混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 はいどうもー! 残念ながら薬続投になったグレン×グレンです……。

 それはともかく、今回の幕間は試験的になっております。

 反響次第ではこれが今後の幕間のデフォルトになるかも?


闇動神備編 幕間 試験的ショートショート

【花嫁修業の成果?】

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか小腹がすいたので、メイドさん達に何か作ってもらおうかと思ってたら、何か裏庭の方が騒がしいな。

 

 メイドさん達が騒いでるのか? 結構年相応なところもあるし、はしゃぐ理由があるならはしゃぐとは思うけど……なんだろう?

 

「どうかしたー?」

 

「あ、イッセー様」

 

 俺が声をかけると、メイドさんの一人が振り返ってくれた。

 

 そしてなんかテンション高めだな。

 

「見てください、イッセー様! ベルナが凄いんです!!」

 

 ん? なんだなんだ?

 

 気になって見てみると、そこには―

 

「我、のんびり漕ぐ……楽しい」

 

「リリスも楽しい」

 

「これがブランコか! 最近は見ないと母上がおっしゃっていたが楽しいな!」

 

 ―オーフィス、リリス、九重が仲良く、ブランコをこいで遊んでいる光景だった。

 

 そういえば、最近はブランコって危ないから撤去されてたりしてるよなぁ。

 

 危ない使い方をして死んだ子供もいるからだけど、寂しく思う時もないでもないかも。

 

 ま、オーフィスとリリスはもちろんブランコ程度で死ぬような奴じゃない。九重も異形のお偉いさんだし、それぐらいの頑丈さはあるから大丈夫か。

 

 で、これがそこまではしゃぐ光景か?

 

 いやまぁ、見ていてすっごく和む光景だとは思う。思うけど、そこまで大きな声を上げることだろうか……いや、女の子はこういうのにきゃいきゃい騒いでしまう的なところもあるんだろう。女心を理解しないとハーレム王なんて維持できないよな、うん。

 

「凄いですよね、イッセー様!」

 

 うん、凄い可愛い光景ではあるよなぁ。

 

 そう思ったけど、何故かメイド達の視線はオーフィス達に向いてなかった。

 

 というか、よく見ると視線の先でベルナがいい汗かいていい笑顔を浮かべてた。

 

「あれ全部ベルナが一人で作ったんですよ! それも、魔力も使わず手作業で!」

 

 へぇ、一人で手作業でブランコ作ったのか。

 

 

 

 

 

 一人で

 

 

 

 

 

 

 

 手作業で

 

 

 

 

 

 

 

 ブランコを作った

 

 

 

 

 

「いや、本当に凄いな!?」

 

 え、マジで!?

 

「ま、これでもお嫁さん目指して特訓とかはしてるんでな。日曜大工の一つや二つはできないとな?」

 

 ベルナはちょっと得意げに謙遜しているけど、いや凄いって!

 

 日曜大工でブランコとか、今どきのお父さんでも早々できな……い?

 

「いや、それどっちかというとお父さん!?」

 

 俺は思わず突っ込んだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ま、まぁ今どきはLGBTとかポリコレとかいうらしいし、これもお母さんがする作業でいいのか……な?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【作って食べてみたい(by作者)】

 祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふふ、久しぶりにみんなに料理をするのもいいものだね。

 

 僕は兵藤邸の大きなキッチンを借りて、ちょっと本気で料理を作る方向に向かっていた。

 

 たまにはこういう、やりがいのある凄いキッチンを使うのもいいものさ。

 

「それで、祐斗様は今回何をお作りになるおつもりですか?」

 

 と、補佐に回ってくれているクックスが訪ねてくる。

 

「ふふ、今回はちょっとチープなものを作ろうと思っているんだ。マッケンチーズバーガーっていうんだけどね」

 

「なるほど。長時間のレーティングゲームに備えた、カロリー重視の料理を練習するおつもりでしたか」

 

 クックスがすぐに気づいてくれて何よりだよ。

 

「……で、私達が補佐でいいの?」

 

 そう聞いてくるのは、今回の補佐役に派遣された成田さん達だ。

 

 まぁ疑問符が出てくるのも分かる。というより、今回クックス達に集めてもらった懲罰従者は料理が不得手気味な人が多いからね。誰もが首を傾げているのも当然だ。

 

 というより、まずはマッケンチーズバーガーについて教えるべきだね。

 

「ま、今回は本格的なものはしないから安心していいよ。だからこそ練習になるかとも思って人選をしてもらったんだ」

 

