混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 最近執筆速度が落ちてはいるけれど、何とか頑張っているグレン×グレンでっす!

 そして闇動神備編もクライマックス! さぁ、派手にいくぜぇええええ!!


闇動神備編 第三十七話 試合と事件、同時決着!!

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 聖従士の疾駆(サーヴァント・メルカバ)。これが俺の作り出した新たなる禁手(バランス・ブレイカー)だ。

 

 知っている者も数多いが、俺は禁手の才能が糞の如く低い。底辺中の底辺と言っていいレベルに低い。イッセーの方がまだ高いレベルで低い。

 

 持続時間を三倍にするパラディンドッグプログライズキー。それをもってして、俺は凄まじく持続時間が低い。到達して至りたての時期だった木場の方が長いくらい短い。

 

 研究の最先端たるアザゼル先生的に、数日使えて漸く及第点。優れた使い手ともなれば、ひと月は持たせられるのが禁手の世界。それぐらい当たり前に使いこなせて当然の、神器の上位形態が禁手だ。

 

 だが、俺はパラディンドッグを使ってなお、数時間という領域すら難しい。結果として、負荷が大きい為保険として設定されたはずのアサルトグリップが主体となっているほどだ。星辰奏者(エスペラント)の頑丈さ、パナい。

 

 まぁそういうわけで、俺も何とかするべく努力はしている。だがあまりにも成果に繋がらない。

 

 未だ素では一時間持たない。これではまずいと、力の的確な制御による消耗の制御を練習すれば、初手で連続100点満点の成果を上げてしまった。つまり燃費の見直しやリソース配分の再編は一切の余地がない。地力を上げる以外の選択肢がなかった。

 

 だがしかし、俺は此処で一つの発想の転換を思いついた。

 

 それがパラディンドッグ。禁手の増強ユニットである、俺の手札の見直しだ。

 

 本来、持続時間を三倍にすることで大きく長期戦の余地を作り、+使い分けるという新機軸で多様性を確立させるというのがパラディンドッグの性質。それでも初手では十分持たない体たらくだが、ここに俺は着目した。

 

 ……パラディンドッグとの同調に特化した禁手に至れば、更なる長時間運用が可能ではないか。

 

 その結果こそが、俺の新禁手。聖従士の疾駆。

 

 欠点としてはパラディンドッグを疾走車輪(ソニック・チャリオット)に直接装填して至らせる為、他の神器の多様性が得られない点。まぁ試験段階だ。……これで漸く数時間持たせられるレベルだし、控えめに言って禁手としては片手落ちだ。

 

 だが、こういう時の様子見には十分すぎる効果を持つ。

 

 結論として、俺はこの段階で使ってみて大成功だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―いや、なんか大騒ぎになりすぎだろ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

「和地!?」

 

 気づかれている可能性はあった。そのうえで、何かをするにしても春菜を無視するようなことはしないと思っていた。

 

 とはいえ、禁手だけを送り付けて様子見なんて想定外。そんなレベルのポテンシャルが、今の和地にあるなんて想定外だわ。

 

『……あ~、うん。驚いている理由は分かるけど、ちょっとぐらい泣いていいか?』

 

「あ、ごめんなさい」

 

 ちょっと態度で示しすぎたかしら。後で膝枕ぐらいしてあげた方がいいわね、これ。

 

 あ、よく見たらパラディンドッグが装填されてるわね。

 

 パラディンドッグを禁手そのものに装填すること前提で設計することで、単独運用限定で長時間運用を狙った試験的禁手かしら。

 

 ちょっと困惑しているけれど、しかしこの増援はとても頼もしい。

 

 既に降下して戦闘態勢に入っているけれど、徒手空拳による戦闘だけで、戦力として十分すぎる以上に機能している。

 

 英才教育を大真面目に受け、更に幾つもの戦いを潜り抜けた。九成和地は、どんな時でも一定以上の戦闘能力を発揮できる歴戦の戦士だ。

 

 そして何より。

 

『今だカズヒ!』

 

「ええ!」

 

 ―比翼連理たる私にとって、最も頼りになる連携相手。

 

 立ち回りそのものが私を効果的に移動させる手法であり、ゆえに私は本命に辿り着いている。

 

「すげぇ!?」

 

「なんと!?」

 

 真一とライネが一瞬唖然となるほどに、私は流れるようにチャッカ・ディーゼルを間合いに捉えていた。

 

「……え?」

 

 唖然となるチャッカは、しかし神器による炎を反射で放つ。

 

 流石は、あのヴィールから逃げおおせた男。ただの無能では断じてなく、少なくとも鉄火場においてそれなりの正確な判断力を持っている。

 

 だからこそ。

 

「まだだっ!」

 

 それを突貫し、強引に気合で吹き飛ばして私は奴を殴り飛ばす。

 

 二撃目を回避しながらの打撃は、チャッカの骨盤を砕く。

 

