混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
さぁ、今週も頑張って書いていくんで、よろしくね!
イッセーSide
俺達は、ちょっと落ち着いてから
亜香里や有加利って子達もだけど、九成達のザイア時代の先輩も運ばれているからな。様子ぐらいは見とかないと。
まったく。漸くミザリやリゼヴィムも倒して、少しは平和になったと思ったらこれだ。世の中嫌なことはいくらでもはびこってるんだな。
「……九成達、大丈夫かな?」
俺がつい呟くと、隣を歩いているシャルロットが頷いた。
「心配ですね。和地君はともかく、鶴羽さんは相当沈んでそうです」
「そうね。ソーナの話では相当取り乱していたそうだもの」
ソーナ先輩から話を聞いているリアスも、顔をしかめている。
匙も慌てて止めに入るぐらい、聖杯を過剰使用してたみたいだしな。下手したら精神汚染が酷いことになっていたかもしれない。
……ったく。禍の団が収まったと思ったら、訳の分からない事態に夫従妻隷会。やってくれるにもほどがあるぜ。
「そういえば、今回の事態はどういう風にまとめるのかな? 国際レーティングゲーム大会にも影響は出るかもしれないけど」
「それはないみたいよ。今回の件、異形が絡んでいるけど大きな関係はないってことになるみたい。ほら、国家間の紛争があってもオリンピックとか開催される時があるっていうのと同じ感じで」
木場の懸念にイリナがそう答えると、リーネスもそこは頷いていた。
ちなみに今のリーネス、俺達駒王町における堕天使のトップだ。アザゼル先生から直々に駒王町における後任にするという書状があったらしい。それに今のリーネス、神の子を見張る者でも結構な権限を持つ準幹部ポジションになってるし、適任だ。
悪魔はリアスとソーナ先輩。堕天使はリーネス。天使や教会側はイリナ。彼女達が駒王町方面でのトップ役になるみたいだな。
そして俺ももうすぐ上級悪魔。なんていうか、俺の周りって凄い人が多いし、俺も凄い事になってるよな。
ただ、そんな凄い奴が揃っても、出来ないことはある。
いろんなところで悲劇は起こってるし、それを俺達だけで全部どうにかすることはできない。禍の団は大打撃を受けているけど、禍の団だけが悪い奴らってわけじゃない。世界中に悪い奴はいっぱいいる。
分かっちゃいるけど、こういう経験をするとちょっと嫌な気分になっちまうよなぁ。
「……はぁ」
「イッセーさん……」
ついため息をついてしまうと、アーシアに心配されちまった。
いかんいかん! アーシアを心配させてどうするんだ。ダメだろそれは。
「俺達に出来ることがあるか分からないけど、なんかできることがあったら、全力でサポートしようぜ?」
「そうですわね。私も微力ながらお手伝いしますわ、イッセー様」
レイヴェルも頷きながら、その辺りを確認する為かメモを取り出して確認を始める。
さて、そろそろ九成や南空さんの先輩がいるっていう病室の方だけど―
あれ、誰か出てきたぞ?
看護師さんでもお医者様でもない感じだ。というより、見かけだけだと俺達より小さい子供っぽい。でも雰囲気とかから見ると、たぶん結構生きてる異形の人っぽいな。
「……藤姫?」
カズヒがなんか怪訝そうな表情を浮かべている。
えっと、藤姫ってどっかで聞いたことがあるような?
俺が首を傾げていると、朱乃さんが思い出したのか一礼する。
「お話は聞いております。道間のご意見番たる、死徒の祖であられる道間藤姫さまですね?」
ああ、それだ!
アザゼル先生と波長の合う、死徒のトップとかいう!