 マッケンチーズ。別名、マカロニ&チーズ。

 

 アメリカでよく食べられている食事で、チーズを大量に溶かしたチーズクリームにマカロニをからめた料理。

 

 マッケンチーズバーガーはそれをハンバーガーにしたものだけど、今回はマッケンチーズを固めて衣をつけて揚げたものをパンズの代わりにして、チーズinハンバーグをはさんだカロリー特化仕様。

 

 アザゼル杯では長期戦にもなりえるからね。ここは徹底的にジャンクフードを極めたモデルにする予定だよ。カロリー補給は体力を消耗する長期戦には必要だしね。

 

「特に成田さんは、覚えておくとチームのサポートに使えるんじゃないかい? ……っと、行船さんも行けるかもしれませんよ?」

 

「そうですか。……確かに、覚えておくとカロリー補充には最適かもしれませんね」

 

 と、今回参加している行船さんにも勧めておく。

 

 そしてとりあえずはマッケンチーズの作成を始めてみる。

 

 大量のチーズクリームを準備しながら、同時進行でハンバーガーの準備やマカロニを茹でたりもしている。

 

 それを分担しながらやっている中、行船さんが少し首を傾げていた。

 

「……これ、応用したらちょっと形を変えれそうですね。ハート形とか星型とか」

 

「なるほど。そういうのもパーティ料理とかには向いてそうですね」

 

 芸術に関心があるらしいけど、そういう方向性にも理解があるのか、行船さん。

 

「形を変えるねぇ……ハート形……ハート!?」

 

 何故か成田さんがぎょっとしていた。

 

 いやまぁ、ハート形のマッケンチーズバーガーとなれば……九成君にあげるには最適かもね。

 

 少し研究してから、リアス姉さんにも教えてみるべきだろうか? イッセー君は乳製品を使った料理が好きなことが多いし、意外と最適かもね。

 

 そういう意味では若干照れたりするんだろうけど、何故か成田さんはその視線を三美さんに向けていた。

 

「や、やっぱり和っちのことが!? 別に止めないけど……和っちのメイドスキーはもはや根絶不能よね」

 

「……いえちょっと待って春菜。本当にちょっと待って春菜!?」

 

 成田さんがもの凄く動揺した。

 

 ちなみにマッケンチーズが飛び散りそうだったけど、慌てて僕とクックスがカバーを間に合わせた。

 

 そしてその動揺は変なところで波及する。

 

「やっぱりそういうこと! いい感じだったけどそういうこと!?」

 

「キャー! 和地様ってば、イッセー様に負けず劣らず現在進行形ってわけね!!」

 

「これ、私たちもモーションかけるべきかしらね? 逆玉……行けるか!?」

 

「全方位から仕掛けないでください! いえ、まぁ嫌いではないですしいい人ですし……真剣に私のことも気にかけてくださいますけど……あれ?」

 

 三美さんは完全に墓穴状態だね。これはどうしたものか?

 

「……あの、クックスさん? 和地君を見かけませんでした……あれ?」

 

 そこに今度は望月さんが!?

 

 あ、これは終わったね。

 

「望月さん、今すぐ行かないと駄目よ!?」

 

「魔王様の末裔が、眷属悪魔に後れをとっちゃダメかもしれないしね」

 

「いえ、もうここは春菜にも気遣って和地様を呼ぶべきよ! 私呼んできていいですか!?」

 

 キャーキャー騒ぎだすメイド達の勢いに呑まれ、これは収拾がつきそうにない。

 

「……とりあえず、龍騎士でフォローすることにします」

 

「……いえ、その、禁手をそんなことに使ってよろしいのですか?」

 

 残念だけどね、クックス。

 

「こうなった女子は止められないんだ。下手に止めると何が起こるか分からないからね……」

 

 僕はもう、リアス姉さん達でいやというほど知っている。

 

 九成君。今は来ない方が身の為だよ……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【すやすやりん♪】

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 光を極めた精神性を持つ私でも、たまには休みたくなる時がある。

 

 いえ、厳密には「そういうことを意識的に挟むべきとしている」というべきかしらね。

 

 やろうと思えば、私はそういうことを一切しないで進められる。むしろそうするのが生態としての機能になっている節がある。そういう精神性の生命体に目覚めてしまっている自覚がある。

 

 だからこそ、意識してそれを抑えないと、普通や弱者に寄り添えない。挟んでも問題ない弱さを大切にしなければ、瞼の裏の誓いは叶えられない。その気遣いが大事でしょう。

 