 人間の移動は基本的に二足歩行。ゆえに要たる骨盤を破壊されれば、奴は逃げる動作に支障があまりに出る。というか、常人は骨が砕けた激痛を無視して全力行動など鍛えてもできないことが殆どだ。

 

「あ……が……~~~~~~っ!?」

 

 よし、悶絶してるから意識はある程度割けば大丈夫。

 

「てめえ!」

 

「させるか!」

 

 反応する奴が出てくるけど、甘い。

 

「いいでしょう、しのげるものならしのぎなさい——―火炎強化(スピネル・ブースト)

 

 ちょうどいいから、手にしたばかりの()()()を喰らうがいい。

 

 私が新たな武器を手にして駆け出すその瞬間、敵の一人であるバーンズ・ウルカヌスが目を点にした。

 

「え、ボス……?」

 

「隙だらけよ!!」

 

「「がぼあああああああああっ!?」」

 

 その隙を逃さず、私は強化魔術でとにかく死なないようにしたチャッカを武器として、バーンズに連撃を叩き込む。

 

 必然、周囲の連中はほぼほぼもれなくドンビキだ。敵味方関係なく、唖然となっている。

 

 だがしかし、たった一人は確実にここで動ける。

 

 そう―

 

「もらった隙あり!」

 

「「「「「ぐぅおわぁああああ!?」」」」」

 

 ―同じリマ部隊の出身である、ライネは問題なく戦闘可能だ。

 

 辺獄騎士団の対人戦闘技法の一つ。対集団戦における武器迎撃兼士気削減の手法であり、敵集団に対する敵攻撃。これぞ教会二千年の歴史が編み出した対敵集団殲滅戦術!

 

 すなわち、敵そのものではなく敵の攻撃・反撃・迎撃に狙いを絞った、敵の同志を武器とした能動的攻撃戦闘術。そして緩んだ士気をつき、敵事敵を吹き飛ばす。これこそ、教会暗部の真骨頂だ。

 

『……こういう時、怖いよなぁ』

 

「同感です」

 

 和地も真一も引き気味だけど、すぐに我に返って戦闘態勢をとってくれて何よりだわ。

 

 ……一人姿が見えないけれど、これなら一気に仕掛けられるか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずいぞ! チャッカの奴が捕縛された! 今は武器にされているらしい!!」

 

『『『『『『『『『『……はぁ!?』』』』』』』』』』

 

 クロスブレイカーの連中が呆気に取られるその報告。それが、俺達にとっての勝利のきっかけだった。

 

 敵が捕縛されて武器にされている。確かに聞けば聞くほど訳が分からないだろうさ。

 

 だが、俺達オカ研は知っている。敵を武器にして味方を落ち着かせる為に一回ボコった奴がいる。実績をもってして、「こいつはそういう時ああいうことをする」と、納得させる奴がいる。

 

 そう―

 

「「カズヒがやったんだな!!」」

 

 ―カズヒの大暴れだ!

 

 何があったか知らないが、よくやったカズヒ! マジ助かった!

 

 カズヒが創ってくれたこのチャンス。俺達は決して逃しはしない!

 

 喰らいやがれ、オカ研二大パワー馬鹿の大技を!!

 

「クリムゾン……ブラスター!」

 

「クロス……クライシス!!」

 

 俺とゼノヴィアの大技が、一気に敵を吹き飛ばす。

 

「いえ、確かに納得なのですが。納得なんですけど納得してしまうのが悲しいというか……」

 

 そこは気にしたら負けだぜ、シャルロット!!

 

 いやマジで。そこは適度スルーしないと、多分やっていけないぜ?

 

『そうだな。俺が相棒の乳覚醒に耐え切れず、薬漬けになったようなもんだ』

 

 ドライグストップ。その例えはなんかやめて?

 

「なるほど。世界の真理ですね」

 

 シャルロットもその納得っぷりはやめて。

 

「ふっ。イッセーと乳、カズヒのガチ。この二つは本当に予想外の権化だからな」

 

 ゼノヴィアまで!?

 

「畜生ぉおおおおお! こうなったら八つ当たりだぁああああ!」

 

「ええい! これが乳龍帝と悪祓銀弾ということかぁっ!?」

 

 なんかもう、俺は泣きながら拳を握り、嫌な納得を見せてきやがったミゼルを思いっきり殴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕達が敵人工神器兵器を粗方破壊し終えた時には、趨勢はほぼほぼ確定していた。

 

 どうも九成君が、遠隔操作で禁手を持ってきて参戦したらしい。正直ちょっとよく分からないけど、彼は中々に独創的な発想を、その卓越したテクニックと制御能力で実現させるからね。イッセー君やカズヒとは別の意味で何をしてくるか分からない。

 

「……とはいえ、中々に厄介だったね」

 

「そうっスね。まさか新顔の人工神器兵器が……これとはねぇ……」

 

 僕がため息をつくと、アニル君も吐き捨てたくなるような表情を浮かべている。

 

 イリナさんに至っては、冥福を祈るべく祈りを無言で捧げているからね。当然とはいえ、これはきつい。

 

