混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 書き溜めは結構あるけど、水曜と木曜は忙しくなるのでもっとためておきたいグレン×グレンでっす!

 さて、今現在の書き溜めは渦の団とやり会っている真っ最中です。一章は「第三部まで踏まえた布石」的な感じになりそうで、いい機会なので渦の団の連中を強化する方向性でいろいろとやってみたいところですね。たぶん今の流れだと、ヴァーリに強大な試練が迫ることでしょう……!


新期来訪編 第六話 モテる男にはモテる男の苦労がある。

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうこと? 詳しく説明して頂戴」

 

 リアス部長が促すと、呼吸を整えていた看護師さんは我に返る。

 

「は、はい! つい五分前に意識が戻ったのですが、記憶が曖昧だったのか混乱状態で、その状態で二人が再会したことで……」

 

 そこで言いよどみ、だけど言い切った。

 

「……結界を張っていたことが仇になりました。魔王血族に由来する魔力で吹き飛ばされ、死者こそいませんが全員が昏倒しており、対応が遅れました」

 

 頭を抱えたくなるというしかない。

 

 思わぬところで魔王血族がいて、それが妙な魔獣化事件で魔獣になり、一人の少年の決死の自己犠牲で{確証はないがそう形容するほかない}でどうにかなった。そして説明を受けて一旦こちらで預かる流れになったと思ったらこれだ。状況が錯綜しすぎている。

 

「とりあえず、まずは周囲の捜索ねぇ」

 

「そうね。魔王血族だって情報が洩れてたら、絶対よくない輩が探りを入れているわ!」

 

「……旧魔王派だってもはや一枚岩じゃない。祭り上げる神輿を探している可能性は大きいわ」

 

 リーネスにイリナにリアス部長の、駒王町側の代表三名がすぐに動く体制になっている。

 

 その際、視界の隅で和地が少し考えこんでいた。

 

 まぁ分かるわ。

 

 彼女達を保護したのは和地とイッセー。彼らならその辺もあって、探しに行きたいと思うでしょう。

 

 ただ同時に、アフォガードのことを考えると、自分が動く余裕がないことも悟っている。

 

 ……これは、私がカバーするパターンよね。

 

 まだ名も知らない彼に託されたのは私達である以上、むしろ私達こそが動くべき。和地にはまだ彼女を優先した方がいいでしょうし、これが妥当。そういった役割分担は大事よね。

 

「和地、こっちは任せて―」

 

 任せて頂戴と、言おうとした時だった。

 

「―行って……きなよ、和ちゃん」

 

 それより先に、アフォガードがそう告げる。

 

 あと和ちゃんって……和ちゃんって……。

 

「……ははぁん?」

 

 そしてリヴァ、何に気づいたのかしら?

 

「いや、緋音さん。今は緋音さんの―」

 

「大丈夫、とは言わないけど、今は……だいぶ落ち着いているから」

 

 和地の反論を遮って、アフォガードは力なく微笑んだ。

 

 小さく肩は震えている。ただその上で、彼女は確かに微笑んだ。

 

「私は一応……リーダーだからね。君を……きちんと活かすやり方を考えてるから」

 

 そこに在るのは、確かな信頼。

 

 流石は、私の愛する救済者。

 

 割と本質は分かりやすい。つまりはそういう事なのかもしれないわね。

 

「足引っ張るのも……趣味じゃないから。まず気になること片付けてから、私の相手をしてくれる?」

 

「……分かった。ちょっと待っててくれ」

 

 和地も珍しく根負けしたみたいね。まぁ、メンタルがゴリゴリ削れている相手に無理押しはできないし、仕方ないかしら。

 

「イッセー、付いて来てくれ。念の為に先回りしておきたいところがあるから、そこの確認だけしておきたい」

 

「……分かった。ま、俺もほっとけないし行かせてくれ」

 

 イッセーもこういう時判断が早いわね。

 

 なら、私達もやることをやっておくべきね。

 

「なら私達は周囲ね。そこからまずは―」

 

「いやいやボォス。私らは先にやらなあかんことありますでぇ?」

 

 なんか関西弁擬きでリヴァが肩にのしかかってきたんだけど。

 

 え、この状況でそっちする。

 

「……まぁ、別に全員で行くことはないわね。緋音(彼女)についておくメンバーも必要でしょうし」

 

 リアス部長、即座に納得しないで。止めて頂戴。

 

「あ、じゃぁリーネスと鶴羽も残してくれる? ほら、それなら検査的なのもできるし一石二鳥って感じで」

 

 なんだそのメンツ!

 

『『『『『『『『『『……ああ~』』』』』』』』』』

 

 しかもほぼ全員納得しやがった!?

 

「え、なに……これ?」

 

 アフォガードがついて行けてないし!? どういう事になってるのよ!?