 そう思い、自主鍛錬やチーム全体でのミーティングも終わった私は友達とだらけることにした。

 

「まさかお前がお昼寝なんて考えに走るなんてな? ま、俺もたまにはそういうことしたいけどよ!」

 

「たまにはいいでしょう? 勇ちんだって、慣れない社長業務とかもやってて休みがとりづらいわけだし」

 

 と、兵藤邸で軽く勇ちんとミーティングをしていたので、ひと段落ついたから日光浴じみたお昼寝でも誘ってみた。

 

 ……一歩間違えれば不倫と勘違いされるかもしれないわね。あとで和地ともお昼寝するべきかしら?

 

 ……見えるわ。私が寝ている横でテンション爆上げの笑顔で起きっぱなしの和地の姿が。

 

 そんなことを思いながら別館の屋上まで来ると、そこには大きな繭のような物体があった。

 

「なんだありゃ? アザゼル元総督が作った実験品か?」

 

 勇ちんが困惑しているけど、全然違うわね。

 

「いえ、新入りが作った快眠用の技よ。……借りようかしら?」

 

 魔王血族が作った技で、更に魔王血族によるアドバイスがあったとかいうし、効果は絶大でしょうね。

 

 短時間の仮眠なら尚更質に拘るべきだし、真剣に借りるべきかした。

 

 そう思いながら近づいてみると、実にいい匂いがするし気温も穏やかになっているわね。

 

 天気が変わったのかと思って空を見上げてみるけどそんなこともない。

 

 ……凄まじく眠気を誘う環境になっている気がするわね。

 

 思わずこのまま眠ってしまおうかと思った時、電子音が響いた。

 

「……我、お昼寝終了」

 

「リリスはもうちょっと寝たい……」

 

「むぅ~……いかんぞ? 気持ちは分かるが、リース殿も起きねば夜が眠れぬからのぉ」

 

 と、オーフィス・リリス・九重のちびっこ三人が繭から出てきたわね。

 

 とりあえず、一番年上{そういう次元でもない}はずのオーフィス、よだれ垂れてるわよ。

 

「よく分からないけど、とりあえず三人ともしっかりなさい。ほら、ウェットティッシュ{ノンアルコール}があるからオーフィスは口元吹きなさい?」

 

「母親してんなぁ、日美っち。っと、目ヤニがついてるからお前さんも吹いとけ」

 

 と、私と勇ちんが寝起きのちびっこ達をフォローしていると、繭が空間に溶けていく。

 

「……くぁ~……久しぶりによく寝た~」

 

 あ、やっぱり亜香里だったわね。

 

「新技でも作ったのかしら、亜香里」

 

「あ、カズヒ。ふっふ~ん、凄いでしょ♪」

 

 私が声をかけると、亜香里は自慢げに胸を張る。

 

「トロイドさんからもらったアドバイスをもとに、新しく作ってみました! 空間内に入った人が、必ず眠りやすくなる匂いとか体感温度になるようにしてます! あとは音も考え中!」

 

 また凄い進化を遂げているというか、アドバイスを受けてたのは本当にね。

 

 そういえばそんな話をイッセーから聞いた気もするけど。確かグレイフィアさんについているベルゼブブだったわね。

 

 ……冥界って、こういう類の技に大真面目に考える癖でもあるのかしら? 特にやんごとなき貴種の類。

 

「まぁ、確かに安眠できそうね。今度私もかけてもらえるかしら?」

 

 私は本心からそういうけど、とりあえずこっちを見た方がいいわね。

 

 具体的には、なんかうつらうつらと舟をこいでいるオーフィスとかを。

 

「とりあえず顔を洗いなさい。あと……カフェオレでも入れてあげるわ。砂糖満載で」

 

「え……あ……」

 

 これ以上寝られると夜が危険ね。オーフィスはともかく、正真正銘幼子のリリスや九重まで巻き込んで夜更かしされるのはね。

 

「はっはっは! ま、子供はそういうもんだろうさ! よっし! おっちゃんが洗面所まで運んでやるぜ……レッツゴー!」

 

「「ごー」」

 

「おお、早いのじゃー!」

 

 勇ちんが豪快に三人を抱えると、そのまま適度な小走りで走っていく。

 

 ……流石子持ちの既婚者。こういう時は頼りになるわ。

 

 ……ま、それはそれとして気遣われたみたいだけど。

 

「で、意味深にちょっと言いたげなのは何かしら?」

 

