混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
さて、最近書き溜めも溜まっており、いろいろと考えながら立ち回っておりまする。
……そんなわけで豊富にあるけど、まずは一つ!
祐斗Side
「クロード長官とこちら側の冥革連合側がガブリエル様を含めて話し合ったことだけれど、春菜やデュリオ達には情報をなるべく伝えない方針になっているそうよ」
会議が進む中、カズヒがそう切り出した。
そこについては納得だね。僕達としても、できれば試合に集中してほしいし。
とはいえ、試合のマッチメイクと試合会場が判明しているのは痛い。これでは相手に襲撃場所を教えているようなものだ。
最も、それはこちらにとっても警備するタイミングが分かり易いということではあるけどね。
「とりあえずガブリエル様達は全体的な捜索と当日の会場内を担当するわ。こちらはマンパワーがあるに越したことはないしね。で、私達はピンポイント」
カズヒが映し出した映像は、試合会場周辺の地図になる。
今回の会場は、立地の面から都市部から離れており、周囲に住居などがあまりない地帯に設置されている。
となると、割と分かり易いね。
「つまり、私達は当日待ち構えて迎撃する担当ということね。分かり易くて何よりだわ」
「同感ですねぇ。それに、こちらもある程度は準備もできますし」
にっこりと微笑んだリアス姉さんとリーネスのいうことがすべてだろう。
僕達はこういう時に強いからね。そこに一点集中するのが最適解だ。
「……ちなみに、今回はある程度の広範囲連携が必要との判断がされているわ。同時にミゼル・グロースター達数名が関与すること及び、この情報を掴んだ潜入工作員が動くとのこと。あと教会からも外周警備の為に人員が配備されて、交換要員が動くらしいわ」
「冥界政府も現地だから、相当の人材を派遣してくれるわ。ちなみに天界の切り札チーム監督、リュディガー・ローゼンクロイツには話を通して、口裏を合わせたり眷属を派遣してくれるそうよ」
「それと、今回は大王派の管轄地ということから、道間家から数名が派遣されるみたいわねぇ」
と、情報伝達を行っているカズヒ・リアス姉さん・リーネスがまとめてくれる。
と、そこでイリナさんが勢いよく手を挙げた。
なんだろうか。どうも切羽詰まっている雰囲気だけど―
「ちょっと待って!? なんで私じゃなくてカズヒに連絡が来てるの!?」
―あ。
時折忘れるけど、僕達駒王学園側の天使・教会側は、便宜上はイリナさんがリーダーだったね。
ただカズヒは、この時にちょっと苦笑いを浮かべていた。
「クロード長官が気を回したみたいで、私と付き合いが深いメンバーが来るのよ。ちなみに潜入しているのも私の知り合い……ディックやラトスみたいな距離感ね」
……なるほど。
「つまりカズヒ組が来るって感じか」
「やめて。不良集団や極道みたいな感じに言うのやめて」
イッセー君に反論するカズヒだけど、案外似合ってるというかなんというか。
硬派な不良や、仁義を大事にする任侠的なところはあるよね、本当に。
まぁ、それはともかくだ。
「道間家の関係者が来るにしても、大丈夫なのかい?」
道間藤姫氏など、信用できる人は多いだろう。
だが道間家は基本的に大王派。それもフロンズ達若手とは関わってない者達が多数存在している。
そしてフロンズ・フィーニクスもまた、基本的に政敵の立場は崩していない。イッセー君達とは相容れない存在だ。
そしてフロンズ氏が手綱を握っていないのなら無視できない所業をすることも、これまでの経験でしっかりと分かっている。
……そんな大王派と密接につながっている、道間家の物を信用しきっていいものだろうか?
僕と同じことを思っている人は多いようだが、その時リーネスが苦笑していた。
「安心して頂戴? 今回、フロンズ・フィーニクスからの指示で、藤姫様の派閥から派遣されるらしいからぁ」
「え、そうなの?」
イッセー君が代表して、思わずきょとんとしてしまった僕らの代弁をしてくれる。
藤姫氏達の派閥は、大王派との蜜月関係に拘らずコネクションを増やそうとする派閥だ。
価値観近しい者が多い大王派との関係悪化に繋がりかねない点で言えば、
こちらとしては都合がいいがそれはそれでいいのだろうか?
