混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
でもまぁ、書き溜めはあるしこういうことも間々あるもの。当面は職場関連のほうに注力しつつ、書ける時に書いていこうと思っております!
Other side
英雄派の長、曹操は天才である。
これについては多くの者が認めることだろう。曹操はまごうことなく、人間の中では上澄みに属する存在だ。
最強の神滅具は確かに彼の大きな要素で、彼にとっても自身の根幹であった時期が長い要素だ。最強の聖遺物であり最強の神殺し。聖槍の保有者とはそれだけで一目置かれており、それをもっていくつもの鉄火場を潜り抜けてきた自負はあって当然だ。
まして、曹操は聖槍を独自の禁手に至らせている。本質を半分以上使わずに。歴史上永遠に最強の白龍皇となりえるヴァーリ・ルシファーに覇龍を使わせるほどの猛者。そして全てを使うことなく、単独でオカルト研究部の殆どを相手取った事実もある。
だが同時に、彼はある意味で普通だった。
かつて帝釈天は「普段はB級だが本気出せばS級」と、曹操を形容した。それはある意味で誉め言葉だが、彼の視点からすれば決して珍しくはあっても探せば見つかる程度でもある。そしてその上で「普段も本気もB級だが、必要な時にSSSを叩き出す」と兵藤一誠を形容し、それこそを評価していた。
そして兵藤一誠とヴァーリ・ルシファーは、神器保有者の歴史でも類を見ない、禁手や覇のその上に到達した、イレギュラー中のイレギュラーである。
覇を克服し、禁手のその先に至った兵藤一誠。覇を超越し、更なる高みに至ったヴァーリ・ルシファー。そして両者は、二天龍と分かり会い、龍神と絆を結んだことで、更なる高みであるD×Dへと到達した。
それに比べれば、禁手どまりの彼は確かに普通だろう。比較対象があまりにイレギュラーなだけだが、確かにそこまで飛び抜けてはいない。
普通という表現が正しくないなら、特別、というべきだろう。それは確かに優れているが、あくまで優劣という直線上。文字通りの異常たる現二天龍には遠く及ばない。
……だが、それをもって曹操が弱いとするなら、それは目が曇っているか視点が違いすぎるだけである。
曹操は神器について大した知識もなく、目覚めた直後に異形を打倒した。
曹操は幼い身で世界を放浪し、数多の勢力に目を付けられながらも潜り抜けてきた。
曹操はいまだ若い青年でありながら、寄る辺なくした英雄の末裔や後継足ろうとする者達が集う、英雄派の長である。
間違いなく、「世界最強の人間」を決めるとすれば名が挙がる人物。そして超常の存在を超えんとする、英雄派の長。
止まるわけがない。留まっているわけがない。
ゆえに、当然彼は作り上げるのだ。
テクニックタイプの極みが到達できるその新境地。その筆頭たる曹操に、到達できぬ道理なし。
イッセーSide
蒼い飛沫を放った曹操は、それを作り出した。
またがっているのは一台のバイク。そして、腰には独特な形だけど間違いなく一つの機能を持っているベルト。
それを見た壱崎も、警戒の色を濃くしていた。
『到達していたのね、それに』
『まぁね。これぐらいは到達しないと、英雄派のトップは名乗れないんだよ』
そう返し、曹操はアクセルを吹かしながらプログライズキーも取り出した。
『CHALLENGE!』
『変身』
装填したプログライズキーが解放され、ライダモデルが装甲を具現化。
その瞬間、曹操は仮面ライダーに変化する。
そう、あれは仮面ライダー。レイダーとは異なる、より洗練された戦闘プロテクター。
神滅具の力で到達した、曹操の為の仮面ライダー。
『仮面ライダー孟徳、参る』
『Let’s go beyond the mountain』
その瞬間、戦闘は一気に曹操有利に進展する。
バイクにまたがった曹操は、壱崎よりも素早い動きで一撃離脱戦闘を開始。壱崎も防御とカウンターに徹底した切り返しを行うけど、曹操の方が読みが早い所為で、追い込まれていく。
『変身デバイスとバイク。なるほど、防御と移動をカバーする残神という事かしら?』
『ああ。俺の
互いにすぐに分かりながら、でも攻撃は更に一方的になっていく。
曹操は素早い切り返しの一撃離脱戦闘をこなしながら、壱崎虎美を追い込んでいく。
すげえ。リゼヴィムみたいな対神器能力を持っている相手に、曹操があそこまで戦えるなんて。
やっぱりあいつ、強いよなぁ。
「……むぅ、よもや奴までもが残神に到達するとはな。また強くなっていくな」
ゼノヴィアが困り顔になっているけど、一応今は味方だし大丈夫だろ。
それに、あいつが簡単にやられるところを見るのはちょっとな。
「なるほど。これは地味に厄介な残神ですわね」
でもレイヴェルも感心気味だったり。
ま、バイクと仮面ライダーってのはそれなりに凄いとは思うけどそこまでか?
