混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
和地Side
俺も会議に参加するべきかと思ったが、カズヒの言い分ももっともだ。
……あと、大半の女達が俺に対して生暖かい視線を向けてきたしな。なんだあの視線の集中砲火。自分で言う事でもないけど、その方向性はおかしくないか?
ま、それは置いといてだ。
俺はある人を探していると、どうやらいつも通り従者としての業務をしていたとメリードから報告を受けた。
で、今は大浴場の掃除をやっているとのことだったので向かってみるんだ……が。
「なんで水着祭り!?」
清掃作業をしているメンツ全員が水着だったので、思わず絶叫ツッコミを入れたよ。
「あ、和地様だ」
「ども! 持ってる水着を無駄にしない為、こうしてたまに着てます!」
「どうしました? は、まさかお手付き狙い!?」
メイドさん達ノリが軽いな!
いや、前向きに生きれているならいいことだけど。それはそれとしてツッコミ入れたいけど。
ま、それは置いといて、だ。
「三美さん、こっちだって聞いたけど」
……自分で言うのもなんだけど、これ八割ぐらい勘違いされないか?
そう思った通り、従者たちの反応はもはや黄色い悲鳴だった。
「あ、やっぱり! 行舩さん、おめでとう!」
「八割逆玉だよね! 頼れる仲間もいるし、よかったじゃん!」
なんか凄い事になってるけど、それはこの際置いといてだ。
「……和地様?」
三美さんはいつも通りの格好で仕事をしていたけど、それはこの際いいだろう。
とりあえず、俺がやるべきことは一つだ。
「時間はメリードに許可をもらって休憩時間を作りました。……ちょっと時間ください」
「……あ、これ告白とかお手付きじゃないかも?」
後ろうるさいな!?
あとなんで二人だけの場所を用意しようとしたのに、勘違いが治るのかな!?
とりあえず、プライベートが確保できるだろう場所を考慮。その上で変な勘違いが無いよう、俺の部屋にはしなかった。
「……なんでカズヒ様の部屋なんですか?」
「変な誤解をされないようにする為だからね!?」
だってこれぐらいしないと絶対誤解されるし。カズヒもその辺を考慮しているから、部屋貸してくれるっていったし。
ちなみに、いくつかの場所にぬいぐるみが置いていある辺り可愛らしいワンポイントができてる。この辺り、今からでも頑張っているんだろうなぁ。
だけど今は落ち着こう。そこにテンションを上げている場合じゃない。
「……単刀直入に聞きます。たけしま級に襲撃してきた奴に、知り合いでもいたんですか?」
もうその辺はすっぱりと行こう。
大欲情教団殲滅の際に、謎の食べ物怪獣と追跡していた禍の団が混ざり合ったあの乱戦。
あの時、禍の団が陽動狙いかたけしま級に仕掛けてきた。そしてその後、様子がおかしくなっていた。
しかも三美さんだけじゃなく、白雪の方も様子がおかしかった。
おそらくだが、共通する知り合いの姿を見たとかそんなところだろう。
……撤退されたから確証が持てない、そういったところだと踏んでいる。
「……白雪ちゃんから、なにか聞いてますか?」
と、三美さんから探るような言葉を聞いた。
「……昔大学でヤリサーにいたとか、三年で自主退学したとかは聞いてます」
ここは素直に言った方がいいと判断し、俺は白状する。
それを聞いたうえで、三美さんはどこかほっとした様子だった。
「そっか。なら、白雪ちゃんは何も知らないんだ……そうだよね」
あ、これかなりヤバイ地雷が埋まってる。
俺はそれを悟るが、もうこうなったら仕方がない。
腹をくくり、気合を入れる。
そして、俺は真っ直ぐに三美さんに向き合った。
「白雪からはヤリサーは任意だと聞いてますが、ケースバイケースだった……ってことでしょうか?」
「……はい。私の場合、新歓コンパで……無理やりされたのが最初でした」
……あ~も~……っ!
俺の周りの女性って、なんでそういうトラウマ案件が多いんだ。茶化して言えるタイプの黒歴史じゃなくて、元ネタ同様の忌まわしきレベルの過去じゃねえか。
というか、白雪は多分知らないな、これ。ギグシャクしてたのはこれも原因だな。三美さんは悟ってたから、尚更言いづらかったとかそんな感じだろ。
とはいえ、それは本題からずれている。
とりあえず、言い難そうだしあえて俺からずばずば切り込もう。最悪俺が恨まれればそれでいい!
「大体分かりました。つまりそんなことした下種野郎が、何故か禍の団にいたという事ですか?」
「いいえ、違うんです」
……というと?
俺がちょっと首を傾げていると、三美さんは顔を蒼くしながら少し肩を抱いていた。
「
「……幼馴染だとは聞いてます」
彼がいたというのか?