フロンズ氏が他の派閥や大王派から嫌われると、それはそれで面倒なことになるのは間違いないんだけどね。
「大丈夫? ややこしいことになんない?」
「……今大王派が揺れると困ります」
ヒツギと小猫ちゃんがそういうのも当然。そういうレベルで難点が豊富にある事態だからね。
不正の告発により発言力が大きく落ち、そこで数多くの恩恵を冥界に与えたフィーニクス家次期当主のフロンズ・フィーニクスがそのコネクションと政治力を生かした結果、事実上大王派は小さく落ち着いている。
裏を返せば、まとまりがなくなるとこちらが困るということだ。
ただ、そちらに関してはリアス姉さんが苦笑しているからなさそうだね。
「その辺りについては上手くやったようね。今後の各勢力との連携をする一環として、道間家の派閥間でリレー形式をするみたい。フロンズも「下手にこちら側を出すとしなくて良い諍いが生まれかねない」とか言ったみたいよ?」
「流石に上手く立ち回ったということか。まぁ、それぐらいなら不安も懸念もないだろう」
ゼノヴィアが納得している中、リアス姉さんは後ろを振り向いた。
……あ、もしかしてそういうこと?
「ということで、入ってきていいわよ?」
「はーいっ!!」
と、元気よく扉を開けて入ってきたのは、金髪の少女だ。
金髪碧眼の可愛らしい少女だね。髪を耳元で二つに束ねているのも可愛らしい。年齢は高校生前後といったところだろうか―
「「………はぁぁああああ!?」」
……何故か、リーネスと南空さんが絶句している。
唖然としているけど、何かあったのかな?
僕達が困惑していると、こちらも二度見していたカズヒが、微笑んでいるリアス姉さんを軽く睨んでいる。
「色々突っ込みたいけれど、真面目な話にサプライズはあまり混ぜないでもらえる?」
あはは。リアス姉さん、そういうところがあるよね……。
と、オトメさんも目をぱちくりさせていた。
あれ? もしかして共通の知り合い?
ただあの外見だと、年齢的に四人の前世が絡むとは思えない。道間の関係者、その子供辺りだろうか?
いやまぁ、魔術回路保有者は不老長命の手段にも長けているようだから、もしかすると長老とかそういう可能性もあるね。子供っぽい動きと返事だったけど、そういう悪魔もいるし。
僕がそう考えていると、オトメさんが真っ先に我に返ったようだ。
「えっと、ミイネスちゃん……の、娘さん?」
「あ、やっぱりお知り合いの関係者?」
リヴァさんがそう指を口元に当てて首を傾げるけど、そこで女の子は首を横に振った。
「正真正銘のミイネス・ドーマです! 姉のアイネス……じゃなかった、リーネス・エグリゴリがお世話になってます♪」
ウインクしながらの返事だけど……ん?
「………えっと……」
凄く複雑な表情で、カズヒ・南空さん・オトメさんがリーネスの方を向いていた。
「えっとぉ……ミイネス? 本当に?」
「もちろんです、姉さま」
「……本体? 記憶を転写したホムンクルスとか?」
「違う違う。単純に不老の魔術に全力ぶっぱしただけだよ?」
あ、なるほど。
魔術回路を利用した魔術は、不老長命とかにも手札があるとは知っていた。それを極めた感じかな?
言い方はあれだけど、リーネスの妹さんなら優秀だろう。確か弟さん、藤姫氏の補佐に近い立場だったようだし。
とはいえ、ここでこう言った人脈が生まれるとはね。
「……あなたの魔術回路でそのレベルってぇ、どう考えても一極集中すぎないかしらぁ?」
「もちろんです姉さま! 家を継ぐわけでもないので、結構自由にフリーでやってます! ただまぁ、特許幾つかとってるので、道間家の仕事もそこそこやってる感じです」
な、なるほど。
……あれ?
何故かイッセー君が小首を傾げている。
今までの説明に問題はなかった気が―
「ぁああああああああっ!?」
―一体何だい?!
僕達がぎょっとしていると、イッセー君は震える指でミイネスさんを指さした。
「貴女は、貴女は伝説のコスプレイヤー「ねっすん」ですか!?」
「あ、知ってる人いたんだ!」
え、お知り合い?
っていうか、今コスプレイヤーっていったような―
「知ってるのぉ……っていうか、コスプレイヤー?」
「十年以上前から現れた「自称二十代」のコスプレイヤーです! 夏と冬の戦争*1でも、代行業者を経由してROMを販売。何年経っても老けない姿から画像修正を疑われつつも、小規模イベントでは乱入する形で姿を見せる生ける伝説! 委託販売込みで毎年数百万は稼いでいる、コスプレ会の化け物です!!」
凄いところが来たね。
え、コスプレ? というか、同人活動ってそこまで稼げるものだったのか……?