俺はちょっと疑問だけど、レイヴェルからするとかなり脅威らしい。
「彼の欠点は種族的な弱みによる、耐久力と持続力の相対的な低さ。ですがそれをプログライズキーとバイクにより改善している上、プログライズキーの併用が前提故に残神としても高性能ですわ」
な、なるほど。
つまり、残神としても高性能で、更に曹操の弱みをカバーしてるってことか。
更にプログライズキー分が強化されているから、なおのこと強くなっている。曹操らしい、隙のない構成だな。
そしてその隙のない構成は、壱崎を間違いなく追い詰めている。
かすり傷が少しずつだが増えていく中、曹操は決めるつもりらしい。
振われる攻撃は刀をすりむけるように振るわれ、そして壱崎に迫り―
『それを待ってたわ!』
その瞬間、槍を吹き飛ばしながら壱崎は曹操に組み付いた。
……あの女、今の今まで加減してやがったのか!?
たぶんだけど、曹操に隙を作らせる為。その為に、壱崎は神器無効化を弱くしていた。
たぶん、武器だけじゃなく生身にも全力で組み込むことができた。だけどそれで曹操が警戒する可能性を見越して、あえて出力を弱くしてかすり傷ができる程度にとどめたんだ。
そして曹操が決めに来たところに全力で突貫して、決定打を与えられるようにした。
おいおいまじかよ。あいつ、どんだけ戦いで頭が回るんだ!?
「……曹操が、負ける……?」
『な、なんと!?』
イリナとボーヴァが戦慄する中、曹操の背中から刀の切っ先が生える。
急所は避けてるけど、あの刺突は深手だ。
あいつが負ける、負けるってのか?
『私の勝ちよ』
静かにそう告げる壱崎は、左手に脇差を抜いて叩ききる体制に入り―
『いや、そうでもない』
『CHALLENGE!』
―その瞬間、曹操もまだ諦めてないことを示した。
七宝の球体がベルトを動かし、起動するプログライズキー。
壱崎が気づいてすぐに攻撃に入るけど、曹操の動きは一瞬だが早い
『トラベリングジャッジメント!』
ト
ラ
ベ
リ
ン
グ
ジ
ャ
ッ
ジ
メ
ン
ト
間一髪、曹操の蹴りが早い。
壱崎もそれに気づいて状態を逸らすけど、威力を殺しきれず宙を舞う。
『どうやら、出力を徹底的に高めれば貫けるようだ』
そう悟った曹操は、聖槍を構える。
『悪いが、ここは俺の勝ちだ』
そしてそのまま切っ先を壱崎に向けて―
『いえ、私
―壱崎は勝ち誇った。
和地Side
その時、俺達は気づいた。
曹操が決定打を討とうとしたその瞬間、ほかの英雄派と戦ってたメンバーのうち、四人が即座に曹操に向かって突貫している。
誰もが、深手を負うことになろうとかまわず曹操に突貫することだけに集中する。気づいた英雄派のメンバーが止めようとするけど、他の連中が援護までしている所為でリタイアまでには届かない。
そして同時に、ラツーイカが微笑んだ。
『更にダメ押し!』
その瞬間、ラツーイカが四つの蛇を生み出し飛ばす。
それは四人のメンバーに絡みつき、そして絶大な力の上昇を齎した。
オーフィスの蛇を参考にした強化かと思った。だがそうではないとすぐに気づいた。
増幅されるオーラは神器のものだ。つまりあれは、神器の増幅に特化している。
そしてラツーイカ・レヴィアタンは魔王末裔。
……おいおい、冗談だろ。
「
英雄派が魔王血族の血液を用いて開発した、神器のドーピング剤。
確かにあり得る。魔王の力を流し込むことで神器を強化するのなら、絶対に血液でないとダメってことはないだろう。
だがそれにしても、そう来るのか。
曹操も気づくが、しかしわき腹を刺されているため反応が一手遅れる。
四方からの一斉攻撃。それを裁く余裕は曹操にない。
曹操最大の欠点は、耐久力の低さ。
最上級悪魔クラスどころか、上級悪魔クラスの攻撃ですらクリーンヒットが致命的。仮面ライダーとなることでだいぶ克服できただろうが、残念なことに壱崎の攻撃はそれをすり抜けた。
ゆえに、曹操にそれを防ぐことはできず―
『天帝の槍チーム、王の退場を確認。偉大なる冥府神の従僕チームの勝利です』
―その戦いは、曹操の敗北に終わる。
曹操、勝負に勝って試合に負ける。チーム戦であることを念頭にプランを練っていたラツーイカたちの作戦勝ちといえます。
ラツーイカの隠し玉。業魔人が魔王の血を持って作られているのなら、こういうことも可能かと思って出してみました。これを速攻で使うのではなく、タイミングを見極めて一気にたたきつけられたことで曹操は敗北。
だがしかし、一瞬とはいえ袋叩きにされてようやくという事実は変わらない。曹操の非サウザー系仮面ライダーはかなり前から考慮しておりましたが、リモートライザーを使わせる予定だったのを残神の思い付きもあってそっち重視に変更いたしました。