そう仮説を立てる俺だが、三美さんは俯き気味でそうではなかった。
「……いたんです」
その表情に、俺は呼吸を整える。
そして、三美さんは震える声で、それでも言った。
「お姉さんが。充の、お姉さんが禍の団にいたんです……っ」
……そういう事か。
衝撃を受けるには十分な理由だ。加え、色々と懸念材料でもあるだろう。
白雪の話では、例のサークルで現役だった者は行方不明になっている。それも、生存が絶望的な状況下で、だ。
最も、それが何で禍の団にってことになると疑問だ。全員とも限らないだろうがな。
ただ、間違いなく何かがある。それだけは間違いない。
だからこそだ。
「三美さん」
俺は、ここを違えるつもりはない。
「困ったことや力が必要なことがあるなら、俺
これは、はっきり言っていい。
「え、でも――」
「というか、勝手に無茶するようなら俺達も勝手に助けに行きますから。足並み乱れるんで、なるべく報連相はしっかりしてくれるとありがたいです」
そこははっきり言っておこう。
ま、個人的な問題がゴロゴロあるだろうからな。言いづらいのは当然だろう。
それでも、言えることはあるわけで。
「もう三美さんはこの家の一員です。なら、本当に困ったことがあるなら、力になりたいと思うのが俺たちなわけで」
安心させるように微笑んだうえで、俺はちょっと苦笑する。
「というか、ここにいる連中は甘やかすタイプが多いですから。カズヒだって、こうして部屋を貸すぐらいの気遣いはしてますからね?」
そういう連中がゴロゴロいるからなぁ、兵藤邸。
うん、勝手に三美さんが先走ってヤバくなったりなんてしたら、結構な連中が動き出すのが目に見えてる。
……うん、逆にそっちの方がグダグダになりそうだ。きちんと報告してくれるとありがたい。
それに、だ。
「第一、涙の意味を変える男が、チームメンバーの涙を放っておけるわけないでしょう? 愚痴ぐらいは聞きますし、やむを得ない鉄火場ぐらいは全力でカバーさせてください」
嘆きで生まれた涙の意味を、笑顔に変える救済者。
瞼の裏の笑顔に誓い、約束された勝利を刻め。
俺の根幹は、一切たりとも譲らない。こればかりは命がけで断行する。
ああ、そうだ。
それに言わなきゃいけないこともあっただろう。俺としたことが忘れてたな。
「三美さん、それと後二つ言っておきます」
俺はそう前置きして、三美さんの目を見て言う。
「勝手に過去を探ったことは謝ります。そして、もう一つ」
ある意味こっちが本題だ。
「その過去において、貴女は間違いなく被害者だ。そこは誰にも否定させないし、されるわけがない」
そう、彼女は被害者だろう。
もしかしたら、そこから転じて加害者側に回ったことがあるのかもしれない。
でも、起点は被害者だ。それは決して違わない。
「貴女がその過去の中で罪を犯したのなら償うべきですが、同時に貴女が悪意に翻弄された被害者である事実も変わらない。なら、俺はそこには手を伸ばしたい……いや」
言葉を切り、俺は言い直そう。
「手を伸ばさせてもらう。貴女の涙は、俺が変える」
……言ってから、これ半分告白じゃなかろうかと思った。
だがまあいい。こうなったら覚悟を決めよう。
「……っ」
っていうか、泣かれた!?
あれぇ!? もしかして失敗!?
くそ、こうなれば土下座するしかないのか。謝り倒す覚悟がいるという事か!?
ちょっと混乱するけど、三美さんはその後小さく微笑んだ。
「ありがとうございます、和地様。その言葉だけでもだいぶ救われました」
そ、そう?
ちょっと安心したけど、そこで終わるのはあれだな。
「言葉だけで済ますつもりもないですよ? もし今後何かあるようなら、どうせイッセー達も動きますから俺もきちんと考えて動くんで、そこはよろしく」
どうせ、イッセー達も動くだろうしなぁ。
あいつら身内のピンチには全力投球だろうし。まぁ俺は政治とか国際情勢とか考えるけど、それにしたって、何もしたくないなんて考えじゃない。
彼女は理不尽な悪意に翻弄された被害者であることは事実だ。もしそのあと、彼女が他者に悪意を向ける手伝いをしたというのなら、その償いに手を貸すぐらいはしたいと思う。
だってそうだろう。この懲罰従者として関与しているということは、己の罪を償うという意思があるか、被害者であるという事実が根底にあるからだ。そこは上層部を信頼するしな。
その上で、少ない時間だが付き合いがあるからこそ、それを言っていいだろう。
だから、俺は彼女の味方側だ。容赦はなくても情けは持つ。
自分の考えをきちんとまとめていると、三美さんはまだ涙を浮かべてはいるが、その上で俺の方を見る。
「なら、一つ甘えてもいいですか?」
「具体的に? 相当の無茶振りじゃないなら頑張りますよ?」
さて、何が出てくるのかな?