俺がそれを思い出していると、藤姫って人は不敵な笑みを浮かべながら、なんかポーズをとった。
もうこの時点で確信したよ。この人、アザゼル先生と気が合うし、何ならサタンレンジャーにゲストとして参加したがるタイプだ。
「い・か・に・も! 儂こそ道間のご意見番たる死徒の祖が一角! 道間ぁ……藤姫なのじ―」
「―申し訳ありません。ここは病人の方も多いので、共用部分であまり騒がしいことはお控えください」
そして後ろから看護師さんに怒られた。
「……これはすまぬ。以後気を付けよう」
そして素直に謝ったし。
なんか流れがしまらないなぁ。
そんな感じで俺達がちょっと反応に困っていると、看護師さんを見送った藤姫さんはこちらに振り返った。
「済まぬ済まぬ。適度にふざけるのが心を若くするコツじゃが、空気を読まな過ぎたわ」
あ、この人アザゼル先生やリヴァさんと同じタイプだ。
それとなく後ろを確認すると、みんながリヴァさんを囲んでいざという時取り押さえられる状態になっていた。
リヴァさん。口元が引きつってるけど自業自得っす!
「……それで、藤姫様はこんなところで何をなさっているのですか?」
リアスが代表して聞くと、藤姫さんはちょっとだけ首を傾げた。
それにこっちが首を傾げたくなっていると、何かに思い至ったのかはたと手を打った。
「……ヒマリの奴め、思い付きの独断で儂を引っ張ってきおったか。中々愉快な奴よのぅ」
「……なんかごめんなさい」
「すいませんでした……っ」
ヒツギとオトメさんが即座に謝ったよ。
とりあえず、ここに藤姫さんを連れてきたのはヒマリなのか。
あいつは一体何を考えてるんだ?
俺達がちょっと戸惑っていると、藤姫さんはなんて事のないように小さく微笑んだ。
「まぁよい。儂も少し用事がある故、詳しいことはあ奴らに聞くがよいぞ?」
そういうと、藤姫さんはそのまま外の方に向かっていく。手の平をひらひらと降ってくる辺り、中々豪快な人だな。
そんなことを思っていると、藤姫さんはこっちに顔だけを振り返る。
「まぁ、今後ちょくちょく顔を合わせることもあるじゃろうて。あ奴に関しては、道間に対して意見を通せる故丁重に扱うのじゃな?」
……ん~?
正直よく分からず、俺達はみんなして顔を見合わせる。
ただ、カズヒとリーネスは別の意味で顔を見合わせていた。
「……まさか、ヒマリってそういうことを?」
「……ありえそうねぇ……なんて荒業ぁ……」
な、なんだ?
とりあえず、魔術的に何かしたとかそんなことなんだろうか。
俺達がよく分からないでいると、二人は意を決して病室に足早に向かっていく。
「……はっ! も、もしかして?」
そして乙女さんが何かに気づくと、すぐに追いかけていく。
うん。とりあえず、魔術回路的なあれが大いに関わる何かをしたってことでいいんだろう。そう考えるべきなんだろうなぁ。
俺達はそれを悟ると、小さく頷き合った。
たぶん、ツッコミとか絶叫とかが出てきそうなことになってくるぞぉ?