 

「………ま、まさか!?」

 

「……そういう事なんだろうな。……おのれ九成、お前は何度俺の先を行く……っ」

 

 和地が愕然とし、イッセーがなんか悔しがっている。

 

 え、これ、そういう事?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々な後処理もあるので、俺達は用意してもらっていた車で移動する。

 

 そしてその中で、俺はぽつりと呟いてしまう。

 

「……緋音さん、俺のこと好きだったのか……」

 

「うん、お前本当に年上を落としすぎだからな?」

 

 イッセーに呆れられてしまった。

 

 いや、あの反応とかこの流れ、そう考えるべきだろう。

 

 なにせリヴァ先生が察し、あの場にいたカズヒやリーネスや鶴羽を意図的に残したんだ。これはもう確定的に明らか。あの人、緋音さんの異形に対する抵抗心を恋バナで緩める気だ。

 

 頑張れ緋音さん。あとカズヒとリーネスは何とかリヴァ先生の手綱を頼む。鶴羽は……ドンマイ。

 

 しかし、俺ってそんなにモテてたのか。これはむしろ、気づいてないことを心から反省するべきではないのか?

 

「……イッセー、モテるって大変なんだな」

 

「……ちょっと分かるかもしれない」

 

 俺達はちょっとだけ俯いた。

 

「いや本当に、ゼノヴィアの寝相でよくベッドから落とされてるんだよ俺だけ。……起きて俺のいないベッドで仲良く眠っているリアス達の姿を見ていると、新しい性癖を開拓しそうになる」

 

「ゴメンそれ方向性絶対違う」

 

 なんでそういう方向性なんだよ。そこじゃないんだよ。

 

 あとお前、ゼノヴィアの寝相を何とかする手段模索しろ。というより、流石に頻度が多いならきちんと指摘して対策を立てるべきだろ。

 

 ゼノヴィアもなんで器用にイッセーだけ蹴落とす。お前もうイッセーと同じベッドで寝るな。

 

「いっそのこと、SFみたいにドームで包まれる系統のベッド作ってもらったらどうだ? 神の子を見張る者(ウチ)なら喜んで作ると思うぞ?」

 

 創造系神器の要領で、人工神器的にできると思うんだが。

 

 ただイッセーは、なんか真剣に俯き始めた。

 

「突き破ることになったらどうするんだよ。絶対痛いだろ?」

 

「もうそれは、ゼノヴィアと一緒に寝ることを放棄するべきじゃね?」

 

 寝相は本人の意思ではどうしようもない。だが実害が出ているのなら、文句を言う権利はある。一緒になることを禁止する権利はあるだろう。

 

 笑い話とかそういうの抜きで、もろに実害が出ているなら少しは対策とかいろいろ考えた方がいいだろう。

 

 ……まぁ、寝相なんてどうしようもないからな。最悪ゼノヴィアだけ寝返りが打てないように拘束するとかぐらいか?

 

 ………。

 

「イッセー。ゼノヴィアなら「寝相で蹴り落とされてるから」って理由で拘束させても文句出なさそうな気がしてきたぞ?」

 

 あいつ、というか教会組、毎度毎度へんてこりんな方向に行っているからな。

 

 天界が堕天使の協力を受けて開発した、天使が子作りできる部屋に繋がるドアノブ。あの使い方があいつら致命的に間違ってる。そして間違い方から考えると……イケるんじゃないか?

 

 真剣にイケそうな気がしてきた。素直に理由まで言えば、割と成功しそうな気がしてきた。

 

 だってあいつら、ドアノブの使い方がおかしいからな。

 

 普通に誘って使うなりすればいいものの、何故か「夜中トイレに起きた時」だの「たまの一人の時間にプラモ創ろうとした時」だのを見計らっている。しかもコスプレをしてだ。

 

 当人に珍しくその気がない時を狙ってどうする。しかもそんなタイミングにアブノーマル要素を出すな。それではできるものもできないとなぜ分からん。桐生もアドバイスを遊び半分にしすぎだ。天然にからかいを混ぜるとややこしいことになるとなぜ分からんのだ。

 

 カズヒが説教するのも仕方がないだろう。何故あいつらはあいつらで、アドバイス対象を寄りにもよってそっちにする。

 

「……確かに」

 

 イッセーも真剣に考えこみ始めているし。

 

「……いや、脱線しすぎだろ! 今は脱走した子達の方をだって!」

 

 イッセーが我に返ってツッコミを入れるけど、まぁそうか。

 

 思わぬ方向からのラブ発覚に、俺もちょっと混乱してたな。反省反省。

 

 とはいえ、だ。

 

「可能性の一つを確認するだけだがな。まぁ、先回りできる余地があるならあそこぐらいだろう」

 

「……あの町、か」

 

 イッセーもすぐに思い当たるが、実際それぐらいしか当たりをつけられるところがない。

 

 ただ、心当たりがある場所を探すならそれぐらいだ。他にないと言ってもいい。

 

 彼女達が生まれた時から住んでいたというあの町。そして、彼女達自身が壊したと言ってもいいあの場所。

 

 今の彼女達の状況がどうなっているのか、俺達はすべてを理解できることはない。殆ど分からないと言ってもいい。

 

 だが、あの状態が異常であることは分かる。そして、死んだという少年はそれを元に戻そうとした。そこから考えれば、答えは三つだ。

 