イッセーSide
う~ん。ハーデスも戦力を拡張させていってるんだなぁ。
俺達もきちんと備えながら、アザゼル杯を乗り越えていかないとなぁ。
そんなことを考えながら、上級悪魔としての書類仕事をやっている。
リアスはスパルタだから、こういう時積極的に教えてくれたりはしない。苦労しながら自分で覚えなさいって感じだ。
正直大変だけど、頼れる敏腕マネージャーのレイヴェルがいるから何とかなっている。
「イッセー様、そちらの資料の束は主でなくても処理できます。半分は私が受け持ちますわ」
「オッケー。半分は俺の書類仕事の練習って感じだな」
敏腕すぎて、俺を休ませてくれないところはあるけどね。
ま、一年足らずで上級悪魔になったのは困惑だけど、上級悪魔は目標だったしな。遅かれ早かれ書類仕事もやることになってるか。
こういうのも日々の一環ってね! 頑張るか!
そうやって気合を入れていると、ドアがノックされた。
「お茶をお持ちしました」
入ってきたのは、エルメンヒルデだ。
少し前から俺のチームに入りたいって言ってきたんだけど、レイヴェルはマネージャー活動に終始させてる。
どうも理由に隠し事があるみたいで、レイヴェルもそこを懸念してるんだろう。ま、最初に会った頃は色々言われたし警戒もするよな。
ただまぁ、最初に会った頃とは雰囲気がかなり変わってるからな。……あと、シーグヴァイラさんが色々布教してるらしい。ちょっと大変だなぁと思ってしまう。
「……そういえば、今日九成和地から頼まれごとをしたのですが知っていますか?」
と、エルメンヒルデはそう指摘する。
ん~、あれのことかな?
「九成のチームメンバーがなんか悩んでるみたいだったけど、それかな?」
カズヒもその辺気にしてて、色々気を回してるしな。
そして九成はこういう時動くから、きっとフラグも立ってるんだろうなぁ。
ちょっと嫉妬心は燃えるけど、ま、何かあるなら俺も手を貸すか。力が必要なり大ごとになりそうなら、あいつならちゃんと言うだろうし大丈夫だろ。
でもエルメンヒルデに頼み事? なんかあるのか?
「どういった内容ですか?」
レイヴェルがそう言うと、エルメンヒルデも首を傾げている。
「バルトリ家当主になった、エルトーナ・バルトリと連絡を取りたいそうでした。一応茶会は社交パーティで何度か会っているので、繋ぎを取りましたが、なんだったのでしょうか?」
ん~?
エルトーナっていうと、確かルーシアやアニルのチームにいた、女吸血鬼だったな。
ちなみに若人の挑戦チームは、先日リタイアを決定してアザゼル杯から途中退場した。
多くのチームメンバーが、精神的にいっぱいいっぱいになったみたいだしな。他にもリタイアしているチームはいるみたいだし、まぁ大変なんだろう。
なにせ神クラスも当たり前に参戦している大会だしなぁ。戦うだけで精神的にギリギリになる人もいるんだろう。ヴァーリみたいに強い奴でワクワクする奴らばっかりでもないだろうしさ。
ま、それはともかくだ。
ルーシアやアニルじゃなくてエルメンヒルデなのは、単純により付き合いがありそうな方だからってことだろう。
問題は、なんでかってことか。
まぁ、九成なら必要ならちゃんと言うだろうし、聞けば余程のことがない限りちょっとは答えてくれるだろう。
おそらく行舩さん絡みだけど、そこまでは今の俺だと分からない。
……ま、大丈夫か。
「気になるなら直接聞いてもいいと思うぜ? それとも、そのエルトーナって人と仲悪いのか?」
俺がそんな風に世間話的なことを言うと、エルメンヒルデはちょっと複雑な表情になった。
「エルトーナ・バルトリは元々変わり者でしたから。もっとも、現状は主流派になっているとも言えますが」
ふ~ん。
まぁ、クリフォトのテロで吸血鬼は大打撃を受けている。
それまでの圧倒的な自主族優位主義や選民思想が一気に崩れ、他勢力に頭を下げて援助をもらっている状態だ。
つまり、エルトーナは元々多種族に寛容な方だったという事か。
……最初に会ったエルメンヒルデのことを思うと、絶対そりが合わなかったろうな。
ま、これ以上深く聞くのも野暮か。
そう思ってると、通信が繋がった。
『イッセー、そろそろ時間よ?』
おっと、そういやもうそんな時間か。
今日は、曹操達がラツーイカ達が試合する日だった。
……大丈夫かなぁ、曹操達。
次回より、天帝の槍チームVS偉大なる冥府神の従僕チーム。