………な……っ」

 

「……え………?」

 

 そこには、小柄な少女と向き合って、互いに絶句している三美さんの姿があった。

 

 あ、これもしかすると結構あれな展開?

 

*1
戦車に随伴可能な移動手段を持つ歩兵部隊




 そういうわけで、戦愛白熱編もこれにて終幕。終わりは次の不穏をにおわしてとなりました。






 割と大暴れしているカズヒ少年兵。まだ十代前半のそれまた前半レベルでありながら、魔術+神器ありとはいえ先進国製の機械化歩兵分隊を単独でぶちのめしました。

 本当は戦車及び随伴歩兵部隊をまとめて相手取る予定でしたが、さすがにこの段階だとやりすぎ&目立ちすぎと判断して下方修正。滅亡剣が星辰奏者になる前から戦車を肉薄して撃破したのをオマージュしております。









 そして、和地が見かけた不穏のかけら。

 次章の予告とも言えますが、次の章は今後の敵といった不穏要素をチラ見せまくる章にする予定。後継私掠船団も、そろそろ試合を見せたいです。
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