「あ、分かってた?」

 

 それはねぇ。

 

 私は苦笑しながら亜香里に向き合うと、軽く肩をすくめる。

 

「とりあえずいうだけ言ってみなさい? できるかどうかを判断してから返答してあげるわよ」

 

 さて、一体何を相談するのかしらね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【お蕎麦、美味しいよね】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺、九成和地はただいま外食をしている。

 

「ずるずる……美味い」

 

「ずるずる……ほんとね」

 

「……ず、ずるずる食べるんだ……いいの?」

 

「そういう食べ方なのね……ずるずる」

 

 と、チームメンバーのザンブレイブ姉妹に日本文化の紹介ということで、蕎麦屋に来ている。

 

 そのうえでその蕎麦屋が天ぷら蕎麦を売りにしていると聞いたので、誘ってみてきたのが鶴羽。

 

 天ぷら好きの鶴羽と一緒に天ぷら蕎麦を食べながら、俺達はまぁだべったりもしている。

 

「しかしまぁ、どこもかしこも激戦だよな」

 

「そうね。異形の戦いは想定外の規模だわ。星辰奏者の身でも苦戦必須だもの」

 

「シルファちゃんに同感かな? ずるる……あ、美味しい」

 

 シルファと共に俺が軽くため息気味になっていると、意を決して堪能しているヴィーナも頷いている。

 

 まぁ、異形の戦闘は色々あれだからな。

 

 核兵器でも死なないような連中がゴロゴロ出てくる業界だからな。星辰奏者でも並レベルでは、下級レベルの異形を相手にするのが限界となるだろう。

 

 人造惑星レベルであろうと生半可な手合いでは、並の上級悪魔が眷属を率いれば戦いようは十分あるだろう。糞親父達ステラフレームが化け物なのは、その設計思想が人工神器兵器のある種の発想の転換もあってのものだ。

 

 そういう魔境の経験は、おそらく今後偉業と関わるなら必須だろう。二人とも神器は持っているうえで星辰奏者だからこそ戦力価値も大きいが、其れだって限界はあるだろうしな。

 

 まぁそれはともかくとしてだ。

 

「お互いそろそろ、戦力の底上げとか考えた方がいいよなぁ。あてはあるのか?」

 

「今のところはないわね。カズヒ組はほら、メンバー追加は立場上難しいらしいし」

 

 軽く鎌をかけてみるけど、鶴羽はさらりと流した。

 

「シエラ部隊のアンナとか、リマ部隊のライネは表に出ると駄目な類だから参戦困難。あと真一ってのは表部隊だけど……訳ありだから試合に参加する気はあまりないみたい」

 

「なるほどな。その辺りの備えは必須ってことか」

 

 なるほどなるほど。そういう立場か。

 

 表側といえど訳ありはいるだろう。ついでに言えば、出たがらない立場もあるはずだ。

 

 そういう意味だとストラーダ猊下も出たがらない立場だっただろう。大規模反乱の旗頭になったこともあるだろうしな。よくぞ引っ張り出せたな、リアス先輩。

 

「ま、その辺りは何とか頑張ってみてくれ。立場上応援はできないし容赦もしないけどな」

 

「当然。そっちもぶつかるときに下手なことしないでよね」

 

 俺と鶴羽はそう言い合いながら、拳を軽くぶつけ合う。

 

「おぉ~信頼関係だね! 私達もする?」

 

「はいはい。妙な感化されないでよね、お姉ちゃん」

 

 ふふふ。これも絆を結んだからこそってものだ。

 

 ま、となるとこっちも情報は隠した方がいいんだが……話を振ったのならちょっとはな。

 

「ああ、そうだ。……今度チームに参加したい人がいるから、後で顔合わせするんでよろしく」

 

「あら、そうなの? ま、その辺の経験値は薄いから、発言は控えることになるでしょうけど」

 

 さらりとシルファは流すが、ヴィーナの方はチラチラと鶴羽の方を見ながら首を傾げる。

 

「えっと、聞かれちゃってもいい人物なの?」

 

「とりあえず、鶴羽がその気になれば当たりはつけられる人物だと言っておく」

 

「へ~……? ま、嘘は言わないけど変な誘導はしてそうねぇ?」

 

 流石に勘づくか。ま、そこも踏まえての発言だが。

 

 さて、お互いどんな感じで激戦が広がることやら……な?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【星宿す聖王剣】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『わぁあああああああああああっ!!!』』』』』』』』』』』

 