「ふぅ。まぁ、今回は姉さまと会いたかったこともあって、交換要員としてきました! あ、旦那様も連れてきてるんですけど、呼んでいいですか?」
「結婚してたのぉ!? いえ、当然だけれどぉ……大丈夫ぅ?」
リーネスがかなり困惑している。
ただ、問題はなさそうな感じに見えるね。
ほんのり頬を赤らめているミイネスさんは、かなり幸せそうだし。
「意気投合して三年経ってから結婚したから大丈夫! 育也くん、入ってきて―?」
と、ミイネスさんに呼ばれて部屋に入ってくる人がいた。
これまた十代半ばと言われても信じる若い少年にしか見えない男性。だけど、結婚関係の法律も踏まえれば二十代にはなっていておかしくないけど……?
「初めまして、皆さん。ミイネスの夫で補佐も務めている、育也・ドーマと申します」
彼はそう言って一礼する。
そして顔を上げた時、視線が一か所に向けられていた。
ほんの一瞬。すぐに僕達全員に戻したけど、間違いなく彼はその視線を一人に向けていた。
「……初めまして。まぁ、今後もちょくちょく顔を合わせるのかしらね」
それにもちろん気づいていながら、カズヒもあえて流していた。
和地Side
俺は今、天を仰いでガッツボーズをしていた。
「よっしゃぁあああああああっ! とりあえず全お客様にグラス一杯奢れたぁあああああっ!!」
「なんか、本当にすいません」
「気にしなくていいよー。九成君がなんかお金でやばくなってるのは大体知ってるし」
後ろで春っちとデュリオが会話しているのはあえてスルーする。
努力して、頑張って、そのうえで。何とか派手にお金を使うことができた。いやっほう!
ああ、お金を使うことができる幸せ……。
「なんつーか、大丈夫か?」
「その、本当に大丈夫ですか?」
なんか若い男と女の子に言われてるけど気にしない!
清貧を尊ぶ信徒から天使になった者には分かるまい。使っても使っても減らないお金を見るこの感覚は!!
「俺を心配するのなら、高い注文をして俺に奢られろ!!」
「本当に落ち着きたまえ」
年配の方にまで言われた!?
「まぁまぁみんな。九成君はほら、意外と暴走する子だから」
「喧嘩売ってるのかデュリオ」
ジト目でデュリオを軽く睨む。
ふん。清貧を旨とする信徒にあり得ないレベルの金を与えられた存在の悩みは分かるまい。持つ者には持つ者の苦労があるんだよ。
冗談抜きで小国の軍事予算、弱小国なら年間国家予算に匹敵する資金が入ってきているんだぞ。言っちゃなんだが、俺の経済観念において身の丈を超えているのは確実だ。
身の丈に合わないものに人は振り回されるもの。純粋な力はもちろん、金もまたしかり。
正直苦労しているというほかない。
「まぁその辺にしたまえ。突然降ってわいた多すぎる要素というものは、決して無視できない負担になる者だ」
と、デュリオ達と一緒にいた傑物。リュディガー・ローゼンクロイツ殿がフォローを入れてくれた。
「人間の転生悪魔でも、長すぎる寿命を持て余すケースは多々ある者だ。資金においてもそういったことはあるだろうさ」
「ご配慮感謝します!」
ありがたいフォローだ、本当に。
「……というかデュリオ。いい機会だしちょっとほら、教会の大規模慈善事業とか紹介してくれ。とりあえず日本円換算で数十億ぐらい出したい……出させてください」
「本当に振り回されてるね……」
デュリオにすら軽く引かれた。
いやまぁ、本当に苦労しているわけだがな。
流石にいきなり小国年間軍事予算級はきつかった。基本的には今後は香辛料主体だから、来年はまだ落ち着くだろう。だが数百億円クラスは入ってくるだろう……多分新規も出るだろうし。
本当に、年間百億円ぐらいは消費できる体制を確立しないとな。まぁ色々相談しているし、その辺りは何とかできるとは思いたいけど。
「それにしても、監督のホームだからってこのメンツも凄いわね」
「監督には感謝もしているからな。今後の交流も兼ねているのだよ」
と、春っちも天界の切り札チームの女王を担当する、ディートヘルム氏と話している。
とはいえだ。
「そういえば、先日は君のチームの