カズヒSide
私は意を決すると、ドアをノックしてから返事を待たずに入ることにする。
道間藤姫。彼女がこの状況下で連れてこられたということは、一つの可能性を暗に示している。
それを確かめることも踏まえて部屋に入ると。
「……ぁ……ぅ……ぉぇ…っ!」
「大丈夫。俺も鶴羽もヒマリも、今ここにちゃんといるし受け止めるから」
「そうですわ。緋音さんは、今でも大好きな先輩ですわよ」
えづく少女を前後から労わる、和地とヒマリの姿があった。
そして同時に、その少女が人ならざるものになっていることも理解できた。
……なるほどね。
「あ~、なんかごめん。説明してからの方がよかったわよ……ね?」
と、少し離れたところで洗面器を洗っていた鶴羽が、気まずそうな表情を浮かべている。
私は安心させるように、軽く肩をすくめるにとどめておく。
「ま、それぐらいは和平も結んでるし問題ないでしょう。説教が必要ならリアス部長達がするでしょうしね」
「それもそうねぇ。それに、考えようによってはいい機会かしらぁ?」
そうリーネスも笑顔で言っているし、なら問題はないでしょう。
第一、説教するならまずはヒマリでしょうし。
「……えっと、つまりその子……死徒になっちゃったの?」
と、遅れてきたオトメねぇがそこの確認を一応する。
それに対し、鶴羽がしっかりと頷いて……そっと視線を逸らした。
「「「待ちなさい」」」
当然だけど、私もリーネスもオトメねぇも、そこに関してはしっかりと指摘する。
死徒化を治療の一環として使う。それはそれとしてアレではあるけれど、そこはいい。
死徒化と言ってもいくつか種類がある。死徒が血を吸って人を殺す際、自らの血を送って死徒にする場合。もう一つは魔術的措置で自ら死徒となる場合。まぁどちらもリスクはあるし、そもそも死徒の不老長命は悪魔とか異形のそれに比べると多々問題も大きいものだ。
自我を確立させているところから見て、藤姫はかなり厚遇をしたらしい。まぁヒマリはある意味で道間家の管理行き届きが思いっきり被害を与えているし、相応の条件なら引き出せるでしょう。藤姫も借りは返すという旨を言っていたし。
問題は、その時点で顔を背けるのならともかく、その後で背けることだ。
階梯の問題かしら?
確か死徒として上級である第Ⅶ階梯に届かなければ、死徒は親の命令に絶対服従。そういう意味では私たちが彼女を抱える際、政治的というか謀略的にまずいことになる。
だけどそれをやれば不興を買うと藤姫だって分かっているはず。
つまり、どんな手段を使ったかはともかく死徒として上級は確定。親に対して反抗することができ、場合によっては下克上もワンチャン領域たる上級死徒でないとややこしくなる。第Ⅶ位階に到達していると考えるべきなのだけれど、どういう事?
私がその辺りで怪訝に思っていると、リーネスはにっこり微笑みながら鶴羽の方を見た。
その視線を、鶴羽は直視できていない。
冷や汗すら流しながら逸らしている。
「えっと、何があったの?」
イリナがその辺りを切り込み、鶴羽も覚悟を決めたらしい。
盛大に肩を落とすと、手を伸ばして彼女の方に向ける。
「紹介するわ。彼女は
そして、凄い遠い目になった。
「今は藤姫さんの後継者。……第Ⅷ階梯の死徒よ」
「「「ぇえええええええええっ!?」」」
冗談でしょう!?
和地Side
ああ、なんか騒がしいことになっている。当然だけど。
「ど、どういう事なんだ? 何が凄いんだ!?」
イッセーがよく分かってないので素直に尋ねると、お袋が苦笑い気味でそれに頷いた。
「そのね? 死徒っていうのは人から外れる呪いの深度で、階梯があるの。 で、第Ⅷ階梯っていうのは祖の証明である
「……つまり、あの人って死徒版の最上級悪魔とかそんな感じ?」
イッセーがその辺りを解釈するが、たぶんちょっと違う。
「どちらかというと、
カズヒがその辺りを修正するけど、まぁそういう事だ。
俺も正直ビビっている。
道間藤姫、こちらに対する厚遇にもほどがあるだろうに。
これ、藤姫に何かあった場合に俺達オカ研が藤姫の死徒集団を乗っ取ることが理論上可能になったぞ。いくら詫びだからって、そこまでするか? やるやらないの問題じゃないとすら思うんだが。
正直俺も軽く戦慄しているが、今はそこは置いておこう。
俺はそっと、いまだえづいている緋音さんをそっとなで、落ち着かせる。
