混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 花粉が……きついっ!!

 そんな苦痛に耐えつつ、頑張って書いております!

 応援よろしくね?


新期来訪編 第七話 荒事一段落

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 なんでいきなり魔力が襲い掛かってくるんだよ!?

 

「……そういう事か、急ぐぞ!」

 

「なんか分かったのか!?」

 

 九成が慌て始めるけど、まぁ俺も正直ヤバいことは分かってる。

 

 だってあの子達の方にも攻撃が入っているしな! あと、何人か仮説キャンプの方に飛んで行っているし!

 

 これ完璧に敵襲だろ! それも、悪魔関係の!!

 

「なんか分かったのか!? こいつら、どこの連中だ!?」

 

「おそらく旧魔王派だ! 仮説だが、内輪もめが起きている!」

 

 内輪もめ?

 

 俺は走りながら鎧を展開すると、九成もショットライザーで素早く変身しながら続けてくれる。

 

 攻撃が意外と激しいから手間取ってるけど、これぐらいならそんなに時間はかからねえな。

 

「で、内輪もめってなんだよ!?」

 

「こっち側でもあるだろ! 純血に拘る連中ってのが!」

 

 ああ、なるほど!

 

 そういえば、サイラオーグさんの眷属にも人間との混血とかがいたけど、旧家の連中は嫌ってるって話があったな!

 

 お貴族様ほど純血とかに拘る印象があるけど、つまり―

 

「ハーフの魔王血族なんて勘弁ってか!?」

 

「話によれば、純血の末裔が本命で、混血は隠してたりしてたらしいからな!」

 

 なるほど。そういうことか。

 

 フロンズさん達が交渉でその情報を確保したけど、あの人達が掴めたなら当然魔王派の知らない連中だって掴めるはずだ。

 

 そして旧魔王派とか、混血のことが嫌いっぽいしな。だからなかったことにしたくて襲撃を仕掛けたってか!

 

 だったらさっさと安全を確保しないと! 絶対に死なせられるかよ! 

 

「保護は任せた、涙換救済(タイタス・クロウ)! 道は俺が突き破る!」

 

「よし任された! 頼りにしてるぜ、おっぱいドラゴン!」

 

 

 九成の予想通りなら、間違いなく抹殺狙い。

 

 だから、さっさと駆けつけて九成を護衛につけるのが一番だ。防衛戦なら九成はD×Dでもトップクラスだからな。

 

 だからこそ、開幕速攻!

 

「開幕速攻、ドラゴンショットッ!」

 

 俺がかなり力を込めたドラゴンショットをぶっ放す。

 

 放たれる弾幕を吹っ飛ばし、彼女達の少し上を通るようにぶっ放す。

 

「先行け九成! カバーする!」

 

「任せとけ!」

 

 そう言うなり、九成は素早く飛び出した。

 

 ミザリとの決戦で無茶しすぎて死に、リーネスのおかげで堕天使化した九成は、黒い翼を広げてすぐに飛ぶ。

 

 ……もうあんなに飛べるようになってる。こんな事態じゃなけりゃぁ凹んでるぜ、俺。

 

 だけど、後ろを追いかけて俺達は―

 

「よし確保ぉ!」

 

「間に合った!」

 

 ―何とか付けたぜ!

 

「きゃっ!?」

 

「ひゃっ!?」

 

 九成が抱き寄せる様に水色の髪の子を庇う様に前に出て、俺は後ろの方にいた桃色の子をキャッチする。

 

 あ、一緒にいたのは後継私掠船団のラムルか!

 

「誰かと思えばお前らか? まだ呼んでなかったんだけどよ?」

 

「脱走した病院にたまたまいてな。慌てて探してたんだよ」

 

 九成がそう言う中、ラムルは小さく頷くと、そのまま一歩前に出る。

 

「ま、そういう事ならさっさと安全圏に下がりな。まずは要救助者の安全確保ってな」

 

「え、いいのか?」

 

 俺は流石にそう返す。

 

 いっそのこと俺達も参戦した方がいいんじゃないか?

 

 そう思うけど、ラムルはため息をつきながら肩をすくめる。

 

「あんまり人の仕事をとるなって話だよ。それに、場慣れしてねえ奴を殺し合いの現場に置くのもあれだろうが」

 

「なるほど正論。……イッセー、離脱するぞ!」

 

「お、おう! でも自衛隊の方は?」

 

 俺はその辺ちょっと気になったけど、その時足音が聞こえてきた。

 

「敵部隊及び要救助者発見! これより戦闘に移る!」

 

「野郎、人様の国で好き勝手してるんじゃねえ!」

 

 自衛隊の人達か? なんか見慣れないレイダーになってるな。

 

 そういえば、独自開発のプログライズキーを作るって話になってな。あれか!