「リュディガー殿。流石にその辺りのプライベートな話は春っちの立場だと……察していただきたい」
さらりと探りを入れてくる、リュディガー殿と相席で食事をするのはうかつだったかもしれない。
なんというか抜け目がない印象があるからな。一見するとゲームには関係なさそうだけど、どこから情報をとってくるか分からない印象もあるから気を付けないとな。
俺が食事に連れ出した所為で敗北に繋がると、春っちも気にするかもしれない。腹芸は苦手なタイプだし、この辺りは俺がフォローしとくか。
そしてこういう流れなら、俺から降るというのも一種の手段か。
「しかしまぁ、意外でしたね」
とりあえず、リュディガー殿に話を振り続けるぐらいでちょうどいいだろう。論戦や腹の探り合いでは、人間上がりで最上級悪魔の上澄みになっている彼には敵わないしな。徹底的に攻めて仕掛けられないようにしないと。
「和平が結ばれてまだ一年たってないというのに、天界が誇る転生天使のジョーカーとつながりがあるとは。リュディガー殿はD×Dに属してない以上、接点が思いつきませんし」
嘘は言わずに聞くとするか。腹を探られないようにしないと。
だからこそ、本音の疑問を吹っ掛ける。
リュディガー・ローゼンクロイツ殿は、人間から転生し最上級悪魔になった傑物。加えると、レーティングゲームで凄まじい勝率を誇る、ゲームで有名になった人物だ。
上級悪魔になれたという時点で優秀だが、彼が一気に躍進したのはそこから。上級悪魔として己の眷属を会得し、ゲームにおいて王として参加してから。そこから一気に大躍進を遂げた人物だ。
その彼が監督となったことも、天界の切り札チームが連戦連勝を成し遂げている大きな要素だろう。
レーティングゲームにも監督という要素はあるのだが、基本的に生涯現役を貫ける悪魔社会だとあまり広まらなかった。その為、アザゼル杯でも監督を迎えているチームは案外少ない。
だが、その監督にリュディガー殿という最適な人物が参加。格上ともいえるチームすらからめとる天界の切り札チームは、上澄みレベルの優勝候補に次ぐチームだ。
「いや~。実は監督とは和平が結ばれてからそんなたってない頃に知り合ってね。ぶっちゃけ、イッセーどんたちより早く顔を合わせた仲なんだよね」
と、デュリオがそう返してくる。
ふむふむ。プライベートに深入りしないレベルだとこの程度か。
とはいえ、春っちから情報を抜き出されないようにするには早めに動かないとな。
よし、ならこっちでいこう。
「……なるほど。しかしそうなると、悪魔社会でも別の方向性で貴方と繋ぎを作りたいという貴族も出てくるでしょう? というか、目ざとく見つけてすり寄ってきた手合いもいるのでは?」
「ははは。まぁプライベート一歩手前もあり、気づかれても流すけどね」
よし、話の流れを誘導できた。
これが逆に誘い出されたのならもう仕方ない。とりあえず前向きにいこう。
「となると、魔王様方からも来られたかもしれませんね、グレイフィアさんとか」
いい機会だ。違う視点から探るとするか。
「グレイフィア様か。彼女も連戦連勝のようだ。かの悪祓銀弾を真っ向から一蹴するとはね」
「こちらも驚いてますよ。彼女、優勝候補すら一敗することが多い中で、無敗ですからね」
ほんと、あの人何をしているのか。
フロンズと手を組んで何を考えているのか。味方ではあるが油断してはいけない側だとは理解しているだろうし、何より大王派の実権を握っている輩に魔王派側の彼女がすり寄り理由がよく分からない。
なので―
「ちなみに、海千山千の政治の世界にも知見があるだろうリュディガー氏としては、その辺りはどう思いますか?」
―俺より詳しいだろう人に、意見を伺うとするか。
ようやく出せたアイネスの妹。若作り一点特化型魔術回路保有者、ミイネス・ドーマ。
不老長命は型月魔術界隈だといくらかあるので、特化型を出しても問題ないだろうと思った今日この頃。まぁそれだけってのもあれなので、こんな感じで癖の強いキャラになっている夫持ちとなっております。
また同時進行でカズヒ組が増員されます。前々から設定はしていたのですが、出す機会がなかなかなくこうして遅れに遅れたことをお詫びします。