 歓声が鳴り響く中、一つの試合が終了する。

 

『決着! 教会が誇る聖都守護連隊の守りを貫き、明星の白龍皇チームが勝利を掴みましたぁああああああ!!』

 

 実況が声を響かせる通り、ヴァーリ・ルシファー達は聖都守護連隊を下した。

 

 バチカンの防衛を大前提とする悪魔祓いの部隊。教会の地球における本拠地でもあるバチカンの守護を担当するがゆえに、彼らは高い実力が認められた者達だけで構成されている。

 

 必然、ヴァーリ達でも簡単に勝てる相手ではなかった。

 

 だがしかし、これはレーティングゲーム。その差はどうしても無視できない。

 

 参加人数に制限がかかるレーティングゲームでは、聖都守護連隊は全員を投入することが不可能。逆にヴァーリチームは、少数精鋭故に全員が参加してなお余裕がある。

 

 この差が大きく作用したこともあり、ヴァーリチームは激戦の末、勝利を獲得した。

 

 そして、その壮絶な試合で最も注目を引いたのが―

 

「……私の勝ちですね」

 

「……ええ、そうなるわ」

 

 ―ペンドラゴン家同士の激突だった。

 

 ヴァーリチーム所属、本家嫡男アーサー・ペンドラゴン。

 

 聖都守護連隊所属、分家令嬢メローナ・ペンドラゴン。

 

 ペンドラゴン家同時の激突は、双方が卓越した剣士であることも相まってまさに熾烈。この試合において、もっとも観客の注目を集めて、彼らを沸かせた激戦となる。

 

 そしてその戦いにおいて、メローナ・ペンドラゴンは勝算が十分すぎるほどにあった。

 

 最強の聖剣たる聖王剣コールブランド。アーサー・ペンドラゴンは当代最強の担い手だが、しかしそれをもってしてもメローナに勝算はあった。

 

 それは、カズヒ・シチャースチエがヴァーリチームを下したことで彼らに下された沙汰にある。

 

 同じようにテロリストにコールブランドが悪用されることを警戒するという理由の元、コールブランドは徹底的に解析され、量産型の開発が行われた。

 

 完成された聖剣の名はカリブリヌス。諸説あるエクスカリバーやコールブランドの別名から取られたその聖剣は、コールブランドの下位互換であると同時に、いくつかの能力を付与された種類が作られている。

 

 教会仕様、カリブリヌス・ロザリオ。聖なるオーラを放つ銃を具現化する機能を組み込むことで、近年生産ラインが整った人工聖剣因子による人工聖剣使いとなった悪魔祓いの武装として採用されている。

 

 ペンドラゴン分家仕様、カリブリヌス・ノウブル。ペンドラゴン分家を同様の事態のカウンターにすることを目的として作られ、コールブランドと共鳴し抑制する力を宿す。

 

 更にチームD×Dに属するアニル・ペンドラゴンには専用のカリブリヌスが用立てられているが、基本的には上記二種が存在。

 

 そして、ペンドラゴン分家であり聖都守護連隊の若きエースでもあるメローナは、ロザリオとノウブルの二刀流で戦闘を行使した。

 

 当人の経験値もあり、決して勝算は低くなかった。

 

 ……アーサー・ペンドラゴンが、今までの延長線上の成長を遂げていたのなら。

 

「まさか、今更星辰奏者(エスペラント)になっているとは思わなかったわ」

 

「私も割と悩みました。ですが、これもまた一つの時代の変化と受け止めましたよ」

 

 メローナにそう返すアーサーは、そのうえで小さく微笑んだ。

 

「少なくとも、これで彼と対等の戦いになりますからね」

 

 そう告げるアーサーの脳裏に浮かぶは、まさに化け物といって過言ではないあの剣豪。

 

 戦士に対する天敵。悪祓銀弾と神の子に続く者の同時攻撃すらたやすく攻略した、クシャトリア・キラーたるパラシュラーマ。

 

 それすら断ち切った男、ヴァチカンの誇る最強の聖剣使い。ヴァスコ・ストラーダ。

 

 条件は整った。同じ星辰奏者であり、聖剣の格も同等以上。経験値の圧倒的な差はあれど、それは若さで十分乗り切れる。

 

「さて、彼と戦えるのが楽しみです。……待っていますよ、猊下?」

 




100カノでたまにある連続ショートショート風の話を見て、「あ、これならいろんなキャラの深堀もできるかも?」と思ってやってみました。

反響次第で今後の幕間はこれが主体になるかもです。
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