 

「なめるな人間風情がぁっ!」

 

「猿め、さっさと死ぬがいい!」

 

 旧魔王派の連中も攻撃を加えようとするけど、その時あらぬ方向から撃ち抜かれた。

 

 あ、あの人達囮か。

 

 いつの間にか十字砲火になってるし。やっぱり訓練している本職なだけあるな。

 

「流石はプロの自衛隊。世界的に実力を認められてるってだけあるな」

 

「同じ日本人として尊敬するよなぁ。いや、元だけど」

 

「……流れるようにノールックキルしながら言うか?」

 

「「……え、えっと……?」」

 

 俺も九成もラムルも、とりあえず寄ってくる連中を吹っ飛ばす程度はできるんだけどね。

 

 やっぱこう、積み重ねが生む深みっていうの? ベテランの人達だからこその強みってあるよなぁ。

 

 特に俺、戦闘訓練とか一年もしてないし。なんなら実戦を経験した方が早いし。

 

 そんでもって、ラムルは肩をコキコキならしながらニヤリと笑う。

 

「ま、そういうわけだからこっちは十分だ。つか、アンタらが暴れると手柄が上げれねえから下がれマジで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 実際、十分で撃退したみたいだ。それも死者無しで。

 

 ……装備さえしっかりしてれば、やりようはあるんだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自衛隊の仮説キャンプで、俺達は一旦待機することになっていた。

 

 まぁ事態が事態なので、事情聴取の必要がある。鰐川亜香里と望月有加利は、勝手に閉鎖地帯に入っているから厳重注意も込みだ。これでもかなり厚遇されている方だろう。

 

 で、俺は今リアス部長に報告中だ。

 

「……と、いうわけで俺達は一旦待機中です。一時間ぐらいしたら戻れると思います」

 

 ちなみに、その間に晩御飯までごちそうになる流れだ。俺達の立場とか状況を分かってくれている方々だったので、心遣いに感謝して甘えることにしている。

 

 自衛隊って食事も結構いけるらしいしな。今日の晩御飯は五目御飯・鰤大根・ごぼうのきんぴら・豚汁だそうだ。美味しそう。

 

 とりあえず鎮圧が終わっているのも含めて報告し終え、聞いたリアス部長は軽く安堵の息を吐いているようだ。

 

『分かったわ。イッセーは今、あの子達についているのね?』

 

「それはもう。誰かついておくに越したことはないですしね」

 

 どっちが報告するかについては若干悩んだが、俺の方がこういった作業に長けているということで決定した。

 

 あとはまぁ、イッセーの方がこういう時向いているだろう。

 

 あいつは体当たりでぶつかっていくことしかできないところはあるけど、純粋な人柄ゆえの強みっていうのがあるからな。

 

 理知的に立ち回るのはあとでもいいさ。今は、あの二人も落ち着く時間が欲しいだろうしな。

 

 ただ同時に、通信の向こうでため息が聞こえてくる。

 

 ……言いたいことは分かる。

 

「フラグ、立ちそうですよね」

 

『あなたも含めてよ』

 

 畜生、ぐうの音も出ない。

 

 可能性はあるんだよなぁ。イッセーはもちろん、俺もハーレム野郎だし。

 

 いやまったく。我ながらこういう時に女殺しになるというか。クソ親父との血の繋がりをこんなところで感じてしまうというか。

 

 まぁそれはともかくだ。こっちも言うべきことは言ったし確認しとこう。

 

「……ちなみに、緋音さんは大丈夫ですか? いえ、そのままの意味でもあるんですけどリヴァ先生的なところが」

 

 その辺りの確認は必須だろう。

 

 本当なら、まずは緋音さんについていたいというところもある。

 

 あの人はそもそも、ザイアの教育を結構受けていた人だからな。だからサウザンドディストラクション後、自分は無理だと記憶消去を望んでいたんだ。異形に対する抵抗はかなり強いだろう。

 

 更にとち狂った犯罪集団によって改造までされているうえ、自分が死徒という異形に成り果てた。何故そうなったのかについては分からないところも多いが、どう考えても精神的に負荷が大きいはずだ。

 

 そういう意味だとリヴァ先生は、ある意味適任だろう。あの人、良くも悪くも空気をユルくするのが割とできるだろうからなぁ。あの気質もあるし年季も違うから、たぶんリアス部長達が接するよりは気楽になれるだろう。

 

 ただ同時にトラブルメーカー気質だ。いや、その辺りの見極めはちゃんとしたうえでやるのがタチ悪いんだけど。だからこそまぁ塩梅はしっかりできると思うけど。

 

 ……ただ、色々あった直後だし、あんまり疲れさせるのはダメだよなぁ。

 

 ザイアの影響がデカ目の人物だし、異形が刺激を与えるのは避けた方がいいのが実情だ。自分が異形に成り果ててしまったこともあると、尚更精神的に不安定だろう。できればゆっくりしてもらいたいから、事情聴取以外は控えめに願いたい。

 

 そこがちょっと不安だったんだけど―

 

『そこは大丈夫ね。意外と話は弾んでいるわ』

 

 ―お、そうなのか。

 

 それは正直ほっとした―

 

『今は貴方を話のタネにして盛り上がっているわね』

 

 ―どういう展開!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自衛隊の仮設キャンプ。その一角で、ラムル・ルシファー・ゴールドリバーはコーヒーを片手に休んでいた。

 

 旧魔王派の横やりといったトラブルはあったが、今回も後継私掠船団はしっかり仕事をした。

 