「大丈夫。少なくとも、ここにいる人達は緋音さんに危害を加えるつもりなんてないから、さ」
「……ぅ……ん」
そう答える緋音さんは、それでも震え、吐き気を殺しきれてない。
ついさっきまでは、吐くものなんて何もないのに無理やり粘液を吐くほどに精神が追い詰められていた。
まだ震えるその体。それだけで、彼女がどんな目にあったのか察するに余りある。
察してやりたいが、きっと俺達が察しているレベルを遥かに超えるレベルで酷い目に遭ったんだろう。死徒とかしたこととは別の意味で、その体が冷たく青い、酷い状態だ。
だからこそ、俺とヒマリはそっと抱きしめる。
「大丈夫。俺は緋音さんのことを信用している。ここは緋音さんを守ってくれるところだから、な?」
「そうですわ。悪魔の方々も多いですけど、みんないい人ですわ。大丈夫ですわよ」
後ろから抱きしめて宥めるヒマリも、優しい微笑で緋音さんを受け止める。
そして、緋音さんは少し儚く、だけど小さく微笑んだ。
「……うん。大丈夫……ううん、まだ大変だけど、ちょっと落ち着いた」
そうか。
素直でよろしい。そっちの方が俺としても向き合いやすい。
……と思っていたら、なんかちょっと騒がしいな。
なんだなんだと思っていると、看護師さんが急に入ってきた。
「た、大変です! 九成さん達は……リーネスさんもいましたか!」
慌てているその看護師さんは、そのまま転げそうになりながら部屋に入ると、声を上げる。
「申し訳ありません! 鰐川亜香里と望月有加利の二名が、脱走しました!」
「……はい?」
え、ちょっと待って。
今度は何だよ本当に!
ひと段落突く間もなくトラブル発生かぁああああっ!!
Other side
「……おお、アジュカ殿か。映像越しとはいえお初にお目にかかる」
『こちらこそ。サーゼクスやセラフォルーと会えば意気投合しそうな方のようで』
「それで、他の祖が大王派を経由して送った神血についてはどうじゃ?」
『残念ながらと言っておこう。あの血はあまりにも価値がある物だが、今の我々では代用品を作ることもできないだろうね』
「なるほどなるほど。他の派閥の祖はついてないようじゃ。……ま、それなら悪い事にはならぬじゃろうて」
『……リアスのところにいる、ヒマリ・ナインテイルから頼みを受けたと聞いたが』
「うむ。死徒化を回復の手段にするなどどうかしておるが、あれはそうでもなければ無理じゃったろうて」
『データは見ているが、やはり凄まじい改造だな』
「薬学投与でどうにかなるものではない。死徒化により復元呪詛が働いたが、あれは脳があまりにいじくられていたというほかないのぉ」
『そんな技術力はどこの世界にもない。……魔獣化も含めて、調べる必要がありすぎるな』
「大変なことじゃ。見舞いに酒でも差し入れよう」
『それはありがたい。だが、そんな神血を気軽に使ってよかったのか?』
「お主に言われるとはのぉ?」
『大王派を経由して聞いている。道間の死徒達が源流のいた時から持ち出した切り札となる特殊な血液。千年経とうと劣化せず、その血は小瓶一つ分で千年の蓄積に匹敵する質を持つと』
「そう。道間の祖が温存し、
『それはもう。こちらが強硬手段で道間の派閥を一つ乗っ取れる余地をあえて作ったのだ。その覚悟と大判振る舞いには応えるとも』
「なら、こちらは当面見物といういくか。……わざわざ乗っ取りができる余地を作ることで借りの利子まで返す勢いでやったのじゃからな。見せてもらうぞ、緋音・アフォガードよ」
前回書いたと思いますが、和地ヒロインについては「カズヒ」「一部ヒロイン五名」「二部ヒロイン五名」、もしくは「転生者三名」「メイド四名」「なんかすごいの四名」に区分けできるようにしていこうと決意しました。ある種のバランス調整です。
そして緋音・アフォガードは「なんかすごいの」に属します。主神の娘であるリヴァ側です。最終的に原理血戒を取り込んで祖の領域に到達させる所存。
もちろんそんなことは初手から普通は不可能に近いため、それに対するギミックとして立ち上げたのが「神血」です。その名の通り神祖という名の転生者どもがかかわっております。
裏を返すと、和地ヒロイン「なんかすごいの4名」はどいつもこいつもそんなクラスです。神話世界的にやばいのになる予定となっております。