「一つは、結局精神は戻ってないので同じことをする為の脱走。これなら遠慮する理由はない」

 

 これならいい。いや、悲しいことだが容赦する理由が無い。

 

 ただ、そうでない場合は……だ。

 

「二つ目。己の所業を信じたくないから、否定の為の確認。そして三つ目は―」

 

「―記憶そのものがないから、確認せずにはいられないってことか」

 

 イッセーもすぐに理解してくれたようだ。

 

 まぁ、そのどちらかであるなら……いる可能性はあるだろう。

 

 なにせ、あの町には駅がきちんとあったからな。駅名を覚えていれば、向かうことは不可能じゃない。その程度の距離しかない施設だったし。

 

 だからこそ、俺達は車で運んでもらっている。

 

 ただ、もしそうだとするのなら。

 

「……ショック、だろうな」

 

「そうだな。きっと……っ」

 

 正直、俺もイッセーも気持ちは沈んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達は、目的地に到着したんで車を降りた。

 

 運転してくれた人に待機と感謝を告げて、そこに足を進める。

 

 もう時刻は夜だけど、俺達は異形になっているから夜目は効く。月明りもあるし星も見えているから、割と分かっている感じだ。

 

 ……つまり、そういう状況でないなら周りが見えないぐらい暗くなる環境だ。

 

 元々周囲が山に囲まれていて、ちょっと閉鎖している感じな立地だった。だから、星明りが多い夜でなければ周りが見えないかもしれない。

 

 いや、こんなに暗いからこそ星明りが見えているのか。そういえば、都市だと街の明かりが強すぎて星が見えないっていう話を聞いたことがある。

 

 その町だった場所には、明かりなんて灯ってない。

 

 少し離れたところ、駅のあった場所には自衛隊の人達がキャンプを作っている。まだ何があるか分からないから、五大宗家の人達まで含めての仮設基地になっている。

 

 車もそこに止まっている。あと仮設基地の人に話を聞いたけど、流石に駅の近くには来ていなかったらしい。

 

 ……ただ、この光景を見たら足が止まりそうだよな。

 

 山に囲まれているから、山の上から見るってこともできるだろうし。恰好が入院患者用の服だったはずだし、駅は使ってない。異形の身体能力も確立しているだろうし、走ってきた可能性はある。

 

 だとすると、探すのも大変だな。

 

 そう思えるぐらい、目の前の光景は色々酷い。

 

 街灯とかが灯ってないのは、電線が破壊されていて電気の殆どが流れてないからだ。

 

 住居も、商店も、道路や塀も多くが壊れている。中心部の方には小さめだけど病院や図書館もあって、そういった施設も大半が被害に遭っている。

 

 結局のところ、魔獣化した人間の数は人口の一割に近かったそうだ。そこに魔獣化した人達に襲われたり、パニックになって事故を起こしたり。全体的な犠牲者は、確認されている死者だけでも人口の三割だとか。行方不明者まで含めれば半数を超えているらしい。

 

 ……酷い話だよ。

 

 はぐれ吸血鬼とかがたまに街そのものを支配とかでも、割合的には同じぐらいの被害が出ることもあるらしい。それも和平によって対策もできるだろうことを考えれば、これは最近稀に見る被害なんだろう。

 

 これを、彼女達が主導したってことになるんだよな。

 

「なぁ、あの子達って記憶あるのかな?」

 

「そこまではまだ分からないさ。もっとも、どっちだとしても相当ショックだろうな」

 

 九成も痛さを堪えている様な表情だ。俺もだろうけどさ。

 

 いっそのこと、あのままって感じなんだったら気持ちはましなのかな。

 

 でも、それじゃ駄目だ。少なくとも俺はそう思うし、九成だって似たようなことを思ってるだろう。

 

 俺も九成も会ってない。だけど、リアスやゼノヴィア、イリナやカズヒ、アニルの前で命を捨ててまであの子達を救おうとした奴がいる。その気持ち、俺も痛いほど分かる。

 

 それぐらい大事だったんだ。友達なのか、家族なのか、それとも恋人だったのか。誰であったのだとしても、本当に大事だったんだ。

 

 だから、だから……っ

 

「……イッセー」

 

 俺が拳を握り締めていると、九成が遠くを見つめて俺に声をかける。

 

 その視線の方を見れば、遠目にだけど桃色の髪と水色の髪をした女の子の姿が、もう一人の女の子と一緒に見える。

 

 あれは、あの二人か……?

 

「とりあえず行ってみるぞ。違ったならその時はその時だ」

 

「分かった。急ごうぜ!」

 

 俺達は確認しなきゃいけないし、急いで駆け寄っていく。

 

 ちょうど、その時―

 

 

 

 

 

 

 

 

「「なっ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―上から、魔力の砲撃が降ってきた!?

 




 お金持ちにはお金持ちの、権力者には権力者の苦労がある。ならばモテる男にはオテる男なりの苦労があるでしょう。

 たとえ自分が経験として持ってなくても、想いを馳せ知識を集めることでいったんぐらいは理解できるようになる。それが平和への未知なのかもしれないなぁ……と、ふと思ったりしました。
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