 そして、僕はその原因となる()()を見る。

 

 破壊した人工神器兵器。その残骸から、破壊のパターンから奇跡的に残ったコアユニット。

 

 自壊システムを内蔵していたのかチリと化す兵器の中枢。その材料となった存在を見る。

 

 それは人体。だが体の殆どを切除され、内蔵や骨格が当たり前のように露出したものが、培養槽のようなユニットの中に鎮座されている。

 

 機械に組み込まれたも同然なそれは、心臓や血管といった生命維持に必須な部分以外は、本当に殆ど切除されている。見ている分には断言できないけど、脳も大部分が切除されているだろう。

 

 これを見て、僕はこの人工神器兵器のコンセプトが分かったような気がした。

 

 これまでの人工神器兵器は、再現された神器と扱う人物の間に、宿す人体を人工神器に最適化する形で模造した大型の人型を用意する形だった。これにより、使用者に対する悪影響を抑えつつ、大型化による高性能化も実現している。

 

 だが目の前のこれは全く別のコンセプト。いうなれば、人体そのものを材料に、高性能かつ望み通りに動く神器保有者を作るといったものだ。

 

 発想からしておぞましい。英雄派が禁手に至る方法を確立させる為にやったこともえげつないけれど、これに比べればまだましだろう。

 

『……こちらカズヒ。敵の大半は捕縛もしくは討伐したけれど、クロスブレイカーのサザーランドを逃がしたわ』

 

『イッセーだ! 悪い、ミゼルの奴を取り逃がした!』

 

 そして通信から、敵も決してあっさり壊滅したわけではないと知る。

 

 イッセー君にカズヒ。この二人をもってしても全員撃破及び捕縛とは言い難い結果に終わった。

 

 クロスブレイカー。そしてまだ全容が掴めぬ謎の技術者。

 

 ……どうやら、本当にこの世界は面倒ごとの種に事欠かないようだね……っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふむ。()()()()()()は達成したが、彼らの目的は達成できなかったようだね」

 

『そうなるな。まぁ、お前達のおかげで冥界での活動も可能になったのは良かったがな。これで冥界の試合会場に襲撃を仕掛け、天界に殴り込む為の算段を整えやすくなった』

 

「かまわないさ。こちらも冥界に転移する為のプランをいくつも試せた。比較的こちら好みでないプランの三つ程度で協力が得られるなら安いものだ」

 

『それがどれだけ困難な所業だと思っているのか……まぁいい。では、ここからは互いに好きにするとしよう』

 

「ふむ……む、もう切ったか。まぁいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかしこの世界は実にいい。私のインスピレーションが刺激されすぎるほどに……な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵を数人取り逃がしたが、とりあえずこの場はしのいだか。

 

「まだまだ、いろんな勢力がやばいってことだなこりゃ」

 

「あら~ん? カズ君ってば、そんなことまでできるんだ?」

 

 リヴァねぇが意味深なことを言うけど、まぁ隠すつもりはないから頷いた。

 

 この禁手は使いどころが微妙な点もあるからな。ま、今回のような事態がなければ使いようがないだろう。

 

 まぁ、いくらかの敵に逃げられたのは問題だが、それでも今回のテロは防ぐことができた。幸い大王派もカバーしているようだし、あとは奴らに花を持たせればいいだろう。

 

 それに、今俺が注目するべきはそこじゃない。

 

『……あ~……っ! あとちょっとなのに……っ』

 

『悪いね、俺達の作戦勝ちってことで』

 

 ボロボロのデュリオを目の前にして、思わず天を仰いでいる春っち。

 

 それと同じタイミングで試合終了のホイッスルが鳴り響く。

 

『試合終了ぉおおおおおおっ!! あと一歩まで追いつめられるも、天界の切り札チームがぎりぎりで試合を制しましたぁああああ!』

 

 一騎打ちを勝ってしまったデュリオに、それを待ち構えていた春っちが突貫して奇襲を敢行。趨勢が不利になっている試合の流れを、王の首級を上げることでひっくり返そうとするも一歩及ばず。先に王をとられたことで、春っち達が敗北してしまった。

 

 壮絶な戦いは、初手の作戦が嵌ったことでデュリオ達の勝利となるわけだ。

 

「あそこから追い込めるんだから、春菜の奴もやばいよな」

 

「今回は相手が悪かったみたいだがな……」

 

 ベルナにそう答えながら、俺はすぐに考える。

 

 愛する女の敗北。これに俺がするべきことはただ一つ。

 

「よし、反省会の後の気晴らしパーティを準備しないとな。とりあえず一億円下ろしておこう」

 

「しなくていいから」

 

 なんでだインガ姉ちゃん!?




 そういうわけで、クライマックスは終了。あとはエピローグ及び幕間でこの章も終わりです。

 いろいろと厄介な連中が出てきている上に、かなりえげつない兵器も出てきておりますが、第二部もだいぶ進みました。そろそろ三部も考えていかないといけませんね。

 ……そういうわけで、また次回!
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