 大王派……否、フロンズや幸香としても寝耳に水の事態だったが、最低限の仕事はしっかりと果せている。

 

 魔王血族が軒並み死亡したことで、理念の存続が不可能になったと思われた旧魔王派。彼らの寝返り工作で組織力の強化と禍の団に対する死体蹴りを試みようとしたら、発掘された人工的な魔王後継者の製造という地雷原。そこにわざと混血まで作るという暴挙じみた手法だ。

 

 これが明かされたことで、割とフロンズは忙しくなっている。

 

 魔王血族というのは、旧魔王派にとって象徴に等しい。

 

 その準決闘が尽く死に、ハーフや先祖返りとはいえヴァーリ・ルシファーや、自分にユーピが現政権側についている*1。この状況では魔王血族を尊ぶ彼らにとって、精神的に不安定かつ抱き込む余地があると思うのは当然だ。

 

 だが、純血の魔王をこの後()()()()されればややこしくなる。ハーフであっても尚更だ。

 

 そういったこともあり、フロンズは既存の対象を現政権が確保するべきと既に要望しているころだろう。

 

 問答無用の抹殺はない。敵対を決定するなら最悪殺すこともやむなしだが、問答無用で魔王血族を殺せば悪魔社会の民意が反発を起こす。ただでさえ現魔王の過半数が隔離結界領域に行っているのに、そんなやり方は下の下だろう。

 

 逆に協力を選んでくれるのならば、旧魔王派を切り崩す手段になる。こちら側に協力するのならそれなりの待遇を約束してもいいとフロンズは思っており、実際ラムルもそれなりに恩恵を受けている。今の悪魔社会から見ても、魔王血族が共にあるというのはそれだけでプラスに働く。

 

 マルガレーテのように魔王血族として動かないという事でも構わない。旧魔王派の手に落ちない備えは必要だが、その辺りさえ良しとするなら、不都合分の対価は支払う価値がある。

 

 そして、別にそれはフロンズの手元でなくていい。

 

 手元に二名*2もいるのだから、やりようは十分確保している。だからフロンズは自分達でなく、現魔王政権側なら誰でもいいと思っている。それこそ堕天使だろうと天界や教会だろうと、最悪別の神話体系や異形勢力でも構わない。

 

 なのでスカウトはしなくていいと指示を受けている。何故ならD×Dが接触しているからとも。

 

 なので、ラムルはコーヒーブレイクをしながらのんびりできる。

 

「……さて、あいつらはどう生きるかな?」

 

 ただし、彼女なりに少しは気にかかっている。

 

 なまじ魔王に縁のある者として、意識を全く向けないわけではない。また妙な縁で話をしてしまったので、少しだけだが持論を語ってしまった。

 

 無視するのならどうでもいい。そんな奴に意識を向けるだけ時間の無駄だ。

 

 だが、もしそれをきっかけに化けるのなら―

 

「好敵手の一人や二人はいないと、怠けちまいそうだからな」

 

 ―挑み超えるに値する、そんな存在になってほしい。

 

 そう、彼女は後継私掠船団(ディアドコイ・プライベーティア)。その筆頭戦力。

 

 掲げた字に近い、先達に勝利することを選んだ者達。己がまだまだ矮小だと、ゆえにこそ大いなるものを超えることを望む覇道の徒。光を目指す邁進者であり、断じて聖人君子ではない。

 

 ゆえに彼女は天を仰ぎ、その星空に歯を剥いた。

 

「超えて見せるぜ、ルシファー共。死んだリゼヴィムも、隔離されたサーゼクスも、アタシの格下にしてやるよ……!」

 

 そう、彼女が超えんとするのは、初代ルシファーにあらず。

 

 神器無効化能力(セイクリッド・ギア・キャンセラー)の体現者。クリフォトを率いた扇動の鬼才。リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。

 

 滅殺の魔弾(ルイン・ザ・エクスティンクト)の使い手。冥界を導いた紅髪の魔王。サーゼクス・ルシファー。

 

 ルシファーの字を名乗るのならば、超えるべきはたかが魔王にあらず。

 

 そんなを関す超越者。彼らを超えなければ話にならない。

 

「国際レーティングゲームにはぜひ参加だな。てめえも出るんだろう……ヴァーリ・ルシファー……!」

 

 そして、天龍に並ぶ邪龍たるアジ・ダハーカを滅ぼした者。

 

 明星の白龍皇、ヴァーリ・ルシファーが第一弾だ。

 

 まずは超越者にまだ認定されてない奴を超える。それこそが彼女の掲げる第一歩。

 

「いい世の中になったもんだ。超越者、真っ向から超えてやるぜ!」

 

 それこそが、光に狂った異常者としての彼女の在り方。

 

 黄金恒星(サンライト・ルシファー)。ラムル・ルシファー・ゴールドリバーの目指す覇道である。

 

*1
マルガレーテは制約もあるので除外

*2
マルガレーテは当然除く




 とりあえず戦闘はいったん終了となります。


 ……ただし後半にバトルはあります。



 そう、戦いの渦が沸き起こる!!

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